スマホゲームの復帰施策の最終手段はアプリのプッシュ通知機能にあり
こんにちは
マーケティングスペシャリストのトロネコです。
今回はゲームアプリのプッシュ通知についてのお話です。
みなさんゲームアプリを遊んでいるとアプリ側からスマホ端末に対して
メッセージが送られてきた経験はありませんか?
そんなの知っているよー
と言われるかもしれませんが、そのくらい当たり前なくらい誰でも知っている機能だったりします。
しかし残念ながらゲームアプリのプッシュ通知機能は、ほとんど有効活用されていません。
その代わりに、近年はLINEを使ったLINE友だちに対するプッシュ通知がプロモーションとして活用されています。
なぜなら、LINEを使ったプッシュ通知は
・既存ゲームプレイヤーのリテンションを維持し
・ゲーム内KPIであるDAU軽減を防ぐ効果あり
と考えられているからです。
【リテンション】ゲームアプリにおけるユーザーの継続率を表す言葉です。「顧客維持」みたいな意味で使われますが、リテンションでも、継続率でも、言葉の意味は同じです。
【KPI】Key Performance indicatorの頭文字をとった言葉。難しい言葉で表現すると「重要業績評価指標」となりますが、ゲームアプリやPCゲームの運用に関する数値全体をざっくり刺すことばとして使われています。ケーピーアイと読みます。 【DAU】Daily Active Usersの頭文字をとった言葉。KPIにおける重要な指標のひとつです。1日あたりの平均プレイユーザー数のことをさします。ディーエーユー、またはダウと読んだりしますが、読み方はどっちでも結構です。 |
しかし、最初に事実をお伝えしておきましょう。
・LINEのプッシュ通知はLINEアカウントに登録している必要があります。
LINEに登録していないとそもそもプッシュ通知を送ることができません。
・ゲームアプリのプッシュ通知はゲームアプリをアンインストールせず、かつプッシュ通知機能をオンにしている限りユーザーに対して通知が可能です。
・さらにゲームアプリのプッシュ通知を使った施策は各ゲーム会社ともに踏み込めていない領域であり、離脱ユーザーの最後の連絡手段として活用できる可能性があります。
ゲームアプリのプッシュ通知、結構使えそうな気がしてきませんか?
一時期、プッシュ通知をかつようしていたゲームアプリもありましたが、最近はプッシュ通知を送ってくるゲームアプリって減った気がします。
なぜなら、ゲームアプリのプッシュ通知の運用のやり方がわからないですし、運用の手間も結構かかるらです。
その代わりLINEプッシュ通知を使っているゲームもありますが、LINEプッシュ通知も最近頻度が減ってきています。なぜならLINEプッシュ通知が有料化されたからです。
ゲームアプリのプッシュ通知は無料です。
しかも、ゲームアプリを削除せず、かつプッシュ通知をオンにしている限り連絡手段として使えるからです。
というわけで、前置きが長くなってしまいましたが、今回はゲームアプリのプッシュ通知についてお話します。
目次は以下の通りです
【目次】
・LINEプッシュでは本質的な改善ができない理由 |
LINEプッシュでは本質的な改善ができない理由
一時期と比べると減りましたが
多くのゲーム会社がLINEをプロモーションに使っています。
LINEは事前登録媒体として使っていますので、何かしら活用しているゲーム会社が多く、むしろ一切使っていない会社はないんじゃないか?と思えるくらいに「最低限必要なプロモーションツール」として使われています。
例えばこんな用途で使われています。
・事前登録媒体としてLINEを使用 |
・事前登録ユーザーをLINE友だちとして集客する |
・アプリ配信と同時にLINEプッシュで配信告知する |
・アプリ配信後はLINEにプールしたユーザーに対してゲーム情報を告知し、ゲームに対するリテンション、DAU維持に活用する |
これらはゲームプロモーションにおける一般的なLINEの使用方法であって、ぜんぜん間違っていません。
各ゲーム会社のマーケターやSNS担当は毎日、LINE運営に時間を割いているのです。
しかし、ちょっとだけ冷静になってみましょう
・そもそも、LINEはそのゲームとは関係ない外部ツールですよね?
