こんにちは
マーケティングスペシャリストのトロネコです。
2020年も2月が終わり、3月ということで今回はトロネコが最近感じていることについてお話したいと思います。
今後、毎月1回のペースで、このような振り返りを今後書いていければと思います。
ゲーム業界のいろいろな人に会ってきました
この1か月、いろいろな人に会ってきました。そこで感じたことは
「まだまだゲーム業界でマーケティングマインドは不足している」
という点です。
マーケティングに対する代表的な誤解としては次のようなものがあげられました。
・デジタル広告で効率よくユーザー獲得すること ・SNSやリアルイベントを行うこと ・出来上がったものを如何に売ってくるかということ |
これらをマーケティングと定義している人がまだまだ多いのです。
いわゆる「テクニックや施策に依存したプロモーション活動」をマーケティングと呼んでいるケースが多いことを再認識しました。
そして、このような考え方に染まってしまうと
「マーケターの仕事のやりがい」=「大規模な宣伝費をつかえること」
という思考になってしまう人も多いことに気づかされました。
これは実際の現場でマーケターとして働いている人だけでなく、客観的にマーケターという職種を定義するような人も、そう考えているケースが多かったのです。
そもそも宣伝費も、開発費もプロジェクトのコストとしては合算して同一に考えるべきです。例えば開発費は安いけど、マスに広げなければならないタイトルは必然的に宣伝費はかける必要があります。
一方で、コアユーザーを満足させるために開発費はかかるけど、それほどマスに響かないゲームは宣伝費を抑えても開発費にコストをかける事もあります。
なぜなら、開発費、宣伝費はこのゲームをつくり、世の中に届けるために必要なコストですから、バラバラではなく一緒に考え方が健全だからです。
ゲーム開発費と宣伝費という区分けなく考えられるようになると、
「マーケターの仕事のやりがい」=「大規模な宣伝費をつかえること」
という発想はまず出てきませんし、マーケターとしては「どうやってプロダクトをよくしていくか?」という「つくるマーケティング」に踏み込んだ思考ができます。
もちろん、会った人の中には「マーケティングの本質に踏み込みたい」「何とかして変えたい」と思っている人もいました。ただし割合としては3:7くらいな印象で少数派です。
非ゲーム系の人にも会ったのですが、これはゲーム業界に限った話ではなく、Web業界のマーケティングも同じような感じなので、実はゲームとか、切り分ける話ではなく、世の中的にマーケティングの本質に踏み込めている人はまだ少数派なのかもしれません。
未来を先回りした行動がとれない理由
ところで、この1か月で、もうひとつ気になった事があります。
人間の特徴として、未来を先回りした行動がとれないという話です。
たとえば次の3つのような事があげられます。
①事業がうまくいっている場合は、いまのやり方を変えません |
うまく行っているならやり方を変えようとはしないものです。むしろ変える事でうまく行かなくなったら怖いですものね。ただしここで重要なのは、結果は出ているけど本当に「いま」がうまく行っている状態なのかという点です。結果が出ている状態=うまく行っているとは限らないのです。ここに気づかない事ほど怖いものはありません。 |
②事業がうまくいかなくなってきたら、いまのやり方を変えなければならないと考えるものの、いままで変えてこなかったので、いきなり何から手を付ければいいかわかりません |
現状の課題を感じており、変えなければならない!と思いながらも、今まで変えてこなかったわけですから、変える事にも慣れていないのですぐには「変えられない壁」にぶつかります。でも刻々と状況は変化し悪化しているので、時間はまだ残されているけど、時間との勝負だったりします。 |
③事業が全然ダメになってくると「いま」しか見えなくなる |
「いま」を対応するために「未来」は考えないようになります。ゲーム事業は常に「未来の種」を蒔き続けないと生きていけないのですが、「いまを生きる」ことしか見えなくなると、ここを怠ってしまいます。 |
このような3つのケースに、当てはまるのが全体の7割くらいの印象です。しかし、その一方で残りの3割はちょっと違いました。
現時点で結果を出し、資金的にも余裕がありながらも、さらなる高みを目指すために現状を変えようと考えている人もいました。
「結果は出ている=実際にうまく行っているとはいえない」
と冷静に考えて改善することを諦めない人たちです。
現在、世界的にはコロナウィルスで大変な状況です。
多くのゲーム会社では「テレワーク」に切り替えつつありますが、こんな状態でも現状を変えようと考えて動いている人や会社は強いですし、そうでない人との差は2020年が終わる頃にはさらに広がっていることでしょう。
これを考えると、ちょっとぞっとしますね。
2020年の終わりの頃にはゲーム業界にも様々な影響が出てくると思います。
ゲーム開発会社にはマーケティングが不要という考え方
最後にもうひとつ気になったことがあります。
それは「ゲームの開発会社にはマーケティングは不要」という考え方です。
クライアントから発注を受けて開発受託を行うゲームの開発会社にはマーケティング的な考え方は不要という話なのですがこれはマーケティング=プロモーションと誤解している分かりやすい例です。
マーケティング=ゲームをつくるマーケティングも含まれますし、ゲームは「つくる部分」で8割は勝負がついてしまう商材です。
ここをコントロールできる圧倒的なスキルが発注主であるクライアント側にあれば問題ありませんが、外部開発の場合は発注側と受託側ではどうしても距離感はありますので、受託側にもプロダクトマーケティング的なマインドは必要なのです。
むしろ受託側から「こうするべきだ」と提案できる開発会社は強いですね。
ただし、ゲーム開発会社側が「ゲーム開発して納めることが仕事」という意識になっていると、ここに歩み寄る事は難しいのかもしれません。ここは今後の課題です。
最後に
おかげ様で当サイトにも多くの方が来ていただけるようになりました。
実際のところ、ゲームマーケティングについて語っているサイトの中では、かなり存在感を出せていると思います。
たぶん、ほとんどゲーム業界の人、またはWebサービス系の人だと思いますが、本当にありがとうございます。
どこまでお役に立てているかわからないのですが、多くの人に観て頂けているのは記事を書くモチベーションにもつながります。
これからも少しでもお役に立つように続けていきますので今後も当サイトにご期待と応援をよろしくお願いします。
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