【第2回:DAUの作り方】 離脱ユーザーを復帰させ維持するテクニック、施策ヒント事例12選

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離脱ユーザーでアプリのDAU改善するための12個の方法|ゲーム内機能からゲーム外プロモーションまで解説

こんにちは
マーケティングスペシャリストのトロネコです。

連載企画2回目はDAUを構成する「離脱ユーザー」を復帰させ獲得するテクニックや施策設計のヒントについてお話します。

DAUを構成する要素はこちらの記事でも書きましたが「新規ユーザー」「離脱ユーザー」「既存ユーザー」になります。ゲーム運営担当やマーケターはこの3つのユーザーを獲得維持することでDAU維持、改善に日々、頭を悩ませていますが、一度ゲームを辞めてしまった離脱ユーザーを復帰させることもDAUを改善するためには重要です。

前回の記事は下記から読めますので、よろしければどうぞ!

離脱ユーザーの復帰施策において注意すること

「新規ユーザー」「離脱ユーザー」「既存ユーザー」

DAUはこの3つのユーザーから構成されます。イメージはこんな感じです。


この3つのユーザーを重要な順番で並べると次のようになります。

離脱ユーザー < 新規ユーザー <既存ユーザー

実は離脱ユーザーは一番優先順位が低いのです。そして既存ユーザーがDAUの構成要素としては最も重要です。これは意外に感じるかもしれませんが、その理由は下記あります。

・今のDAUや売上を支えている「既存ユーザー」である離脱せず残って支えている「既存ユーザー」は他のユーザーの何倍も価値がある。

・「離脱ユーザー」は一度ゲームを辞めたユーザーである。仮に復帰させるテクニックで戻せたとしも、本質的な離脱要因が改善されない限り定着はしにくく、一度ガッカリさせて離脱させてしまったゆえに、課金率も低くなる。

新規ユーザーや、離脱からの復帰ユーザーが残ったユーザーが既存ユーザーですから、一番価値があるというわけです。

一方で、この3つのユーザーの中で離脱ユーザーは何かしら問題があって辞めているユーザーです。

つまり離脱ユーザーを戻して定着させるには、ただ戻すだけでは不十分であり、戻したところで、前回辞めた離脱原因が解決されていないと再び離脱するというわけです。

また、注意して欲しいのは「離脱ユーザー」を過剰に「おもてなし」すると、 「既存ユーザー」の感情を害してしまう恐れがあります。

辞めて去ってしまったユーザーよりも、いま目の前で頑張っているユーザーの方が重要だよね

というわけです。

繰り返しますがDAUは既存ユーザーが支えています。最優先で維持しなければならないのは 「既存ユーザー」です。「離脱ユーザー」ばかりに注意を向けていると、そんな既存ユーザーの離脱に繋がるリスクがあるという点はまず押さえておきましょう。これについても後ほど詳しくお話します。

離脱ユーザーって本当に必要なの?

一度離脱させる経験をしてしまったユーザーを復帰させることは可能です。でも離脱経験をさせてしまうと、復帰させても再離脱しやすく、かつ課金もしれくれません。

離脱ユーザーを復帰させても

・継続率が悪いのでDAUに大きな貢献は期待できない

・課金意欲が低くくなってしまっているので売上貢献もあまり期待できない

・このようなユーザーの状態なので、相当量の離脱ユーザーを復帰させないとKPIにインパクトを与えることはできない

といった感じです。

瞬間的に離脱ユーザーを復帰ささえて、瞬間的にDAUが改善したように演出することはできます。つまり数字を作るという意味です。

こんなに離脱ユーザーを復帰させられたぞ!本日のDAUはかなり改善したし今回のプロモーションは大成功だ!

というように演出はできます。

でも1週間後には元のDAUか、それ以下になっているのは、深く説明しなくても皆さんもうご存知でしょう。

離脱ユーザーの獲得は、ただ復帰させるだけでなく、復帰させて何をするのか?ゲーム内外の施策が完全に連携できていない意味がないのです。

このことから、離脱ユーザーの復帰獲得は手間もかかりますし、緻密な設計も必要ですし、コストをかけても戻せるのか、戻してもそこに価値があるのか?

