ゲーム事業の広告宣伝費の決め方|スマホゲームと家庭用ゲームの考え方の違いを比較解説

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ゲーム事業の広告宣伝費の決め方|スマホゲームと家庭用ゲームの考え方の違いを比較解説

こんにちは
マーケティングスペシャリストのトロネコです。

今回は結構質問を受けることが多い

「ゲーム事業における宣伝費の決め方」

についてお話します。

ゲーム事業の広告宣伝費は、正解があるわけではありません。
ただし、何を基準に決めるべきかは整理できます。

特に大きいのは、家庭用ゲームとスマホゲームで前提が違うことです。

家庭用ゲームは発売前に売上をある程度予測しやすい一方で、スマホゲームは配信後の実績や継続率、LTVを見ながら判断する必要があります。

さらに実務では、トップダウン、ボトムアップ、ハイブリッドという3つの決め方があります。

この記事では、その違いとメリット・デメリットを整理した上で、スマホゲームと家庭用ゲームで宣伝費をどう考えるべきかを解説します。

この記事では、ゲーム事業の広告宣伝費を考える時に、最低限押さえたい次の3点を整理します。

・家庭用ゲームとスマホゲームで、なぜ考え方が変わるのか
・トップダウン、ボトムアップ、ハイブリッドのどれを使うべきか
・売上、利益、LTV、収益性を踏まえて、どう判断するべきか 

大前提|スマホゲームと家庭用ゲームでは考え方が違う

広告宣伝費の決め方を考えるとき、最初に押さえたいのは、スマホゲームと家庭用ゲームでは前提が違うことです。

家庭用ゲームは、発売前に受注数、初回出荷、販売本数、予約状況を見ながら宣伝費を考えやすい側面があります。

一方でスマホゲームは、配信後の継続率、課金率、LTV、広告効率を見ながら調整していくことが多くなります。

つまり、同じ「広告宣伝費」でも、家庭用ゲームは発売前に比重がおきく、スマホゲームは配信後の実績を見ながら判断する必要があります。

 

ゲーム事業の宣伝費の決め方3つ

そもそも、ゲーム事業の宣伝費は誰が決めるのでしょうか?
宣伝費の決め方は大きく分けると次の3種類に分類できます。

どの決め方が正しいかは、会社の状況によって変わります。

・使える予算が先に決まっている会社はトップダウン型
・各タイトルの収支計画を重視する会社はボトムアップ型
・全体予算とタイトル事情の両方を見たい会社はハイブリッド型

まずは、自社が「お金の上限から考える会社」なのか、「タイトルごとの必要額から考える会社」なのかを確認すると、選びやすくなります。

トップダウン型

会社の経営層がゲーム事業における全体予算を決め、それを各タイトルごとに傾斜配分するケースです。

例)今期のゲーム事業の全体の宣伝予算は全部で1億円
10タイトルあるので均等配分すると平均1000万円

ただし、注力5タイトルには各1500万円、非注力5タイトルには各500万円で配分しよう

といったように一方的にトップダウンで宣伝費を決める方法です。

会社として使える予算やキャッシュが決まっている時は、この方法を取る場合があります。

ボトムアップ型

各タイトルごとに収支計画を出し、各タイトルの目標売上を達成するために必要な宣伝費を算出して、その結果、ゲーム事業における必要な宣伝費の総額が決まるケースです。

例)今期の自社ゲームは10タイトル。各担当プロデューサーが必要な宣伝費を算出し、合算して宣伝費を決める方法です。

そのタイトルの収支計画やポテンシャルを踏まえて、現場から必要な宣伝費を上程してくるパターンですね。

ハイブリッド型

トップダウンとボトムアップを組み合わせたのがハイブリッド型です。

【トップダウン型】
今期の全体予算は10タイトルで1億円です。

【ボトムアップ型】
各プロデューサーが各タイトルで必要な宣伝費を算出して上程します。

【ハイブリッド型】
各プロデューサーが出してきた各タイトルで必要な宣伝費を見ながらトップダウンで宣伝費の配分を決めます。全体予算1億円では足りない場合はゲームタイトルの状況や収益性をみながら、予算を追加する場合もあります。

どの決め方でも最後に必要なのは「目利き力」

どの決め方を採用するにしても、最後に必要なのは「その数字が妥当か」を見極める目利き力です。

トップダウン型なら、経営側が決めた予算がタイトルの実態に合っているかを見る必要があります。

ボトムアップ型なら、現場が積み上げた金額が本当に妥当かを確認しなければいけません。

ハイブリッド型でも、結局は全体予算とタイトル事情の両方を見て判断する人が必要です。

つまり、広告宣伝費の決め方は、方式だけで決まるものではありません。
その数字を判断できる人がいるかどうかまで含めて考える必要があります。

 

