ゲームマーケティングに使えるイノベーター理論【キャズムがわかるとヒットも仕掛けられる】

マーケティング

こんにちは

マーケティングスペシャリストのトロネコです。

今回はマーケティング業界では一般的な知識である「イノベーター理論」をゲームマーケティングに活用する方法です。

学術的な知識として「イノベーター理論」はみんな知っているけど、マーケティング実務に落とし込めない人が多いと思います。

そんな方に向けて、

ゲームマーケティングにおいて、ヤバいくらいに使える使い方を

全部ご紹介します。

簡単にいうと今回の使い方をマスターすると

「マーケティング視点でゲームをヒットさせる仕掛けるコツ」

がわかります。実際にマーケティング戦略策定に

すげー使えます(もはや必須でしょ)

ゲーム以外にも使えるので参考にしてみてください。

【目次】

・一般的なイノベーター理論とは?

・ゲーム事業におけるイノベーター理論の使い方

・イノベーター理論はペルソナ分析セットで作ると効果あり

※最後に施策に使える大ヒントあります

 

一般的なイノベーター理論とは?

「イノベーター理論」についてご存知ない人は、まずはググりましょう。すぐ出てきます。

簡単にまとめると

いまから60年ほど前、1962年に作られた理論です。スタンフォード大学のエベレット・M・ロジャーズ教授が書いた「イノベーションの普及」という本の中で提唱された理論です。

イノベーター(革新者)2.5% 誰よりも早く購入する。新しいもの好き、誰よりも先に手に入れたい
アーリーアダプター(初期採用者)13.5% 情報に敏感、自ら情報収集、良いとおもったら購入
アーリーマジョリティー(前期追随者)34% 既に話題になっている商品を購入。クチコミに影響を受けやすい
レイトマジョリティー(後期記追随者)34% 流行には懐疑的だが周囲の半分以上が支持している「これは間違いない!」状態になると安心して行動する
ラガード(遅滞者)16% 保守層。新しい物に興味がない人

表にすると以下のような感じです。

ちなみに各セグメントのパーセンテージは固定です。

覚え方としては「イノベーター」「アーリーアダプター」を足すと2.5+13.5=16%、その次の「アーリーマジョリティ」「レイトマジョリティ」はそれぞれ34%ずつ、最後の「ラガード」は16%、合計100%です。

5つのセグメントごとにユーザー特徴が異なりますので、

「5種類のユーザーがいるのか!」

となりそうですが、それは間違っていません。しかし「アーリーアダプター

」と「アーリーマジョリティ」の間に「キャズム」というものが存在します。キャズムとは「溝」という意味です。

「キャズム」とは何なのか?というと、その市場で成功を収めるために超えなくてはならない「壁」です。

各セグメントについて改めて紹介すると

アーリーアダプター(初期採用者)13.5% 情報に敏感、自ら情報収集、良いとおもったら購入
アーリーマジョリティー(前期追随者)34% 既に話題になっている商品を購入。クチコミに影響を受けやすい

「キャズム」を超えるとは

「アーリーアダプター」から「アーリーマジョリティー」に踏み込むという事です。なぜこの2つの間にキャズムがあるかというと、ユーザーの特徴がガラっと変わるからです。

「アーリーマジョリティー」は「クチコミに影響を受けやすい層」です。クチコミに踏み込めると、爆発的にその商品は売れていきます。しかも宣伝コストをあまりかけずともです。

いわゆる、ブーム、トレンドが起きるわけです。

ゲーム事業におけるイノベーター理論の使い方

「イノベーター理論」について理解できましたか?

まだよくわからないという方は、前のパートを全部暗記しちゃいましょう。

その上で「イノベーター理論」をゲーム事業にどうやって活用するのか?という話をこのパートではします。

ずばり、「イノベーター理論」の各セグメントにあたるのが、そのゲームの「ターゲットユーザー」です。

「市場調査」「ユーザーリサーチ」「特定の版権キャラを使っているならそのファン層」など、様々な情報を踏まえて「マーケティング戦略」を経て、そのゲームで狙っていく「ターゲットユーザー」を決めますが、イノベーター理論の表に当てはめながら考えると、どんなターゲットなのか鮮明になります。

