こんにちは
マーケティングスペシャリストのトロネコです。
今回はもはや避けて通れなくなってきた
ユーチューバーを使ったプロモーションについてお話します。
最初に結論をお伝えすると
・ユーチューバー施策はやり方を間違えると大失敗します
・以前よりも広告費は高騰、一方で効果は低下傾向です ・結果、ユーチューバー施策をすれば必ずしも効果を出せるというボーナスタイムは終了しました |
という感じになります。
一方で、ちゃんとポイントを押さえておけば失敗確率を下げられます
ただ、なんとなくユーチューバー施策を実施するのではなく
考えて施策設計して、実施することで、まだまだユーチューバー施策はゲームプロモーションに使えます。
目次はこんな感じです。
【目次】
・ユーチューバー施策の効果測定の方法 ・100%失敗するユーチューバー施策事例 ・ユーチューバー施策がゲームアプリインストールに繋がる仕組み ・ユーチューバー施策と相性が悪いゲームジャンル ・効果的な活用方法(TVCMとの併用は効果あり) |
ユーチューバー施策の効果測定の方法
ユーチューバー施策の効果測定する方法としては次の2つがあります。
【実数測定】
ユーチューバー動画から計測タグをつけたストアリンクを貼って計測する方法 【推測測定】 ユーチューバー動画直後数日で獲得した「新規ユーザー」「復帰ユーザー」の数から推測する方法 |
結論からすると【実数測定】は、それほど正確な数字がとれません。
なぜなら、そのユーチューバー動画を見て、解説欄のリンクからアプリストアにジャンプするよりも実際のアクションは「アプリストアを直接立ち上げて検索する」「ランキングに入っているものを見つけてタップする」
といった行動になるためです。
よって【実数測定】だけでなく【推測測定】をセットで効果検証する必要があります。
どうしても正確な数字を知りたいなら
ユーチューバー動画の中で、簡易的な「合言葉」を公開して
それをゲームを始めた時にゲーム内で入力するとアイテムが貰える
みたいな施策をやる方法もありますが
アプリストアの規約に抵触する可能性もあるので、これをやっているケースは稀です。
100%失敗するユーチューバー施策事例
今回は「成功するユーチューバー施策」ではなく
「失敗するユーチューバー施策」についてお話したいと思います。
なぜなら、どんなに「成功法」ができても、そもそもゲーム自体が面白くないと、成功しないからです。
だから、「失敗するユーチューバー施策」を押さえておけば、致命的な失敗は回避できるという考え方です。
ゲーム自体の面白さについては
これは下記でも紹介している「おいしいラーメンをつくる考え方」が参考になりますので時間がありましたら合わせて読んでみてください
ユーチューバー施策として絶対にやってはいけないことは、たった2つです。これだけ押さえておけば大失敗は回避できます。
ユーチューバーをタレントとして使う
最近は無いと思うのですが、ユーチューバーをタレントとして起用して
自社の公式チャンネルに出演してもらうというケースです。
ユーチューバーの魅力はチャンネルの媒体力にありますので
タレントとしての起用はあまり意味がありません。
似たようなケースとして、有名ニコ生主さんに、自社商品のユーチューブチャンネルに出演してもらったようなケースもありますが、結果はできくいです。
なぜなら自社商品のユーチューブチャンネルの登録者は既にその商品、ゲームをインストールしている人ばかりですから、その動画をきっかけに「新規インストール」「新規購入」は見込めないからです。
とはいえ理論的には既存ユーザーの熱量はアップするでしょうから
既存ユーザーの継続率、ロイヤル顧客ユーザー化にはなにかしらプラスの影響を与えていると思います。
しかし、既存ユーザーに対する効果って数字に表れる規模感で「見える化」しにくいという弱点があります。
ユーチューバー本人が心から共感していない動画
発注先のユーチューバーが
・その商品をよく理解していない
・心から楽しんでいない ・そもそもファンではなく、お仕事としてやっている |
そういう「共感していない動画」は、すぐに視聴者に伝わります。
見た目上は共感しているように演じていても、「この人、あまりこのゲームや商品のこと知らないんだな」
とバレてしまうのです。
これは恐ろしいもので、実際に同じ規模感のチャンネル登録者を持つ、2人のユーチューバーに発注して、片方は「共感している」、片方は「お仕事として受けている」
その両方によるゲームアプリインストールの結果を比べてみると、歴然とした結果がでます。
つまりユーチューバー施策によって、視聴者が商品を買ったり、ゲームをインストールするというアクションを後押しするのは
「ユーチューバーと視聴者との間に共感が生まれた瞬間」
といえます。
例えるなら深夜のテレビショッピングも同じで
あれも紹介している人と、視聴者の間に共感が生まれた結果、売れているわけです。
ただ安い、便利だけで売れる商品もあるかもしれませんが
共感が生まれるユーチューバーと、そうれないユーチューバーの間には大きな差があります。
実際にユーチューバーの収録現場で
「あ、この人、全然、このゲームのこと知らない」
という雰囲気を少しでも感じ取ったなら、それは結構な高い確率で、その施策は失敗します。
ユーチューバー施策がゲームアプリインストールに繋がる仕組み