ということを考える必要があります。

無理に戻さなくてもいいんです。既存ユーザーをしっかり維持しながら、新規ユーザー獲得に注力する方が効率的という考え方もあるからです。

ちなみにトロネコの場合は、タイトルの状態やタイトルの運営期間やフェーズを踏まえた上で、離脱ユーザー獲得にどこまで注力するべきか判断をします。場合によっては、それほど深く追わないこともあります。

それでも、離脱ユーザーを獲得したいという人は、この先の記事を読んでくださいね。

 

【目次】
・デジタル広告
・Youtuber施策
・TVCM
・カムバックキャンペーン施策
・ストア対策
・バズコンテンツ施策
・Twitter施策
・Facebook施策
・リアルイベント
・PR
・ゲーム内施策
・ゲーム本編改修

離脱ユーザーの復帰獲得によるゲームアプリのDAU改善するための12個の方法

デジタル広告

ここでのデジタル広告とは純広告ではなく、入札方式の運用広告を指しています。
UAC(Universal App Campaign:読み方はユーエーシー)と呼ばれるgoogle媒体を活用したインストール広告(詳細はこちら)や、LAP(Line Ads Platform:読み方はラップ)と呼ばれるLINE媒体を活用したインストール広告、アフィリエイトASP広告、ディスプレイネットワーク広告など多種多様な広告手段があります。

各媒体ごとに獲得ボリューム、ユーザーの質など様々であり、そこに対して訴求したいゲームアプリから切り出したクリエイティブを複数試して「当たりクリエイティブ」探しだし、獲得効率重視で運用していきます。

離脱ユーザーの場合は、離脱ユーザーの端末情報のリストを元にターゲティング広告を出稿でき、復帰を促すクリエイティブを掲出します。

よって離脱ユーザーに対するデジタル広告の大前提として

「ある程度のダウンロード数がある大型タイトル」

である必要があります。なぜなら、ダウンロード数が多い=離脱ユーザーが多い=ターゲティング向けリストがある

というデータが必要になるからです。

実際には市場で離脱したユーザーを探して、広告を当てるのは結構大変で100万人以上の離脱ユーザーが発生しているタイトルならまだ可能ですが、数十万規模の離脱ユーザーしか存在しない(=ダウンロード数が少ない)タイトルの場合は、離脱ユーザーに対して広告をリーチできないという弱点があります。

運用広告で離脱ユーザーにリターゲティングするには、そもそも辞めたユーザーが膨大にいる状態、数百万ダウンロードのヒットタイトルでないと意味がないというわけです。

工数:★★★★
コスト: ★★★★★
効果: ★(これまでのダウンロード数に依存)
獲得数: ★ (これまでのダウンロード数に依存)

Youtuber施策

基本的にYoutuber施策そのものは「新規ユーザー」に向けて施策設計されます。離脱ユーザーの復帰はあくまでも副次的効果程度と考えられています。

ただし、これはあくまでも一般論であり「新規ユーザー」が取れないような状態(ゲーム自体が長期運営で、新規ユーザーが取れる残存市場なし)になった場合、離脱ユーザー向けの設計もアリだと思います。

ただし下記のような理由でありYoutuber施策は「離脱ユーザー」向けに施策設計しにくいという事情はあります。

・Youtuber施策はコストがかかる
・離脱ユーザーはLTVが低い
・コストに対してLTVが低いのでROIがあわない
・計算上ROIは見合わない結果になる

どういうことかというと、Youtuber施策は「離脱ユーザー」は取れなくはないけど、それを目的にすると投資対象として見合わない試算になってしまという事になります。よって投資効果以外の別の目的も検討した上で設計が必要になります。

離脱ユーザーの復帰を目的としたyoutuber施策はあまりみかけません。多くのyoutuber施策(広告出稿)は新規ユーザー獲得向けですし、それに対する投資効果検証をします。

でも、実際のところyoutuber施策でも離脱ユーザーの復帰は取れています。取りに行こうと思って狙って取れているのではなく、おまけで取れているといった感じです。

工数:★★★★
コスト: ★★★★★
効果: ★★
獲得数: ★★

TVCM

TVCMも基本的には「新規ユーザー」向けに設計されます。なぜなら「離脱ユーザー」を復帰させてもLTV、継続率が低いためROIが見合わないからです。TVCM単体の広告効果として考えると、「離脱ユーザー」の復帰を目的とした設計はあまり一般的ではありません。

ただし、どんなTVCMでも「離脱ユーザー」は副次的効果として取れてしまうのも事実です。

のちほどお話が出てきますが「離脱ユーザー」の「離脱要因」を強力に払拭するゲーム内改修、大規模アップデートとTVCMをセットで設計すると、離脱ユーザーの懸念点である「LTV、継続率の低さ」は解決できる可能性があります。

長期運営のオンラインゲームとかなら、復帰を呼びかけるようなCMもたまにみかけますが、投資効率は悪いです。なぜなら新規ユーザーと比べても離脱ユーザーのLTVは半分以下、いや実際には1/4くらいまで落ちることが多いからです。

工数:★★★★★
コスト: ★★★★★
効果: ★★(訴求軸次第)
獲得数: ★★(訴求軸次第)

