こんにちは
トロネコです。
今回は基礎的なKPIであるDAU(Daily Active Users)について解説します。
なぜ、今更、そんな基礎的なKPIであるDAUについて解説をするかというと
ネットを検索しても適切なDAUについての解説が見つけられなかったからです。
・DAUの算出方法や言葉に対する説明だけでなく
・DAUから何を把握して、何に活かすのか?
・DAUに注力することのメリットとデメリットなど
マーケティングの仕事をする上で本当に重要なことに踏み込んでる記事がないため
一度、ちゃんと踏み込んで解説しないとダメかも・・・・
と思ったからです。
実際のところDAUという言葉の意味を知っているし、説明できるけど、実際に業務に使えない人、間違って使っている人が多いのです。
よって、今回はDAUというKPIについて、どこよりも詳しく具体的に解説していきます。
DAU(Daily Active Users)に関する10個の疑問
DAUとは何か?DAUの読み方は?
DAUとはDaily Active Usersの頭文字を取った言葉です。
1日あたりの重複なし、ユニークなユーザー数になります。
「トロネコパズルのDAU1万」とするならば
特定の1日における「トロネコパズル」にアクセスしたユーザーの固有数は1万となります。
なお、DAUはディーエーユー、またはダウと呼びます。
一般的にはディーエーユーと呼ぶ場合が多いのですが、トロネコはダウと呼んでました。これは働いていた企業によって呼び名が異なるためであり、ダウと呼ぶと、働いていた会社がバレるかもしれませんね。
DAUを構成する要素
DAUは「新規ユーザー」「既存ユーザー」「復帰ユーザー」から構成されます。
これはゲーム業界に限らず、あらゆる業界において共通です。
新規ユーザー | 今日、獲得したユーザー |
既存ユーザー | すでに遊んでいるユーザー |
復帰ユーザー | しばらく辞めていたけど戻ってきたユーザー |
といった感じになります。
つまり、DAUを改善したい、維持したい!と思ったら、これら3つのユーザーを獲得することでDAUは維持、改善できるわけです。
DAUを改善、維持する方法は「新規ユーザー」を獲得すること
と思いがちですが、実は3つのユーザーから構成されていることが理解できると、DAUを改善、維持する方法の幅が広がります
DAUが増える原因とDAUが減る原因
DAUは日々変動します。減ったり、増えたりします。
変動する理由には様々なものがあります。
増える理由 | 新規ユーザー、離脱ユーザーを獲得した | 広告や施策で獲得した |
既存ユーザーの減少を抑えた | ゲーム内運営など満足させて維持した | |
減る理由 | 新規ユーザー、既存ユーザーが減った | 広告や施策を行わなかった。ゲーム内運営などで失望させてしまった |
当たり前のことしか書いていませんが、新規ユーザー、既存ユーザー、離脱ユーザーの変動がDAUの増減に影響をします。
DAUを維持、改善する方法
なぜ、DAUが増減するのか?
DAUを維持、改善する方法はないのか?
DAUは「新規ユーザー」「既存ユーザー」「復帰ユーザー」から構成されるという話をしましたが、この3つのユーザーを改善すればいいのです。
改善方法については当サイトでは下記の記事で詳しく解説しています。
【第1回:DAUの作り方】 新規ユーザーを獲得するテクニック、施策ヒント事例13選
【第2回:DAUの作り方】 離脱ユーザーを復帰させ維持するテクニック、施策ヒント事例12選
【第3回:DAUの作り方】 既存ユーザーを維持定着させるテクニック、施策ヒント事例10選
プロモーション実施による予測DAUのシミュレーション方法
プロモーション施策を考え、
その施策によって獲得できる「新規ユーザー」「離脱ユーザー」の獲得数を試算して
1週間後、1ヶ月にDAUはどのようになっているのか?
施策の設計と実行と検証においてはDAUの予測シミュレーションが必須となります。施策によるDAUの予測シミュレーションは、獲得したユーザーの継続率と深く関係しています。
下記の表のようにユーザーAは14日後もプレイしているかもしれないけど、ユーザーFは翌日に辞めてしまうかもしれない。これらの継続率を踏まえた上で獲得ユーザーに対する継続率を掛け合わせることで
1週間後、1ヶ月にDAUはどのようになっているのか?
自動計算することができます。
ロジックについては下記にでも記載しています。
でも、これをゼロから考えるのって面倒ですよね。
できれば、シートに必要項目を入力するだけで瞬時にDAUのシミュレートができる状態が望ましいものです。
トロネコでは、これらの施策試算、DAUシミュレートがすぐにできる「マーケティングの標準化」ツールを用意しております。
もし興味がありましたらこちらまでご相談ください。
DAUの増減と売上が比例しない理由
ゲーム事業において重要なことはDAUを獲得することではありません。
売上と利益を獲得することで事業の継続ができます。実は数十万規模のDAUがあっても売り上げが全く上がらずサービスを終了しているゲームも存在するのです。
例えばゲームのログインボーナスはDAU維持に効果があるとされています。実際にログボを行うとDAUが維持できるのはデータからも裏付けされており間違いありません。
でも仮にログインボーナスをやめたらどうなるでしょうか?