前のパートで「 ユーチューバーが心から共感していない動画は失敗する」という話をしましたが
裏返せば、「視聴者がそのユーチューバーが紹介する商品やゲームアプリに対して共感できれば売れる」という事になります。
つまりユーチューバーの企業案件は「共感」がアプリインストールに繋がる仕組みの正体です。
また、その他の要素として
ユーチューバーの媒体力(チャンネル登録者数)も施策結果を左右する要素のひとつですが本質的には「媒体力 (チャンネル登録者数)」よりも
その媒体についているファンの中身(質と、その商材との相性)が重要です。
例えば10万人以下のチャンネル登録者数のユーチューバーでも
ゲームアプリのジャンルと相性がよければインストールは獲得できますし
ゲーム属性が高ければ高いほど、インストール後の継続率もあがりますので、質のいいユーザーを獲得できます。
ただし、 チャンネル登録者数の少ないチャンネルは
1回実施すると、ユーザーを獲得しつくしてしまうため、2回、3回といったリピート実施をしても効果はでにくいという特性があります。
一方でチャンネル登録者数百万を超えるような有名ユーチューバーの場合は
新しい登録者が続々増えているので2回、3回とリピート実施をしても
新規ユーザーの獲得が見込みやすく、かつ、離脱ユーザーを獲得できるというメリットもあります。
ここは実際にいろいろ試してみると見えてくると思います。
ユーチューバー施策と相性が悪いゲームジャンル
ゲームアプリでユーチューバー施策をやっていると
相性が良いゲームジャンルと、相性が悪いゲームジャンルがあることに気づきます。
これは非常にシンプルで
ユーチューバー施策によって視聴者が商品購入、アプリインストールに至る
強い動機になるのはユーチューバーと視聴者との間における「共感」という話をしました。
よってゲームアプリの中でも視聴者と共感がしやすいジャンルや遊びはユーチューバー施策と相性が良いです。
例)対戦、協力、共闘みたいなゲーム
一方で、視聴者と共感がしにくいゲームアプリはユーチューバー施策と相性が悪いです。
例)ひとり人プレイがメインのゲーム
これはどんなケースにでも100%当てはまるとは断言できませんが、だいたいそんな傾向が強いので、実施にあたって考慮しておく価値はあります。
ならば
ひとりプレイの場合は、ユーチューバー施策は諦めよう!
となるかというと、そこはテクニックもあって
ゲーム本編(インゲーム)では共感しにくいなら
ゲーム本編以外(アウトゲーム)で共感を得られるような映像作りをするのもアリです。
例えば「ガチャを引く」のは「何が出るかわからないワクワク感」を演出できますので共感させやすいです。
あとはゲームプレイ以外のネタ系で共感させる方法もあります。
ただし、いずれにしてもゲームの中身とは別の部分でなんとか共感させようという苦肉の策ですから本質的はありません。
そもそもユーチューバー施策でも共感させられないような(料理できないような)ゲームを作っている時点で詰んでいたりします。
このあたりは下記の記事でも書いていますが、「3つのマーケティング」における
「つくるマーケティング」の部分で「共感できるゲーム」を
開発とマーケターがいっしょに作られればクリアできます。
効果的な活用方法(TVCMとの併用は効果あり)
最後に効果的なユーチューバー施策の設計方法についてお話します。
ユーチューバー施策をWeb上のTVCM、フリークエンシーを稼ぎ、瞬間的なトレンドをつくる方法
と考えるならば
TVCM投下とセットで設計すると、その効果をさらに高められます。
このあたりの話は非常に複雑なので簡単にまとめると
ユーチューバー施策実施
↓
インストール増加
↓
アプリストアランキング向上
↓
TVCM+デジタル広告実施
↓
さらにアプリインストール増加
↓
ユーチューバー施策の追加投入
みたいな設計方法です。
これらを上手く設計すると、ユーチューバー施策、施策単体で獲得できるユーザー数よりも相乗効果でもっと多くのユーザー獲得ができます。
また設計にあたっては、各施策が分断されているのではなく
共通テーマ、共通ビジュアル等で「訴求軸をあわせて」
空中戦、地上戦を展開できると、さらに相乗効果アップが期待できます。
トロネコ的には、
さらに訴求軸をあわせたWebコンテンツなども作成して
Twitterでも同時並行でトレンドをつくるような設計をすると思います。
なぜなら、その方が相乗効果がさらにあがるからです。
まとめ
有名なユーチューバーを起用することになると、数百万から数千万のコストがかかるようになりました。(結構な金額ですよね)
よって、TVCMの投下量(波代)を減らしてユーチューバーに充てるのか
という決断が必要になります。
実績経験がない企業からすると、相当の覚悟が必要なジャッジになりますが
設計次第では、これはアリで、むしろTVCMよりもユーザーの獲得効率が高かったりします。
ただし、今回は深く触れていませんが
結局のところ同じ1インストールでも、1インストールで獲得できるユーザーの質がすべてです。
なぜなら、ゲームアプリの場合、インストールしてゲーム起動した翌日には50%が辞めるからです。
そのユーチューバー経由で獲得したユーザーの継続率が高いか、低いのか
実際には結構なバラツキがあるので、いろいろ試してみる必要はあります。
獲得したユーザーの「質」については下記で解説していますので、合わせて読んでみてください。