カムバックキャンペーン施策

ここではイメージが伝わりやすいので「カムバックキャンペーン」という名称を使っていますが、いわゆるゲーム内から発信する「離脱したユーザーの復帰を促す施策」を指します。

「おかえりなさいキャンペーン」や「ありがとうキャンペーン」または「1周年キャンペーンにその意味を含めるもの」など様々なカムバックを目的にしたキャンペーンがあります。

ちなみに、カムバックという名称は絶対に使用してはいけないNGワードです。

NGワードなんて・・・大袈裟に思えるかもしれません。実際に普通に使われているケースを見かけますが実は「カムバック」というワードは非常にリスクがあります。理由は以下の通りです。

・既存ユーザーに対して過疎っている印象を与えるため課金、継続率に影響あり
・離脱ユーザーに対するおもてなし感が見えてしまい、もっとも需要な既存ユーザーの心象に影響あり
・「カムバック」といわれても辞めた理由が解消されないと説得力がない

という感じです。

まとめると「既存ユーザー」「離脱ユーザー」の両方に対する配慮が足りていないというわけです。

理想は「離脱ユーザー」の「離脱要因」の解決とセットで設計し、かつ「カムバック」というワードは使わず、既存ユーザー、離脱ユーザーに対して共通で訴求できる施策が必要です。

シンプルに考えて「復帰してください!」「カムバックプリーズ!」といわれても復帰しないですよね。よって世の中のほとんどの「カムバックキャンペーン」は結果が伴わないのですが、「他に手段がないのでやっている」というのが現場の実態だったりします。

・自発的に復帰するとお得感あるもの
・ゲーム運営側からの感謝の気持ちが伝わるもの
例)プレイ日数や、プレイヤーの誕生日、周年などにあわせた設計
・辞めた人に情報が伝わる伝達手段をセットで設計

というのが効果を出せる「カムバック施策」のヒントになります。

冷静に考えてみてください。

ゲーム内で「カムバックキャンペーン開催中」と言われても、すでに辞めているユーザーにそれを伝える手段がないと意味ないですし、伝えたところで彼らの中では「辞めた理由」が何かしらあるわけですから「カムバックキャンペーン」で戻せるか?といえば難しいのです。

とはいえ、カムバックキャンペーンを全否定しているわけではありません。ただし実際にゲーム内でそれ単体をやったところで効果は微々たるものです。DAUには無風なのです。

単発施策ではなく、複合的な施策設計をした上での、その中での一部役割を担うカムバックキャンペーンという位置付けが設計できるかが重要です。

工数:★★
コスト: ★★
効果: ★★★(情報の伝達次第で大きく変動)
獲得数: ★★★ (情報の伝達次第で大きく変動)

ストア対策(AS0対策)

いわゆるASO対策というアプリストア上でのインストール率をあげる対策です。下記の記事で詳しく書いています。

離脱ユーザーの復帰施策として、ストア対策はそれほど効果を発揮することができません。ただし、ストアランキング、Feature掲載(ストア内のバナー掲載)など新規ユーザー向けに効果あがる施策の「副次的効果」として一部離脱ユーザーも取れます。

でも、そこれ獲得できる数は少ないので、狙って施策設計するほどの効果が期待できないという意味です。

ただし、唯一、瞬間風速として効く施策があります。それは「アプリアイコンの変更」です。

ストア上のアイコン変更ではなく、離脱ユーザーのスマホのホーム画面に表示されている「アプリアイコン」が変わると、アプリアイコンがデジタル広告としての役割を果たし、変わった瞬間にタップ→ゲーム起動を誘導することができます。

イメージとしてはスマホ端末のホーム画面にプッシュ通知を送るようなものです。

おおお!いきなり昔やってたゲームのアプリアイコンに「いまなら100連ガチャ無料」という画像に変わったぞ!

みたいな情報をユーザーに伝えることができます。

特に、いままでアイコン変更をしてこなかったゲームはその効果は抜群です。
ちなみにアイコン変更はビルド自体のアップデートが必要です。

ただし、大きな弱点があります。

アイコン変更

瞬間的にユーザーをびっくりさせてアプリ起動

アイコンを変更した当日は「復帰ユーザー」を獲得できDAUが改善します。(厳密には改善したように見えます)しかし翌日には急降下して、もう戻ってきません。

「瞬間的に振り向かせられるけど、瞬間的に離脱要因を解決できなければ即離脱、もう次のチャンスはない」

というのが実態なのです。

この特性を理解した上で、他の施策と複合設計することで「たかがアイコン変更」でも、その価値を大きく引き出せるチャンスがあります。

アプリアイコンが変わった→タップ→「アップデートが必要です」

だと再起動はしてくれないかもしれません。

アプリアイコンが変わった→タップ→「アップデートが必要です」→アップデートをしてみる→ゲーム起動→いつもと何も変化なし

これも即離脱です。

起動させて、そこで何を強烈に情報として伝えて、どのようなアクションを復帰ユーザーに起こさせるのか?そこまで考えられてアイコン変更がされているタイトルは極めて少ないのです。だから変更した当日だけ復帰ユーザーが瞬間的に改善しても、ただの瞬間風速で終わってしまいますし、翌日には元のDAUに戻ってしまいます。

