ゲーム開発とプロモーションは30%のチャレンジと70%の定番施策がちょうどいい

ゲーム開発

こんにちは

マーケティングスペシャリストのトロネコです。

今回はゲームプロモーションにおけるリソースの掛け方についてお話したいと思います。

ここでのリソースとは、お金、人、自社の資産、時間などを指します。

これらリソースは無限に存在するわけではありません。

わたくしトロネコのお小遣いも有限ですし、トロネコの時間も毎日24時間しか存在しません。

これら限られたリソースをゲームプロモーションに割り当てて、最大限の結果を目指す作業を数人から数十人、数百人規模で実施しているのがゲーム会社となります。

どんなに儲かっている会社でもお金は有限ですし、そこで働いている人の時間も有限です。それらをゲームタイトルに割り当てていく方針を決めるのが

いわゆる「戦略」になります。

 

戦略とはリソースをどこに張って、結果を出すのか?割り当て方を決めることも含みます。

そこで今回のテーマはみなさんが担当している

配信前の新作タイトル、もしくは配信後の運用タイトルにおいて、リソースとよばれる、お金、人、自社の資産、時間をどのように配分するのが良い結果を生みやすいのか、核心に迫ってみたいと思います。

スポンサーリンク

ゲーム開発とプロモーションは30%のチャレンジと70%の定番施策がちょうどいい

最初に答えをお伝えすると

「ゲーム開発とプロモーションは30%のチャレンジと70%の定番施策がちょうどいい」

これはかなり核心をついています。

定番施策とは、過去実績によって証明された「やり方」であり、そこにリソースを投資したら、高い精度で獲得できる数字が試算できるような施策を指しています。

つまり、迷わずそこに投資すれば、確度が高く数字も見込めるというわけです。よって多くのゲーム会社、マーケターは定番施策ばかりやろうとします。

口頭ではチャレンジ施策だ!といっても、冷静にみると定番施策に過ぎないようなもので固めようとします。

なぜなら、大きく外すこともないし、外しても責任を問われにくいからです。

しかし残念なことに、定番施策も外れることがあります。

しかし、定番施策は大きく予想をこえて跳ねることは少ないのです。

よって、定番施策は70%にして、残りの30%をチャレンジ施策に投資することで、大きく跳ねるチャンスを手に入れようというのが、この考え方です。

まずは定番施策で足元を固めて、ある程度数字が読めるようにしておき、残りをチャレンジ施策に投下して、大きく跳ねる可能性を残しておくというわけですね。

ちなみに、数字とはゲームアプリの場合は新規ユーザーを獲得することだったり、既存ユーザーを維持したり、離脱ユーザーを復帰させたりする施策を指します。

 

新規ゲーム、運営中の既存ゲームに関係なく

「ゲーム開発とプロモーションは30%のチャレンジと70%の定番施策がちょうどいい」

という考え方は有効です。

しかし多くの現場では新規ゲーム、既存ゲームに関係なく、定番施策しかできずにいます。その理由はなぜだと思いますか?

ゲームの現場でチャレンジ施策ができない理由

ゲームの現場を長年、見て経験から、なぜ定番施策しかできず、チャレンジ施策ができないのか?その理由は明確です。

・チャレンジ施策をするには周囲を説得する必要がある

・チャレンジ施策を外すと周囲から責められる

・チャレンジ施策はチャレンジゆえに、獲得ユーザーなどの試算がしにくく、試算しても精度が高くない

・チャレンジするということは考えることであり、考えることはつらいことである

つまり、チャレンジ施策をすると仕事は増えるし、つらい思いをしなければならない可能性が高くなるというわけですね。

これはマーケティングや、プロモーションに限った話ではなく、ゲーム開発や新規ゲーム企画においても同様です。

誰も面倒なことはしたくないし、

もしWeb運用広告とTVCMだけやっておけば、わかりやすくユーザーを獲得できるなら、それしかやらない方が楽だからです。

しかし、チャレンジなきビジネスに成長も結果もついてきません。

改めてここで語るまでもないですが、

大きな結果を求めるならチャレンジは不可欠だからです。

その結果、多くの人は無謀なチャレンジをしてしまう

我が社はチャレンジがたりない!チャレンジが重要!

