こんにちはトロネコです。
ゲームアプリ事業が失敗する理由としては、いろいろなものがあります。
「ゲーム本体が面白くない」
「頑張っているけど市場性がない」
といった、そもそも商品として戦える状態でないゲームもありますが
「初歩的で、ちょっと手を加える事で改善の余地がある場合も多い」
と最近感じています。
つまり、モッタイナイ状況でゲーム事業を展開している会社も実に多いのです。
しかも、そのモッタイナイ状況に気づいているのか?または気づいていないのか?
配信している全タイトルに対して「モッタイナイ」が影響を及ぼしている場合も多いのです。
そこで、
ゲームアプリ事業が失敗する理由としては、いろいろなものがあるけれど
「ここを修正するだけで状況はかなり改善できる」
という
「5つの初歩的な失敗の原因」
について解説します。
これらを改善するだけでも、結構状況は変えられます。
新作ゲームアプリが失敗する初歩的な5つの原因
①ゲーム内容が理解できない・わからない
そのゲームの公式サイト、Twitter、アプリストアをみても、どんなゲームかわからない・・・
信じられないかも知れませんが、そういったゲームは結構多いのです。
ゲームを探しているゲームユーザーからすると、ゲームを選ぶ上で次のような情報は知りたいものです。
・ゲームジャンルは?
・ゲームシステムは?
・プレイサイクルは?
・ゲームの目的と、実際にプレイしたらどんな面白さがあるの?
きっと、皆さんも知りたいですよね。
「RPG」と言われても、世の中には様々なRPGがありますから、どんなRPGか知りたいわけです。
しかし、多くのゲームにおいて、そのゲームの公式サイト、Twitter、アプリストアをみても、どのようなゲームかわからない場合が非常に多いのです。
・キャラクターデザイン
・キャラクターボイス
だけを伝えられても、どんなゲームかわからないものです。
さらに、「やりこみ要素」「PvP」「ギルド機能」「チャット機能」などの機能面や、「フィールドの広さ」「キャラクター数」などのスペック面をただ列挙されてもどんなゲームなのかイメージがつかないものです。
実際にゲームをプレイすると、そのゲームが続々と把握できたりします。
対外的に書いてあることと、実際のゲーム内容が一致しないんですね
これって凄く勿体無いですし、担当者はきっとゲームをプレイせずに、そのゲームの説明を公式サイト、Twitter、アプリストアに列挙しているのでは?
と思ってしまうくらいです。
どんなゲームかわからない状態ということは、そのゲームの公式サイト、Twitter、アプリストアは機能していないという事になります。
だからどんなにTVCMやWeb広告、youtuber施策に予算を使っても結果は出ないのも当然です。
②類似競合ゲームとの違いが伝わらない
「①ゲーム内容が理解できない・わからない」に近い部分はありますが、類似競合タイトルとの違いがわからないゲームも実に多いものです。
キャラクターIP版権を使えば、それを使うことで類似タイトルとの差別化(=違い)を作り出すことはできますが、競合タイトルからユーザーを奪って来なければゲーム事業として成立しないような市場環境においては、
「①ゲーム内容が理解できない・わからない」で説明した
・ゲームジャンルは?
・ゲームシステムは?
・プレイサイクルは?
・ゲームの目的と、実際にプレイしたらどんな面白さがあるの?
