【ゲームアプリ】リテンション効果あり!招待コード(友達フレンドコード)の効果と事例

スマホゲーム

古くからソシャゲやオンラインゲームで使われている友達招待コード(フレンドコード)という機能があります。

いわゆるギフトコードの一種なのですが「新規ユーザー獲得」に効果があるとされています。

 

この招待コードを使ったプロモーションについて実例を踏まえて解説します。

 

ちなみに

アプリストアの規約で招待コードを使ったプロモーションが制限されている場合があります。予めストアの規約の確認をした上で自己責任で検討してください。

(とはいえ、多くのゲーム会社がやっている施策だったりしますが)

一般的な友達招待コードの仕組み

一般的な友達招待コードの仕組みは次のようなものが主流です。

・コードを発行する

・友達に知らせる

・友達がそのコードを使ってゲームを開始すると紹介した側に報酬がもらえる

招待コードを発行して、それが使われたら発行した側に報酬が入ります。

一方で使った側も使った瞬間に報酬がもらえます。

招待した側も招待された側も両方にメリットがあるというわけですね。

 

ただし、これら一般的な招待コードには最大の弱点があります。

「招待する人は不特定多数のネット上の見知らぬ他人」

という点です。

よく見かけるのはX上で

私の招待コードどうぞ使ってください

と不特定多数に対して招待コードを公開しているようなケースを多く見かけます。

招待コードを発行した側からすると、誰でもいいのでコードが使ってくれれば報酬がもらえるというわけです。

しかし、誰でもいい不特定多数の人が招待コードを使ったとしても、そのユーザーがゲームをし続けてくれるのか?というとそういうわけではありません。

 

そもそも招待コード=フレンドコードは友達という人間関係をベースに、辞めずに継続プレイしてもらうことを想定した施策です。友達関係はゲームをやめない、続けるようにリマインドすることができますので、その結果、リテンションが維持されるというメリットがあります。

この人間関係の基づいたリテンション効果が、現状の招待コードには不足している点になります。

招待コード(フレンドコード)の役割と効果

招待コード、フレンドコードの役割と効果について整理しておきましょう。

招待コードの広める人、アクションする大元は既存ユーザーです。既存ユーザーが自ら招待コードを発行して友達をゲームに誘って一緒にプレイする

というのが招待コード、いわゆるフレンドコードの根底にあります。

招待したユーザーとの関係 効果
新規ユーザー獲得 友達、知り合い、会社の同僚、家族、オンライン上の知り合い・・・ 人間関係による新規プレイ促進
離脱ユーザー復帰 友達、知り合い、会社の同僚、家族、オンライン上の知り合い・・・ 人間関係による離脱ユーザーの復帰促進

不特定多数ではなく人間関係を利用したプレイ促進が招待コードが最もターゲットにしている部分異なります。

また、招待した側の既存ユーザーも、自ら「招待する」という自発的な行動を起こすことで、プレイモチベーションの促進につながります。

 

一方で実際の招待コードは知り合いに対して行われることは、むしろ少なくネット上の不特定多数に対して「コード使ってよ」とアピールする場面を目にします。

ネット上で招待コードを使ってよーー!と訴えている人のコードを使うのは、ちょっと気が引ける、抵抗感もあるので、不特定多数に対する新規ユーザー獲得にどこまで効果があるかは、ちょっと怪しい部分はあります。

招待コードにおけるメリットとデメリット

招待コードは既存ユーザーの母数が多く、アクティブ率が高いタイミング

いわゆるゲーム配信初動のDAUが多いタイミングに効果を発揮します。

既存ユーザーの質と量に大きく効果が影響する施策です。

よってゲーム配信直後に実施すると、新規ユーザー獲得にKPIにおける数字上の効果はあるように見えます。

 

ただし、不特定多数に対する招待コードのアプローチがネットで目にすることが多く

招待したユーザーの継続率や質が本当に良いのか?という部分は検証が必要です。

実際のところ、適切に招待コードで獲得したユーザーの継続率やLTVについてどこまで検証できているゲーム会社があるのか疑問です。

継続率(リテンション効果)をあげる招待コードの事例

招待コードの設計には様々な課題があります。

ただ招待コードを発行しても使ってもらえるのか?

また、使ったユーザーのアクティビティが重要である事は疑いの余地はありません。そこで最近は招待したユーザーのプレイアクティビティに応じて招待した側の報酬が変動するような仕組みが実装されています。

「キノコ伝説」と同じゲーム会社から配信されている「マージから夜ふかし」というタイトルがあります。

こちらは招待コード機能を実装しています。

「マージから夜ふかし」の招待コードは招待した人がLv2に到達したら報酬がもらえるようになっています。つまり、ただ招待するだけでなく、招待したユーザーのアクティビティによって報酬がもらえるというわけです。

▲出典:マージから夜ふかし招待コード画面▲

 

ただし、ネット上の不特定多数のユーザーを招待した場合、プレイをリマインドしてアクティビティをコントロールすることはできません。

なぜなら連絡先を知らないからです。

よって「マージから夜ふかし」の招待コードも、連絡がついてプレイをリマインドできる知り合いを招待先として想定していると思われます。

継続率(リテンション効果)をあげる招待コードの設計方法

さて、ここからが今回の本題です。

招待コード機能を使って、DAUに対してインパクトがある新規ユーザーを獲得する、復帰ユーザーを獲得するための設計方法になります。

最大のポイントは不特定多数ではなく連絡がつく知り合いを招待することができるか?