という話になると、ゲーム会社の場合、「チャレンジすることは正義」みたいな雰囲気に染まってしまう場合があります。

しかし、チャレンジ施策は、定番施策に支えられた上でのチャレンジであるべきで、定番施策なきチャレンジは、ただの無謀な暴走に過ぎません。

「暴走はさせない」

「でもチャレンジしなければならない」

そう考えていくと、

「30%のチャレンジと70%の定番施策がちょうどいい」

という結論に至るわけです。

この数字に科学的な根拠はありません。

ただし、このくらいの割合でゲーム開発やゲームマーケティングを進められると、うまくいくケースが多いかな

ということを20年以上のゲーム業界経験を経て悟ったわけです。

そして、定番施策しかできなければ、実は現状維持も厳しく、じわじわと後退していくこともわかっています。

ゲーム業界の場合はゲーム開発もマーケティングも常に変化していますので、過去から導き出された、過去に有効だと思われてきた「定番」ばかりをこなしても、維持は難しく、幾分か目減りした結果しか得られないのです。

変化に対して積み上げていくためには「チャレンジ」が必要というわけですね。

定番施策でも質をあげることで施策効果を改善できる

定番施策をそのまま実施するだけでは、過去を繰り返しているのと同じです。

しかし定番施策でも、課題を見つけ出し改善して質をあげることで施策効果を高めることができます。

定番施策なので100%→102%くらいに高める程度が限界なのですが、擦り切れた定番施策でも2%くらいは改善することは可能です。

定番施策をそのまま実行して、いつもの結果を出す

のではなく

定番施策であっても細かいチューンナップをして少しでも質をあげる

という意識と発想を持てるかが重要です。

ありきたりの事前登録キャンペーン、見慣れたゲーム内のログインボーナス、いずれも定番施策であり、そのやり方に大きなアップデートはありませんが、少しでも改善したい、質を高めたい!と思えられるかが重要です。

「思考停止」で定番施策しかできなくなるとヤバい

その昔、家庭用ゲームのマーケティングをやっていました。

家庭用ゲームとはゲームソフトを生産して、ゲームショップに並べる必要があるわけですが、そのために、店頭販促用ポスターを制作していました。

どんなに小規模で売れる見込みがないゲームでも、最低限店頭ポスターは作成するのがルールだったわけです。

「あたりまえにやるべき施策」という思考停止状態に染まってしまうと、何も考えず店頭ポスターを作り続けることになります。

でも実態は作成した店頭ポスターのほとんどがゲームショップに貼られることなくゴミになっていたわけです。しかし、それに対して誰も指摘をする人はいませんでした

(いまは変わったかもしれませんけどね)

 

「店頭ポスターは最低限つくるべき定番施策だ」

「これを作らないという判断はない」

という思考停止状態こそがヤバいのです。

 

ゲームアプリに置き換えるなら

「CBTやOBTは必ずやるべきだ」

「ログインボーナスも事前登録もやるべきだ」

と定番施策は必ず必要なことであるという考えに染まってしまう場合があります。しかし本当にそうなのでしょうか?

結論をお伝えするとCBT、OBT、ログボ、事前登録は必ずしも必要ではありませんし、場合によってはネガティブな影響を与える場合もあります。

とはいえ不要といっているわけではないですよ。

みなさんのゲームアプリに対して、その戦略や運用方針において、必要か?不要か?考えた上で判断をするべきという話です。

それが誰も疑わず、いままでやってきた定番施策だとしても、それが100%正しいとう答えは必ずしも無いからです。

 

思考停止に関する記事は他でも書いていますので、興味がありましたらチェックしてみてください。

まとめ

ちょっと話が脱線してしまいましたが、

「ゲーム開発とプロモーションは30%のチャレンジと70%の定番施策がちょうどいい」

この感覚で物事を進めていくと良いと思います。

定番施策を実施するなら、必ずチャレンジ施策も用意するようにしましょう。そしてチャレンジ施策の実施においては、辛いことも多いと思いますが、むしろその辛さは成功へのプロセスを踏んでいるんだ!

くらいに考えるのが良いと思います。

というわけで今回はここまで!