【保存版】ゲームマーケティングにおけるDAU、WAU、MAUの役割や違い

スマホゲーム
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アプリマーケティングで本当に重要なKPIとは?誰も語らなかったDAU、WAU、MAUの正体

こんにちは

マーケティングスペシャリストのトロネコです。

今回の記事は必読です。

スマホゲーム運営で使われるKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)の中でも基本的なKPIであるDAU、WAU、MAUについて

初心者の方でもわかりやすく

上級者の方には新しい発見がみつかるように解説していきます。

DAU、WAU、MAUの読み方

ところで、DAU、WAU、MAUの読み方についてご存知ですか?

どう読めばいいかわからない?

という方はこの機会に覚えておきましょう

 

DAU(ディーエーユー、またはダウ)

WAU(ダブルエーユー、またはワウ)

MAU(エムエーユー、またはマウ)

 

実はこの読み方は一例であり、厳密な正解はありません。

勤務している会社によって読み方が変わる場合がありますので、みなさんの周辺でどのように呼んでいるか、確認しながら周辺に合わせて頂くのが良いと思います。

ところで、これらワードをネットを検索すると、

DAUとは・・・WAUとは・・・MAUとは・・・
といったように、その言葉の意味についての説明は簡単に見つかります。

しかし、我々が実際に知りたいことは、言葉の意味ではありません。

 

例えば次のような実際の業務で使えることが知りたいのです。

・DAUはどうやって作られるのか?

・WAUが下がる、上がる事に意味はあるのか?

・MAUって本当に注力するKPIなのか?

 

そこで、今回の記事ではマーケターやゲーム運営、分析担当の皆さんが本当に知りたい、これらKPIの正体をお話します。

DAU、WAU、MAUの定義と意味

DAU、WAU、MAUの定義と意味について解説していきましょう。

ざっくり説明すると次のようになります。

 

DAU(Daily Unique Users)1日あたりの重複なしユニークなユーザー数

WAU(Weekly Active Users) 1週間あたりの重複なしユニークなユーザー数

MAU(Monthly Active Users)1か月あたりの重複なしユニークなユーザー数

 

例えば「トロネコパズル」という架空のゲームがあるとします。

 

今日、「トロネコパズル」にログインするユーザーはDAUの数値にカウントされます。明日、再び「トロネコパズル」にログインすれば明日のDAUの数字にカウントされます。

平日は仕事で忙しく「トロネコパズル」を遊べないのですが、土曜日だけ遊べるユーザーがいるとします。

土曜日に遊べば土曜日のDAUにカウントされます。それ以外の日ではDAUにカウントされませんが、1週間のうち土曜日だけアクセスしたのでWAUにはカウントされます。

「トロネコパズル」は今月配信されたばかりの新作タイトルとしましょう。

配信初月なので多くのユーザーが遊び、そして多くのユーザーがゲームを離脱して2度と戻ってきません。しかし、今月、一度でも遊んだユーザーはMAUとしてカウントされます。

まとめると、DAU、WAU、MAWはこのような関係になります。

DAU 今日、ログインしたら今日のDAUにカウントされます。明日ログインしたら明日のDAUにカウントされます。
WAU 1週間のうち金曜日しかアクセスしない人は金曜日のDAUにカウントされますが、それ以外のDAUにはカウントされません。ただしWAUにはカウントされます。
MAU アプリ配信初日にゲームをプレイしてその後、離脱して永遠に戻ってこないユーザーがいたとします。このユーザーは初日のDAUと、初週のWAUと初月のMAUにカウントされます。

DAU、WAU、MAUはどうやって作られる?

DAU、WAU、MAUは どうやって作られるのでしょうか?