ここにかかっています。

以前、とあるゲームのユーザー調査をしたのですが、その際の被験者のコメントとして

このゲームはつまらないけど、上司に勧められて、かつ上司から都度リマインドされるので、上司とのコミュニケーションのために続けている

というものがありました。

「友達と共通の会話を維持するために、コミュニケーションのために続けている」

このような人間関係によるプレイモチベーションこそが最強のリテンション効果を生みます。

よって、上記のような人間関係に基づいた状況を作るための招待コード、フレンドコードの設計を行います。

設計を行う上での5つのポイントを解説します。

・実施タイミング

招待コードの効果が最大化できるタイミングは

 

ゲームをプレイしているユーザー(=招待する側のユーザー)がたくさん存在する × 招待しようというモチベーションが高い時

 

がおすすめです。

具体的には

・サービス開始直後

・既存プレイヤーの可処分時間が取れる時(年末年始、GW)

・既存プレイヤーのプレイモチベーションが上がる時(周年期間)

 

・招待ターゲット

招待するユーザーは

不特定多数、見知らぬ人ではなく

 

知っている人、連絡が取れる人、人間関係が存在している人

 

をとにかく意識して招待させるような仕組みにします。

なぜなら、繰り返しますが

招待した人にプレイしてもらうようにリマインド連絡できる、人間関係に基づいた人を招待できるかで、招待コードの効果が変わります。

 

見知らぬ人、不特定多数ではなく知り合いが好ましいので、招待コードの連絡手段も

TikTok  < Twitter  < インスタグラム < facebook

といったように、SNS連携するにしても現実世界の人間関係に近いSNSに注力します。

また、招待するユーザーは数ではなく質です。質が伴わない数は重要ではありません。

・招待コードの期間と報酬

招待コードは、招待して、招待された側がゲームを起動した瞬間に報酬がもらえるだけでなく、招待した人のプレイモチベーションに応じて、もらえる報酬が段階的に積み上がっていくように設計します。

新規ゲームの継続率はインストール、ゲームプレイ開始からday30(30日後)くらいである程度落ち着きます。

これはゲームジャンル、ゲーム内容によっても異なりますが、下記のような感じです。

(こちらの継続率はサンプルです)

ゲームジャンル day1 day3 day7 day14 day30
一般平均 50% 40% 30% 15% 10%
パズル 70% 60% 50% 40% 30%
シミュレーション 40% 30% 20% 15% 10%
RPG 50% 40% 30% 15% 10%

つまり、招待した人がゲームの定着するか?離脱してしまうか?

それは30日間プレイしてもらえたら、施策として大成功というわけです。

また、day1、day3、day7あたりも離脱スピードは速いので、この期間の継続率を維持できれば、自動的にday30も継続率が改善します。

つまり

招待したユーザーがこれら期間、プレイすることで招待した側の報酬が積み上がっていくような初期、中期の報酬設計ができると、さらに報酬コードの効果を底上げできます。

 

さらにプレイ日数経過だけでなく、

どこまでゲーム内でプレイしたのか?ステージやレベルなど、プレイ深度も掛け合わせて報酬設定すると、さらに効果アップできます。

継続率については下記で詳しく解説しています。

 

・招待できる人数

招待コードの効果を考えるなら、招待コードを発行して招待できる人は無制限にできる方が良い

と考えがちです。

しかし、これは冷静に考えると、

そのゲームにとって売り上げに繋がらないユーザーを何人獲得できても、あまり意味はないんですよね

 

繰り返しますが、ユーザーは数ではなく、質が重要です。

 

となると、招待できる上限を設ける設計をするのも効果アップが期待できます。

極端な例として1名しか招待できないなら、誰を招待しようか考えますよね

なぜなら

招待した1名のプレイ日数とプレイ深度で報酬が変化するわけですから。

誰でもいいわけではなく、招待した人を厳選させる方が質が上がります。

・離脱ユーザー復帰

招待コード機能というと、既存ユーザーが新規ユーザーを招待してDAUを積み上げる・・・・みたいなイメージがあるかもしれません。

でもDAUって

新規ユーザー + 既存ユーザー + 復帰ユーザー

から構成されています。

 

離脱ユーザーを復帰させてもDAU改善できるんですね。

でも、一度離脱したユーザーは広告や施策で戻しても、LTVは新規ユーザーの半分以下であり、また離脱するんです。

だから離脱ユーザーを復帰させても、DAUにインパクトがないので、あまり注力しない人もいます。

実は離脱ユーザーを復帰させるために重要なのは

・離脱した要因の解消と再通知

・人間関係による復帰の後押し

この2つだったりします。

 

招待コードは設計次第で「人間関係による復帰の後押し」に効果があります。

 

例えば、day7からday14くらい短期離脱した人が招待コードで復帰した場合、それをKPIツール上で認識することはできます。(認識できるようにKPIツールを設計しているゲーム会社は多いです)

離脱ユーザーが招待コードで復帰して、一定期間のプレイとプレイ深度で、もらえる報酬を設計することで離脱ユーザーにも効果があります。

離脱ユーザー向けにカムバックキャンペーン!!!

みたいな施策をしているタイトルをみかけますが、あまり効果を出せていないケースが多いようです。それに代わる施策として招待コードは可能性があります。

まとめ

招待コードの施策は新規ユーザーだけでなく、離脱ユーザーを復帰させる施策としても設計次第では可能です。

ぜひ今回の記事内容を参考にしていただき、招待コード機能の価値を最大限に発揮していただければ幸いです。