海外ゲームが日本市場で失敗する原因|事業責任者が配信前に最低限やるべきこと

こんにちはトロネコです。
今回は、海外のゲームタイトルが日本市場で失敗しやすい本当の原因と、事業責任者が配信前に最低限確認すべきことについて解説します。
実際のところ、日本でうまくいかない海外タイトルの多くは、ゲームの面白さで負けているわけではありません。
日本市場で戦う前に、本来やるべき最低限の確認と調整ができていないまま配信してしまっていることが大きな原因です。

それは本当にもったいないことです。
海外ゲーム会社の多くは
「翻訳して配信すれば、あとはゲーム内容次第で勝負できる」
と考えている傾向があります。
しかし、実際のところ、翻訳しただけでは日本市場では勝負になりません。
・ゲーム内容が伝わないアプリストア設計
・ゲーム内容と乖離した誇大広告
・日本のユーザーに合わないゲーム運営、SNS運営
もちろんゲーム内容が日本市場向けに調整されていないのもうまくいかない原因です。
でも、一番大きな問題は

海外で通用したやり方をそのまま日本でも展開することで
日本ユーザーが違和感を感じてしまう点にあります。
日本ユーザーはこうした違和感に対して敏感です。
ゲームの面白さに到達する前に
「何か変な気がする」
「このタイトルは大丈夫か」
「この会社を信用していいか」
「またこのパターンか」
といった判断をしてしまいます。
そんなもったいない状況を回避するために、海外ゲーム会社が日本でゲームを配信する上での「最低限やるべきこと」を解説します。
とはいえ今回の記事でいうところの「最低限やるべきこと」とは決して特別なことではありません。
特別に勝つための施策ではありません。
まず日本市場で、面白さやポテンシャルを評価してもらえる入口を作るための前提条件です。
これができていないまま配信すると、そのゲームが本来持っている魅力が伝わらないだけでなく、日本ユーザーに違和感や不信感を持たれた状態で勝負することになります。
その状態を回避するためにやるべきことを解説します。
海外タイトルに日本のユーザーが違和感を感じるポイント

海外タイトルに対して日本のユーザーが違和感を感じる代表的なものとして
次のような点が挙げられます。
・アプリストアを見てもゲーム内容がわからない
・広告や内容に嘘っぽさを感じる
・すぐサービス終了してしまわないか不安に感じる
・UIが使いにくく、フォントが洗練されていない
・どこかで見たようなゲームに見える
・公式X、公式サイト、YouTubeが洗練されていない
このような状況を目にすると、日本のユーザーはそのゲームの面白さを体験する前に違和感を感じます。
ならばどうすればいいのか?優先度で最低限やるべきことをまとめました。
優先度Bは同じ海外のゲーム会社と比べて一歩踏み出す上で重要
優先度Cは日本市場で成功したいなら避けて通れない項目
優先度A|配信前に必ず対応するべきこと

チェック① 日本語の違和感を改善する
【理由】
・不自然な日本語は日本のユーザーの違和感につながる
・ゲームの世界観と合わない表現は没入感を阻害する
【確認事項】
・ゲーム内テキストは自然な日本語か
・キャラクターや世界観と日本語表現が噛み合っているか
・フォント、UI、テキスト表示に不自然さがないか
【対応方法】
・翻訳チェックだけで終わらせず実機上で確認する
・1次翻訳だけでなく、2次翻訳、3次翻訳まで行う
・ゲームプレイを通して流れをチェックする
チェック② アプリストアや広告で違和感や理解不足がないか
【理由】
・日本ではアプリストアや広告の作り方がゲーム不信につながる
・面白さの前に「怪しい」「安っぽい」で離脱することが多い
・事前情報とゲーム内容の不一致はユーザー離脱原因になる
【確認事項】
・ストア説明や画像は適切か、違和感ないか
・誇大広告、ゲーム内容との乖離はないか
【対応方法】
・ユーザーの第一印象だけを切り出してチェックする
・「伝えたいこと」ではなく「不信感が出ないか」で見直す
チェック③ 品質・UI・導線が適切か
【理由】
・日本では品質の粗さが、会社への不信感につながる
※ここでの品質とは「ゲームの面白さ」ではなく、本来対応されているべき「遊びやすさ」の品質を指します。
・初期体験が悪いとゲームの面白さ以前に離脱する
【確認事項】
・起動からプレイ開始までにストレスがないか
・UIや導線は分かりにくくないか
・明らかな不具合や雑な挙動が残っていないか
【対応方法】
・初回ゲーム体験を確認する
・「違和感がないか」を前提で品質チェックする
チェック④ ゲーム内外のクリエイティブを事業責任者が把握できているか
【理由】
・外部会社への丸投げでは、誇大広告や他社IP侵害のリスクがある
※その結果、ユーザー離脱やユーザーとの信頼関係に影響する
・誰も見ていない、誰も止めない状態はリスクしかない
【確認事項】
・広告クリエイティブを事業責任者が把握しているか
・PV、バナー、動画、LP、ストア素材は誰が承認しているか
・外部会社に任せっきりになっていないか
【対応方法】
・世の中に出るものはすべて確認する
・ゲーム内容と外部クリエイティブを分断させない
・誰が最終確認するか明確にする
チェック⑤ 日本向けに何を変えるか、誰が決めるかが明確か
【理由】
・多くの失敗は、作業不足ではなく判断不足で起きる
・誰が決めるか曖昧だと、重要な修正を行わず配信してしまう
【確認事項】
・日本向けに変えることが明確か
・日本向けに変えないことも明確か
・本社と現地のどちらが最終判断するか決まっているか
【対応方法】
・変更対象を一覧リスト化する
・変更可否の決裁ラインを配信前に決める
チェック⑥ 事業責任者が、日本市場でつまずく原因を把握しているか
【理由】
・日本参入は現場業務ではなく、事業判断で決まる
・事業責任者が理解していないと、最後まで現場任せになる
【確認事項】
・日本市場で不信感につながる要素を説明できるか
・自社タイトルの不安要素、弱みを理解しているか
・外部パートナー任せっきりにしていないか
【対応方法】
・「何をやるか」より「何がダメなのか」を理解する
・事前に失敗するパターンを想定し、事前に解決するか、打ち手を用意する
優先度B|配信前に考え方を決めるべき項目

