【第3回:DAUの作り方】 既存ユーザーを維持定着させるテクニック、施策ヒント事例10選

宣伝・プロモーション

こんにちは
マーケティングスペシャリストのトロネコです。

連載企画3回目、最終回はDAUを構成する「既存ユーザー」を維持定着させるテクニックや施策設計のヒントについてお話します。

DAUを構成する要素はこちらの記事でも書きましたが「新規ユーザー」「離脱ユーザー」「既存ユーザー」から構成されます。

既存ユーザーは既に獲得済みユーザーであり、新規に獲得不要との考え方や
瞬間的にはDAUを大きく改善することはできないので、現場ではあまり重要視されにくい印象があるのですが、これは大きな間違いであると断言できます。

各ユーザーを重要度に並べると

離脱ユーザー < 新規ユーザー <既存ユーザー

というように、3つのユーザーの中ではもっとも重要なユーザーになります。
その理由は次の通りです。

・現在の売上、DAUを支えているのは既存ユーザーである
・獲得してもすぐに離脱してしまう新規ユーザー、復帰ユーザーと比べると、既存ユーザーはあらゆるユーザーが離脱した後に残ったユーザーであり「新規ユーザー」「復帰ユーザー」の何倍もの価値がある。
・既存ユーザーが辞めてしまうことが、このゲームによって最大の脅威である。

実際には難しい話ですが、理論上は、既存ユーザーを1人も辞めさせず、維持し続ければ、DAUは横ばいで、売上も維持することが可能です。

既存ユーザーの維持は「ゲーム内施策」「ゲームそのもの」が重要

既存ユーザーを維持するために最も重要な施策はゲーム内施策であり
ゲーム内施策よりも、ゲーム本体そのものが重要だったりします。

既存ユーザーを維持するためにゲーム外施策を活用している人を見かけます。
これは全く効果がないとはいいませんが、既存ユーザーを維持するための施策としてはかなり遠く、間違いなく苦戦します。

なぜなら、 既存ユーザーの維持は「ゲーム内施策」「ゲームそのもの」が重要であり、既存ユーザーにとって 「ゲームの面白さ」が何よりも重要だからです。

【目次】
・ネット番組
・TVCM
・バズコンテンツ施策
・LINE
・リアルイベント
・キャラクター展開などIP化促進
・ゲーム内機能①
・ゲーム内機能②
・ゲーム内機能③
・ゲーム内機能④

 

ネット番組

「既存ユーザー」を維持するために必要なことは、今後もこのゲームを遊び続ける理由を提示することです。

「このゲームを遊び続ける理由」とは

・いま面白い
・来週も面白いだろう
・1か月後も面白いだろう

といったように、現時点に対する満足と、近い未来における期待感を提示することです。もし、いま満足しておらず離脱しかかっている状態ならば

「いまは満足できないけど、もう1週、もう1か月プレイしてもいいかな」

と思わせる理由を提示し、納得してもらう事が施策の目的になります。
そんな「これからも遊び続けるための理由付け」にはネット番組は設計次第では有効な施策です。

工数:★★★★
コスト: ★★★★★
効果: ★★★(施策設計次第)
獲得数: ★

TVCM

TVCMは一般的に「新規ユーザー獲得向け施策」として考えられがちですが
数字上では「既存ユーザー」のプレイモチベーションも維持する効果が期待できます。

・新しいイベント告知
・アプリが流行っている感創出
・TVCMをきっかけに既存ユーザーと、まだプレイしていない仲間との間でクチコミが交わされる

といった様々な副次効果は既存ユーザーの継続率、課金率に影響します。

とはいえ、基本的にTVCMはROIの観点では新規ユーザー向けに作らざるを得ないため、既存ユーザー向けに設計されるのですが、新規ユーザーと既存ユーザーが共通して「共感できる訴求軸」まで踏み込む設計ができると、さらにTVCMの価値を引き出すことができます。

工数:★★★★★
コスト: ★★★★★
効果: ★★★(訴求軸次第)
獲得数: ★★★(訴求軸次第)

バズコンテンツ施策

一般的にWebを使ったバズコンテンツは「新規ユーザー」「離脱ユーザー」に対するフリークエンシーを稼ぐための施策といて設計されます。よって「既存ユーザー」向けに設計されたバズコンテンツは、こちらもROIが良くありません。

ただし、バズコンテンツの最初の拡散の原動力になるのは、他の誰でもない「既存ユーザー」です。既存ユーザーの拡散力を源泉にバズの種を作る設計は必要です。

よって、本来の目的ではないけど、既存ユーザーの満足度を上げないとバズコンテンツが成功しないため、結果的に、既存ユーザーを満足させるコンテンツを作ることで、既存ユーザーのそのゲームに対する自己満足度をあげる効果が期待できます。満足度の積み上げは継続率の底上げにつながります。

「既存ユーザー」に対する実際の効果は僅かですが、そのような積み重ねが既存ユーザー離脱防止につながります。

工数:★★★★★
コスト: ★★★★★
効果: ★ (施策設計次第)
獲得数: ★ (施策設計次第)

LINE

既存ユーザーの多くを公式LINEアカウントの友達になっているならば公式LINEからのプッシュ通知は

「即時的アクションを促す情報伝達手段」

として活用することができます。その結果、瞬間的にゲーム内誘導ができDAUをあげることができます。

これはTwitterでは見込めないLINEならではの「即時的アクションを促すツール」としての特徴です。

ただしLINEプッシュは「従量制」になったため、多くの友達を抱える大型タイトルの場合はROIの観点でプッシュ通知が打ちにくくなりつつあるのは事実です。

工数:★
コスト: ★★★
効果: ★★★
獲得数: ★★★

リアルイベント

リアルイベントのターゲットは「既存ユーザー」であり、既存ユーザーのコアファン化を目的として一般的にリアルイベントは設計されます。

こちらの記事でも書いていますが設計次第では既存ユーザーのLTVや継続率をあげる事も可能です。ただし小規模のリアルイベントの場合は施策効果が限定的のため効率が悪く、数字に表れるようなインパクトを残しにくいのは事実です。