・つまりゲーム外にあるツールですよね?
・LINEで伝えられる人は、LINE友だちになった人だけですよね?
・そのゲームをプレイしているユーザーの全員がLINE友だちではないですよね?
何を言いたいかというと、
LINEはアプリ配信前の事前登録媒体としては効果がありますがアプリ配信後、みんなゲームを遊びます。
なぜなら主役はゲームだからです。
ゲーム外ツールであるLINEからプッシュ通知で情報伝達しても、LINEからゲームまでには距離があるため、リテンション効果が見込みにくいという話です。
実際のところLINEでプッシュ通知をすると、LINE友だちに含まれる、そのゲームをプレイしているユーザーに情報が届きますので
ゲーム内のDAUなどは瞬間的にあがります。
でも、LINE友だち=ゲームをプレイしているユーザーの全員ではありません。既にゲームを辞めてしまった方や、LINE友だちをしていなかった人には情報は届きません。
そして注目して欲しいのは
LINEプッシュ通知で改善したようにみえるDAUは瞬間的にあがりますが、すぐに元に戻りませんか?
でもDAUがあがるとプロモーション担当としては嬉しいですよね
むしろ瞬間的であってもDAUを上げることが仕事になっているマーケターもいるかもしれません。
ですから、その数字ばかりに気になってしまい、本質的なリテンション維持効果が見込めない事実に対して、多くのゲーム運営も、マーケターも目を向けようとしないのです。
実はLINEプッシュ通知は本質的な課題の改善に踏み込んでいない、その場しのぎの数字遊びの施策なのです。
うそ?と思うかもしれませんが、これ、事実です。
また、最近、LINEのビジネス使用における有料プランが変わりまして以前ほどLINEプッシュを送りにくくなってしまいました。つまり、LINEプッシュをするとお金が結構かかるようになったわけです。
お金がかからない状態なら、LINEプッシュはとりあえず送っておけばいい!
と割り切りもできたのですが
・お金がかかる |
・本質的なリテンション効果が見込めない |
・よってコスパが悪い |
という状況なので、今後、LINEを使ったプロモーションを控えよう、絞ろうという動きはゲーム業界内でみられます。
プッシュ通知はゲームを改善できる最後の砦
一方で、ゲームアプリから直接ユーザーに情報通知できる「ゲームアプリのプッシュ通知」はLINEプッシュと大きく異なります。
なぜなら下記のようなメリットがあるからです。
・そのゲームをインストールしている全員に送れる(ただし、プッシュ通知の許可をオンにしている必要あり) |
・ゲームから送るのでLINEよりもゲームとの距離感が近い |
・ゲームを離脱しても、ゲームアプリを削除しない限り送れる |
ゲームとの距離も近いですし、「ゲームを削除しない限り情報を届けられる」という点は、
ゲームから遠い、友だちにならないと情報が届けられないLINEとは大きな違いがあります。
LINEやTwitterをフォローしていないし、辞めてしまったユーザーに対して連絡手段がない中で、「ゲームアプリを削除しない限り送れる」というゲームプッシュ通知機能は「ゲームを改善できる最後の砦」というわけです。
一方でゲームアプリのプッシュ通知にはデメリットもあります。それは
「ゲーム内プッシュ機能をユーザーがオンにしていないと送れない」
という点です。
つまり、ゲーム内プッシュ機能をユーザー自身がいかにオンにさせるかが重要というわけです。
でも多くのケースで、ユーザーはゲームインストール直後に即時オフにしてしまいます。
ゲームインストール直後に「オン」にできれば「ゲームを改善できる最後の砦」が作れそうですね。そこで次のパートでは通知機能をオンにするためのヒントをお話していきましょう
プッシュ通知を「オン」にさせるためのヒント
ゲームアプリのプッシュ通知機能は、ほとんどのケースでゲームをインストールした時に「プッシュ通知をオン/オフにしますか?」と聞かれます。
そして、殆どの人がこの時点でオフを選んでしまいます。なぜなら、通知自体はうっとおしいですし、オンにする価値を全く感じないからです。
つまり、この時点でオンにしたい、オンにしたらいいことがあるという事をユーザーに理解してもらわないと、設定をオンにさせられません。
そして、オンにさせられるチャンスはほぼ、この1回限りだと断言できます。
プッシュ通知をオンを選んでもらうための方法について、トロネコなりのアイディアをまとめてみましたので参考にしてみてください。
ユーザーがプッシュ通知をオンにするメリットを用意する
まず、プッシュ通知をオンにしておくと得られるユーザーメリットを用意しましょう。例えば下記のような考え方が有効です。
例1)オンにしておくと「お得な情報」が得られる
例えばオンにした人だけに、時間限定で開催する限定ミッションの開催10分前にお知らせする
例2)ゲームをもっと「遊びやすくなる情報」が得られる
例えばオンにしておくと、ゲーム内プレイヤーのHPが満タン回復したらプッシュ通知でお知らせしてくれるから効率的にゲームが遊べる
例3)オンにしておくと「秘密の言葉」が送られてくる(番外編)
例えば毎日送られてくる「秘密の言葉」をつなげて公式サイトの応募フォームからエントリーするといいものが当たる!
