ゲームアプリのサービスが終了する理由と延命させるための対策方法

スマホゲーム

こんにちはトロネコです。

今回はゲームアプリのサービスが終了する原因となるものと、終了しないようにサービスを続けるための対策方法について解説します。

 

ファミコンから始まった売り切り型ゲームソフトは永久に遊ぶことができますが

スマホゲームアプリ、PCオンラインゲームは必ず「サービスの終了」というものが存在します。

サービス終了=そのゲームを遊ぶ手段がなくなる

ということでもあり

さらに言い換えるなら

サービス終了とはオンラインゲームにおける「死」「終わり」を意味します。

例えばニンテンドースイッチのパッケージゲームがあるとしましょう。それが、どんなにつまらないゲームだったとしても、1度購入すれば永久に手元に残りますし、続編が作られなくても、そのゲームはニンテンドースイッチ本体が壊れない限り永久に遊ぶことができます。

たとえ「つまらないゲーム」だとしても、記憶として刻まれることになります。

携帯ゲーム、スマホゲームアプリは忘れ去られる運命

つまり、PCオンラインゲーム、サービス運用型のスマホゲーム、携帯ゲームは

いずれ、人々の記憶から忘れ去られる運命にあります。

30年以上前のファミコンが、いまだに記憶の中で語り継がれているようにはなりません。

ちょっとイメージしてみてください。

 

ガラケー時代にはたくさんの「ソーシャルゲーム」がありましたが

そのほとんどはサービス終了しています。

今、それらの「ソーシャルゲーム」を「ファミコン」や「プレイステーション」のソフトと同じレベルで思い出すことができますか?

かつて、一世風靡した「ソーシャルゲーム」に対して尊敬や憧れ、懐かしさを、どれだけの人が思い浮かべるでしょうか?

ファミコンとソシャゲはそもそも根本的に「ゲーム」としての概念が違う

という意見もあるかもしれませんが

思い出せない最大の理由は、サービス終了によって、そのゲームが2度と遊べなくなってしまうサービス型オンラインゲームならではの運命にあるのです。

 

サービス終了はIP展開を自ら強制終了させる行為

トロネコは長く家庭用ゲーム会社でもマーケターをやってきましたが

家庭用ゲームの場合はシリーズタイトルの続編が長らく登場しなくても、そのゲームIPは終了になるわけではなく、永遠と続いているイメージをファンに演出することができます。

なぜならゲーム自体は物理的に市場に存在して、遊べるわけですから、ファンの中では

永遠に生き続けていて、存在しているわけです

 

しかし、オンラインゲームの場合は、

サービス終了=IP展開をゲーム会社が自ら強制終了するようなものといえます。

例えばトロネコのゲームが存在したとして

「トロネコパズル」と「トロネコRPG」が同時並行してサービス運用されており、「トロネコパズル」だけサービス終了となるなら、「トロネコRPG」は残っているのでIP終了とはならないでしょう。

でも多くのスマホゲームの場合、1本のタイトルでIP展開をしがちですから

サービス終了=IP展開をゲーム会社が自ら強制終了

というユーザーに対する印象を払拭することは困難です。

 

それゆえに

忘れ去られる運命を回避しよう!

それまで遊んでくれたファンを大切にしよう!

IP展開としての道を残そう!

 

色々な思いから

最近はサービス終了あとでも遊べるようにオフラインゲーム版を配信するゲーム会社も増えていますが、オフライン版もいずれはスマホ端末のOSアップデートによって動作しなくなる時がきます。

 

オンラインゲームのサービス終了はユーザーにとっても悲しい出来事ですが

企業としても、それまでの投資が全て無駄になる損失の大きな判断になります

 

どうすればさらにはサービスを回避できるのか?

または損失を抑えることができるのか?

ゲームアプリやPCオンラインゲームのサービスが終了する理由として考えられることと、サービスを継続させるための対策方法について解説します。

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ゲームアプリのサービスが終了する理由と延命させるための対策方法

ここで取り上げている内容は、ゲーム事業を行う上で「想定されること」をあくまでも列挙しただけに過ぎません。

特定のゲームの事案を指すものではありませんので、予めご理解ください。

とはいえ、特定のゲームの事案をイメージしてしまうような人がいるとすれば、それは

それだけゲームアプリのサービス終了する理由がパターン化されている

ということだったりします。

パターン化されているわけですから、事前に誰もがわかっていることとも言えますよね。

事前にわかっているなら事前に対策を用意して回避することもできると思いませんか?