3種類の宣伝費の決め方のメリットとデメリット

紹介した3つの決め方にはメリットとデメリットがあります。

わかりやすいように比較表でまとめてみましょう。

決め方 特徴 メリット デメリット
トップダウン型 経営側が全体予算を先に決める 会社全体でキャッシュ管理しやすい 各タイトルに必要な金額とズレることがある
ボトムアップ型 各タイトル側が必要額を積み上げる タイトルごとの実態に近づきやすい 算出する人の能力に左右されやすい
ハイブリッド型 全体予算とタイトル事情の両方を見て決める 現実的で使いやすい 経営と現場の両方に目利きが必要

ちなみに、3つのどれを採用するにしても

各タイトルの宣伝費が適切か?出てきた数字を見極める「目利き」の存在が必要です。

実務で使いやすいのは、やはりハイブリッド型です。

理由は、全体予算だけで決めるとタイトルごとの実態とずれやすく、逆に各タイトルの希望額だけで決めると、会社全体の収支管理が崩れやすいからです。

そのため、まず全体予算の目安を持ちつつ、各タイトルのポテンシャル、収益性、優先度を見て調整する形が現実的です。

ボトムアップ型、ハイブリット型はともに宣伝費の予算を取りに行く人の能力に依存しがちですから、極端な話、宣伝費を取りに行く人のスキルが高ければ、売れる見込みのないゲームタイトルでも、売れるように見せて宣伝費を取りにいこう、という行動を助長しがちです。

これらを見極める「目利き」がゲーム会社内にいるかは適切な宣伝費を決める上で重要です。

「なぜか、あいつの担当タイトルだけ毎年、予算がたくさん付くんだよね」

といった事があるならば

その担当は会社から予算を取る能力に長けているのかもしれません

家庭用ゲームにおける宣伝費の決め方

ここからは家庭用ゲーム、スマホゲームにおける宣伝費の算出方法について解説していきましょう。

まずは家庭用ゲームについて解説します。宣伝費の算出方法は3つあります。

ちなみに家庭用ゲームの広告宣伝費が考えやすいのは、発売前の段階である程度、売上の見込みを立てやすいからです。

特にパッケージ販売では、
・予約状況
・流通からの反応
・初回発注数
・シリーズ実績
といった材料があるため、利益の見込みから逆算して宣伝費を決めやすくなります。

①売上・利益ベース

家庭用ゲームは「パッケージ・ダウンロード売り切り型ビジネス」です。よって次の2つのタイミングで売上と利益が確定します。

・パッケージソフトを流通に出荷した時点
・ストアからゲームが売れた時点

特にパッケージソフト販売の場合は事前に数字を予測しやすいという特性があります。その理由は以下の通りです。

・流通(バイヤー)に対する事前ヒアリングで発注数が予測できる
・店頭やネットの予約数から発注見込み数が予測できる
・発売2か月前には発売日初回の発注見込み数、初回生産数が判明する
・シリーズタイトルなら過去実績から販売数が予測できる。完全新規タイトルでも競合、類似タイトルの販売実績から発注数を予測できる

このように事前に「受注数」「販売数」が予測しやすいため「見込み利益」から、そのゲームタイトルにかけられる宣伝費も決めやすい特性があります。

スマホゲームのような基本プレイ無料の運用型ビジネスは、「実際にゲームを遊んでみた結果、ゲームが面白いのか、課金がまわるのか」といった要素が売上を決める大きな要素になりますが

家庭用ゲームの場合は「実際にゲームを遊んでみた結果、ゲームが面白いか」はそのゲームが発売後にロングセラーになるかには影響しますが、発売日初動の売上や利益確定には影響を与えにくいのです。

なぜなら、初動の売上利益の確定がパッケージ販売の場合はB to Cではなく、B to Bだからです。

そして、家庭用ゲームの場合、ロングセラーになるゲームを除き、初回発注数が生涯販売数の50%以上を占めます。(もちろん、一部例外はあります)

つまり家庭用ゲームの場合はある程度、売上が予測できるため、売上から利益を予測して、それにあった宣伝費を事前に決められます。

実際に配信してみないと利益が確定しないスマホアプリやPCオンラインゲームとは大きな違いがあります。

②エイヤーベース(お財布次第)