こんな疑問に答えます。

DAUは3つのユーザーから構成されます。

新規ユーザー:今日、インストールしたユーザー
復帰ユーザー:しばらく離れていたけど今日、復帰したユーザー
既存ユーザー:昨日も今日もプレイしてくれている継続プレイユーザー

DAUは「新規」「復帰」「既存」の3つから構成されています。

ここで、よくある話としてDAUを作るためには「新規ユーザー」を入れ続けなければならない、という勘違いをしている人も多いのですが

この3つのユーザーから構成されていることを、まず理解しておきましょう。

ということは視点を変えてみると

「新規ユーザー」「復帰ユーザー」を一切獲得しなくても
「既存ユーザー」を一人も離脱させなければ(=辞めさせない状態がつくれれば)

理論上ではDAUは維持できるという考え方もできます。

 

これらDAUが積み上がってWAU、MAUがつくられます。

たとえば配信初月のMAUは次のようにDAUとWAUから構成されて作られます。

 

ここでのポイントは、

MAUやWAUは離脱ユーザーもカウントされるので、実態の把握がしにくい。実態を把握するにはDAUが適切

という点です。

特にゲーム配信初月や、TVCMなど大型プロモーションを実施した場合、MAUは大きな数字になりがちですが、翌月には獲得したユーザーもゲームを離脱してしまいますのでMAUやWAUは大きく数字を減らしてしまいます。

よって本当の実態を把握する上ではMAUよりも、WAU

できればWAUよりもDAUの方が適切といえるのです。

 

 

例えば今月のMAUは100万MAUだったとしても、それは重要ではありません。

重要なのは今月の最終日10月31日に何万DAU残っているかが重要です。

極端なケースですが、

MAUは100万でも、最終日のDAUが1万なら99万人が離脱してしまっているため、翌月のMAUは数万程度のMAUに落ち込むことが推測されます。

つまりMAUより、DAUの方が「トロネコパズル」の実態に即したKPIといえます。

アプリマーケティングでDAU、WAU、MAUを獲得・改善する方法

アプリマーケティングでDAU、WAU、MAUを獲得改善する方法について解説していきましょう。

DAUの改善がWAU、MAUを結果的に改善する

DAUの改善が結果的にWAU、MAUの改善に繋がります。なぜならWAU、MAUはDAUの積み上げで構成されるからです。

MAU、WAUの獲得は必ずしもDAUの改善につながると限らない

一方でMAU、WAUは見た目上、改善したように見せることができます。

例えばパワーマーケティングで、ただ数字を積み上げることができるからです。TVCMを大量投下すれば、瞬間的にユーザーは獲得できます。そのユーザーはすぐにゲームを辞めてしまってもMAU、WAUにはカウントされるのです。

 

でも辞めてしまったユーザーは売り上げには貢献しません。

つまり1週間、1ヶ月のうち1回でもゲームをプレイすればWAU、MAUにカウントされるため、ゲームの定着率を把握する上ではWAU、MAUは適切ではないのです。

アプリはインストールした瞬間から続々と離脱して辞めていく特徴がありますから、DAUの推移を分析しなければ実態がわからないですし、

もし、DAUの維持を怠っても、怠った結果がWAU、MAUには反映しにくく、わかりにくいという特性があります。

MAUを重視するゲームタイトルもありますが、配信直後ならまだしも配信から時間が経過すると、MAUではゲーム運営の実態が分析しにくい、課題が見つけにくいという欠点があります。

DAUを獲得、改善、維持する方法

WAU、MAUを改善するためにはDAUを獲得、維持する必要があります。

ならばDAUを獲得、改善、維持する方法としてどのようなものがあるのか解説していきましょう。

DAUを構成する3つのユーザーの獲得方法を理解する

DAUを構成する3つのユーザーについて、改めておさらいしましょう。

新規ユーザー:今日、インストールしたユーザー
復帰ユーザー:しばらく離れていたけど今日、復帰したユーザー
既存ユーザー:今日もプレイしてくれている継続プレイユーザー

この3つのユーザーの特徴を知り、獲得する方法がわかればDAUを改善できます。

配信されたばかりのゲームなら、DAUの多くは「新規ユーザー」で構成されています。しかしゲーム運営の時間が経過することで、「既存ユーザー」「復帰ユーザー」が登場し、DAUは、この3つのユーザーから構成されるようになります。

