こんにちはトロネコです。
マーケティングの仕事をしていると、「キャリア迷子」になっている人と頻繁に出会います。
・マーケティングスペシャリストになるためにはどうすればいいのか?
・いま、自分は何ができて、何ができていないのか?
・上を目指す上で、これから何をすればいいのか?
といった感じです。
そのような相談を受けるたびに、現在位置を確認して、これから進むべき場所をお伝えしているのですが、
もう少し効率的に、かつ、わかりやすく伝えることはできないのか?
そして時間経過と共に変化していくコンディションを可視化できないか?
と考えておりました。
そこで、今回、マーケター向けの「キャリア設計シート」なるものを作成して公開することにしました。
まだ完全なる状態ではないので、今後、アップデートしていきますが、マーケティングスペシャリストを目指す上での
現在位置と、これからやるべきことが、少しでも可視化できるといいな、と思います。
現状のキャリア設計シートはまだ未完成であると共に、全ての領域をカバーしきれていないため、その点はご了承ください。
とりあえずマーケティング領域の方に向けた内容になっていますので、今後、ゲーム開発など、その他の領域でも使える汎用的なシートを作成できればと思っています。
ただし、マーケティング領域については、必ずしもマーケターだけのものではなく、ゲーム事業に関わるあらゆる人が持つべきスキルですので、今回のシートはマーケティング職の人だけでなく、ゲーム業界に関わる全ての人でも使えると思います。
【マーケター向け】キャリア設計シートv1.00
今回作成したキャリア設計シートは、下記の通りになります。
横軸は「社会人」→「ビジネスパーソン」→「マーケティングスペシャリスト」として求められるスキルや経験をレベル別で列挙しています。
縦軸は「ジュニア」→「ミドル」→「シニア」というようにマーケターとしてのキャリアアップのレベル別で書いています。
この書き方が正しいのか、まだ検討の余地はあると思いますが、とりあえず、この形で整理してみました。
例えば「ジュニア」としてみた場合、まずは「メンタル」をちゃんと維持しつつ、最低限「基礎知識」を身につけて、「とどけるマーケティング」はちゃんとできるようになろう、というイメージです。
マーケティングの定義についてはこちらの記事でも書いていますが、その中でも「とどけるマーケティング」とは、プロモーションとも言い換えることができる領域であり、ゲームの魅力を適切にユーザーに伝えることができるスキルとなります。
「とどける」「とどけつづける」「つくるマーケティング」の各項目についてはマーケティング100リストでも書いていますので、こちらとセットでセルフチェックされると良いと思います。
なお、各項目は必要に応じて項目修正しても結構です。
空欄の部分は必要であれば追加で自分で設定して記入してください。
このシートをご覧頂いて、もう気づいていると思いますが、
多くの人は、中央の縦軸にある「知識」と「経験」を積み上げることに注力しがちです。しかし、実際には
人間力、コミュニケーション、メンタルが達成された上で「知識」と「経験」は生きて、さらにその先で「とどける」「とどけつづける」「つくるマーケティング」という3つのマーケティングプロセスが存在します。
「知識」と「経験」を積み上げても、周囲を巻き込んで動かすことができなければマーケターとして結果を出せません。
なぜなら、ゲーム事業においては、一人でなんとかできるものではなく、多くの人が関わってチームとして協力しないと結果を出すことができない大規模事業だからです。
自己採点して、現在の居場所と不足している部分を把握しよう
実際のシートについての使い方について解説します。
画面をキャプチャして頂いて結構ですので、キャプチャした画像の上から該当する項目に対して自己評価を記入していきましょう。
評価は5段階評価で、自己評価で結構です。
評価 | 状態 | 定義 |
5 | すこぶるできる | マーケティング戦略や施策の発明ができ、言語化してメンバーを教育できて業界を牽引できるレベル |
4 | できる | 高いレベルで実行できる。ゲーム事業において結果を出せる |
3 | ふつう | 事故なく平均レベルで実行できる |
2 | できない | 一人では実行できない |
1 | わからない | 項目に対する意味がわからない。できるかどうかも判断つかない |
こんな感じで各セルを埋めていきます。必要に応じて各項目は自分向けに内容をカスタマイズして頂いても結構です。
最終的には右上にどこまで迫れるかがポイント
各項目について簡単に解説しておきましょう。
メンタル | 平穏 | どのような時でも感情の起伏なく対応できる |
冷静 | どのような時でも客観的に、かつ冷静な判断ができる | |
耐性 | ストレス耐性が高く、最後までやり抜くメンタルを持っている | |
持続 | 上記の状態を継続性を持って続けられる | |
コミュニケーション | 挨拶礼儀感謝 | 挨拶ができる、ありがとうと感謝の気持ちを伝えられる |
意思疎通 | 周囲と意思の疎通ができる | |
言語化 | 伝えたいことを言葉にして相手に伝えられ理解させることができる | |
交渉力 | 交渉によって相手の考え方を変えることができる | |