DAUは間違いなく下がるでしょう。
でも売上、利益が下がるかといったら必ずしもそうとは限らないのです。
ここで重要なことは
ログインボーナスで維持しているユーザーは必ずしも売上に貢献しているユーザーではない場合があるという点です。
DAUを維持することにコストを投じても、実際に売上が上がらないのでコストに対する売上のROI(return on investment)は改善しないどころか、むしろ悪化する場合もあるのです。
重要なのはDAUといった数字に振り回されることなく
そのDAUを構成しているユーザーのうち、どのユーザーが売上に貢献しているのか冷静に分析する必要があります。
ログインボーナスを止めることでDAUは下がっても、売上は下がらない
むしろログボで付与したゲーム内通過がなくなったことで、売り上げが上がることだってあるわけです。
こちらについては下記の記事でも詳しく解説しています。
MAUよりもDAUを重視するべき理由
世の中の会社の中にはDAUよりもMAUを重視しているところもあるようです。
MAUとはMonthly Active Usersの頭文字を取った言葉であり1ヶ月におけるユニークなユーザー数を指すKPIです。
MAU、WAU、DAUの関係は以下のような関係になります。
しかし月初にTVCMを投下すれば、その月のMAUは上がります。仮にTVCMで獲得したユーザーが即日離脱しても、同月のMAUにはカウントされるのでMAUは前月に比べて改善したように見えます。
でもDAUはどうでしょうか?
月初に投下したTVCMのおかげで月初のDAUはあがりましたが、その後、TVCMによって獲得したユーザーは離脱してしまったので月末のDAUはMAUと比べてもかなり大きくビハインドしている、目減りしているはずです。
重要なのは「累計」ではなく「今」です。
今、このゲームがどれだけ遊ばれているかが全てなのです。DAUは今を分析するKPIですから、MAUより実態を把握する上では活用できます。逆を言えばMAUは実態を見えにくくするKPIでもあるのです。
MAUには別の役割、使い方があります。例えば離脱はしていないけど1ヶ月のうちの特定日だけログインするようなライトユーザーの動向を探る上ではMAUは使えます。
お金をかければDAUは作れる!でも意味がない理由
仮に無限に宣伝費があるとしましょう。
そうすればDAUはいくらでも瞬間的に作ることができます。
TVCM、Web広告、Youtuber施策、ありとあらゆる施策を駆使することで見た目のDAUは作ることができるのです。つまり見た目のDAUはお金で作れるのです。
でも重要なのは獲得したユーザーがDAUを構成するわけですが、そのユーザーがその後も残ってゲームを遊び、ゲーム内で課金してくれるかにかかっています。
そう考えるとDAUを作ることはそれほど重要ではなく、価値あるユーザーがDAUとして残った結果、DAUが改善維持しているかが重要ということに気づくはずです。
瞬間的なDAUに価値なし
スマホゲームをやっていると瞬間的にDAUを高めるテクニックみたいなものを幾つも発見することでしょう。
例えば次のようなテクニックを使えば瞬間的にDAUは大きく改善したように見せることができます。
・アプリアイコンを変える
・LINEやアプリのプッシュ通知を送る
・局地的にYoutuber施策を実施する
・ユーザー獲得に効果があるデジタルマーケティングを実施する(リワード広告など)
しかし、翌日にはDAUは元に戻ってしまうかもしれません。
瞬間的なDAUの浮き沈みはマーケターなら気になるかもしれません。でも重要なのは瞬間的なDAUの浮き沈みではなく、ユーザーの定着による安定したDAUの獲得です。
緩やかにDAUが上がっていく状態こそ、マーケターは目指すべきDAUのあり方なのです。
1周年施策やTVCMでDAUは上がったのでプロモーション効果はあった!
というのは安易過ぎるのです。
重要なのは1周年施策やTVCMが終わった後にどうなっているかが重要です。
月末DAUはマーケターの通信簿
そう考えていくと平均DAUはマーケターの通信簿のようなものです。
特に各種施策が終了した後の落ち着いたDAUが前月同時期と比べて、どれだけ改善維持されているかが重要です。
月末のDAUの状態がどう変化したのか、月別のグラフで推移をまとめるのも面白いかもしれません。ゲームアプリは5年、10年と、どこまでサービスを続けられるかが重要なのです。そのためには瞬間的なDAUはどうでも良かったりするものです。
まとめ
今回は基礎的なDAUについて掘り下げてみましたが、新たな「気づき」はありましたでしょうか?
DAUについては、まだまだ語り尽くせていないことがありますが、今回の記事が皆様の新しい気づきになればトロネコは幸せです。
というわけで今回はここまで!