ゲームアプリマーケティングにおけるSWOT分析の役割とは?(SWOT分析の作り方も解説)

マーケティング
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SWOT分析はマーケティング戦略を策定する上で重要です

こんにちはトロネコです。

今回は当たり前すぎて、むしろ軽視しがちなSWOT分析についてお話します。

 

みなさんはSWOT分析を知っていますか?

「SWOTなんて知らない」

「SWOT分析は知っているけど活用していない」

「いまさらSWOT分析なんて不要」

 

いろいろな意見があるかもしれませんが

マーケティング戦略を策定する上でSWOT分析は避けて通れません。

なぜなら、マーケティング戦略は以下のフレームワークによって策定しますが、このプロセスの中で一番重要な「課題の抽出」から「戦略策定」においてSWOT分析が不可欠だからです。

今回はSWOT分析とは何か?

ゲームマーケティングにおける使い方と役割について解説します。

SWOTの読み方

SWOTは、強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)と脅威(Threat)の4つの頭文字を取った造語であり「すうぉっと」と読みます。

間違えても「すわっと」ではないので注意しましょう。

 

SWOT分析とは何か?SWOT分析のメリットは?

SWOT分析は上記のように「強み」「弱み」「機会」「脅威」といった4つの項目から構成されます。

4つの項目から商品、サービスを分析して状況把握することで、戦略や施策に役立てます。

「強み」「弱み」は企業の内部的な事項、または商品の内部的な事項であり、それぞれポジティブ、ネガティブな要素です。

「機会」「脅威」は外部環境に依存するものであり、市場における商品、サービスの機会であったり、商品、サービスに影響を与える脅威だったりします。

 

例えば皆さんがゲーム担当のマーケターなら

4つの項目を書き出してみることで、現状のゲームの環境を網羅的に把握する事ができます。SWOT分析という表を使わなくても環境の把握はできますが、

網羅的に、抜け漏れなく把握する上でSWOT分析は便利なツールです。

だって、考える項目が明確になっており、あとは表を埋めるだけですからね。簡単です。

SWOT分析を行う上で注意すること

SWOT分析を行うにあたって

「強み」「弱み」「機会」「脅威」に相当する項目を書き出すことになりますが、多くのケースで「各項目の抽出方法」を間違えているため、間違った「強み」「弱み」「機会」「脅威」を列挙している事が多いのです。

間違った「強み」「弱み」「機会」「脅威」を書き出すことで状況把握を見誤ることになりますし、その結果、間違った判断をしてしまい、適切ではない戦略や施策をとってしまいます。

そこで4つの項目において「書き出す上での注意点」を上げておきましょう。

強み 内部環境 自社商品のプロダクト的な「強み」を列挙する。ただし、思い込みの「強み」ではなく、セールスポイントとして武器として使えるだけの「強み」が必要。様々な「強み」の中でも「強みの強度」を分類できると良い。

もし、「強み」が見当たらないなら、発売するだけの商品力がそもそも伴っていない可能性もあり。

弱み 自社商品におけるプロダクト的な「弱み」を列挙する。商品として劣っている部分、他社と比べた場合でも負ける部分を列挙する。「弱み」が多数存在していても、圧倒的な「強み」があれば「弱み」はそれほど問題にならないかもしれない。改善できる「弱み」、改善するには労力がかかる「弱み」、改善するほどの問題にはならない「些細な弱み」など分類ができると良い。

もし「弱み」が見つからない場合は、「弱み」が存在しないのではなく、自社商品の自己理解ができていない場合もあるので注意が必要。また「弱み」を改善したからといってマイナスがゼロになるだけであり、プラスにならない、強みに変身するわけでないことも理解しておくべし

機会 外部環境 市場環境や、競合商品の状況を踏まえて、自社商品を発売することによって生まれる「機会」を列挙する。ユーザーのニーズ、社会的トレンドの盛り上がりなど。現在、未来の市場を推測しながら想定される機械の範囲で列挙する。