今回「トロネコパズル」という架空のゲームをサンプルにDAUの獲得方法を説明していきましょう。

「トロネコパズル」(架空のゲーム)とは

・配信から3年経過したパズルゲームである

・想定市場100万人の残存市場をほぼ取り切っている

・アプリ自体に多くの問題があり、多くのユーザーが辞めている

この条件をもとにDAUの改善方法を解説します。

トロネコパズルの【新規ユーザー】

トロネコパズルはサービス開始から3年を経過しており、想定ユーザーはほぼ取り切っている状態です。

宣伝費をかけて「新規ユーザー」獲得にいっても、ターゲットユーザーとして想定していたユーザーは市場に残っていませんので

「数字上のユーザーは獲得できても、ターゲットユーザーではないので宣伝費をかけて獲得する価値がないユーザーを獲得することになります」

このような「ターゲット外」のユーザーは

仮に取れたとしても獲得数は少なく、かつ、プレイ意欲、課金意欲は低く、継続率も低いのでDAU維持や売上貢献しにくいのです。

つまり新規ユーザーはゲーム配信時と、配信から3年後では同じ1ダウンロードのユーザーでも「新規ユーザー」の質、中身、状態が異なるのです。

 

もちろん「新規ユーザー」を獲得する手段はあります。

重要なのは、「トロネコパズル」という、いま運営しているゲームが、果たして新規ユーザーをあえて獲得する、獲得できるフェーズにあるのか?ないのか?という点です。

トロネコパズルの【復帰ユーザー】

トロネコパズルはかつて100万人のインストールユーザーが存在しました。

しかし、ゲームに対する不満や、何かしらの原因で「トロネコパズル」を辞めてしまったユーザーは「離脱ユーザー」となります。

「トロネコパズル」を一度辞めてしまったユーザーをゲームに復帰させることで「復帰ユーザー」となり、DAUを構成する要素のひとつになります。

 

離脱ユーザーはかつて「トロネコパズル」を遊んだ経験があるユーザーなのでトロネコパズルをよく知っています。だから、なんとか復帰させてDAUを改善させたいと多くのマーケターが「復帰ユーザー」の獲得に熱心になっています。

 

しかし「復帰ユーザー」の特徴を理解しておかなければ、復帰させてもすぐに辞めてしまうため、離脱ユーザーを復帰させるマーケティングが全部無駄になってしまう可能性が高いのです。

 

例えば次のようなことを考える必要があります。

・離脱ユーザーには離脱した原因がある

・離脱原因をつきとめ、原因を解決しない状態で復帰させてもすぐ離脱する

・一度離脱したユーザーは「そのゲームを離脱したという過去経験」が邪魔してしまい基本的に離脱しやすい状態である

 

つまり、これらを考慮せず

・TVCMやWeb広告などのパワーマーケティングで無理やり復帰させる

・辞めた原因を解決せずに復帰させる

実際にこのようなことは可能ですし、結果的に瞬間的なDAU改善を数字上で演出することができます。

しかし翌月には元通りのDAUに戻ってしまいますし、むしろ悪化することもあるのです。

だからこそ、離脱ユーザーを本気で復帰させたいなら、

 

 

「①離脱原因の解消」

×

「②もう一度復帰してもいいかな?」と思わせる「きっかけ」

×

「③ゲームの存在を伝える方法」(=宣伝、プロモーション)

この3つをセットで用意しなければなりません。

でも、これらが全くできていないケースが多いので注意してください。

 

特に多くのケースで「③ゲームの存在を伝える方法」(=宣伝、プロモーション)を復帰ユーザー獲得の手段のすべてと考えていることが多いのです。

しかし、③だけでユーザーを復帰させようとしても②がなければ、復帰効果は低いですし、復帰させても①がなければ定着しないのですぐに離脱します。

 

そしてもう少し踏み込むと

一度離脱したユーザーは「そのゲームを離脱したという過去経験」が邪魔してしまい基本的に離脱しやすい状態である」

という話をしましたが、一度離脱体験をさせた「離脱ユーザー」は復帰させても辞めやすい状態になっています。

 

