【保存版】家庭用コンシューマゲームのプロモーション設計の観点まとめ(ニンテンドースイッチ/PS4/PS5)

マーケティング

こんにちはトロネコです。

ゲームマーケティングといえばスマホゲームが主流のイメージがあるかもしれませんが、トロネコは某家庭用ゲーム会社で長年マーケターをやってきたこともあり、コンシューマゲームのマーケティングについても相談を頂く機会が多々あります。

そこで、今回はPS4、PS5、ニンテンドースイッチなど家庭用ゲームにおけるマーケティング、プロモーションを設計する上での観点(=考え方)に絞ってお話します。

観点とは「考え方」「物事の見方」という意味があるのですが

今回紹介する観点についてシンプルにいうと

家庭用ゲームのマーケティング、プロモーションを進める際に抜け漏れなくチェックしておくチェック項目みたいなものになります。

実際にどう考えるか?どう物事を見るのか?

それはゲームタイトルによって異なりますが、観点そのものは汎用的なチェック項目として使えますので、ぜひ参考にしてみてください。下記の2つの構成で解説しています。

「基礎編」→必ず押さえておきたいところ

「上級編」→ここまで踏み込めると成功確度が上がるもの

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【基礎編】家庭用コンシューマゲームのプロモーション設計の観点

当サイトでも何度も解説していますが、必ずマーケティング戦略を作りましょう。

マーケティング戦略 誰に ターゲット
何を 伝えたいこと
どうやって
売上に繋がる伝え方

作り方については下記で解説しています。

スマホゲームと比べて、家庭用ゲームの場合は適切にマーケティング戦略が作られていないケースが見られます。

(スマホゲームでもマーケティング戦略は不十分なケースは多いのですが、家庭用ゲームはそれ以上に不十分な現場をよく見かけます)

 

マーケティング的な視点が欠如していると

「とりあえずできることはなんでもやればいい」

 

といったHOW思考(施策ありき)に陥ってしまうことがありますが

ゲーム会社が使えるリソース(お金、時間、人材)は限られており、戦略なきHOW思考の場合は無駄撃ちが多く発生してしまいます。

なぜマーケティング戦略が必要なのか?それは

限られたリソースを無駄にせず、ゲーム会社が掲げる目標を達成するために必要です。

「家庭用ゲーム」=「ユーザー」×「流通」から構成される

家庭用ゲームはユーザーを攻略するだけでは成功しません。流通(バイヤーさん)も攻略する必要があります。

家庭用ゲームの販売の流れは次の通りです。

最近は家庭用ゲームもオンラインストア販売の比率が増えていますが、リアルなゲームショップ、ECサイトなど流通もまだまだ健在です。またゲームタイトルによって、オンラインストアによるダウンロード販売の比率が高いゲームもあれば、リアルなゲームショップ、ECサイトなどパッケージ販売の比率が高いゲームもあります。

 

店頭ショップによる(ECサイト含む)パッケージ販売は次のような特性があります(例外あり)

・パッケージ販売は不良在庫リスク、欠品による機会損失リスクがある

・ユーザーに届く以前に、お店に買ってもらう(受注してもらう)必要がある

・お店に納品された本数以上には物理的に売れない(100本発注したらお店には100本しか売り物がないため)

・店頭で発売前に100本受注して100本完売しても、100本の再受注(リピート発注)とはならない(リピート発注による在庫リスクを嫌うため)

・よって発売前の受注数がそのゲームタイトルの再受注(リピート発注)のボリュームを決め、生涯の累計販売数に影響を与える

・店頭在庫を残してしまうと実勢価格の下落、及び流通からの信頼を失いゲーム会社としての長期的な事業へのダメージがある

ダウンロード販売には在庫リスク、欠品リスクがありません。

しかし、パッケージ販売は在庫リスク、欠品リスクといった需要と供給のバランスを考慮した上でのマーケティングを考える必要があります。

 

よって、対ユーザー、対流通(バイヤー)の両方を攻略する必要があります。

それぞれの観点を整理すると次の通りです。◯がついている部分を漏れなく対応する必要があります。

ゲームメディア PR SNS CPN オンライン広告 PFメディア 店頭/ストア 予約促進 CM OOH 平面広告 リアルイベント トレンド 営業提案
対ユーザー 認知
興味
拡散
購入
対流通・バイヤー 認知
興味
発注(セルイン)
再発注(リピート/セルスルー)

それぞれの項目については、情報が膨大になるのでここでは詳しく解説しませんが、実際にトロネコにお仕事を頂いた場合は細かくご説明しています。

ここで重要なのは、これだけの「観点(=物事の考え方、見方)」を網羅しないと家庭用ゲームのマーケティング、プロモーションはカバーしきれないというわけです。

全部やるのは大変かもしれませんが、これらは最低限は考えて、「やる/やらない」の判断は必ずしましょう。絶対にスルーしてはいけません。

【上級編】家庭用コンシューマゲームのプロモーション設計の観点

基礎編だけでも結構なボリュームの「観点(=物事の考え方、見方)」がありますが、基礎編を網羅したら、さらに成功確度を上げるために、これから説明する上級編も網羅しましょう。

対プラットフォーマー交渉 プラットフォーマーのオンラインストア
プラットフォーマーのメディア
プラットフォーマーが持つ流通
プラットフォーマーによるプロモーションサポート
対ユーザー
フリークエンシー獲得(例:毎週PRネタ、SNSネタ)セルイン、セルスルーに貢献するもの
インフルエンサー
他の施策と組み合わせることでトレンド醸成
ストア上での瞬発的な売り上げ貢献
SEO対策
ユーザーの検索インサイトに対応した公式サイト、オウンドメディア設計
その他
SNSフォロワー獲得
購入予備軍、ファン予備軍、興味関心ある層に対する連絡手段の確立

ここまで踏み込むことで、さらに成功率を上げることができます。

まとめ:ゲームが面白くなければ売れない

マーケティングとプロモーションは違う

マーケティングとは「モノが売れる仕組みを作ること」である

マーケティングは「つくるマーケティング」「とどけるマーケティング「とどけつづけるマーケティング」の3つから構成される

ゲームの開発段階からマーケティングはやることがある

当サイトをご覧いただいている方は、もう説明不要かと思いますが、これがマーケティングの正体そのものです。

面白くないゲームは売れません。

でも、マーケティングが介入することで、面白くない、売れないゲームが作られる事態を回避することができます。

これを回避するためにトロネコは、トロネコオリジナルの「マーケティング100リスト」というものを作成して無料公開しています。

このリストはスマホ、家庭用ゲームなどにも使えますので、こちらも合わせてご覧いただき、

面白い、売れるゲームを作ってください。

ゲーム開発は決してゲーム開発者だけの役割ではありません。マーケターも貢献できます。

 

 

というわけで今回はここまで!