こんにちは
マーケティングスペシャリストのトロネコです。
今回はどんなゲームでも必ず実施している
PRの効果的な使い方についてご紹介します。
特にPRの中でもプレスリリースに絞ってお話します。
プレスリリースといえば無料でできるプロモーションなので、
凄く雑な言い方になってしまいますが
とりあえず出しておこう!出すことに意味あり
という感覚に多くの人が陥っている印象があります。
しかしPRを担当している現場としては、
なんとかしてPRによるゲーム事業への貢献効果を出したい
でも、数字では出しにくいし、出す方法もわからない
という人が多いのです。
よって、毎日の仕事に追われて、ただなんとなく、ルーチンワークとして続けているという人が結構多いと思います。
「でも、これって非常に勿体ないんです!」
そこで今回、プレスリリースについて本質的な部分に踏み込んだ話をします
これができると、同じプレスリリースでも、その価値が全然違ってくるので、おすすめです。
【目次】
・従来のプレスリリースに対する考え方
・掲載件数による効果測定は意味なし
・掲載媒体件数から広告換算を算出するのも意味ありません
・ プレスリリースの本当の役割を整理してみよう
・ 誰も語らなかった プレスリリースの効果的な使い方
・ プレスリリースが成功するとどんな現象が起きるのか?
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従来のプレスリリースに対する考え方
最初に現状のプレスリリースについてまとめておきましょう。
・商品やサービスが発売されるとき
・企業から伝えたいニュースとして
・会社公式の情報としてプレスリリースを発信する
たぶんこんな感じかと思います。
※ちなみにプレスリリースと呼ばない会社もあり、呼び名は様々です。
今回はプレスリリースという名前を使用します。
従来のプレスリリースを出す目的は、各種媒体メディアに取り上げてもらう事です。よって、各種媒体メディアに夕方には取り上げてもらうために
13時くらいに発信するケースが多いです。
発信先の媒体メディアは大手会社なら配信先リストを持っています。
ゲームの場合は、配信先も限られてくるので、そのリストの中で毎回発信します。
配信リストがない、小規模な会社の場合はプレスリリースを配信してくれる外部サービスを使う場合もあります。
その結果、例えば
10媒体掲載、転載5媒体!合計15媒体!
とったようにメディア掲載されます。
多くのケースで掲載媒体数を持って、PRとしての「効果あり」「効果無し」を判断しようとしています。
掲載件数による効果測定は意味なし
まず、最初に事実をお伝えしなければなりません。
プレスリリースによる「掲載媒体数」は意味がありません。
なぜなら下記の理由があるからです。
プレスリリースの本来の目的は「掲載媒体数」ではなく
掲載された情報がユーザーに届き、ユーザーを動かすことだから
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本来のプレスリリースの目的はこれです。
しかし、多くのケースで「メディアに掲載されること」を目的にしがちです。
もちろん
メディアに掲載されなければユーザーにも届かないじゃん!
というツッコミを受けそうですが
ここは冷静になって考えてみましょう。
10媒体、20媒体、30媒体のメディアに掲載されても
たぶんゲーム内KPIって無風じゃないですか?
(実際に多くのケースで無風です)
なぜなら、メディアに掲載されても、その情報がターゲットユーザーに伝わり、動かせていないからです。
だから、プレスリリースは売上やKPIへの効果が見えにくいと考える人が多いのもわかります。だって実際のところ無風が多いですし。
しかし、ここはもっと冷静になって考えてみましょう
なぜ無風なのでしょうか?
それは、その情報自体にユーザーの心を動かすチカラがないからです。
掲載媒体件数からの広告換算算出は意味ありません
最近はあまり見なくなりましたが
プレスリリースの掲載メディアの件数、掲載場所から、その媒体価値を算出して
今回のプレスリリースの宣伝効果は1億円ありましたよ!
みたいな数字を出す企業もあります。
実はこれも意味がありません。
なぜなら、掲載されても、売上もKPIも無風だからです。
もし、あなたがマーケティング担当なら、売上やKPIに
貢献しない媒体に1億円もかけて広告出稿をしますか?
こたえはノーですね
「マーケティング担当として広告出稿する価値がある!」
と思えないものに対して
「1億円の宣伝効果がありました!」
といっても、これはただの数字遊びになってしまいます。
そして、たぶん、こう思っていませんか?
「無料で出せるプレスリリースだから、まっ、いいか!」
って。
プレスリリースの本当の役割を整理してみよう
前のパートで少しだけ触れていましたが、
ここでプレスリリースの本当の役割について整理しておきましょう。
プレスリリースの本当の役割は次の2つです。
・プレスリリースは新商品、サービス、ニュースをメディアと通して
自社媒体メディアのチカラでは伝えきれないユーザーに伝えること
→自社メディアとしてTwitterを持っていて
そこで伝えれば、全ターゲットユーザーに情報伝達できるなら
そもそもプレスリリースの意味はないですよね?
そこで伝えきれないからプレスリリースを使うわけです。
・メディアに掲載されなければ何も始まらないけど、
メディアに掲載された情報をもってターゲットユーザーの行動を変えて
商品を購入してもらう、アプリをインストールしてもらうこと。
→つまりメディアに掲載されやすく、ユーザーの関心を惹く情報を
プレスリリースは盛り込む必要があります。メディアとユーザーの両方を魅了しなければならないというわけですね。
誰も語らなかった プレスリリースの効果的な使い方
さて、ここからが今回の本題です。
そもそもなぜ、プレスリリースの価値を最大発揮できないのか?
