【2021年ゲームアプリ】アクティブユーザーから年代別ユーザーの嗜好性と市場規模を分析

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ゲームエイジ総研分析レポートから年代性別ゲームユーザー嗜好を分析してみよう

こんにちは

マーケターのトロネコです。

今回はゲームエイジ総研から発表されている「2021年ゲームアクティブユーザー数ランキング」のデータを元に、年代性別における

ゲームジャンル、ゲーム内容、コンセプトに対するユーザーの嗜好性

について分析していきます。

今回のレポートを分析していくと

年齢、性別によってゲームに対する嗜好性の違いが見えてきます。

そして

どこにゲーム事業としての可能性があるのか?

どこに向けて、どんなゲーム企画を投入すればいいのか?

そのセグメントを狙うとビジネス的に拡大しないかも!?

みたいなヒントも見えてくるのです。

新たなゲーム企画を検討されている方に参考になると思います。

 

 

そして、現時点でDAU(アクティブユーザー)は稼げても、実は売上が上っていないし

これから頑張っても、その先の未来はあまり明るくない

みたいな事も見えてきます。

 

あくまでもゲームエイジ総研がメディア向けに発表しているデータの範囲での分析になります。実際のところロウデータ(生の元データ)をクロス集計することで、異なる分析結果になる可能性はありますので予めご了承ください。

 

2021年ゲームアクティブユーザーランキングデータ

ゲームエイジ総研から発表されているレポートはさまざまなものがありますが、

今回の分析では「性別」「年代」だけのデータをもとに分析します。それ以外のデータには触れていませんが、興味がある方は下記をご覧ください。

 

まずは男女別のアクティブユーザーランキングです。

大きな傾向として男性は「ゲームっぽいゲーム」が好き

女性は「パズルゲーム」「リズムゲーム」が好き

といった大きな傾向が見られます。

その中で男女問わずランキングインしているfate grand oerder、モンストには

男女のゲームに対する嗜好性を越えてヒットする上でのヒントが隠れていそうですね。

続いて年代別のアクティブユーザーランキングを見ていきましょう。

ここからも色々な事が見えてきます。

10代は「プロジェクトセカイ」が人気で84万ユーザー存在しますが、女性ランキングでは85万人となっており、

どうやら「プロジェクトセカイ」は10代の女性が大部分を占めていると推測できます。

また10代の特徴として9位に「東方ダンマクカグラ」がランクインしており、それ以外の年代では登場していません。

「東方ダンマクカグラ」は10代を中心に局地的に支持されているアプリと推測できそうです。

 

続いて20代のアクティブランキングを見ていきましょう。

9位に「ニーア」、10位に「じゃんたま」といったタイトルが入っています。これは他の年代には見られない20代ならではの特徴的なタイトルです。

ニーアの独創的な世界観と、実況プレイと連動して人気になった「じゃんたま」が20代ゲームユーザーとの感性とマッチしている可能性はありそうです。

 

続いて30代のアクティブランキングを見ていきましょう。

30代になるとゲームタイトルの内容が一気に変わり始めます。

「ツムツム」「ホームスケープ」「ポコポコ」といった短時間で気軽に遊べるカジュアルゲームがランクインしてきます。

後で詳しく解説しますが、30代になるとゲームに使える可処分時間が変化して、遊べるゲームも変化すると推測できます。

もちろん、そういった環境の変化だけでなく、大人として人生経験を積んでいく中で、

ゲームジャンル、ゲーム内容に対する趣味嗜好も変化する境界線がどうやら30代にはありそうです。

ちなみに、「ツムツム」「ホームスケープ」「ポコポコ」「どうぶつの森」は30代だけでなく、40代、50代でも登場しますが

女性のアクティブゲームランキングに照らし合わせると、遊んでいるユーザーの多くは女性だということが推測できます。

40代になると、さらにゲームタイトルが変化します。

40代、50代、60代に共通して、「トゥーンブラスト」がランクインしてきます。「トゥーンブラスト」もほぼ女性が遊んでいるゲームと推測できますが。

40代を超えると、同じパズルゲームでも「遊びに対する嗜好性が変化するのでは?」

という仮説が見えてきます。

そして60代に入ると「ナンプレ」「熟語消し」といった脳トレ系が入ってくるのも特徴的な傾向と言えるでしょう。

【備考】パズドラは40代で途切れているけど、モンストは50代まで遊ばれている

ここでちょっと面白いのは、パズドラは10代から40代までランクインしていますが、男女別ランキングでは男性のみランクインしています。

一方でモンストは、なんと10代から50代までランクインしており、男女別ランキングでも両方にランクインしているのです。

パズドラの配信日:2012年1月11日

モンストの配信日:2013年9月27日

というようにパズドラの方が歴史は長いのですが、40代で途切れてしまっている。

モンストは世代を超えて、卒業者を出さずに遊び続けられている。

と言えるかもしれません。

 

PCオンラインゲームが10年以上の長期にわたってサービス運用されているタイトルが多いように、今後スマホアプリも長期運営をどこまでできるかが重要になります。

モンストと、パズドラは構成するユーザー属性も異なると考えられますが、

どうすればユーザーを卒業させず、世代を超えて遊び続けてもらえるのか?

