【1年後の挽回は困難】スマホゲームは配信直後が超重要な理由(ゲーム事業で成功するヒント)

スマホゲーム

こんにちは
マーケティングスペシャリストのトロネコです。

今回はスマホゲーム事業において

 

配信直後がそのタイトルの命運を握る最重要フェーズであり

そこで失敗すると、その後の挽回は限りなく困難

 

という話をします。

 

こういう話をすると

配信直後で失敗したけど1年後で挽回できましたよ

とりあえず未完成でも配信して改修しながらゲームを作り上げていきますよ

 

といった意見を頂く事があるのですが、現在においては非常に難しくなっています。

実際のところ、アプリ配信直後の失敗を挽回できた時代もあったのですが、2021年の現在においては極めて難しいと言わざるをえません。

そして、そもそも

「配信直後の失敗は挽回できる」

「とりあえず未完成でも配信して改修しながらゲームを作り上げていく」

という考え方は

ゲームを「ゲーム」ではなく「サービス」として考えている証拠です。

 

サービスとしての「ゲーム」でも戦える時代はあったのですが、もうこれからは難しい。

実際のところサービスとしての「ゲーム」では戦えない状況はみなさんも感じているのではないでしょうか。

「サービスとしてのゲーム」は生き残れず

「ゲームとしてのゲーム」でないと戦えなくなっています。

 

このあたりの話はこちらの「ハートドリブン」「ロジカルドリブン」の記事でも書いていますので、気になる方は時間がある時に読んでみてください。

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スマホゲームは配信直後が超重要な理由

①初動で獲得するユーザーは熱量が全然違う

どんなに配信初動でプロモーションを抑えて「サイレントリリース」をしても
アプリ配信初動でそのゲームをインストールしてプレイするユーザーは

「そのゲームにおける超重要なお客様です」

なぜ超重要なお客様かというと「自ら情報を能動的に検索して」「事前登録して」「配信直後に遊んだユーザーほど」そのゲームにとって「熱いユーザーはいないから」です。

超重要なお客様=課金率が高く、そのゲームを長きに渡って支えてくれるファンとなります。

どんなにプロモーションを抑えても

特にキャラ版権タイトルにおいては、配信初動でお客様をコントロールすることは困難です。

(何もしなくてもキャラ版権タイトルは版権ファンが続々とプレイする流れを止められませんからね)

 

一方でキャラ版権を使わない「自社完全オリジナルタイトル」は、ゲーム開発段階からファンを獲得しようと「必死になって魅力的なゲーム」を作っているはずです。

よって、初動でインストールしたユーザーは。そのゲームの魅力に魅かれた超重要なお客様といえます。

これらを踏まえると配信初動でインストールするユーザーはそのゲームの生涯において最も重要なお客様であり、ガッカリさせてゲームを辞めさせてしまうとそのゲームに対して大きな損失になります。

一度ガッカリさせてゲームを離脱させてしまうと、その後、復帰させるのも難しく、

仮に復帰させても一度辞める体験をさせてしまったユーザーのLTVは統計的に低くなります。

これが「初動で失敗するとその後の挽回が困難な理由」のひとつです。

②初動で獲得するユーザーと1年後のユーザーは同じではない

1年後、ゲームを大幅に改善して大規模プロモーションを行い、売上が改善した

という事例をよく聞きます。

しかし、1年後に売り上げが改善したように見えても、それは

そのゲームが本来持っていたポテンシャルを発揮できたとはいえません

1年後に挽回したと思うのは、あくまでも配信初動と比べた数字上の話に過ぎません。

これを例えるならば

そもそも我々はエベレストに登れる実力があったのに、

最初の登山で失敗して、1年後に登ったのは近所の山に立った

近所の山に登って喜んでいるようなものです。

 

すべての事例がこれに当てはまるとは断言しませんが、自己認識していないだけで、冷静に考えると、このケースがほとんどなのです。

最初に目指していた、目指すことができたゴールには届かないけど

1年後に改善したような気分になって、最初に目指していたゴールに到達できたような気分に浸っているだけです。

 

なぜ初動で失敗して、1年後に挽回しても、初動を越えればいのか?