そこに迫っていきましょう。
トロネコが考える原因は次の3つです。
①ゲーム会社が伝えたいことを一方的に発信しているから
→伝えたいこと=世間を驚かすニュース性があるもの
になっていますか?
ユーザーにとっては、どうでもいいことをプレスリリースという
体裁に入れて一方的に伝えているだけではありませんか?
②プレスリリースの情報を受け取るメディア担当者もユーザーであることを理解していないから
→毎日、膨大な量のプレスリリースがゲーム会社からメディアに送られてきます。ゲームメディア担当者の多くはゲーム好きです。つまり一人のゲームファン(ユーザー)です。そんなゲームファンの心を動かす内容になっているのでしょうか?(10連ガチャ無料!XXXクエスト開始!と言われても慣れてしまっていて、メディア担当者もワクワクしないですよね)
③プレスリリースはニュースを伝える手段ではなく自分たちが作ったコンテンツのリトマス試験紙ということを理解していないから
→これはちょっと難しい考え方なのですが、今回、最も重要な部分です。
まず、プレスリリースに乗せるネタ自体が、もう、どうやってもバズるしかないくらいに設計され作りこんであるのが大前提です。あとはそのネタが
どのメディアに掲載されたらもっともバズるのか、テストをしているような感覚でプレスリリースをつくれるとプレスリリースの価値を出せます。
PCゲーマー系媒体
家庭用ゲーム系媒体
トレンドネタ系媒体
各媒体ごとに付いている読者の属性は異なります。
自社メディア(自社Twitterやゲーム内お知らせなど)ではリーチできない読者層に対してネタと投稿することで、バズの波紋の広がりを最大化するところにプレスリリースの価値はあります。
よって、
「 10連ガチャ無料!XXXクエスト開始!」というネタは、多くのプレスリリースで観られますが、この程度のネタしか用意出来ない時点でプレスリリースの価値は出すことはできません。
自社Twitterアカウントやゲーム内で既存ユーザー向けに情報通達するだけで十分です。
プレスリリースで情報を伝えても
ネタ自体が平凡で詰まらなければ価値をだせません。
ネタ自体が圧倒的に面白い状態まで作り込めて初めてプレスリリースを出す権利をゲットできるわけです。
でも多くの場合、こんな感じではないでしょうか?
ゲーム内のログインボーナスや、イベントネタを持ってきて
「これをプレスリリースにして欲しい」
という順番で話が始まります。
しかし、これは間違っていて
「プレスリリースを使って伝えれば世界を驚かせてスルーできないような
ネタって何だろう・・・」という順番で本来考えるべきなのです。
でも、ほとんどのケースで、これはできていません。
プレスリリースが成功するとどんな現象が起きるのか?
バズがほぼ保証された状態まで作り込まれたネタを、プレスリリースを使ってユーザーに届けた場合、それが成功するとどんな事が起きるのか、わかりやすい現象を3つあげておきましょう
・自社からプレスリリースを発信していない媒体に続々転載される
・そのプレスリリースネタを扱ったTwitter投稿のRTが
自社公式Twitterよりも、メディア公式Twitterの方が多くなる
・プレスリリースのネタにもよりますが一般ユーザーが勝手に考察し始めたり、メディアが勝手に特集記事を組んだりする。Youtubeにも動画が勝手にあがりだす
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こんな感じになります。
例えば体験型のWebコンテンツ施策等の場合は、この傾向が顕著で、こちらからお願いしていないのに、メディア側が自主的にそのコンテンツの体験記事を書き始めます。
なぜだと思いますか?
それは前のパートでもお伝えした通り、メディアの掲載担当者も一人の熱心なゲームファンだからです。
ファンですから、これすごい!面白い!というものを放っておくわけにはいきません。そして、そういう熱量で書かれた記事って、ユーザーに伝わるのです。
普通にプレスリリースを出すと
記事をまるまるコピペ掲載されることが多く、そこに熱意は感じられませんが
熱量がある記事には読者にも伝わり、その結果「共感」を生みます。
よって、波紋が立つように情報拡散して、売上、KPIに大きな貢献をしてくれるというわけです。
まとめ
最後にまとめましょう。
プレスリリースの効果を出すには、そのネタ作りが重要で
そのネタ作りをサボっているケースが多いからプレスリリースで効果を出せない
ということになります。
ならばどうすればよいのでしょうか?
今回は3つの対策案を用意しました。
・マーケターと開発チームで圧倒的なネタ作りにこだわる
・PR担当を入れて、メディア、ユーザーに拡散されやすいネタを洗い出す
・バズった他社事例や、都度変化する最近のトレンドを研究する
といったところが対策として考えられます。(他にもありそうですが・・)
ただし、いずれにしても「誰にバズらせたいのか」
マーケティング戦略でターゲットや、そのユーザーに対する刺し方が
まとめられていると、プレスリリースの効果も全然違ってきます。
もうくどいのですが
ちゃんと、徹底的に「マーケティング戦略」をつくることが大切です。
というわけで、今回はここまで