ターゲットユーザーの表現については

「1stターゲット」「2ndターゲット」とか

「TOP1」「TOP2」とか

いろいろな言い方がありますが、どんな言い方でも結構です。

ただし、ポイントはその言葉の定義をメンバー全員で共通認識化させておきましょう。

そのゲームの市場調査によるマーケット規模に対して

各ターゲットがイノベーター理論とセットでどこに配置できるかが重要です。

イノベーター理論はペルソナ分析セットで作ると効果あり

ターゲットユーザーって、ゲーム会社やマーケターによって様々な粒度が存在します。

「粒度」とは「細かさ」という意味です。

例えばトロネコが見てきた多くの「マーケティング戦略資料」に書かれているターゲットって、下記くらいの粒度だったりします。

「1stターゲット」20代男性、会社員、アニメ好き

「2ndターゲット」30代男性、会社員、漫画好き

しかし、これはターゲット設定としてほぼ活用できません。

「20代男性、会社員、アニメ好き」

といってもどんなユーザー特性なのか、あまりにも広すぎて、これではよくわかりません。

そもそもターゲット設定の目的は、そのターゲットを獲得するための「課題」を洗い出し、課題を解決する「戦略」を策定することです。

イノベーター理論とセットで考えると、ターゲットのインサイトについてもっと深堀りができます。

例えば、5つのイノベーター理論のセグメントのうち、下記3つだけセットで深掘りするだけでも、ターゲットユーザーの内訳が鮮明になってきます。

イノベーター(革新者)2.5% 誰よりも早く購入する。新しいもの好き、誰よりも先に手に入れたい
アーリーアダプター(初期採用者)13.5% 情報に敏感、自ら情報収集、良いとおもったら購入
アーリーマジョリティー(前期追随者)34% 既に話題になっている商品を購入。クチコミに影響を受けやすい

 

なんかターゲット設定作りができそうな気がしてきましたね。

しかし、これだけでは戦略を考えるだけで不十分だったりするので、トロネコはさらに、「ペルソナ分析」をここに被せます。

「市場調査」×「イノベーター理論」×「ペルソナ分析」

これらを組み合わせると、ターゲットの特徴がさらに鮮明になるだけでなく、精度の高い「マーケティング戦略」が作れて、

さらに、精度の高い「プロモーションプラン」が作れるようになります。

ペルソナ分析については、下記で書いていますので合わせて読んでください。

【ペルソナ分析】ゲームプロモーションのターゲットユーザー設定をする方法

 

最後に:大サービスのネタバレです

最後まで読んでくれた人に「ゲーム業界」のマーケティングでは、まだ全然できていない、大サービスとも言えるネタバレのお話をします。下記の表にそってお話します。

「言っていることがよくわからん!」

という人は是非トロネコまでご連絡ください。

①市場調査で購入可能性があるユーザーを赤、青、黄色のセグメントに分けます。

それが、そのゲームの市場上限であり、獲得できるユーザーの上限です。例えばわかりやすいように「トロネコの大冒険」という架空のゲームの市場上限を1000万としておきます。

 

②イノベーター理論によると各セグメントのパーセンテージが決まっていますので、それにそってユーザーを配分していきます。

そうすると各セグメントのターゲット人数は下記の通りになります。

イノベーター(革新者)2.5% 25万
アーリーアダプター(初期採用者)13.5% 135万
アーリーマジョリティー(前期追随者)34% 340万
レイトマジョリティー(後期記追随者)34% 340万
ラガード(遅滞者)16% 16万

 

③イノベーターについて

家庭用ゲームでいえば「店頭予約数」

スマホアプリで言えば「初動で獲得できそうな事前登録数」

家庭用、スマホアプリ共通でいえば「Twitterフォロワー数」

など様々な数字目標に置き換えられます。

よって、イノベーター理論とターゲット設定を併用すると目標数値が見えてきます。

 

④そして、戦略によって「トロネコの大冒険」は「イノベーター」「アーリーアダプター」だけを狙うタイトルなら、そのセグメントだけに刺さる戦略に振り切ればいいわけです。

一方で、「トロネコの大冒険」は大ヒットを目指したいなら、イノベーター理論によれば「キャズム」を超えて「アーリーアダプター」から「アーリーマジョリティ」に踏み込む必要があります。

 

⑤ゲーム業界におけるキャズムとは何か?と考えてみます。

キャズムを超えら何が起きるのか、今回の記事の前半で下記のようなことを書きました。

「キャズム」を超えるとは

「アーリーアダプター」から「アーリーマジョリティー」に踏み込むという事です。なぜこの2つの間にキャズムがあるかというと、ユーザーの特徴がガラっと変わるからです。

「アーリーマジョリティー」は「クチコミに影響を受けやすい層」です。クチコミに踏み込めると、爆発的にその商品は売れていきます。しかも宣伝コストをあまりかけずともです。

つまり、キャズムを超えるとは、クチコミによって爆発的にそのゲームの評価が拡散されていく状況といえます。

 