というわけで、想定されるサービス終了の理由を漏れが内容にまとめました。

売上による原因

赤字であり回復の見込みがない

多くのゲームは赤字であっても、なんとか挽回するためにゲームの改修を行い再チャレンジを目指します。しかし、どう改修しても復活の見込みが難しいと判断した場合、サービス終了になる場合があります。

【対策案】

・スケジュールとKPIを決めてゲーム内改修を行いジャッジを下す

・不要なコストを削減する

・DAUや継続率、課金率に影響するゲーム内課題を突き止め解決する

・ゲーム内マネタイズを見直す

黒字だけど投資としてリターンが少ない

黒字だけど、期待していた黒字幅に到達しない場合もサービス終了になる場合があります。これはゲーム会社の規模やコストによって判断基準は異なります。

大手ゲーム会社ではある程度、利益を出さないと継続が難しく、中小ゲーム会社なら少ない利益でも継続できる場合がありますが、その逆のパターンもありえます。

【対策案】

・不要なコストを削減する

・ゲーム内マネタイズを見直す

・ゲームの売却、移管先を探す

現在は利益率も高いが長期運用によって利益率の低下が予想される

現在は利益は上がっており投資に対するリターンが獲得できていても、経年劣化により近い将来利益が減少すると予想される場合は早期にサービス終了判断をする場合があります。

【対策案】
・長期的視点でゲーム改善計画を策定する

開発

自社で開発ラインが確保できない

自社の開発ラインが何かしらの理由で確保できなくなった場合、サービスを終了せざるを得ない場合があります。

【対策案】

・運用開発リソースの削減を試みる

・ゲームの売却、移管先を探す

新作ゲーム、もしくは注力ゲームに開発リソースを寄せたい

新作ゲーム、またはその他のゲームに開発リソースを注力したい場合、既存の運営タイトルを維持できなくなり、仕方なくサービス終了判断を下すことがあります。

【対策案】

・運用開発リソースの削減を試みる

・ゲームの売却、移管先を探す

バグや問題が多すぎて改修に時間もお金もかかる

バグや何かしらの問題を抱えており対応に時間もお金もかかると判断した場合もサービス終了判断を下す場合があります。

【対策案】

・スケジュールとKPIを決めてゲーム内改修を行いジャッジを下す

運用における原因

運用コストやとられるリソースが大きい

新規アップデートやゲーム内コンテンツを追加しないような完全運用タイトルの中でも、運用にかかるコストやリソースが割りに合わないと判断した場合、サービス終了の判断をする場合があります。

【対策案】

・運用開発リソースの削減を試みる

・ゲームの売却、移管先を探す

戦略上の判断によるもの

利益は見込めるけど資産の積み上げにならない

投資に対するリターンとして利益は見込めているけど、現在の日銭を稼いでいる状況であり、そこに人的リソースをかけ続けることで、企業としての将来の資産の積み上げに繋がらないと判断した場合、あえて戦略的にサービス終了判断をする場合があります。

【対策案】

・ゲームの売却、移管先を探す

ゲーム事業の縮小、または撤退

そもそもゲーム事業からの撤退、縮小をする場合はサービス終了になる場合があります。この場合はゲームではない他のアプリ事業などに注力するための撤退が主な原因になります。

【対策案】

・ゲームの売却、移管先を探す

続編となる競合新作タイトルの配信

続編となる新作を配信する場合、ユーザーの乗り換えを含めた上で、現在のアプリの存在意義がなくなると判断した場合、サービス終了とする場合があります。

その他

ゲームの売却先、移管先が見つからない

自社でサービス継続が難しい場合、そのゲームそのものを他社に売却したり、運用の移管先を探すことがあります。運よく受け入れ先が見つかれば良いのですが、見つからない場合はサービスの継続が困難になります。

版権許諾契約の終了

他社の版権許諾を受けてサービスをしているゲームの場合は、版元が許諾をしなくなった段階でサービスに継続ができなくなります。

このようなケースは稀であり、ほとんどないのですが、一方で一定期間はサービスを継続することが決められている許諾契約も存在する場合があるため、一定期間をサービスした後、ゲーム会社側から契約延長をせずにサービス終了となる場合も考えられます。

サービスを続ける上での法的な懸念

サービスを続ける上での法的な懸念が見つかった場合はサービスを終了する場合があります。例えばそのゲームが他社の権利を侵害している事が明確なった場合などが該当します。

 

まとめ

ゲームアプリがサービス終了になる理由について解説しました。

実際のところ、ゲーム会社によって事情が異なるので、今回、取り上げた「理由」と「対策」に完全一致しないケースも多く、これ以外にもたくさんの「理由」と「対策」が考えられるかもしれません。

でもトロネコがここで伝えたいのは

 

事前にわかっているなら事前に対策を用意して回避することができる

ということなのです。

いずれサービス終了になることがわかっているのに、事前にそれに対して対策を練らずに、ただ漫然と毎日のゲーム運営をやり過ごしている現場は多いのです。

それだけは、是非とも避けて欲しいのです。

 

そして

ゲームアプリがサービス終了になる理由は、必ずしもネガティブな事とは限りません。

企業が利益を追求する以上、戦略的に、ポジティブな視点であえてサービスを終了する場合もあるのです。

とはいえユーザー視点からすれば

どんな理由でさえ、それまで遊んできたゲームが遊べなくなることは極めて悲しく不幸な出来事です。

そこで重要になるのが、悲しいサービス終了という出来事をポジティブに転換する「クロージングマーケティング」の重要性になります。

下記にて詳しくまとめていますので、こちらも参考にしてください。