マーケティング=「獲得手段」は大間違い!失敗する3つのマーケティング思考

マーケティング
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マーケティングとは「モノ売れる仕組みつくり」であり「獲得手段」という考え方は間違いです

こんにちは

マーケティングスペシャリストのトロネコです。

最近、マーケティングという言葉を理解せず使っている人が非常に多いと感じています。

経験の浅い若手ならまだしも、事業責任者クラスの人が間違って使っている場面を見ると非常に危機感を覚えます。

そこで、今回はマーケティングとは何なのか?

誰もが知っているようで、しらないその正体についてちょっと深く話をゲーム業界に絞った形でご説明したいと思います。

誤解1:マーケティングとは施策で新規ユーザーを獲得することである

「マーケティングで新規ユーザーを獲得してDAU(Daliy Active users)を維持し、積み上げよう」

「だからマーケティング担当は新規ユーザーを獲得することが役割なので、数字にコミットするように!」

という話をたびたび耳にしますが、これはマーケティングではありません。「ユーザー獲得」=「マーケティング」ではないのです。

「ユーザー獲得」=「マーケティングの目的を達成するための一部にすぎません」

誤解2:マーケテイングとはデジタル広告をまわすこと

「なぜデジタル広告が取れなくなったのか?マーケティングが足りないのではないか?」

「マーケティング」=「デジタル広告をまわすこと」ではありません。「デジタル広告をまわすこと」=「マーケティングの目的を達成するための一部にすぎません」

これも間違ったマーケティングの使い方です。

誤解3:最近のトレンドはコミュニティマーケティング

「コミュニティマーケティングで新規ユーザーを獲得しよう!それが今回のマーケティングで注力すべきことだ」

最近はTwitterなどを使ったコミュニティマーケティングがトレンドで、SNSでユーザーを獲得したり、維持したりすることに注目が集まっていますので、こんな話を聞くことも多々あります。

これもマーケティングという言葉の間違った使い方です。

「Twitterを使ってユーザー獲得すること」=「マーケティングの目的を達成するための一部にすぎません」

 

いずれのケースもマーケティングをアクションプラン(=施策やプロモーション)と誤解している発言です。

・マーケティングとは新規ユーザーを獲得することが目的ではない

・マーケティングとはデジタル広告を運用して新規ユーザーを獲得することではない

・マーケティングとは、SNSを使ってユーザー獲得することではない

ということです。

もし、これらがマーケティングそのものならば

「新規ユーザー獲得」「デジタル広告運用」「SNSを使ったユーザー獲得」ができなくなった瞬間にマーケティングができなくなってしまいます。

しかし「新規ユーザー獲得」「デジタル広告運用」「SNSを使ったユーザー獲得」ができなくなっても、マーケティングができなくなることはありません。

でも、多くのマーケターと呼ばれる人は「新規ユーザー獲得」「デジタル広告運用」「SNSを使ったユーザー獲得」ができなくなった瞬間に行き詰まってしまいます。

なぜなら下記でも触れていますが「How思考」で作られた施策をマーケティングと誤解しているからです。

なぜ、HOW思考で作られたプロモーション施策は結果がでにくいのか?【マーケティング戦略が重要です】

マーケティングとは何か?

マーケティングとは「モノが売れるための仕組みつくり」です。

トロネコは「モノが売れる仕組み」を「ラーメン作り&ラーメン屋経営」に例える事が多いのですが、分解すると下記のようになります。

①美味しいラーメンを開発する

 食べたら美味しい、見た目も美味しそうなラーメンをつくる

②街の人にラーメンの魅力を伝える

 見た目も美味しそう、食べたら美味しいラーメンの魅力を適切に街の人に届けて来店してもらう

③明日も明後日も味を落とさず作り続けファンを魅了し続ける

 ファンの嗜好や要望を汲み取りつつラーメンを届けつづける

この3つが「モノ売れる仕組みつくり」となります。

ポイントは①②③は密に関係していて「①美味しいラーメンを開発する」ができない状態で「②街にラーメンの魅力を伝える」ことはできないという点です。

つまり、①②③は「点」ではなく「線」で繋がっていて、①があって②③は存在できます。①がなくて②③だけ頑張っても結果はでません。

なぜなら、「まずいラーメン」はどうやっても売れないですし、「見た目が美味しそうに見えないラーメン」を一口食べてもらうのは非常にハードルが高いからです。

 