⑥家庭用、スマホアプリでクチコミが最大化できるタイミングについて考えていきます。

トロネコは家庭用、スマホアプリの両方で長いマーケターキャリアがありますが、そのゲームでクチコミが最大化できるタイミングは下記で確定です。

クチコミが最大化タイミング その理由 
家庭用ゲーム クチコミが最大化できるのはそのゲームが一番遊ばれているタイミング

それは発売週の日曜日です。

 

なぜなら家庭用ゲームは流通の都合上、ほぼ木曜発売であり、初週の木金土日の4日間で生涯販売数の半分以上を売るためです。

購入してみんな遊んでいる状態の最高潮は日曜日というわけです。

スマホアプリ クチコミが最大化できるのはそのゲームが一番遊ばれているタイミング

スマホアプリの場合、DAUで計測できるけど、それは発売週の日曜日です。

スマホアプリの場合は、インストール翌日には半分がやめます。 

よってインストール直後からできるだけ短く、遊べる時間が確保されている初週の日曜日がもっとも良質なDAUが計測できるタイミングだからです。

また事前登録からの転換インストールや、ストアFeatureの掲載からのインストールなどを考慮すると日曜日がクチコミが期待できる最良タイミングです

辞めさせないゲームマーケティングの作り方【スマホアプリは翌日に半分辞めます】

ここでのポイントは、家庭用ゲームも、スマホアプリも、この初週の日曜日を逃してしまうと、クチコミを最大化できるタイミングは、もう二度とやってこないという点にあります。

でもこんな意見もあると思います。

でもさ、運用1年後に最高のDAUを残して、復活させた経験ありますよー。だから初動で失敗してもまだまだチャンスありです!

これは、間違いです。

なぜなら、運用1年後に復活できたように見えても、それは本当に到達できた最高頂かといえないからです。もっと高い山に登れたはずだからです。

 

⑦キャズムを超えたいなら発売、配信週最初の日曜日が勝負です。

イノベーター(革新者)2.5% 25万
アーリーアダプター(初期採用者)13.5% 135万
アーリーマジョリティー(前期追随者)34% 340万
レイトマジョリティー(後期記追随者)34% 340万
ラガード(遅滞者)16% 16万

 

トロネコの大冒険のキャズムを超えるために必要な数字が見えてきます。25万+135万=合計180万がキャズムを超えるために必要な数字です。

この数字は1年かけて越えればいいわけではありません。

繰り返しですがキャズムの正体は「クチコミの伝播力」ですから

これを最大化できるのは発売、配信した最初の日曜日というわけです。

キャズムを超えて大ヒットさせたいなら

この日曜日にキャズムを超えられるようにプロモーション設計&投下していくことで、マーケティング視点で仕掛けるヒットをつくるお膳立てがつくれるというわけです。

キャズムを超えた後はどうなるの?

プロモーション施策で数字上のキャズムを超えることは不可能ではありませんが、超えた後に「アーリーマジョリティ」の中で伝播していくかは

プロモーションではなく、ゲームの面白さにかかっています。

最近、パワーマーケティングをするゲーム会社も増えてきましたが結果的にパワーマーケティングが生かされていないケースも多いです。

こちらの表の通り「キャズム」を超えた先にある「アーリーマジョリティ(34%)」という巨大な市場は、もはやプロモーションでは取れない市場です。(厳密には取れなくはないけど、資金的に全部獲得するのは無理という意味です)

「キャズム」を超えた後の広がりは「プロダクトそのもの」にかかっています。

 

・「トロネコの大冒険」が1人で遊ぶゲームなのか

・4人で遊ぶゲームなのか

・1人で遊ぶとしても誰かに伝えたくなる要素があるのか

・ゲームとして理解しやすく、広い世代に楽しめるものか

 

など、いろいろが要素はあります。

つまり、このようなゲームとしての基本的な部分が解決できていない場合は、プロモーションで数字上の「キャズム」を超えて、発売最初の日曜日で「クチコミ」を最大化させても

その先が続かず、この表みたいに急降下してしまいます。

それを回避するのが、当サイトでも何度もお伝えしていますが、ゲーム開発においても、マーケターが関わる必要があるというわけです。

これができるとキャズムを超えた後の広がりが違いますし

これがでいないなら、本質的にキャズムを超えるチャレンジができません。

 

この辺りは、わかりやすく「ラーメン作り」に例えた記事でも書いていますので参考にしてみてください。

ゲームビジネスはラーメン作りと同じ【見た目も美味しい、食べたら病みつきになるラーメン作りが必要】

 

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