そのヒントはこの2タイトルに隠されていると思います。

話が脱線してしまいましたので、戻しましょう。

今回の重要ポイント「可処分時間」と「可処分所得」の関係性

もう、お気づきの人も多いと思いますが

年代、性別によってゲームに対する趣味嗜好性が大きく分かれるのです。

今回のデータを見ただけでも次のようなことが推測できます。

「10代と20代の境目にゲームに対する嗜好が変わる境界線がありそう」

「30代に入ると急激にゲームに対する関わり方が変化しそう」

「40代になると、遊べるゲームの難易度が変わりそう」

「すべての世代を跨いで支持されるゲームには遊びの共通点がありそう」

「男女ではゲームに対する興味や関心が大きく異なりそう」

といった感じですね。

 

これは、今回のデータに限った話ではなく、

年代性別でゲームに対する趣味嗜好性が大きく異なるんです。

でも、多くの現場では

 

このゲームのターゲットは25歳から30代前半までの男性会社員

このゲームのターゲットは30代40代の男女

くらいの「ふんわりした」ターゲット設定でゲーム開発やマーケティングを進めています。

 

でも、実はこれら年齢性別には見えない境界線が存在して、そこで彼ら彼女たちが遊びたい、遊べるゲームがガラッと変わるんですよ。

なぜそんな見えない境界線が存在するのか?

それは年齢と共に

「可処分時間」と「可処分所得」が変化していく事が影響しています。

年代性別で「可処分時間」と「可処分所得」を整理してみよう

先に答えをお伝えしますが、大体のケースで次のような「可処分時間」と「可処分所得」のマッピングを作る事ができます。

10代 20代 30代 40代 50代 60代
可処分時間 ×
可処分所得 ×

なぜ「可処分時間」と「可処分所得」が変化するのか?

それは「学生」→「社会人」→「結婚」→「子供が生まれた」→「子供の成長に伴う出費」→「新しいものに対する理解度の変化」

といった

人間の成長と連動した環境の変化が存在するからです。

これに対して、さらに男女別で細かく変化が異なります。

もちろん女性の方がゲームに対する課金額は低くなります。

 

50代を超えると、可処分時間、可処分所得もあるのですが、今度はゲームに対する理解、関与度がグーンと下がってきて、「パズルゲーム」や「ナンプレ」など、ARPPUが低いアプリにシフトしていきます。

そしてゲームジャンルによって課金アクティブユーザーの違いも影響します。

下記は参考までのデータですが、詳しくは【参考記事】にて解説しています。

ゲームジャンル DAU ARPU(DAU平均課金額) 想定デイリー売上
パズル 30万 5〜10円 150〜300万円
シミュレーション 5万 100〜300円 500万円〜1500万円
RPG 20万 100円 2000万円
音ゲー 30万 10円以下 300万円
麻雀 50万 10〜20円 500〜1000万円

【参考記事】ゲームジャンル別ゲームアプリユーザー課金額ARPU・ARPPUとDAUの関係分析

まとめ:ユーザーの嗜好性と可処分時間と可処分所得のバランスを考えてゲーム開発をしよう

今回の分析からわかるのは

各年代性別によってゲームに対する趣味嗜好が分かれるという点です。

10代と20代と、30代以上では全然違うんですね。なぜ違うのかというと、人生の環境の変化が大きく影響しています。

ここに気づくと

次のような考察ができるようになります。

・10代に大人気でDAUを獲得できても、売上があまり上がらない

・可処分時間と可処分所得のバランスが良く、ビジネスとして成立するのは20代30代である

・その世代が今遊んでいるゲームは何か?

・今、開発しているゲーム企画はその世代が遊んでいる既存ゲームを辞めさせてまで遊んでもらえるパワーがあるのか?

・どうすれば新作ゲームに振り向いてもらえるのか?

 

このような

「なぜ」「なぜ」「どうすればいいのか」

といった深掘りができるようになります。

実はここに自社のゲームタイトルを成功させるためのヒントが隠れている事が多いのです。

 

今回の分析記事はもちろん

このような思考を意識しながら、皆さんのゲーム開発、マーケティングに役立てて頂ければ幸いです。

最後までご覧いただきありがとうございました。