「こんな機会があるかも!?あればいいな!」みたいな個人的な希望的観測は機会にならない。

脅威 商品を発売するにあたって外的要因によって、販売に影響が出るもの。他社の類似競合商品の動向や、社会的観念、世の中のトレンドや人の考え方の変化なども脅威になり得る。

明日で世界が終わるとか、天変地異とか、法的規制があるとか、どうしようにもない脅威は脅威にならない。それらは脅威ではなく「運命」「避けられないもの」「ビジネスをする上でのルール」になってしまうので、1%でも解決できる可能性がある脅威を列挙をすべし

 

実際のSWOT分析をみると、SWOT分析の各項目にあたらない内容が列挙されている場合が多いので、各項目を埋めても、何度もそれが適切なのか、抜け漏れがないのか?見直しましょう

90%くらいの人がSWOT分析の各項目を埋める「作業」が目的になっている印象です。そうやって作られたSWOT分析は使えないだけでなく、間違った判断材料として使われてしまいまう事が多いのです

なぜSWOT分析を行う必要があるのか

SWOT分析とは、自社の商品やサービスを分析して状況把握することで、戦略や施策に役立てることにあります。

上記については疑いの余地がないのですが、もう少し掘り下げて理解する必要があります。

強み 内部環境 自社商品のプロダクト的な「強み」とはユーザーの興味を惹く「魅力」であり「セールスポイント」でになる

これらがゲームアプリストアや公式サイトに魅力順で掲載され、その一部がデジタルプロモーションやTVCMなどの訴求軸として使用される。

「強み」を拡張する事をマーケティング戦略の柱として使うこともできる

(例:マーケティング戦略=強みであるAを増幅してターゲットBに伝えること)

強みはマーケティング戦略策定における「課題を解決する戦略の一部」としても使える

弱み 「弱み」とはユーザーの期待値に対して劣っている部分であり、ユーザーの不満になり得る部分。弱みを事前にどれだけ解決できるかでユーザーの不満を防止し、離反を防ぐ事ができる。弱みを解決してもマイナスがゼロ戻るだけ。プラスにはならない。

圧倒的な強みがあれば強みの伸張がマーケティング戦略の柱になる。しかし同時に圧倒的な弱みが存在し、強みを打ち消し、引っ張る恐れがあるほどの「弱み」が存在するなら、弱みの解消をマーケティング戦略のサブの柱と設定する考え方もできる

弱みはマーケティング戦略策定における「課題の一部」に該当する

機会 外部環境 機会とはニーズであり、それが存在するということは、マーケットが存在するということの証拠である。

逆に言えば「機会」の項目が何も埋まらないなら、この商品やサービスに市場性がないと言えるので商品企画の段階で間違っている可能性はある。

機会に対して「強みをどうやって伝えのか?」といった方針もマーケティング戦略として設定することもできる。

機会はマーケティング戦略策定における「課題を解決する戦略の一部」としても使える

脅威 脅威は完全に解決できない場合がある。脅威が解決できるなら解決に労力を費やしてもいいが、一般的には機会や強みを組み合わせて脅威を「軽減」するのが現実的である。

脅威の軽減が難しい場合は、脅威の解決は一旦諦めて、その他の項目を組み合わせてマーケティング戦略を策定する場合もある

脅威はマーケティング戦略策定における「課題の一部」に該当する

このような感じで

「強み」「弱み」「機会」「脅威」は相互に関係しながら

マーケティング戦略策定プロセスにおける「課題解決」と「戦略策定」のヒントになります。

つまり適切なSWOT分析ができればマーケティング戦略策定における「課題」と「戦略」が作れるというわけです。

 

逆を言えばSWOT分析ができなければ「課題」が明確にならないので、課題を解決するための方針である「戦略」も策定できないというわけですね

マーケティング戦略とSWOT分析の関係

マーケティング戦略は次のようなプロセスで上から下に向かって考えながら策定します。

この順番や、プロセスは何一つもスキップすることはできず、

目的→目標→課題→戦略

という流れを踏む必要があります。

なぜなら、この4つのプロセスは相互に連携しているからです。

 