チェック⑦ 日本参入を「翻訳作業」で終わらせていないか
【理由】
・日本向けのゲーム配信は翻訳だけでは不十分
・1次翻訳をやっても日本では違和感や不信感が残ることがある
【確認事項】
・日本向けゲーム配信をただのローカライズ作業として扱っていないか
・ストア、PV、広告、ゲーム運営まで確認しているか
【対応方法】
・「何を訳すか」ではなく「何を日本向けに変えるか」で確認する
・翻訳以外のゲームの「見せ方」や「運営」も含めて判断する
チェック⑧ 課金・運営がカンパニーファーストになっていないか
【理由】
・日本ユーザーは課金そのものより、ビジネス優先に見えることに敏感
・課金圧を強く感じさせると、それだけで警戒される
【確認事項】
・課金導線が露骨すぎないか
・ビジネス思考でユーザー目線を無視していないか
【対応方法】
・課金導線や見せ方を日本向けに見直す
・ゲーム運営の方針をユーザー目線で見直す
チェック⑨ 公式X・YouTubeの運用が日本向けに設計されているか
【理由】
・日本市場では、公式アカウントの運用も信頼の一部として見られる
・フォロワー数よりもエンゲージメントや運用方針、内容が重要
【確認事項】
・公式XやYouTubeの役割や戦略が明確か
・日本向けに何を伝える場なのか決まっているか
・フォロワー数に対してエンゲージメントが極端に低くないか
・ユーザーに寄り添った運営ができているか
【対応方法】
・フォロワー数を増やすことより、何のために運用するかを先に決める
・日本向けの投稿方針、更新頻度、発信内容を明確にする
・公式アカウントを広告補助ではなく、信頼形成の接点に使う
優先度C|日本市場で成功するためにやるべき項目
チェック⑩ このタイトルが選ばれる「強み」「魅力」が明確か
【理由】
・ここまでの最低限の対応だけでは選ばれる理由までは作れない
・日本で勝負するには、明確な「強み」「魅力」が必要
【確認事項】
・このタイトルが日本で評価される理由を一言で言えるか
・競合、ベンチマークタイトルと比べた時の強みが明確か
【対応方法】
・このゲームならではの負けない強い魅力を最低限1つは用意する
※ゲーム内容に及ぶ部分なので、ここが曖昧な状態では日本市場で配信してもうまくいきません。
チェック⑪ 「強み」「魅力」をどうやって日本市場に適切に伝えるか
【理由】
・日本市場で戦える「強み」「魅力」を用意できても、伝え方が重要
・宣伝やストアで多くのことは伝えられない、何を打ち出すのが最適か
【確認事項】
・日本市場で訴求する「このゲームの魅力」は決まっているか
・その魅力が整理されストア、PV、広告に同じ軸で反映されているか
【対応方法】
・日本向けのメッセージを明確にする(=マーケティング戦略)
・あらゆる訴求物のメッセージをそろえる
チェック⑫ どこまでカルチャライズするかを決めているか
【理由】
・海外のゲームを全部日本向けに変える必要はない
・ただし、どこまで変えるかを決めないと中途半端になる
【確認事項】
・日本向けに変える範囲が決まっているか
・変えない判断に合理的な理由があるか
【対応方法】
・何も変えない判断や思考停止で放置しない
・変える部分と残す部分を事業判断として確認する
まとめ|最低限やらないならリスクを理解して判断する

ここまでに解説した内容は、決して特別なことではありません。
海外タイトルを日本市場で配信するなら最低限やるべきことです。
そして、これらができた上で、初めて日本市場に向けたマーケティング戦略、仕掛けを行います。
でも実際には、この「当たり前」「最低限」ができていない会社が多く、ポテンシャルがあるゲームでも、その強みを発揮できていないものが多いのです。
もちろん、何も対応せずに日本市場で配信することは可能です。
ただしその場合は、ゲームの面白さ以前の部分でユーザーに違和感や不信感を与えたまま出すことになります。
事業責任者は、そのリスクを理解した上で「それでも出す」と判断する必要があります。
トロネコができること

トロネコは、海外タイトルを日本市場に持ち込む前に、
・何を変えて、何を変えないか
・どこに優先して工数をかけるべきか
・そのタイトルの勝ち筋をどこに置くか
といった部分を確認し、事業責任者が判断できる状態をお手伝いしています。
その結果、
・最低限、戦える状況をつくる
・ポテンシャルがあるタイトルが無駄にならないようにする
といった状況を作ることができます。
その上で、本来やるべき踏み込んだマーケティング戦略や事業判断のお手伝いもしています。
・何ができていて、何ができていないのか
・このまま出して本当に大丈夫なのか
次のタイトルで同じ失敗を繰り返したくない場合は、お気軽にご相談ください。