といった情報だけでなく
「競合類似タイトルと何が違い、どこが勝っているのか」
といったところまで踏み込めないと、ユーザーを獲得できません。
つまり、今、夢中になって遊んでいる競合類似タイトルを辞めてまで、こちらに振り向かせる「説得力ある伝え方」ができないと苦戦するのです。
③限られた市場を取り合いしている
ゲームジャンルの視点から見ると「RPG」は大きな市場です。
歴史的にも日本のゲーム市場では「RPG」が長年、人気ゲームジャンルの上位を占めています。
よって、いくつものRPGゲームが登場しても市場が枯渇してしまうこともなく、新しいヒットが生まれるチャンスがあります。
日本のゲームユーザーはRPGが好きな人は多いですよね
でも、RPGであっても、三国志、戦国時代、放置ゲーム・・・・
といったように様々なモチーフを掛け合わせていくことで、RPGという巨大なゲームジャンルも嗜好性が細かくセグメント分けされますので、市場規模は狭まっていきます。
例えば「王道ファンタジーRPG」よりも「放置系三国志RPG」の方が細かくセグメント分けされているので、それを支持する嗜好を持ったユーザーも限られますので市場規模も「王道ファンタジーRPG」に比べると小さくなるのは想像できると思います。
でも市場規模が小さいからといってゲーム事業が成立しないというわけではなく
「放置系三国志RPG」の中でNO1になればビジネスとして成立する場合もあります。
でも限れた市場規模ですから、2番手、3番手が生き残る余地はなく、NO1しか生き残れない市場かもしれません。そんなニッチで市場が狭いセグメントを多くのゲームで取り合いをしても成功するハードルは高いのです。
しかし、そんなニッチで市場が狭いセグメントに続々と新作ゲームが投入されている現実があります。伸びシロの限られた市場に同じようなゲームを次々とリリースしても、上手くいかないのは当然なのです。
④最低限のマーケティングのお作法を理解していない
・新作ゲームアプリにおいてやるべきこと、注意するべきこと
・運営ゲームアプリにおいてやるべきこと、注意するべきこと
ゲーム事業を長年やっていると「やるべきこと」はもちろん、「やってはいけないこと」もわかってきます。それをやると間違いなく失敗するということです。
当サイトでは「マーケティング100リスト」も公開していますが、ここまで深い話ではなく、またマーケティング戦略といった高次元なことでもなく
ここでお伝えしたいのは
ゲーム事業を行う上で最低限知っておくべき「マーケティングのお作法」みたいなものです。
・事故なく、無駄なく事前登録施策を実施する
・目的と計画を持ってCBTやOBTを実施する
・ユーザーの特性を踏まえたプロモーションやコミュニケーションを行う
といった当たり前のことになります。
公式サイトやTwitter運用の基礎など、当たり前に制作運用することも、ここに含まれます。
当たり前のことを当たり前に計画、実行できる状態がなければ打席に立っても勝負にならないのです。酷いケースとしては事前登録のボタンを押したけどリンク先が無いとか、端末によっては登録できないとか、初歩的な状況も見られます。
もちろん、最低限のお作法が出来ても成功できないのが現在のマーケットです。でも、最低限のお作法ができなければ、戦う前に敗退しているようなものです。
⑤ゲーム初回起動直後にゲームプレイの障壁が多すぎる
もし、①②③④をクリアしたとしても
ゲーム初回起動直後にゲームプレイの障壁になるようなハードルが多く存在していたらユーザーは遊んでくれません。
ここでのハードルとは「ゲームがつまらない」といった以前の問題を指します。
・ゲーム起動直後にユーザー登録が必要
・ユーザー登録が非常にしにくい(キー入力がしにくい)
ゲームを始める前にハードルがあるわけです。
さらにゲームを始められたとしても
・物理的に操作ができない(ゲームUIが小さすぎてボタンを押せない)
・ゲームの仕組みが全く理解できない(チュートリアルやUI設計が不十分)
といったハードルでゲームが遊べない状況もあります。
いずれもゲームにプレイサイクルなどにおける深層部における課題ではなく、ゲーム配信前に簡単なユーザーテストを実施すれば、すぐに把握できるようなレベルなのですが、
実際のところ事前チェックもせずに実戦投入されるゲームアプリも少なくありません。
まとめ
今回紹介した5つの初歩的な失敗原因のうち①②については、今すぐにでも対応できるでしょう。
仮にゲーム内容が全然、戦える状況でなくても「対外的な伝え方」は、工夫次第で対処法があるからです。
③⑤は開発段階で容易に気づける項目であり、分析とかマーケティングスキルとか、そういったレベルのものではありません。
そして、④はゲームアプリのプロモーション経験がある人材がいれば、まず大きな間違いをすることはありません。
いずれも、ゲーム事業の経験とかスキルとか、そういうものではなく、それ以前の状況で気づけるものばかりなのです。ですから、誰でも事前に解決できる課題です。
とはいえ、5つ全て改善したからといってゲームアプリが成功できる保証はありません。
しかし、最低限、押さえておくべき初歩的な事であり、ここを押さえておかないのは非常にモッタイナイのです。
マーケティングとかゲーム開発とか、突き詰めていくと非常に難しく専門性が必要になりますが、そこに対応できないなら、今回ピックアップした5つについてはゲーム配信前にチェックしておくようにしましょう。
それだけで状況は大きく改善できます。