その理由はシンプルです。

アプリ配信直後に獲得したユーザーと

1年後に新規に獲得したユーザーは

DAUを構成する1ユーザーである事は変わらないのですが

実は中身が全く異なります。

 

こちらの記事「イノベーター理論」に書いていますが、アプリ配信直後と1年後では獲得できるユーザーの属性が全く異なることがわかります。

アプリ配信直後でインストールする「イノベーター」と、仮に1年後にインストールする「アーリーマジョリティ」ではユーザー特性が全く異なるのです。

ユーザー特性が変わると、ゲームのKPI的には「LTV、継続率」が異なるので売上に対する影響力が違うというわけです。

これが1年後に挽回したように見えても、実際に挽回できていない、挽回が難しい2つ目の理由です。

海外市場は初動がすべて

日本市場の場合、特にキャラクター版権モノの場合は

そのキャラクター人気に継続性があって、キャラクターIP展開が継続されている以上、そのキャラクターファンは常にファンとして維持し続けている状態ですから、1年後でも数字上のDAUは戻すことは不可能ではありません。

 

そのゲームを遊んでみて、一度ガッカリさせられても

そこまで言うならもう一度だけ試してみよう

と思わせられるのはキャラクター版権モノのメリットであると共に

日本市場の特性、国民性が影響しているのかもしれません。一方で、海外は非常にシビアな事がデータからも分かっています。

北米を中心に初動で失敗するとそのと挽回することが困難です。

言い換えると、配信初動で獲得した資産を維持し、使いながらその後のゲーム事業を継続していくというのが海外のゲーム事業の基本的な考え方です。

 

なぜ、海外は初動重視の傾向になってしまったのでしょうか?

ここは一部、推測が入りますが、海外は日本以上にスマホゲームや、それに付随するエンタメ領域がレッドオーシャン化している状態で、そのゲーム以外にも楽しいことがたくさんあるわけです。

近年、日本もここに近い状況になりつつあります。理由は以下の通りです。

・スマホゲームのレッドオーシャン化、かつ、先駆者が存在しそこからの乗り換えが困難である
・スマホゲーム以外にスマホの可処分時間を奪う楽しいことが増えてきた(動画系とか)

このようにスマホアプリ市場の変化と成熟化に要因がありそうです。

 

その他、調査をしてみるとわかるのですが

海外のユーザーは日本ユーザーほど辛抱強くなく、飽きっぽい性格ともいえます。

1回は振り向かせられるけど、そこで失敗すると2回目のチャンスはない。

なぜなら、いま夢中で満足して遊んでいる好きなことが別にあるから

といった感じですね。

 

ゲームアプリ配信初動で失敗しないための方法

ここまでお話してきたことからも

ゲームアプリ配信が、そのゲーム運営において最も重要であって

そこで失敗すると挽回は難しくなってきている

ということが理解できたと思います。

 

ならば配信初動で失敗しない方法はないのか?

配信初動で失敗しない方法は非常にシンプルです。

 

こちらの記事の通り「ハートドリブンとロジカルドリブンの融合(フュージョン)」の精神を持っていれば、まず道を間違えることはありません。

・徹底的に面白いゲームをつくる
・見切り発車をしない、万全の状態になるまで配信しない
・初動でイノベーター理論の「キャズム」を超える仕掛けを時間をかけて準備する

たったこれだけです。

でもこれを実行するには会社としてのゲーム事業に対する本気度が問われます。

ゲーム開発、ゲームマーケティングに本気にならないと戦えないけど、本気になれば戦えるというわけですね。

 

・売上重視で配信日を決めたり
・方針が二転三転したり
・売上から逆算したゲーム開発をしたり

それ以外にもいろいろありますが、中途半端、かつゲームをサービスとして捉えて「面白さ」よりも「利益優先」になってしまうと、確実に初動で失敗します。

 

ゲームの作り手の経験値やスキルも影響はしますが、それよりも「ゲーム事業に対する会社としての本気度」の方が影響力としては大きいかもしれません。

仮にプロモーション施策で初動で膨大なインストール数を稼げても

肝心のゲームがそれを維持定着することができませんから、結果的に初動で失敗します。

ゲーム開発、マーケターの両方ができないと初動で結果は出せないのです。

まとめ

今回は「とにかくアプリ配信直後が重要です」というお話をしました。

ゲームの事前登録をして、

アプリ配信直後にインストールして遊ぶような人は

そのゲーム運営において最も重要なユーザーですし、ファンになってくれる最高の予備軍です。

そして実際のところアプリ配信初動のファンだけで、今後の売り上げは支えられていくゲームも多いのです。

ですからアプリ配信初動で失敗してしまうと、それ以降の挽回ができません。

挽回できた時代もあったかもしれないけど、スマホゲーム市場が成熟化してしまった現在においては極めて困難というわけです。

 

ですからゲーム開発はもちろん、CBT、OBT、チューニングテストを実施して万全な状態でゲーム配信に臨んでください。なぜなら初動で全てが決まるからです。

とうわけで今回はここまで!

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