【保存版】面白いゲームの特徴と条件とは!?ゲームの企画やマーケティングに役立つ5つの視点

ゲーム開発

こんにちはトロネコです。

ゲームビジネスを成功させる上で「面白いゲームを作ること」が大前提であることは疑う余地はありません。

どんなにマーケティングや宣伝プロモーションを行い、ユーザーをゲームに誘導しても、ゲームがつまらなければ、それって

穴の空いたバケツにひたすら水を注いでいるようなものだからです。

どうすれば、面白いゲームを作れるのか?

今回はあらゆる現場で汎用的に使える5つの視点と、それを構成する要素について解説します。

解説する5つの視点は、どれも正解ですが

「全てを網羅せよ!」

という事ではありません。

「自社のゲームにフィットするものをうまく取り込んでみる」

というのがおすすめの使い方です。

面白いゲームの定義とは

5つの視点を解説する前に、そもそも「面白いゲームとは何か?」、定義について設定する必要があります。

なぜなら「面白い」とは個人によって定義が異なるからです。

ゲーム業界で頻繁に用いられる代表的な3つの定義についてピックアップしてみました。これ以外にも細かく設定できますが今回はわかりやすいように除外しています。

売上(セールスランキング)

売上は面白いゲーム、人気のゲームを評価する上でよく使われる指標です。スマホゲームならアプリストアランキングで上位にランクインするほど人気のゲームと定義され、「人気の理由は面白いから」と表現できます。

一方で売上が上位であること≠たくさんの人が遊んでいる

という事は比例する場合もありますが、そうでないケースもあります。

プレイユーザー数(アクティビティ、プレイモチベーション)

多くの人に遊ばれているゲームこそ、面白いゲームである、と定義することもできます。

多くの人に遊ばれている状態は、それだけの惹きつける、遊び続けたくなる魅力がそのゲームにはあるからです。

一方で、スマホゲームの場合、プレイユーザーが多くても売上が上がらない、無課金ユーザーが多いゲームは事業として継続できません。

記憶に残るゲーム(心動かすエモーショナルなゲーム)

ユーザーの心に残り、長い年月、世代を超えて語り継がれるエモーショナルなゲームも面白いゲームと定義可能です。

一方で記憶に残るゲームだから、ゲーム事業として継続的に成功できるのか?というと、必ずしもそうでないところもあります。

 

このように、面白いゲームの定義はいろいろ設定できます。

ゲーム事業はビジネスなので、一般的に「売上(セールスランキング)」を設定しがちです。別にこれは間違っていません。

しかし、売上(セールスランキング)=面白いゲームのバロメーターとするなら、10万人の熱狂的なファンに支持されるゲームも売上上位にランクインすることができます。

そして、そのゲームは10万人以外の人にとっては、必ずしも面白いゲームとは限らず、「つまらない」と感じるゲームが売上を残している場合もあります。

「面白いゲームとは何か?」「定義は何と設定するか?」

ここをまず現場で議論しましょう。

定義が明確に設定できれば、ここから解説する「5つの視点」のどれを自社のゲームに採用するべきか?見当がつけやすくなります。

スポンサーリンク

面白いゲームの5つの視点

さて、ここからが本題です。

繰り返しますが、これから解説する5つの項目を全部網羅することが目的ではありません。自分たちが目指すゲームの方針に対して、どの視点がマッチするか?

その上で、「視点」を構成する要素を取り込むことで、面白いゲームに近づく事ができます。

①プレイサイクル視点

「プレイサイクル視点」はスマホゲーム、家庭用ゲーム、PCゲーム、あらゆるゲームに共通する視点です。

ゲームはプレイする前の事前情報で「面白そう」と感じさせる必要があります。視聴覚から入手した情報で「面白そう」と思わせる事ができるゲームは「面白いゲーム」です。

 

「面白そう」という事前の期待値に対して、実際にプレイしてみたら「面白い」と実感します。

そして「面白い」という体験が連続して「面白いから遊び続けたい」という状態に到達します。

 

この連続したプレイサイクルから発生する体験を提供できるゲームは面白いゲームというわけです。ゲームの企画や開発をする際に、この3つの連続したプレイサイクルを意識することで、面白いゲームを作る事が可能です。

非連続した「点」の寄せ集めでゲームを企画、開発している現場をよく見かけますので、俯瞰的に、客観的に、このプレイサイクルがまわっているのか?チェックすることをお勧めします。

ちなみにプレイサイクルの最終ゴールは次の項目で解説している「マズローの欲求5段階視点」とも繋がっていきます。

②マズローの欲求5段階視点

「マズローの欲求5段階説」とは、アメリカの心理学者「アブラハム・マズロー」が人間の欲求を5段階で理論化したものです。

そもそも「マズローの欲求5段階説」についてはゲームとは関係なく、「人間行動全般」に関する理論です。しかし、この5段階の欲求はまさにゲームプレイヤーの心理的変化と連携しているのです。

