【永久保存版】ゲーム会社の社内決裁が通る!失敗しないゲームアプリ企画の作り方
こんにちはゲームマーケターのトロネコです。
今回はゲームアプリ企画の作り方についてお話します。
実際にゲーム会社で働いてスマホゲームの新企画を作っているけど例えばこんなことありませんか?
・直属の上司の決裁が通らない
・役員決裁が通らない
・決裁会議のたびに様々なインプットが入って右往左往する
・新しいゲーム企画をジャッジする上での観点がわからない
・誰もゲーム企画に対して責任を持たないし正解を知らない
・会社の方針変更でプロジェクトがリジェクトになったりすることが多い
・社内でライバルが多くて自分のゲーム企画が通らない
・自社の新作ゲームの成功率が悪い
ここで挙げたのは一部に過ぎないのですが
企画を提案する側、ジャッジする側で
いろんな課題や問題、悩みがありますよね・・・・
ゲーム会社として「変だよね」「ダメだよね」「終わっているよね」みたいなこともあって、真剣にゲーム企画を書いて提案する側としては心が折れてしまうことも多いかもしれません。
そこで、今回ご紹介する方法でゲームの企画を作成して提案してみてください。
それによって皆さんのゲーム企画は社内決裁が通りやすくなり
そして肝心のビジネスとしても成功率が確実にアップします。
なぜなら、今回、ご紹介するゲーム企画の作り方を取り込むことで、スマホゲーム事業において
現場も、決裁者も、一番知りたいことを全部網羅できるからです。
ゲーム企画って「ただ面白そう」だけでOKは出ません
なぜなら、ゲーム会社はビジネスとして、投資活動としてゲーム事業をするからです。
「儲かるの?」「儲からないの?」
「うまくいくためにどこまで抜け漏れなく考えられているの?」
ここが重要なのです。
ただ面白そうな斬新なアイディアで開発されたゲームは、そのほとんどが上手くいきませんし、そもそも発売前に社内でプロジェクト中止になることもあります。
そうならないように、ぜひ今回ご紹介する観点を皆さんのゲーム企画に取り込んでください。
エクセルシートでご紹介しますので、その中の項目を皆さんのゲーム企画書(パワポでもOK)に盛り込んで頂くだけでいいのです。
もちろん、エクセルシートをそのまま活用しても構いません。
ゲーム企画の観点として使うシートは「基本ゲーム概要シート」「基本プレイサイクルシート」という2つから構成されています。
基本ゲーム概要シート
まず、下記のシートをご覧ください。
これはトロネコが作成したオリジナルシート「基本ゲーム概要シート」と呼ばれるものです。
最終的にゲームが完成した時に、こんなシートで「ゲーム概要」がまとめられていれば、アプリストアとか公式サイト作成とか、プロモーションでも情報整理されるので。どんなに大人数のチームでも「ブレることなく」このゲームを世の中に伝えられるという便利なシートです
タイトル名
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日本語 | |||||
英語表記 | ||||||
ゲームジャンル | ||||||
プレイ人数 | ||||||
対象年齢
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AppStore | 4+ | 9+ | 12+ | 17+ | – |
3以上 | 7以上 | 12以上 | 16以上 | 18以上 | ||
スケジュール
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プロトタイプ版 | |||||
α版 | ||||||
β版 | ||||||
CBT/OBT版 | ||||||
MASTER | ||||||
タイトル発表 | ||||||
事前登録開始 | ||||||
サービス開始 | ||||||
ゲーム企画
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概要 | |||||
プレイサイクル | ||||||
マネタイズ方法 | ||||||
ターゲットユーザー | ||||||
キャッチコピー | ||||||
セールスポイント
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1
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XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX | ||||
XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX |
||||||
2
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XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX | |||||
XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX |
||||||
3
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XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX | |||||
XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX |
このシートの中でゲーム企画の観点に盛り込んで頂きたいのは「赤字」の部分です。
世の中にある平均的なゲーム企画書は、この「赤字」の部分をパワーポイントに落とし込んで、イラストやビジュアルなどを駆使して完成されるものが多いです。
よって、これら観点(=項目)を網羅すれば平均点以上のゲーム企画書が作れます。
なぜなら、これら赤字の観点すら欠落しているゲーム企画書が多いからです。
しかし、重要なのはここからです
スマホゲーム事業は
初期開発アセット(遊びやプレイサイクルを含む)
×
ゲーム運営
によって成立する「運営型サービス」であることを忘れてはいけません。
「基本ゲーム概要シート」に記載しているのはゲームとして基本的な面白さにすぎません。
実はここからが重要なのです
基本プレイサイクルシート
基本ゲーム概要シートに加えて、スマホゲームの企画書では、「基本プレイサイクルシート」で書かれている観点を盛り込んでください。
