こんにちは
トロネコです。
今回はゲーム事業で本気で勝ちにいくなら、インハウスでマーケターを育成することの重要性について解説します。
インハウスのマーケターの定義は
・自社の中にマーケティング部門を持ち
・自社の中で戦略を考え
・設計から実行まで全部行う
といった組織を指します。
マーケティングという肩書きの人員はいるけど、基本的に外部の代理店に丸投げしていて、代理店の管理をすることをマーケターと呼んでいるゲーム会社も存在します。
しかし、このような外部丸投げのやり方は極めて危険であり、企業としての成長が期待できないため全くお勧めしません。
なぜ、おすすめできないのか?
今回は
「インハウスでマーケターを育てる3つのメリット」
「外部丸投げがキケンな6つの理由」
について解説します。
自社でインハウスマーケターを育成したい!というご相談も伺っております。詳しくはこちらまでご相談ください。
インハウスでマーケターを育てる3つのメリット
インハウスでマーケターを育てるメリットは次の3つがあります。
このメリットのために自社内でマーケターを育てるだけの価値があるのです。
経験とスキルとノウハウが組織につく
インハウスでマーケターを育てるということは
・自社内でマーケティング戦略を考え
・戦略に基づいた施策設計を行い
・施策を実行して
・施策結果から学び、次に活かす
といったPDCAをぐるぐる回していくということになります。
つまり、自社内で始まりから終わりまで全て完結して、やり遂げるわけですから
圧倒的な経験と知識とノウハウが蓄積します。
マーケティングに関わる人の全てが、1人で回せるような状況を目指すわけです。
ジブンゴト化して仕事ができるから成長スピードが早い
自分たちで戦略を考え、設計、実行していくわけですから、あらゆる物事に対してジブンゴト化ができます。
ジブンゴト化しながら仕事ができると、圧倒的に成長スピードが早くなります。
その結果、属人化を回避できるため成功打率が安定する
成長スピードが上がると、組織全体のレベルもアップします。
その結果、マーケティングのインハウス化によって、特定個人の能力に依存したマーケティング活動ではなく、組織全体で戦える状態が作れるというわけです。
多くのマーケティング現場では、特定の人の能力に依存した属人化、個人商店化してしまう傾向がありますが、これを回避できるというわけですね。
この3つがマーケティングのインハウス化によるメリットになります。
マーケティングの外部丸投げがキケンな6つの理由
一方でマーケティング業務の多くを外部に丸投げしているゲーム会社も存在します。外部丸投げは次の6つのリスクがあります。
これはゲーム業界に限った話ではなく、あらゆる業界の、特に大企業のマーケティング部門において共通したことかもしれません
①予算を使うこと、HOW思考に陥る
外部に丸投げすることによって、マーケティングという肩書きの仕事は外部を管理することが仕事になります。
戦略も施策を考えなくても、予算があれば段取りから実行まで全部外部の会社がやってくれるわけです。
その結果、会社内のマーケティング部門の仕事は
「予算を使うこと」「予算を管理すること」
にフォーカスしていきます。
そしてプロモーション施策も目的や結果よりも、実行することが重視されてしまい、HOW思考で物事が考えられるようになります。
この状況は外部の広告代理店は十分に理解しています。
ですから理解した上で、仕事を取るために広告代理店の企業に対するプレゼンは、目的や目標の達成よりも、企業の興味関心を惹くための
「HOW思考の施策ありきの内容」
になっていきます。
外部の広告代理店は十分に理解しているわけです。
数字やファクトに裏付けされたマーケティング戦略からのプレゼンよりも
派手でやった感のあるHOW思考の施策ありきのプレゼンの方が
案件が取りやすいということを、です。
発注する側の企業と、仕事が欲しい広告代理店の間で「HOW思考」が加速するわけです。
②成功失敗しても得られるものが少ない
HOW思考であっても結果が出る事があります。
しかし多くのHOW思考においては
・結果が出ない
・結果が出たのか、出なかったのか判断ができない
・成功しても、失敗しても明確なその原因がわからない
といった状況になりがちです。
成功失敗した原因がわからないという事は、そこからの学びや気づき、反省を次回に活かす事ができません。
今回はうまくいったけど、別タイトルにその手法が活かせない
うまくいった理由がわからないので、ずっと成長しない
といった感じです。
スマホゲーム事業は運営型ビジネスですから、いかに成功と失敗から学び自己成長できるかが重要です。しかし外部に全部丸投げをすることで、自己成長が難しくなります。