エイヤーベースとはトロネコが勝手に呼んでいる言葉ですが、鶴の一言で宣伝費がトップダウンで決まるという意味です。

会社として宣伝にかけられる金額が決まっているので、例えば「宣伝費は1000万円でなんとかして!」というケースです。

トップダウンで宣伝費が決められるケースです。

もうひとつ、別のパターンとしては最近は減りましたが、新作タイトルを立ち上げるために1本目は利益度外視で、ファンを獲得するために、宣伝費をかけまくるという考え方もあります。

この場合、1本目では利益がでないのですが、とにかく販売数だけを目標とし、続編で利益を出していくという考え方になります。

1本目、2本目の合算で収支が合うように宣伝費の設計をしようというわけです。

以前は自社立ち上げのオリジナルIPタイトルなどで、このような宣伝費の決め方もありましたが、非常にリスクの高い投資判断になりますので最近はほとんど見られなくなっています。

③宣伝費0円・または最低限必要な金額

・外部に出ていくキャッシュアウトの宣伝費0円
・ただし社内リソース(人件費)は使っても良い

といった判断も家庭用ゲームではたまに見られます。または

・家庭用ゲームソフトを販売する上で最低限必要な費用だけ認める

といった場合もあります。

家庭用ゲームでもダウンロード販売型や、受注数が数千本程度の小規模のパッケージソフトなどで見られるケースです。最低限、受注活動を行う上で必要な店頭ポスターだけは生産しよう、そのために必要な100万円だけは宣伝費を用意する

実際のところ少額の宣伝費をもらうならば、むしろ、宣伝費0円といわれた方が自由な発想でプロモーションができたりするケースもあります。

現代はX(旧Twitter)、Youtubeなどを使えばいくらでも宣伝費をかけずプロモーションが可能です。一方で宣伝費があると、その宣伝費をどう使うのかHOW思考から入ってしまう人が多いのも事実です。宣伝費があるということはむしろ「思考停止」を招くリスクもあるのです。

HOW思考の弊害は下記の記事で詳しく書いています。

 

ちょっとズレますが、新人でマーケターを目指す人にこそ、宣伝費0円のタイトルをどんどん任せて「考える力」を養うのはアリですよー。

スマホゲームにおける宣伝費の決め方

家庭用ゲームと異なり、実際に配信してから売上が立つのがスマホゲームです。もちろん事前に「市場環境」「競合タイトルの状況」「ゲーム内のマネタイズや設計」から売上や利益の見込みは立てますが、家庭用ゲームと比べると売上見込みの精度がどうしても落ちてしまいます。

もしかすると想定以上の売り上げを記録するかもしれないけど、全く売り上げが立たないかもしれない、非常に予測が難しい不安定な事業がスマホゲームです。

これはスマホゲームが基本プレイ無料の「運営型ビジネス」であることが大きな原因となっています。

これらを踏まえて、スマホゲームにおける「宣伝費の決め方」として6つのパターンをご紹介しましょう。

①当月実績ベース

スマホゲームの売り上げは見込みが難しいという点から、事前にざっくり宣伝予算は決めるものの明確には決めずにゲーム運営を通して

「当月の売上や利益実績」から翌月以降の宣伝費を決めるやり方です。

売上実績=このゲームの成長見込みを判断する
利益実績=今後に投資できるキャッシュを確保する

といった判断軸として使えます。

事前に

「売上または利益のX%を翌月以降の宣伝費にまわす」

といったルールを決めておくことで投資判断を誤ることなく健全なゲーム運営が可能となります。

このやり方は宣伝費の投入判断が透明化されるので、現場の士気も上がりやすい方法です。

当月実績ベースでは判断タイミングが短すぎるならば3ヶ月、6ヶ月単位の実績ベースで決める場合もあります。

メリット
今月の実績を元に翌月以降の宣伝費を判断するため、実態に沿った投資ができます。既存タイトルで安定運用ができているスマホゲームには向いています。

Web広告やSNS運用などやることがある程度、決まっているタイトルでは採用しやすい方法です。

デメリット
今月の実績によって来月の宣伝費が決まるような場合は、制作や仕込みに時間を要するプロモーション施策を実施する上では向きません。

今月の実績がよかったので、来月TVCMを投下しよう、Webキャンペーンを実施しよう、リアルイベントを実施しよう!といったアクションが取れないという意味です。

なぜならこのような施策には仕込みに時間がかかるためであり1ヶ月では時間が足りないからです。また、アプリ運営が安定していない配信したばかりの新規タイトルにも不向きです。

