ゲーム事業を改善する方法(長期視点で組織改善・それとも短期的にタイトルで結果を出す?)

ゲーム業界

こんにちはトロネコです。

ゲーム会社で働いているなら、ゲーム会社を経営しているなら

「ゲーム事業で結果を出したい」「ゲーム事業で戦える組織を作りたい」

と思うものです。

トロネコも20年以上に渡ってゲーム業界で働いてきましたが、時間をかけて開発したゲームですから、なんとしてもヒットさせたい、成功させたい、そして、できればIP展開して続編も作りたい!

と思ってきました。

ゲーム業界で働いている人なら誰もが「なんとかしたい」と思っているわけですが、

長くゲームの仕事をしていると「なんともならない」状況にぶつかるものです。

 

まさに、今、そのような状況にぶつかっているとしたら、どうすればいいのか?

ゲーム事業、ゲーム会社を改善するための3つの方法を解説します。

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ゲーム事業を改善する方法①「長期視点で組織を改善する」

長期視点でゲーム会社の組織を改善する方法は、課題に対する本質的な改善ができ、かつ組織としても継続した成長が見込めます。

具体的に何をするのか?簡潔にシンプルにまとめると

次のようなプロセスを踏むことになります。

 

①組織を構成するメンバーの強み、弱みを把握する(レベルチェック)

②弱みを解決するため個別対策を行う(教育、マーケティングの標準化、ゲーム事業のプロセス整理)

③上記を繰り返しスキルの浸透を個人ではなく、組織全体に行う

④組織が自発的に上記のサイクルをまわしていく

 

すごくシンプルに書いていますが、内容的には結構ハードルの高い話です。

例えば

「マーケティングの定義がわからない状態」

「KPIの使い方がわからない状態」

「マーケティング戦略が作れない状態」

「失敗と成功の道筋が判断できない状態」

これらは、全くレベルの異なる課題であり、課題解決に対する対策も異なります。

 

また、「知識が不足している状態」と「何がわからないか、わからない状態」もレベルの異なる課題であり、解決方法も異なります。

そこで重要なのは組織の課題を見つけ、それに対する解決を行う事で、組織の戦闘力を上げていくという方法です。

当サイトでも下記の記事がこれらに関する内容になります。

これらの方法には次のようなメリットとデメリットがあります。

 

メリット

・根本的な課題解決であるため、達成できれば10年後も戦えるゲーム会社として生きていける

・メンバーのモチベーションが上がり、会社や仕事に対する意欲も上がるので離職率も下がる

・ゲーム業界をリードできるマーケティング、ゲーム開発運営集団になれる

デメリット

・時間がかかる。短期的には結果が出にくい

・結果が出るまで時間がかかるため、モチベーションや会社の経済状況によっては耐えられない場合あり

・組織を変えたい!と思う「旗振り役」のモチベーションと根気に依存する

 

よくあるケースとしては、「旗振り役」が途中で心折れてしまったり、忙しさを理由にやらなくなってしまったりする事があります。

また、そもそも、そのような旗振り役が周囲に存在するか?という点もあります。

でも断言します。

長期的に改善ができる環境と、覚悟があるなら、やるべきです。

なぜなら、これができると圧倒的にゲーム事業が改善するからです。

ゲーム事業を改善する方法②「短期視点で新規・既存タイトルで結果を出す」

トロネコも長年、ゲーム会社で働いてきましたので凄くわかるのですが

多くのゲーム会社では、1年、半年、いやクオーター単位(3ヶ月)が勝負であり、

特にスマホゲームのような「運用型ビジネス」の場合は毎月、毎週、毎日が勝負の連続だったりします。

長期的に課題解決することの重要性を十分理解しているものの、どうしても短期的な結果を追求してしまうものです。

よって、どうしても短期的に、すぐに結果を出さなければならない意識になってしまうのでs。

その結果、どうしてもその場凌ぎのテクニックに頼りがちになります。

でも、テクニックに陥ると「HOW思考」に陥ってしまうので、凄く簡潔にシンプルにまとめると次のようなプロセスがおすすめです。

新規タイトル

・つくるマーケティングができているか?

・そのゲームを送り出す「市場」は確かに存在しており、「競合」に対して戦闘力はあるか?

・事前にユーザーの離脱要因が分析されており対策がとられているか?

・上記に対する適切な施策が用意されており、スケジュール遅延なく、事故なく実行できる状態か?