▼これらをスマホゲームに置き換えると次のようになります▼

①美味しいラーメンを開発する

食べたら美味しい、見た目も美味しそうなラーメンをつくる

①つくるマーケティング(ゲーム開発)

面白いゲームを開発する

「遊んだらすぐにわかる面白さ」「遊びたくなる見た目」両方とも必要

②街の人にラーメンの魅力を伝える

見た目も美味しそう、食べたら美味しいラーメンの魅力を適切に街の人に届けて来店してもらう

②とどけるマーケティング(=プロモーション)

ゲームの魅力をターゲットユーザーに対して適切な形で届ける

③明日も明後日も味を落とさず作り続けファンを魅了し続ける

ファンの嗜好や要望を汲み取りつつラーメンを届けつづける

③とどけつづけるマーケティング(ゲーム開発&プロモーション)

ファンのニーズや時代の流れにあわせて、ゲームをアップデート&チューニングしながらファンを魅了し続ける

 

しかし、多くのゲーム会社では「②とどけるマーケティング」をマーケティングの全てとして語られているのが事実です。さらに、そこにはマーケティング戦略も薄く「How施策先行」で語られているのです。

 

 

その結果、冒頭であげた3つの誤解が生じてしまっていると思われます。

・誤解1:マーケティングとは施策で新規ユーザーを獲得することである
・誤解2:マーケテイングとはデジタル広告をまわすこと
・誤解3:最近のトレンドはコミュニティマーケティング

 

ただし、残念ながら「②とどけるマーケティング(=プロモーション)」だけでもなんとかなる時代がありました。

ゲーム自体に課題があっても、数の暴力で売上を作れてしまう時代があったのです。しかし、ゲーム市場が成熟化してくると下記のような状態になります。

・既にファンを獲得済みのゲームが多数存在する状態

・クオリティの高いゲームが当たり前になっている状態

・開発費、宣伝費が高騰化している状態

このような状態では従来の数の暴力に任せたやり方では結果が出ません。よって、「本質に踏み込んだマーケティング」ができるかがポイントになります。

まとめると下記の「マーケティングの定義」を構成する「3つのマーケティングプロセス」ができているゲーム会社しか戦えないというわけです。

3つのプロセスのうち「②とどけるマーケティング」「③とどけつづけるマーケティング」ができている会社は少ないですが存在します。

しかし「①つくるマーケティング」ができている会社はほとんど存在しません。そして前のパートでお話した通り

①②③は「点」ではなく「線」で繋がっていて、①があって②③は存在できます。①がなくて②③だけ頑張っても結果はでません。

よって「①つくるマーケティング」に、いますぐ踏み込めないと話にならないのです。

まとめ

今回、【マーケティングとは「モノ売れる仕組みつくり」であり、「獲得手段」ではない】という話をしました。

マーケターは企画段階から開発チームに参加して、いっしょに企画からゲーム開発にかかわり、ゲームファンに適切に届けて、遊んでもらい、かつ遊び続けてもらうための部分まで踏み込むことが必要で、これこそ「マーケティング」なのです。

こういう話をすると多くの人は、

そんなことはわかっているけど、そこまでできる人材がいないからできないんです・・・

という回答を頂くのですが、それはただの「あきらめ」「妥協」「現状に対する思考停止」なのです。

変えようとしなければ、変わらないし、未来はありません。そして、変わらない事のリスクについても、みなさんもそろそろ気づいているはずです。

 

というわけで、今回はここまで!