【ゲームアプリ】クローズドβテスト(CBT)の設計方法(OBTとの違いも比較)

ゲーム開発

こんにちは

マーケティングスペシャリストのトロネコです。

さて今回はスマホゲームに限らずPCオンラインゲームでも避けて通れない必須施策であるCBT(クローズドβテスト)について、その実施目的と役割、設計方法についてお話しします。

そしてCBTとOBT(オープンβテスト)における違いについても解説していきます。今回、お話しする内容を読めば、CBTのほとんどがカバーされているため、明日からCBTマスターになれるかも!?

CBT(クローズドβテスト)とは何か?

CBTとはスマホゲーム、PCゲームを問わずオンラインゲームのサービス開始前に限られた人数で、実際にプレイしていただきながらテストをすることです。

このテストを行うことで、本番ぶっつけではなく事前に不具合などを察知して、本番サービスでの致命的な問題が発生しないよう未然に防ぐとともに、より良い状態でサービスを提供することができるようになります。

OBT(オープンβテスト)とCBT(クローズドβテスト)の違い比較

一方でOBT(オープンβテスト)というものも存在します。

CBTは選ばれた限られた人数によるβテストである一方、OBTは人数を制限せず、かつユーザーを選別せず実施するため、より実際のサービスに近い状態を再現することができます。

CBTとOBTのメリットとデメリット

CBT、OBTともにメリットはサービス開始前に事前テストを実施することで「バグ」「不具合」「未知の問題」「ゲームの面白さ」などを検証することができる点にあります。

一方でデメリットは発売前のゲームゆえに「未完成のゲームを遊ばせることによるネガティブなイメージ」をユーザーに伝えてしまうという点があげられます。

なぜならCBT、OBTに参加してくれるようなユーザーは、そのゲームの熱心なファンであり、実際にゲームが配信開始された後には優良ユーザーになってくれる可能性が高い貴重なユーザーだからです。

そんなユーザーに対して「未完成」のゲームを遊ばせて「がっかり」させてしまうとすれば、そのゲームにとって大きなマイナスになってしまう可能性があります。

一方で熱心な優良ユーザーの声を汲み取り、もっとファンになってもらうこともCBT、OBTの施策設計次第では可能です。このユーザーコミュニケーション次第で

「未完成のゲームでもファンは作れるけど、未完成のゲームでファンを失うこともある」という点を理解した上での実施が必要となります。

CBT(クローズドβテスト)の目的と役割は?

そんな「ファンをがっかりさせ、ファンを失うリスクと背中あわせの状態」でありながらCBTを実施するからにはCBTの目的と役割をしっかり押さえておく必要があります。

実は目的と役割次第では、CBTを実施する必要がない、もしくは普通に実施するだけではやる意味がない、というケースもあるので注意が必要です。

主なCBTの実施目的と役割は次に集約されます。

もう、今回あげた内容でほとんどカバーされています。

①サーバー負荷テスト

自前でこのゲームのためにゲームサーバー開発しているような会社の場合は、そのサーバープログラムがどれだけのゲームプレイに耐えられるのかテストが必要です。

一方で様々なゲーム開発を行っているような大手ゲーム会社の場合は「サーバー負荷テスト」のためのCBTは実施しない(実施する必要がなく、サーバー障害が発生する可能性は極めて低い)という場合もあります。

②未知なるバグを発見するため

本来、CBT、OBTはバグチェックを行うためのテストではありません。バグチェックは自社内で全部洗い出してCBTに挑むのが一般的です。

しかし、中には自社でも見つけられないような深いバグが隠れていることもありますし、本番サービスに近い状態でテストをしないと見つからない場合もありますので、CBTやOBTのような本番サービスに近い状態によるテストは「未知なるバグを見つけるためのテスト」としても活用される場合はあります。

ただし一般的にはレアケースでありCBT本来の目的としては不適切です。なぜなら、これから紹介する項目がもっとCBTにいて重要なことだからです。

③ゲームのプレイサイクルがまわるか確認

実際に設計した「ゲームのプレイサイクル」がちゃんとまわって、ユーザーが楽しんでもらえるのか?チェックすることがCBTの主な目的となります。

例えばバトルと育成パートから構成されるゲームがあるならば、その双方のプレサイクルが設計した通りにまわるかCBTではチェックします。

④ゲームの課金がまわるか確認

ゲームのプレイサイクルがまわっても、結果的に「課金されない」ならゲーム事業としては破綻してしまいます。

よってゲームの課金サイクルが設計通りに回るのか?チェックすることもCBTの主な目的になります。課金がまわらない状態でゲーム配信をすると売上があがらず事業として継続できませんし、想定した以上のスピードで課金がまわってしまうことで「課金コンテンツ不足」が事前にわかる可能性もあります。