その結果、復帰させても

・LTVは新規ユーザーの半分以下

・継続率は新規ユーザーの半分以下

という数値になります。

 

頑張ってお金をかけて復帰させたのに、新規ユーザーと比べるとDAUには貢献しにくく、売上にも繋がりにくいのです。

なぜこんな状態になるのか

それは・・・

一度、自らの判断で「トロネコパズル」を辞めた体験は、自分自身がこのゲームに対して辞めやすい状態であることを、ユーザー自身が無意識に認識しているので継続率や、課金意欲が再びあがらないのです。

結果的に、復帰ユーザーを獲得しても、このように質や状態が良くないので新規ユーザーの何倍もの獲得が必要になります。

※LTV:Life Time Valueの頭文字をとったKPIの言葉。とあるユーザーがゲームアプリをインストールしてから特定の期間内にゲーム内で課金する平均金額のこと

 

そうすると、こんな考え方も出てきます。

離脱ユーザーって、注力して復帰させる必要って本当にあるの?

という話です。

 

これは非常に重要な観点であり、「離脱ユーザー」を追わない

というマーケティング戦略としてありえます。

 

でも、ここでもっと深く深く考えてみてください。

ということは

「ユーザーに離脱体験をさせてしまった時点で、その後のゲーム運営は辛くなります」

「離脱ユーザーをゼロにはできないけど、離脱を軽減する施策をゲーム配信時から想定しておくのがよさそうです」

そうなんです。

DAUを維持改善する方法の本質はゲーム配信直後からユーザーを離脱させない「辞めせさないマーケティング」という視点が重要なのです。

ちなみにトロネコは新規タイトルの配信時には、必ず「辞めさせないマーケティング」ということを大前提に考えて実行します。

なぜなら、スマホアプリの場合は無料ダウンロードという敷居の低さゆえに、インストールした瞬間からユーザーが辞めていく、という宿命があるからです。

トロネコパズルの【既存ユーザー】

既存ユーザーとは、いま「トロネコパズル」をプレイしている現役ユーザーであり、今日も明日も明後日もプレイしてくれるユーザーです。

 

いま「トロネコパズル」を支えている重要なユーザーであり

・いまの「トロネコパズル」の売上は彼らによって作られています

そして、このユーザーが辞めずにプレイし続けてくれる限り理論上ではDAUは横ばいを維持できるということになります。

 

そして、彼らの客単価(LTV)をあげることができれば、DAUは横ばいですが売上はあがります。

 

これからも「新規ユーザー」「既存ユーザー」と比べると「既存ユーザー」の価値は圧倒的に高いということがわかると思います。

 

もう少し踏み込むと

「新規ユーザー」「既存ユーザー」はインストールしたり、復帰した瞬間から続々とゲームを辞めます。

ゲームを辞めた結果、残ったユーザーが「既存ユーザー」なのです。

よって「既存ユーザー」は「新規ユーザー」「既存ユーザー」の何倍もの価値があります。

 

つまり「既存ユーザー」

今遊んでくれているユーザーこそ、最も重視すべきユーザーです。

しかしDAUの話になると、多くのケースで「新規ユーザー」「復帰ユーザー」ばかり目が行きがちで「既存ユーザー」は軽視される傾向にあります。

 

「トロネコパズル」が今月配信されたばかりの新作タイトルならば、DAUを構成する要素のほとんどは「新規ユーザー」ですから「既存ユーザー」という概念が軽視されてしまうのは仕方ないかもしれません(本当はよくないんですけどね)

しかし、サービス開始から3年を経過して、想定ユーザーをほぼ取り切っているトロネコパズルにおいて「既存ユーザー」の維持が今後の生命線になります。

多くのマーケターやゲーム運営担当者は

DAUという数字の魔力に毒されているため、見た目上のDAUを稼げる「新規ユーザー」ばかりに目が行きがちです。

これはマーケティングマイオピアに陥っており、目の前の数字しか見えていない状態といえます。

いまは、問題がなさそうに見えてもスマホゲームは長期運営で利益貢献する運用型商材ですから、これは絶対にやってはいけないことなのです。

 