このプロセスの中でも特に重要なのが「課題」のパートです。

なぜなら課題の抽出がマーケティング戦略の精度に影響するからです。

そして、課題をクリアして目標目的を達成するために注力するべき方針こそが「戦略」になります。

マーケティング戦略策定のフレームワークは下記にて説明していますので、こちらも読んで頂くのが良いかもしれません。

といったように考えていくと

SWOT分析をせずに、マーケティング戦略なんて作れない、となります。

逆を言えばSWOT分析が適切に行われていればマーケティング戦略の作成が楽になります。

 

それゆえに、マーケティング戦略を作成する上で、多くのマーケターはSWOT分析の4つの項目の中身の洗い出しに時間をかけます。

ただ項目を埋めればいいというわけではなく、その中身の精度や、核心を見つけるために時間をかけるわけです。

市場調査もユーザーインタビューも、データ収集も、SWOT分析の各項目を埋めるための裏付け(ファクト)探し、という見方もできますね

マーケティング戦略作成の準備段階でSWOT分析は役立つ

具体的なマーケティング戦略シートをご覧いただきましょう。

マーケティング戦略は4つのパートから構成されていますが、その一番目のパートの「自社把握」という項目にてSWOT分析が登場します。

「①事前整理」の「自社把握」で整理されたSWOT分析の内容は、最終的には「③マーケティング戦略策定」において大きな役割を果たします。

よって、マーケティング戦略を作る上では避けては通れないのがSWOT分析なのです。

マーケティング戦略の作り方については下記の記事で詳しく書いてありますので、お時間がある時にでもご覧ください。

マーケティング戦略シートは動画でも詳しく解説しています。こちらの動画でもSWOT分析がマーケティング戦略全体においてどのような役割を果たすのか詳しく説明しています。

【保存版】ゲームマーケティング戦略の作り方(戦略シートを使った誰でも作れる方法をかんたん・やさしく解説します)make a game marketing strategy sheet

SWOT分析がゲームマーケティングの現場で軽視されている理由

「SWOT分析なくしてマーケティング戦略は作れない」

これは間違い無いのですが、実際のところゲームマーケティングの現場では

・SWOT分析が行われていない

・実施されていても項目を埋める「資料作り」として使われている

といった状況が見られます。

 

中には「SWOT分析は時代遅れ」という考えを持っている人もいるようです。

つまりSWOT分析が軽視されているわけですが、なぜ、軽視されてしまうのでしょうか?

 

その理由はズバリ

マーケティング戦略自体が軽視されており

マーケティング戦略自体が適切に作られていない

からです。

実際のところ多くのゲーム事業の現場では戦略なき、HOW思考で作られた施策先行でプロモーションが実施されています。

それらを多くの人は「マーケティングである」と勘違いしています。

いわゆるマーケティングとプロモーションの混同です。

 

この状況を変えるには、あらゆるゲームタイトルにおいてSWOT分析を真剣に分析してみることは価値ある「練習」になります。

なぜなら自社タイトルの状況把握をする上で「SWOT分析」は非常に使えるからです。

SWOT分析なんて時代遅れだよ!

そんな声も聞こえてきますが、ある意味正解かもしれません。

なぜなら、

SWOT分析自体は意味がないのです。

SWOT分析をした後、それをどうマーケティング戦略に活かすのかが重要なのです。

多くの現場ではSWOT分析をやるだけ

SWOT分析という資料のページを作ることが目的なっており

それを見ただけでは「ふーん、だから、それで何?」

となってしまうのは仕方ない話です。

 

重要なのは事業を成功するための「勝機を高める方針」=いわゆる戦略を決めることにあります。SWOT分析は戦略を決める上でのツールに過ぎません。

よってSWOT分析ではない別の方法で現状把握する方法があれば、それでも構わないのです

 

もしマーケティングに課題を感じていて、その課題に対する打ち手が見つからないならば、SWOT分析から始めてみるのもアリです。

というわけで今回はここまで!