人間力 | リーダーシップ | チームをまとめ進むべき道に導くことができる |
巻き込み力 | 周囲を巻き込み事業を推進できる | |
リスペクト | 周囲に尊敬され事業を推進できる | |
カリスマ | 未知なるチャレンジに対する不安も気にならないほど周囲に対する求心力がある | |
知識 | 業界ルール | その業界における独自ルールを理解している |
フロー理解 | ゲーム事業のスタートから終了までのプロセスを理解している | |
社内ルール | 自社内独自のルールを理解している | |
KPI理解 | KPIについて理解しており、運用できる | |
専門用語理解 | ゲーム業界に関する専門用語を理解しており、運用できる | |
法律倫理 | ゲーム事業に必要な法律や倫理について理解しており、運用できる | |
推進理解 | フローを理解した上で、それを推進するための方法を理解している | |
社内キーパーソン | 社内の誰に相談すればいいのかキーパーソンを知っており、話ができる | |
経験 | IP創出育成経験 | 新規IP創出、育成経験がある |
成功経験 | ゲーム事業において一定の成功体験があり、成功要因について語れる | |
メディアミックス経験 | メディアミックスによるマーケティング経験がある | |
新規タイトル経験 | 新規タイトルを立ち上げ、発売、または配信、運用まで行った経験がある | |
運用タイトル経験 | 運用タイトルをまわして利益を出した経験がある | |
失敗経験 | 成功体験と同じくらいの失敗体験があり、失敗要因について語れる | |
マーケ経験 | マーケティングの仕事をした経験がある | |
開発経験 | ゲーム開発の仕事の経験がある | |
とどけるマーケティング | Web広告 | Web運用広告を設計実行できる |
SNS動画 | SNS運用、動画プロモーションを設計実行できる | |
マス広告 | TVCM、OOH、雑誌平面広告などを設計実行できる | |
PRリアイベ | PR、リアイベ戦略、施策設計、実行ができる | |
ASO/SEO | ASO、SEOについて理解しており設計実行ができる | |
事前登録 | 事前登録キャンペーンの設計実行ができる | |
マーケ戦略 | マーケティング戦略を策定でき、実行、及び運用ができる | |
設計検証 | あらゆる施策の設計ができ、結果に対して検証ができ次に活かせる | |
とどけつづけるマーケティング | Web広告 | Web運用広告を設計実行できる |
SNS動画 | SNS運用、動画プロモーションを設計実行できる | |
マス広告 | TVCM、OOH、雑誌平面広告などを設計実行できる | |
PRリアイベ | PR、リアイベ戦略、施策設計、実行ができる | |
IP育成 | IP育成、ファンの醸成ができる | |
ゲーム運営連携 | ゲーム運営チームと連携してゲーム内外連動プロモーションが設計実行できる | |
マーケ戦略 | マーケティング戦略を策定でき、実行、及び運用ができる | |
設計検証 | あらゆる施策の設計ができ、結果に対して検証ができ次に活かせる | |
つくるマーケティング | インゲーム提案 | マーケティング視点によるファクトと持ってインゲームに対する改善提案ができる |
アウトゲーム提案 | マーケティング視点によるファクトと持ってアウトゲームに対する改善提案ができる | |
テスト | 開発フェーズに対するロム(=ビルド)の検証テストを設計実行できる | |
事業計画/収支計画 | 事業計画、収支計画策定ができ、作り方について周囲に教えることもできる | |
KPI設計 | ゲーム内のKPI設計について提案ができる | |
ゲーム運営連携 | ゲーム運営チームと連携してゲーム内外連動プロモーションが設計実行できる | |
マーケ戦略 | マーケティング戦略を策定でき、実行、及び運用ができる | |
調査分析 | 市場調査、ユーザーインタビュー、その他のあらゆる調査分析を設計実行できる |
このシートの使い方としては最終的に右上の枠部分にどこまで踏み込めるのか?そこで4、5といったスコアを付けられるかが重要です。
つくるマーケティング×圧倒的な経験=優秀なマーケターの条件
となります。
赤枠の中に入るだけでも、ゲーム会社内におけるマーケターとしての存在感を発揮できます。
多くの現場では一番下の部分をクリアすることができずにいますので、ここをクリアするだけでも現状から大きくレベルアップすることができます。
今回のシートの目的は
・できない自分を責めることではなく
・何ができないのか冷静に客観的に自己分析して
・さらに上を目指す上で次に何をするべきか?
進むべき道を明確にすることです。
各項目については、当サイトでも記事で詳しく説明していますが、まだ全てを書ききれていない部分もありますので、今後、スキルアップの方法について追記していきたいと思います。
まとめ
今回はとりあえず、マーケターの「キャリア迷子」を解決するために
不完全でもいいので、とりあえずシートを作ってみよう!
というところから始めてみました。
大きく的を外している内容にはなっていないと思いますが、皆様のお役に立てるように、今後も定期的にアップデートしていきます。
というわけで今回はここまで!