既存ユーザーを維持定着するテクニックがあります。ただしテクニックが重要なのではなく、既存ユーザーの特性を理解した上でどのように使っていくかが重要です。

ゲームアプリのフェーズによって獲得できるユーザーの状態や質が異なることを理解しよう

以前にイノベーター理論の話をしましたが

イノベーター理論でわかることは

ゲームアプリは配信直後から獲得できるユーザーの属性がどんどん変化していく

ということです。

 

これはゲームに限らず、あらゆるプロダクトに言えることですが

ゲームアプリに置き換えてお話すると

アプリ配信日に獲得したユーザーと、1年後に獲得したユーザーは、いずれもKPI上では「新規ユーザー」扱いですが、その中身の状態が全く異なる

というわけです。

イノベーター(革新者)2.5% 誰よりも早く購入する。新しいもの好き、誰よりも先に手に入れたい
アーリーアダプター(初期採用者)13.5% 情報に敏感、自ら情報収集、良いとおもったら購入
アーリーマジョリティー(前期追随者)34% 既に話題になっている商品を購入。クチコミに影響を受けやすい
レイトマジョリティー(後期記追随者)34% 流行には懐疑的だが周囲の半分以上が支持している「これは間違いない!」状態になると安心して行動する
ラガード(遅滞者)16% 保守層。新しい物に興味がない人

ゲーム運営の時間経過とともに、これら獲得できるユーザー属性が変化していくわけです。

下記の記事で詳しく解説しています。

 

実際のところ

アプリ配信日と1年後では獲得CPI、LTV、継続率も異なります。

 

結論だけお伝えすると

アプリ配信日にインストールしてくれるユーザーがもっとも

低CPIで獲得でき、高い継続率とLTVであり、その後のゲーム運営を支える最も重要なユーザーである

ということです。

だからこそ、獲得したユーザーを絶対に離脱ユーザーにさせない「辞めさせないマーケティング」ができるかが、その後のゲーム運営に大きなインパクトを与えます。

 

DAU、WAU、MAUのうち重要なKPIは?

最後にゲームマーケティングにおいて

DAU、WAU、MAUのうち、どれが重要なのか
または重要ではないKPIはあるのか?

この点について掘り下げてみたいと思います

マーケターやゲーム会社の考え方によって、DAU、WAU、MAUのうち、どのKPIを重視するか見解が分かれますが、

結論から言うと

「どのKPIが最重要なのか、100%の正解は存在しません」

「マーケターや運用担当者の数だけ答えが存在します」

 

つまり正解はないのです。

どの部分を観点として設定するかによって分析の切り口は無限に存在するのです。

ただし、その上でトロネコの考え方を申し上げると

ゲームマーケティングにおいてはDAUが最も重要です。

例外もありますが、WAUやMAUはどれほと注視しなくても良いと思います

なぜかというと

DAUはいま遊んでくれているユーザーであり
現状のゲーム運営の状況を表す活きたバロメーターだからです。

今月、今週どうだったのか?

というより、いま、この瞬間がどうなっているのか?

という事実が一番重要という考え方です。

 

例えば今月の上旬に大量のTVCMやWeb広告を投下したとしましょう。
1か月間を通して振り返ってみると、当たり前の話ですが今月のWAU、MAUの数字は通常月よりも高くなります。

でも本当に重要なのはTVCMやWeb広告が終了後の今月最終日以降に、DAUがどうなっているか?なのです。

 

つまり、TVCM、Web広告など大小に限らずプロモーションを実施すると
WAU、MAUの数字はつくれてしまいます。

WAU、MAUを構成するユーザーの質や状態が悪くても数字が作れます。

しかし、DAUはユーザーの質や状態の「いま」が把握しやすいKPIですからDAUを注視することが重要というわけです。

 