実際には外部丸投げであっても、広告代理店に失敗成功原因を調査させて出させたり、もしくは自社で分析することはできます。よって、「自己成長は全くない」というわけではないのですが、インハウスのマーケティングに比べれば比較にならないほど、微々たるものであることは想像できると思います。
③ジブンゴト化できないから結果にコミットできない
広告代理店の目的は仕事(=予算)を取ることです。
その仕事が失敗しても責任を取るわけではありません。失敗してもお金は入ってきます。
一方で、企業側のマーケティング担当は外部丸投げ度が強いほど、ジブンゴト化しにくく、会社の予算を使っているだけの感覚に陥りやすいものです。
その結果、外部丸投げの場合は多くの関係者は結果にコミットしにくい感覚に陥りますし、実際に失敗しても責任を取リません。
でも冷静になって考えてみてください。
もし自分が会社の代表で、その結果で会社が倒産してしまうならジブンゴト化せずに仕事なんてできないはずです。
あらゆる仕事において言えることですが、会社のお金を使って事業をしているとはいえ、いかに会社のお金をジブンゴト化して仕事ができるか、それが結果に大きく影響します。
④同じ失敗を何度も繰り返す、成長できない
インハウスでマーケティングを設計、実行すれば成功も失敗も自分たちの血と肉になって成長します。同じ失敗は2度としない!と思いながら次の施策に活かすことでしょう。
でも外部丸投げのケースの多くは、同じ失敗を何度も繰り返す傾向にあります。
「前回失敗したことを、今回も繰り返す」
これは極端な例としても
「1年前に別担当が失敗したことを、1年後に別担当が同じ失敗をする」
といったケースは頻繁にみられます。
つまり
インハウスではない状態は会社組織としての成長に問題があるというわけです。
つまり社内のマーケターが全然成長しない状況を続けていくことになります。
それでも、会社が勢いよく成長していれば、外部丸投げであろうが、表面化しないので気にせず仕事を続けていくかもしれません。でも会社の成長が鈍化した時に、一気に表面化するものです。その時にマーケティングのインハウス化の重要性に気づいても手遅れだったりするものです。
⑤適切な予算感を理解できない
インハウスでマーケティングをやっていると、日々がトライ&エラーの連続ですから学びもあり、成長の連続です。
自ら他社の情報を取りに行ったり、市場調査で分析したりすることでしょう。
そうやってPDCAを回していくと「適正価格」と「見込めるKPI」みたいな数字感が身に付いてきます。その結果、
「この価格は高すぎる」「この価格は適正だ」
といった感覚が身に付いてきます。
しかし外部に丸投げしている場合は、そういった数字に対する感覚がなかなか磨かれないものです。よって、外部から提案された見積もりに対する判断能力が、マーケティングのインハウス化を勧めている企業と比べると大きく劣る場合が多いのです。
ありえないような金額で外部に仕事を出している
そんな場面に出くわすと多くのケースで、外部丸投げのマーケティングをやっていたりするものです。
⑥外注管理をマーケティングと勘違いしてしまう
予算管理をして、受発注の作業をすると、なんか仕事をした気分になります。
つまり外注管理をマーケティングと勘違いしてしまうというわけです。
これはマーケティングに限らず、自社でゲーム開発ラインを持たず、外部のゲーム開発会社を使っているゲーム会社においてもいえます。
外部のゲーム開発会社を外注管理することを「ゲーム開発」「ゲームクリエイター」と勘違いしているケースです。
厳しい言い方になりますが
・勘違いは人間を堕落させます
・偉くないのに、自分は偉い!みたいな感覚にも陥れるわけです。
一方でマーケティングのインハウス化をしている企業においては、このような感覚はまず起こりえません。むしろ外部会社への発注は外部のパートナーとの協業のような感覚でお付き合いしているからです。
ゲーム会社として生き抜くにはゲーム業界最強のマーケティングチームを目指すべき
というわけで、トロネコとしては
外部の会社を使う、使わない、大企業、中小企業
といったことに関係なく
ゲーム会社内にインハウスでマーケターを育成するべきだと断言します。
最初は結構大変かもしれませんが、ゲーム会社rとして継続、発展していく上では避けては通れない道だからです。
そして、特にスマホゲームのような過去の成功失敗をゲーム運営に活かしていかなければうまくいかないような運営型事業においては、インハウスのマーケターを育成できるかが非常に重要です。
インハウスでマーケターを育成するには、様々な方法があります。
現在の状況を踏まえた解決方法もありますので、もし興味がありましたらこちらまでご相談ください。
というわけで今回はここまで!