ただしCBT、OBTでは実際に「課金」することができないため、実は明確にゲームの課金がまわるのかテストを通して確認することは困難です。

あくまでも「まわるか推測できる程度」の結果しか把握することはできません。なぜなら、自分の身銭を削って実際に課金をしないテストでは、本当の意味での課金サイクルがまわるのかチェックできないからです。

どうしても課金がまわるのか不安ならば日本と近い文化とユーザー属性を持つ「台湾」などで先行配信してしまうのも方法として考える必要があります。むしろ課金テストについては海外での先行配信がおすすめです。

⑤ユーザーの離脱ポイントを把握し改修するため

スマホゲーム、PCオンラインゲーム問わずゲームをプレイするとどんどん辞めていきます。

そうなんです、オンランゲームはインストールした当日から続々と辞めてしまうゲームなのです。ですからこちらの記事でも書いていますが「辞めさせないゲームマーケティング」が重要になります。

CBTではユーザーが辞めてしまうポイントを把握することができます。

・ルールが理解できない

・ゲームが思い

・敵に勝てない

・操作が面倒くさい

やめてしまう理由には様々なものがあります。そんな離脱ポイントをCBTでは把握することができます。配信前に明らかに辞めてしまうような離脱ポイントを把握することで、それを修正し、「辞めさせない状態」でゲーム配信が可能となるのです。

CBT、OBTの目的の大部分はここにあるとトロネコは思っています。

⑥ゲームの面白さが競合タイトルと戦えるかチェックするため

近年、ゲーム市場は完全なるレッドオーシャンです。

既に大人気のゲームが存在しており、新作タイトルを成功させるためには「いま夢中で遊んでいるゲームからユーザーを引き剥がして、我々の新作ゲームをプレイしてもらう」という工程が必要になります。

つまり、ただ新作のゲームが面白いだけでなく

ターゲットユーザーがいま夢中に遊んでいるゲームを辞めてまで、我々の新作ゲームをインストールして遊んでもらう必要があるのです。

そのためにはCBT、OBTを通して「想定している競合タイトル(ベンチマークタイトル)」と真っ向勝負で勝てるだけの「面白さ」があるのか確認する必要があります。

現時点でも十分に面白いゲームであっても、「想定している競合タイトル(ベンチマークタイトル)」に勝てないなら、その新作ゲームの成功は極めて難しくなるからです。

⑦ファンをもっと熱心なファンに育てるため

最後にCBTの目的としてあげられるのは「ファンをもっと熱狂的なファンにするためのプロモーション」としての役割があげられます。

そもそもCBT、OBTをプレイしてくれるようなユーザーはそのゲームに「かなり興味がある状態」といえます。

ですから彼らの声に耳を傾けて、彼らの意見を取り入れて、彼らが満足しながら遊んでもらえるゲームを作り上げ、それを彼らに対してアピールすることは、限られたマーケットボリュームの中で成功を収めるには非常に賢いプロモーションといえます。