これらはあくまでも例ですが、このようにオンにしておくメリットを明確にして設計する必要があります。
今回、とりあげた案が良いか悪いかは別として、このような案を出した上でプッシュ通知を設計することで、ゲーム内プッシュ通知をオンにするモチベーションを作ることができます。
配信前の事前登録期間で「オン」にするメリットを伝える
プッシュ通知をオンにするメリットができたら、あとはそのメリットをどうやってターゲットユーザーに伝えるのかが重要になります。
例えば事前登録者に対してTwitterや公式サイト等を使ってプッシュ通知をオンにするといいことがあるぞ!
という情報を徹底的に伝えるのは有効です。
ゲームインストール直後に伝える
ゲームのインストール直後の起動画面、ロード画面、追加ダウンロード画面などで、プッシュ通知をオンにすると得られるメリットを再度伝えましょう。
人間は忘れやすい生き物ですから、このように繰り返しメリットを伝えて、インストールした直後にプッシュ通知をオンにするような状態を作っていくことが重要です。
ゲーム配信1年後にプッシュ通知の重要性を気づいても手遅れです
そしてプッシュ通知は、必ずゲーム配信前に設計、実装し、配信と同時に実施するようにしましょう。
なぜならゲーム配信1年後に、ゲーム内プッシュの重要性に気づいても、多くのユーザーが辞めてしまった後ですから、もう手遅れです。
なぜならこちらでも書いていますが、ゲームアプリは配信初日で起動ユーザーの半分が辞めてしまうからです。ですから1年後といえば数パーセントしか残っていないことになります。
もちろん、1年後でも効果は無いとはいいませんが、効果を最大化させることは難しいです。
そして、一度、プッシュ通知「オフ」にしたユーザーに手間をかけさせて「オン」にさせるのは結構大変です。
オンにさせるチャンスはアプリ配信直後がすべてです。そこでオンにしておけば、どんどん辞めていく初動ユーザーを救うことができますし、ここでの努力が1年、2年、3年後のゲーム運営に大きく響いてきます。
まとめ
最後に今日お話したことをまとめておきましょう
・LINEプッシュ機能はゲームのリテンション効果はあるけど本質的な改善はできない
・ゲーム内プッシュ通知は本質的な改善ができる最後の砦
・ゲーム内プッシュの設計と実装はアプリ配信前からの仕込みが重要
殆どのアプリでゲーム内プッシュ対策はできていません。ですから、ここができると大きなアドバンテージになります。
アプリ最新直後ではあまり効果が見えにくいのですが半年、1年とゲーム運営をしていくと大きな差が出てくるポイントですので、是非、今回の記事を見て「いいね!」と思ったら新規タイトルに是非組み込んでみてください!
最後に今回、ご紹介した内容についてご相談したいことがあればLINEチャットで無料相談できる「トロネコのカベウチ」をお気軽にご利用ください。トロネコがチャットでご相談に乗ります。もちろんメールでご連絡いただいても結構です。
みなさまのお役に立てればトロネコは幸せです。