②将来の見込みベース

「将来の見込み売上」「将来の 見込み利益」から事前に宣伝費を決めた上で運用するやり方です。事前に用意した見込みの計画ベースで宣伝費を半年から1年単位の中長期で決定します。

メリット
事前に宣伝費を決められるので、仕込みに時間がかかる施策も実施できます。

デメリット
あくまでも売り上げ見込みベースから算出した宣伝費であるため、見込みが外れた場合、過剰な宣伝費、過剰なプロモーションになるリスクがあります。

スマホゲームの場合はインストール数を稼げても、売上が伴わない「いわゆる課金がまわらない」ケースが多々ありますし、アプリ配信直後で深刻なサーバー障害に見舞われる場合もあり、大きく見込みが外れる場合も多いのです。

③獲得ユーザーの価値ベース

ROI(Return On Investment/投資に対する利益の比率を表す指標)ベースで宣伝費を決める考え方です。

ROIは以下の計算式で算出されます。

ROI = LTV(Life Time Valueそのユーザーによる将来の見込み売上) ÷ CPI(Cost Per Installユーザーの獲得単価)

例えばLTVが1000円のユーザーを500円の宣伝費で獲得できればROIは2になります。500円の投資に対して2倍のリターンが見込めるというわけです。

ゲーム開発段階でLTVの設計はされた状態で開発されていますし(もしLTV設計されていない開発をしているならROIによる投資判断は不可能ですが・・・)
獲得手段や、獲得タイミングによってCPIも過去実績からある程度推測できます。また実際にゲーム配信以降で運用をしてけばリアルなLTV、CPIの数字が出てきます。

これらを使って例えばROI1.4以上(数字はダミーです)は維持しながら宣伝費を決め、獲得していこうという考え方です。これは非常にロジカルで理にかなった方法ですが、試算や運用の両方である程度の経験値とスキルは求められます。 アプリ配信前の事前登録フェーズでもROIの考え方は使えます。

※ちなみにROI1.4はあくまでもダミーの数字であり、ROIをどこに設定するかは、そのタイトルのマーケティング戦略や会社の方針に依存します。「ROI1.0を切っても投資する必要がある」という判断も場合によってはアリなのです。

メリット
ROIによる投資判断視点で適切な宣伝費の決定、運用、PDCAがまわせます。ROIが1.0を超えている限り、理論上では損をしない、いずれは回収できる宣伝費を投資できるということになります。

デメリット
ROIによる投資判断における試算、運用に間違いがあると判断を誤ることになります。さらにROIによる投資判断には経験とスキルが必要です。

④インストール目標ベース

・インストール数がわかれば、継続率の掛け合わせで見込みDAUがわかる
・見込みDAUがわかれば、見込み課金率、課金単価をかけて売上が予測できる

つまりインストール目標を決めて、その上で売り上げを算出して必要な宣伝費を決めるというやり方です。

インストール数が宣伝費を決める上で大きな要素になります。

とはいえインストールさえできれば、本当に売上や利益が出るのか不確実性はありますが、一方で、インストール数だけに注目することで宣伝費の算出をシンプルに考えることができます。

例えば、ゲームアプリの配信初速で10万インストール必要と目標を設定した場合、1インストールあたり(CPI単価)は100円なので宣伝費は1000万円という算出方法になります。
※CPIなどの数字はダミーです

メリット
「目標インストール数を獲得するための必要コスト」というシンプルな考え方になるため宣伝費を決める上ではわかりやすい決め方です。

デメリット
「目標インストールを稼ぐこと=マーケターの役割」という意識が全面に出やすい考え方になりますので、ゲーム事業成功に向けてワンチームとして寄り添いにくい場面があります。

いわゆる「マーケティング=プロモーション」という発想が色濃く出ている考え方です。

インストールを獲得しても売上や利益が上がらないケースは多々ありますし、同じ1インストールでも獲得方法によってユーザーのLTVや継続率は異なります。

ただし、この場合はとにかくインストールを宣伝費の範囲で獲得すればいい、という考えに陥ってしまうリスクがあります。

⑤エイヤーベース(お財布次第)

特に根拠はなく「このゲームの立ち上げは1億円必要!」といった感覚で宣伝費が決められたり、「今期は1億円しか予算を出せないから1億円で決定!」といった会社事情で決められるケースです。