 

実際にはもっと複雑です。

ちょっと簡潔にまとめ過ぎている感じがありますが、当サイトで公開しているトロネコオリジナルの「マーケティング100リスト」もありますので、これをチェックリストとして使ってみてください。

そこで、配信前の新作タイトルにおいて

「何ができているのか?」

「何ができていないのか?」

「できていない状況で配信しても勝ち目はあるのか?」

この辺りを冷静に分析することで新規タイトルの成功確率はアップします。

 

もし、勝ち目がない状態なら配信日を遅らせても問題を解決すべきです。

なぜなら勝ち目がない状態で配信しても「奇跡」はまず起きないので、確実に失敗します。

失敗する新規タイトルの多くが「勝ち目」がない状態で戦いを挑んでいるようなものなのです。

 

既存運営タイトル

既存運営タイトルの場合は、もう少しシンプルです。

・何が良くて、何がダメなのか現状を把握する

・良い理由、ダメな原因を分析し、仮説でいいので理由を突き止める

・「できること」「できないこと」「やらなければならないこと」を仕分けして実行する

たったこれだけです。

ごく当たり前のことをいっていますので

そんなこと、わかってるよ

と思われるかもしれませんが

当たり前のことこそ、そう簡単にできることではありません。なぜならKPIから物事を見るだけでは真実が見えないこともあるからです。

下記の記事の一番下の方に書いていますが

KPIには「わかること」「わからないこと」があります。

そして、多くの現場ではKPIだけで物事を判断しようとしがちで、判断を誤ってしまうことがおおいのです。

 

重要なのは先ほど挙げた下記の3つの部分の精度です。

・何が良くて、何がダメなのか現状を把握する

・良い理由、ダメな原因を分析し、仮説でいいので理由を突き止める

・できること、できないこと、やらなければならないことを仕分けして実行する

つまり、やるべきことは理解できているけど、

「やり方」「精度」「観点」によって全く異なる判断をしてしまうからです。

 

この辺りは「経験」と「スキル」が大きく影響する部分であり、同じ状態でも人によって全く異なる「原因究明」と「解決方法」を取ってしまいます。

 

多くの場合で、過去の体験に基づいた「固定概念」や「思い込み」によって判断しがちです。つまり「常識」が判断を邪魔するのです。

でもスマホゲームの場合は、これら「固定概念」が、正しくない場合が多いのです。

わかりやすい例を挙げると

ログインボーナスの必要性について誰も疑わないので、誰もログインボーナスを止めようとは思わないとおもいます。これが「固定概念」の正体です。

でもログインボーナスって、本当に必要なのか?常識を疑える人だけが見える世界があります。

ちょっと説明が長くなってしまいましたが、「短期視点で新規・既存タイトルで結果を出す」という方法についてメリット、デメリットをご紹介しましょう。

メリット

・短期的にゲームタイトルの状況を改善でき、結果を出せる可能性あり。ゲーム会社の経済状況、事情を考えると大きなメリットになります。

・結果を出すことでメンバーのモチベーションアップにつながります。

デメリット

・タイトルにフォーカスしているため、そのタイトルのメンバーはスキルアップで来ても、組織の底上げはしにくい場合も!?

・短期的な売上ばかり追求することで、その場凌ぎのテクニックに陥ると「HOW思考」になってしまい、組織の成長を阻害する場合あります。

ゲーム事業を改善する方法③「長期と短期視点の組み合わせが最強」

ここまで解説してきた「長期視点」「短期視点」にはメリットもあればデメリットもありました。

そこで最後に最もおすすめの方法をご紹介しましょう。

それは「長期視点と短期視点の組み合わせ」です。

これが最強です。

 

「長期的に組織を底上げして、特定の人に依存しない戦える組織をつくる」

「それでいながら、目の前のタイトルでも結果を出していく」

 

凄く当たり前のことを言っていますが、実際にこれをやろうとなると結構大変です。なぜなら

長期的に組織を底上げしていくスキルとモチベーション

目の前のタイトルで結果をだしていくスキルとモチベーション

この2つは全く別物のスキルセットが必要だからです。

 

でも、本気で改善したい!成長したい!と思うならトロネコはこの両方の同時進行をおすすめします。

なぜなら、両方やらないと特にスマホゲームのような「運営型ビジネス」の場合は実感できるレベルでの改善が難しいからです。

そもそも、スマホゲームは変化の早いビジネスです。

ですから、あまり時間をかけている猶予もないんですよね・・・。

まとめ

今回は「ゲーム事業を改善する方法(長期視点で組織改善・それとも短期的にタイトルで結果を出す?)」というテーマでお話をしました。

ぜひ、皆様のお役にたてれば幸いです。

というわけで今回はここまで!