低次欲求はゲームを「うまくなって」「強くなって」「クリアしたい」「そして達成感を得たい」というゲーム本編で満たされる欲求に該当します。

これが満たされると人間は高次欲求を求めるようになります。

「誰かと一緒に遊びたい」「どこかチームに所属したい」「自分の価値を認められたい(自己承認欲求)」「自分ができること可能性を極めたい(このゲームを広めたい)」

このような欲求の段階的プロセスがゲームの企画に盛り込まれているものは、面白いゲームといえます。

マズローの欲求5段階については下記で詳しく解説しています。

 

③スペック比較視点

市場において特定のゲームジャンル、似たようなゲームコンセプト、ゲームの仕組みによるマーケットが存在し、競合タイトルが存在している場合で

かつ、その競合タイトルがユーザーのニーズを満たせていない場合

それら競合タイトルとの「スペック比較」による差別化を意識することでユーザーが面白い!と感じてくれるゲームを作る事ができます。

どういうことかというと、わかりやすくまとめると次のようなイメージです。

競合タイトル 自社の新規タイトル
キャラクター数 20 100
ステージ数 100 1000
マップの広さ 広い 超広い
オンライン対戦人数 100 1000

この数字は適当なので、あまり意味はないのですが、ゲームのコアな部分のクオリティで差別化ができないほど肉薄しているなら、力任せでスペック的に勝利すれば、それは面白いゲームとしてユーザーが受け入れてくれる可能性があります。

パズルゲーム、謎解きゲーム、同一IPを使ったゲームなど、ゲームそのものの面白さでは違いを出せなくなったジャンルにおいては有効です。

④マーケティング視点

「面白いゲーム」とは何か?と考えた場合、1000万人が面白い!と感じるゲームもあれば、1万人が面白いと感じるゲームでもビジネスとしてまわるものもあります。

このように特定ユーザーのニーズを探すために、マーケティング視点で細かくセグメントを切って作られた、特定ユーザーに特化したゲーム作りも、1万人であっても、そのユーザーにとっては面白いゲームを作る事ができます。

 

実際には下記の要件を組み合わせてゲームの企画を作っていきます。

その結果、他のゲームにはない唯一無二の特定のユーザーから熱い支持を得られる面白いゲームを作る事ができます。

ターゲットユーザー設定 年齢、性別、趣味嗜好、可処分時間、可処分所得など
テーマ、コンセプト 世界観、グラフィック、設定、歴史モノ、ファンタジーモノ、美少女、トンマナ
ゲームジャンル RPG、格闘ゲーム、シミュレーション、パズル、放置
その他 IPの使用

これらを組み合わせることで、そのゲームを面白い!と感じてくれるユーザーの市場規模も明確になりますので、マネタイズ方法や売上の規模、なども明確にできます。

 

⑤イノベーティブ・テクノロジー視点

新しいゲーム機が登場すると必ずゲーム機本体と同日発売するゲームジャンルがあります。その昔の代表例としてはレースゲームがありました。

その理由はレースゲームって新しいゲーム機のハードスペックをわかりやすく体験できるイノベーティブ、テクノロジー視点で面白さを訴求できるゲームジャンルだからです。

最近はレースゲームの市場そのものが縮小傾向にあるので、数は減ってしまいましたが、オープンワールドゲーム、アクションゲームなど、イノベーティブ、テクノロジー視点で面白さを訴求できるゲームジャンルはまだ存在します。

イノベーティブ、テクノロジー視点で面白さを訴求できるゲームは他のゲームに対する差別化になりますし、面白さのベースを作るのです。

 

圧倒的なグラフィック、サウンド、ゲームの作り込み

圧倒的な時間とお金と物量を投入して

さらに、これまで自社で積み上げた資産を活用できれば

競合他社には負けない面白いゲームが作れるという考え方です。

もちろん、それができるゲーム会社は限られていますので、全ての新興ゲーム会社ができることではありません。

まとめ

今回は5つの視点をご紹介しました。

とはいえ、全てのゲーム会社、クリエイターが使える視点と物理的に使えない視点がありますので、わかりやすいように整理してみました。

歴史あるゲーム会社+資金力もある大企業 資金力はあるが経験値が浅いゲーム会社 資金力も経験値も浅いゲーム会社 インディーズ
①プレイサイクル視点
②マズローの欲求5段階視点
③スペック比較視点 ×
④マーケティング視点
⑤イノベーティブ・テクノロジー視点 × ×

整理してみると、資金も経験値もない場合でも、面白いゲームを作る上で使える視点はあります。冒頭でお話をした通り、「5つの視点を全て網羅せよ!」ということではありません。

自分たちの環境に合った視点を1つ選んで、参考にして頂くだけで、ゲームの企画や開発の参考にしていただければ幸いです。