このようにプロモーション効果を踏まえた目的としてCBTやOBTを実施するケースも多いのです。

世の中の9割以上のCBTは価値がなく間違っているという事実

ここまであげたCBTにおける7つの目的がわかっていれば、無駄なCBTを実施してしまうことはありません。

しかし世の中の9割以上は、CBTの目的を理解しておらず「ただCBTを実施することが目的になっているケース」も多いのです。

「新作ゲームを開発したら配信前にCBT、OBTを実施しなければならない」

という考え方に縛られているケースも多いので注意してください。

CBT、OBTは必ずしも実施しなければならないものではなく、むしろ実施することで「ネガティブな情報がでまわったり」、コストや工数がかかったりする場合もあります。

むしろ「このタイトルではCBTは実施しない」という判断も場合によってはアリなのです。ここを見失わないようにしてください。

CBT(クローズドβテスト)の設計方法

さて、ここからはCBTを実施するための設計方法の流れをご紹介しましょう。ここは設計し始めるとキリがないのでチェックするべき項目だけ今回は説明します。

①CBT実施の目的を決める

②目的を達成するために遊んでもらいたいユーザー属性を決める

③そのユーザーにどの程度(期間と頻度)遊んでもらうことで目的を達成できるのか決める

④目的を達成するために必要なユーザーの集め方を設計する

⑤CBTの結果、どのような対応をするのか事前設計する

たったこれだけです。たったこれだけなのですが、ちゃんと設計できていないケースがほとんどですので注意が必要です。ひとつひとつ説明していきましょう。

①CBT実施の目的を決める

CBTの目的と役割のパートで7つの目的を紹介しましたが、実際のところそれら全部を網羅できるような万能なCBTは設計できません。

よって、この7つの中で多くても2、3つほど選んで頂き、どれを目的にするか決めてください。

今回は例として「ユーザーの離脱ポイントを把握し改修するため」を目的としてピックアップすることにしましょう。

②目的を達成するために遊んでもらいたいユーザー属性を決める

「ユーザーの離脱ポイントを把握し改修するため」を目的にした瞬間に遊んで欲しいユーザー属性も決まります。

このゲームを配信直後から遊んでくれるユーザー(超コアファン)と、その後しばらくしてから遊んでくれるユーザー(ミドルファン)にCBTに参加して頂き、コアとミドルにおける離脱ポイントを明確にしてゲーム内容に反映することにしましょう。

こちらの記事でも書いていますがイノベーター理論に沿って、初期インストールユーザーのペルソナ分析まで、この時点で設計されていると「CBTで遊んでもらうべきユーザーの属性(顔)」が明確にわかるでしょう。

③そのユーザーにどの程度(期間と頻度)遊んでもらうことで目的を達成できるのか決める

さて、遊んで欲しいユーザーの属性(顔)が明確になったら、それらユーザーがどのようにゲームを遊んでくれるのか期間と頻度も見えてくるはずです。

こちらの記事で書いていますが、多くのユーザーはインストール初日で半分辞めて、1週間で7割辞めてしまいます。

つまり、インストールから1週間でどれだけ辞めないようにしてもらうのか?

それがこのゲームの未来を決める初動マーケティングといえそうです。

そうするとCBTは1週間程度は最低限期間は必要ですし、1週間は毎日、本番のサービスに近い状態でログインしてプレイしてもらう必要がありそうですね。

ただCBTを実施するのではなく本番サービスの配信1週間に近い状態を再現したテストが必要ということがすぐに理解できると思います。

④目的を達成するために必要なユーザーの集め方を設計する

さて、今回のCBTでは

このゲームを配信直後から遊んでくれるユーザー(超コアファン)と、その後しばらくしてから遊んでくれるユーザー(ミドルファン)の2種類が必要ということになりました。

実際にこれらユーザーを集めてCBTをプレイしてもらう必要があります。

このゲームを配信直後から遊んでくれるユーザー(超コアファン)は、ほぼゲームの事前登録キャンペーンに応募したユーザーや、現時点でTwitterフォローしているようなユーザーと言えるでしょう。

つまりCBTを実施する時点である程度の事前登録数やTwitterフォロワーが存在している必要がありそうですね。ということはCBT単独の設計ではなく、事前登録施策と連携した上でのCBT実施が必要なことが理解できます。

一方でしばらくしてから遊んでくれるユーザー(ミドルファン)は事前登録はしないけど、ゲーム配信されてから情報を知ればインストールしてくれるようなユーザーといえそうです。

このあたりはペルソナ分析がどこまでできているかにかかっていますが、Twitterのターゲッティング広告など「広告を使った集客」は「しばらくしてから遊んでくれるユーザー(ミドルファン)」のCBT誘導には効果があります。

つまり、

事前登録ユーザー(コアファン)×広告による集客(ミドルファン)

という集客方法の使い分けが必要になります。

ここが理解できていないと、ただ無作為に無駄に適当なユーザーを「CBT人数の数合わせ」として集めることになりますのでCBTとしての本来の目的を見失ってしまいます。

⑤CBTの結果、どのような対応をするのか事前設計する

最後に最も重要なのは、CBTの結果、ゲームアプリやプロモーション、マーケティングなどをどのように対応して反映していくのか設計しておく必要があります。

つまり、反映する気がないCBTは最初からやる必要はありません。それってただの自己満足に過ぎませんし、時間の無駄です。

CBTの結果、配信スケジュールを延期してまで反映して万全の状態で配信する覚悟がある人だけがCBTを実施する権利があるのです。

まとめ

今回、CBTについて結構深い話をしてみました。

実際のところもっと深い話なのですが、そこはキリがないので割愛します。

でも今回あげた項目を理解しておけば「大きく間違った価値がないCBT」を実施するリスクは大きく軽減できます。

理解できなかった!という人はもう一度読み返してみて、ぜひ価値あるCBTを実施してください。

というわけで今回はここまで!

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