このままのシートを使ってもOKですが
パワーポイントのゲーム企画書の中に盛り込まれており、かつ説明ができれば大丈夫です
大項目 | 中項目 | 小項目 | day0 | day1 | day2 | day3 | day4 | day5 | day6 | day7 |
KPI
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一般平均_継続率 | 100% | 50% | 30% | ||||||
当タイトル想定_継続率 | ||||||||||
当タイトル想定_LTV | ||||||||||
基本プレイ
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進行度
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レベル/ランク | ||||||||
ステージ/ストーリー | ||||||||||
アイテム/コレクション | ||||||||||
機能解放_初期アセット分 | ||||||||||
経済状況
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獲得_無償ポイント | |||||||||
購入_課金ポイント | ||||||||||
ゲーム運営
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イベント
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定常イベント └初期アセットに含まれる「ゲーム開発段階から考慮されている基本プレイを促進する」イベント ※基本的なゲームプレイサイクルとセットでイベントを事前に設計する |
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特別イベント └KPIをコントロールするために実施する期間限定のイベント ※課金、LTV、DAUを考慮したもの。サービス開始から1-3ヶ月分は開発段階から事前に設計する |
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インセンティブ
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初心者ログインボーナス | |||||||||
特別ログインボーナス | ||||||||||
単発付与_アイテム/無償通貨 | ||||||||||
ガチャ
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無償ガチャ | |||||||||
有償ガチャ | ||||||||||
キャンペーン
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ゲーム内_配信記念 └スタートダッシュ └友達招待 |
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ゲーム内_新規ユーザー └初心者有償パック └初心者ミッション |
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ゲーム外_新規ユーザー獲得 └インストール促進CPN |
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アップデート
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追加アセット └キャラ/アイテム/ステージ(遊びの本質は変わらないもの) |
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追加機能 └PvP/PvG(遊びに影響を与えるもの) |
これら赤字の部分を観点を何かしらの形でゲーム企画書に盛り込むことで
そのゲームの基本的な「ゲームとしての面白さ」が「ゲーム運営を通してどのように拡張されていくのか」ということが時系列で理解できます。
このシートはスペース上、day7までとなっていますが、これを
day30、day60、day90、day120、day180あたりまでかいてください。
スマホゲームはサービス開始した直後から、ゲームをプレイしている人、ゲームの世界はどんどん変化していきます。
機能追加によってゲームの中の遊びの本質や、遊びに影響するゲームバランスも変化します。
家庭用ゲームのような売り切りパッケージゲームビジネスなら、「基本ゲーム概要シート」だけでも良いかもしれません
しかし運用が伴うオンラインゲームは「基本プレイサイクルシート」にかいてある観点がセットで必要になります。
ゲーム運営とか、後回しでいいんじゃね?
という意見もあるかもしれません。
「例えばゲーム会社内で100本新作ゲームの企画案を出せ!」
みたいなゲームアイディアを募集するなら「基本ゲーム概要シート」だけでも十分でしょう。しかし、最終的な決裁を行うときに
このゲーム企画は「儲かるの?」「儲からないの?」
「うまくいくためにどこまで抜け漏れなく考えられているの?」
という段階になったら、「基本ゲーム概要シート」だけでなく「基本プレイサイクルシート」に該当する観点も含まれている必要がります。
もちろん、このシート以外に収支シミュレーションシート、マーケティング戦略シートなども必要になりますが、そういった補足資料は結構作れているゲーム会社は多いかもしれません。
まとめ
ここまでゲーム企画書でフォローされていると、社内プロジェクト決裁会議でどんな横槍が入ってもカウンターを出せます。
もちろん社内決裁を通すことがゲーム開発の目的ではないのですが、横槍に対してカウンターを出せるということは
いろいろな状況について、現在と未来についてゲーム開発チームが考え抜かれており、失敗しないような対策も考えられているという裏返しないのです。
よって、自然とゲームとしての抜け漏れなく、面白いものが作られるような環境を自ら作ることができます。
最後に今回のシートの使い方についてyoutubeにて詳しく解説していますので、こちらも参考にして理解を深めていただければ幸いです。
また、実際にどうやればいいの?アドバイスが欲しい!
という方はトロネコまでお仕事のご相談としてご連絡いただけますと幸いです。
というわけで今回はここまで!