ところで、とあるタイトルの配信日直後に、とある開発プロデューサーがこんな話をしたとしましょう(いや、結構あるあるな話ですけどね・・・)

DAUは微妙なんだよね、でもMAUは結構な数字取れているんだよ

この発言にゲーム事業としての価値は全くありません。

なぜなら配信初月ですからMAUは数字として作ることができます。

 

でも重要なのは、いま現在のDAUです。

トロネコパズルの配信初月のMAUが100万だったとしても、

配信初月の最終日のDAUが1万だとするならば、もう99万人は辞めてしまっている可能性がありますから、翌月のMAUは100万にはなりません。

きっと数万がいいところでしょうし、翌月末には数千DAUに落ち込んでいるかもしれません。

つまりDAUこそ、そのゲームタイトルを、いま楽しんでくれている実態のあるファンそのものなのです。

MAUやWAUは課題発見に使える可能性あり

一方で、DAUは低下気味だけど
MAUは今月も、翌月も横ばいといったタイトルも稀にあります。

しかも特段大きなプロモーションをしていないのにMAUは変わらず、横ばいということが実際にあるのです。

 

これは、毎日プレイする意欲は低下しつつあるけど

まだ完全に辞めようと思っていないので

毎月の特定のゲーム内イベントだけは参加している

といった事が推測されます。

 

一方で、DAUは低下気味だけど
WAUは安定横ばいといったタイトルもあります。

ゲームをプレイしているユーザーのライフスタイルが影響して
毎日はプレイしないけど、お休みの取れる土日だけプレイされている
といった事も推測されます。

このようにDAU、WAU、MAUを組み合わせることで
ゲーム運営におけるコンディションの「仮説」を立てる事ができます。

あとはその「仮説」が正しいのか、
なぜその「仮説」が発生しているのか?その原因を突き詰めて
ひとつずつ解決することでゲーム運営を改善していくことができます。

 

さらに一歩進んだDAUを理解するマーケティングマインド

最後に一歩進んだDAUの話をしましょう。

以前にこのようなTweetをしました。

DAU、WAU、MAUはあくまでも数字の羅列に過ぎません。

数字をKPIとして捉えて

上がった下がったで「良し悪し」を判断しようとします。

しかし、少しだけ考えてみてください。

DAUが1万から2万に上がったからといって、

そのDAUを構成するユーザーが笑っているのか、泣いているのかわからないのです。

 

「DAUが上がる」=「みんな笑顔で喜んでいる」

と考えるのはマーケターのエゴです。

なぜなら、DAUは上がっても、みんな泣いて苦しんでいるかもしれないからです。

結果的にここに気づかないと、いまは瞬間的にDAUを改善できたとしても、時間の経過と共にDAUは下がり、取り返しがつかない状態に陥ります。

 

実はほとんどのゲーム運営においてゲーム運営が萎んでいく原因はDAU、WAU、MAUという数字ばかりを重視して

その先にあるユーザーの顔が見えていないことにあります。

 

数字は現状を把握する指標として使えるけど

その内情までは数字だけでは知ることができません。

よってSNSやストアレビュー、または定性定量的な調査を元にDAUやWAU、MAUの変化と同時にユーザーの状態を把握、または推測することがとても重要です。

ここに、今回の記事で最も伝えたかったことが詰まっています。

ここについてはyoutubeチャンネルでも解説しています。

ぜひ1度、時間があるときにご覧ください。

#9 ゲームマーケティングのKPIでわかること・わからないこと(過度なKPI依存は間違った判断をしてしまうリスクあり)about gamemarketing KPI

まとめ

今回、DAU、WAU、MAUについて解説してみました。

ここでは書ききれていない事がまだまだあるのですが

それほど深い話なのです。

DAUについてはユーザーの属性、ゲームジャンル、ゲーム中身にも依存しますので、そのゲームの属性や状態を踏まえた分析が必要になります。

今回の内容は基礎知識レベルですので、まずはここを理解した上で

自分なりの使い方をしてみてください。

というわけで、今回はここまで!