「やるならある程度の規模でパッケージ化して複数回やる」
「小さい単発のイベントほど非効率で自己満足な施策はない」

というのが長年、リアルイベントもやってきたトロネコの実感です。

工数: ★★★★★
コスト: ★★★★★
効果: ★
獲得数: ★

キャラクター展開などIP化促進

ゲーム以外のIP展開によって、既存ユーザーをもっとコアファン化されるのは
既存ユーザーの維持施策としては鉄板です。

こちらの記事でも書いていますがゲームをあくまでもIP展開のひとつと捉えて、それ以外でも楽しめるコンテンツを連動しながら設計できるかがポイントです。

即時的な効果は出しにくいので、愚直に我慢強く続けていけるかが重要であり、自社オリジナルIP創出においては避けて通れない施策です。

ただし即時的な効果を期待し、ROI重視傾向にあるスマホゲームの場合は、なかなかここに踏み込めていないのが現状で、「できない状態を半ば諦めている状態」を頻繁に目にします。

「なにはともあれまず行動できるか」

キャラクター展開においては論理的思考よりも、まずは行動力が求められます。

工数: ★★★★★
コスト: ★★★★★
効果: ★
獲得数: ★

ゲーム内機能①

既存ユーザーが期待していること、それは「ゲームの面白さ」だけです。
そして「ゲームの面白さ」とは、ただゲームとして面白いだけでなく

・ユーザーのニーズや時代の流れ
・競合タイトルの状態を踏まえつつ
・ゲーム本体が変化し続けることができるか

この3つにかかっています。
これらを目的としてゲームアプリは常に「アップデート」「リニューアル」を繰り返していきますが、ただのバグ修正や小手先の修正ではなく、本気でゲームを面白く進化させられるかが「既存ユーザー」対策としてはもっとも有効な施策です。

「ユーザーに寄り添う姿勢」はユーザーにも伝わりますし、そういった積み重ねが信頼感となり、ファン化によるゲームからの離脱防止、課金率の向上による安定したゲーム運営に繋がります。

工数: ★★★★★
コスト: ★★★★★
効果: ★★★★★(アップデート内容次第)
獲得数:★★★★★

ゲーム内機能②

ゲーム内機能についてもう少し踏み込んでみましょう。
既存ユーザーを辞めさせない理由を考えると

ゲームとしての面白さ < 人との繋がり

といったように「人間力」に踏み込んだゲーム内機能設計やアップデートができるとさらに既存ユーザーは辞めにくくなります。

これはどういうことかというと、こちらの記事で「マズローの5段階欲求説」について書いていますが「マズローの5段階欲求説」のうち、「社会的欲求」に踏み込めるかがポイントです。

ゲームの面白さを機能として追及していく行為は「マズローの5段階欲求説」においては「生理的欲求」「安全欲求」の拡充に過ぎません。しかし、ここは満たされた瞬間に離脱要因になりますし、人間の欲求は永遠に尽きないので、永遠に満たし続けなければならず「体力勝負」になります。

しかし、 「社会的欲求」に踏み込めると「人と人の関係」に踏み込めるため、非常に強い力で辞めにくい状態をつくることができます。

実際にどんな機能なのか具体例をあげてみると

「みんなとの協力プレイが楽しいゲーム」ではなく
「あなたと協力プレイをしたいゲーム」という領域に踏み込めるゲーム機能を実装できるかがポイントになります。

ただマルチプレイ機能やギルド機能、レイドボス機能、フレンド機能を実装すればいい、というわけではないので、開発側の能力とセンスが問われます。

工数: ★★★★★
コスト: ★★★★★
効果: ★★★★★(離脱ユーザーへの伝え方次第)
獲得数:★★★ (離脱ユーザーへの伝え方次第)

ゲーム内機能③

海外のゲームを中心に、課金金額が高いトップユーザーを維持するための「VIP施策」を実施しているケースを目にします。これはまさに既存ユーザー向けの施策例です。

「トップユーザーをリアルイベントに招待する」ことも効果が期待できますが、「トップユーザーしか持っていないアイテムや名誉をゲーム内で付与する」といったゲーム内施策も考えられます。

もちろん、トップユーザー(=既存ユーザーの中でも特に上位層)ばかり特別扱いすることでそれ以外のユーザーの反感を買います。しかし、ある程度まで成熟化してしまったゲームの場合はそのような割り切り施策も検討の余地はあります。

工数: ★★
コスト: ★★
効果: ★★★
獲得数:★★★

ゲーム内機能④

既存ユーザーの離脱防止に効く施策としては「サブスクリプション機能」も有効です。こちらの記事で書いていますので気になる方は読んでみてください。

ただしアプリ配信日から実装するのが大前提となります。

工数: ★★★★
コスト: ★★★★
効果: ★★★★★
獲得数:★★★★★

まとめ

今回、ゲームアプリの「既存ユーザー」の維持に効果が期待できる施策について特集してみました。他にも施策方法はありますが、比較的、活用しやすいテクニック、施策事例に絞っています。「これは!」と思う手段があれば、ぜひ活用してみてください。

というわけで、今回はここまで!

今回の連載企画記事はこちら

【第1回】新規ユーザーの獲得方法

【第2回】離脱ユーザーの復帰方法

【第3回】既存ユーザーの維持方法

タイトルとURLをコピーしました