論理的思考や根拠はなく、会社の事情や、宣伝予算を決める人の「経験や時代を読む感覚」に依存している部分が大きい決め方です。

メリット
宣伝費がトップダウンで決められるため、その宣伝費の範囲内でできることを考えることになるため、マーケティング戦略や施策を決めやすい場合がある

デメリット
そのゲームに対して適切な宣伝費か不明であるため、過剰な宣伝費であったり、不足している場合もある。感覚で決められているため結果が出ても「振り返り」が困難であり、結果から得られる示唆を組織に還元しにくく、組織としての成長は見込みにくい

宣伝費を使うこと、宣伝費を使うことで目立つこと、賑やかすことが目的になりやすくHOW思考に陥るリスクがあります。また戦略なきHOW思考はゲーム事業に貢献しにくいため、宣伝費が有効活用できない場合もあります。

⑥宣伝費0円・または最低限必要な金額

・キャッシュアウトの宣伝費0円
・ただし社内リソース(人件費)は使っても良い

といった宣伝費0円の考え方です。

家庭用ゲームではごく希に見られますが、スマホゲームではインディーズゲーム以外では皆無です。

なぜなら、近年、スマホゲームもゲーム開発に数億から数十億かけているのに宣伝費0円というのは「ありえない」というのが一般的な考え方だからです。

ただし、いまはTwitter、Youtubeなどを使えばいくらでもキャッシュアウトなしでプロモーションが可能な時代ですし、宣伝費があると、その宣伝費をどう使うのかHOW思考から入ってしまう人が多いのは事実ですので、宣伝費があるということはむしろ「思考停止」を招くリスクもあります。

「よって宣伝費0円・または必要最低限の宣伝費しか出さない」

という考え方は思考停止にならず、むしろプラスという考え方もできるのです。

また、スマホゲームはどこまで長期運営ができ、長期に渡って売上と利益を出せるか、という継続型ビジネスですから、理論上はいずれは宣伝費0円になるフェーズが来ます。

宣伝費0円になった場合、「打ち手なし」といったいわゆる「思考停止状態」になるプロモーション担当は多いのも事実です。「宣伝費0円」のタイトルほど、マーケター、プロモーション担当の能力が試される、といってもいいでしょう。

 

マーケター、プロモーション担当のモチベーション=運用できる宣伝費の金額

といったことを平気で公言する人もいますが
宣伝費でしかユーザー獲得維持ができない人はむしろマーケターとしては問題があります。

 

⑦30:70配分法

最後に紹介したいのは予算が決まっている場合の配分による宣伝費の決め方です。

トロネコが推奨しているのは「30:70配分法」という考え方があります。

誰かが言った言葉ではなく、トロネコが宣伝費を決める上で、上手く行く確率がある!と思っているやり方です。

具体的には次のような配分になります。

 

宣伝費が1000万円だとしたら

70%に当たる700万円を事業目標が達成できる施策に投下する

その施策は固く数字、売上が見込める実績や成功確度が高いコンサバティブな施策に投下する

つまり、70%の宣伝費で目標達成できるような施策設計をします。

 

その上で

残り30%をチャレンジ施策に投下する

経験も少なく、事例もないので失敗する可能性は高いけど、成功すれば大きく売上が積み上がるようなチャレンジ的な施策に投下する

つまり、チャレンジ施策は全滅しても目標達成はできるけど、もしチャレンジ施策が成功すると目標を超えて結果を出せる

という考え方です。

 

うちの会社はチャレンジ施策のOKが出ない

いつも定番の施策しかやらない(できない)

と悩んでいる方は30:70配分法はおすすめです。

 

まとめ

ゲーム事業の広告宣伝費に、ひとつの正解はありません。

家庭用ゲームとスマホゲームでは前提が違いますし、トップダウン、ボトムアップ、ハイブリッドのどれを使うかでも考え方は変わります。

ただし、どの決め方でも最後に必要なのは、その金額が妥当かを判断する「目利き力」です。

家庭用ゲームなら、発売前の販売見込みや初速をどう見るか。
スマホゲームなら、継続率、課金率、LTV、広告効率をどう見るか。

これを間違えると、広告宣伝費は多すぎても少なすぎても、誤ったゲーム事業判断をしてしまいます。

トロネコは、こうしたゲーム事業における広告宣伝費の考え方や、タイトルごとの勝ち筋、開発・配信・運営をまたいだ判断を外から確認する相談相手をやっています。

もし、

・広告宣伝費の考え方に違和感がある
・自社タイトルに合った予算の見方を確認したい
・家庭用ゲームとスマホゲームで判断軸を整理したい
・社内だけでは広告宣伝費の妥当性を判断しにくい

という場合は、お気軽にご相談ください。