この状態はただの数字遊びに過ぎません。これでDAUが改善したと評価している人も多いのですが、本当に意味がないので、もっと本質を見るようにしましょう。

工数:★★★
コスト: ★
効果: ★
獲得数: ★

バズコンテンツ施策

Webコンテンツを制作して、そのコンテンツをプレイしてもらうことでネット上のバズを狙い、離脱ユーザーに対するリーチを稼いで「復帰」を狙う施策です。

リーチさせても、必ずしも復帰に繋がるわけではないので、それほど効果は見込めないのですが、まだアプリをアンインストールしていない離脱ユーザーなら、新規ユーザーをインストールさせるよりも復帰させるハードルは低めです。

前回の新規ユーザーの獲得方法のところで書きましたが

・バズの大きさ
・ゲーム内への導線(ゲーム内外連携設計)
・その他施策との連携技

などによって、効果が大きく変動します。
また、ただWebコンテンツを作ればいいのではなく、その内容次第で当たりハズレが大きく、緻密な計算と設計、アイディアとセンスが必要で、成功ハードルが高い施策ですなので、複数本用意して半分当たればいい、くらいの感じで臨んだ方が良いと思います。

前回の新規ユーザーを獲得する記事の「バズコンテンツ施策」の部分で詳しく書いていますのでそちらも参考にしてみてください。

工数:★★★★★
コスト: ★★★★★
効果: ★★★ (施策設計次第)
獲得数: ★★★ (施策設計次第)

キャラクター版権連動施策

もしみなさんが担当しているゲームが人気キャラクター版権を使ってゲームならば、そのキャラクター版権の動向にあわせて通年でユーザーを復帰させることができます。

なぜならキャラクター版権ゲームをプレイする動機の大部分がキャラクター版権ファンによる、キャラクター版権の世界の追体験、もしくは拡張体験だから、キャラクター版権が「生きて動いている限り」ユーザーを復帰させるチャンスがあるからです。

よって、キャラクター版権の展開動向にあわせ、その時にユーザーの感情を深く分析しながら「復帰施策」を設計実施するのは有効です。

トロネコは長年、家庭用ゲームのマーケティングもやってきましたのでわかりやすい例をあげましょう。

数年前に発売された漫画原作のゲームがあったとします。数年前に発売されたわけですから、ゲームとしての寿命は終わっており、一般的なゲームならリピート発注(再生産による再出荷)は見込めません。でも漫画原作のゲームは漫画の連載が続く限りそのゲームは売れ続けるのです。そのゲームの新作が登場しない限り、何年前に発売されたゲームであってもゲームショップからのリピート発注がかかります。

つまりキャラクター版権の動向そのものがゲームの売れ行きに大きな影響力を持っていることがわかる事例というわけです。

 

工数:★★★
コスト: ★★★
効果: ★★★ (施策設計次第)
獲得数: ★★★ (施策設計次第)

Twitter施策

拡散するTwitter投稿、またはコンテンツを用意して離脱ユーザーに情報をリーチさせゲームに復帰させる施策です。

アイディア次第で低コストで何度でもチャレンジできます。ただし、施策の「当たりハズレ」は大きく、100%当たる施策とはいえないため、その効果を事前に見積もることは困難です。よって、試算はできないけどチャレンジ施策として常にに網を張っておく定常施策として続けていくことがおすすめです。

お金や工数はあまりかけず、でも常に施策を複数展開して、色々試してみる。定常的にTwitter施策は何本もネタを走らせておくべきです。それだけの価値があります。

工数:★
コスト: ★
効果: ★★★(施策設計次第)
獲得数: ★★★ (施策設計次第)

Facebook施策

Twitterと異なりリアルな人間関係の繋がりに基づいたFacebookは、数は稼げないけど「質」の高いユーザーを獲得できる可能性があります。

ゲーム配信直後から「人の繋がりを意識した施策をFacebookで展開できていれば」ゲーム配信後も、Facebookを使って「人の繋がりによって復帰させる施策」を設計することも可能です。

離脱ユーザーの復帰と、復帰後のゲーム内での定着は本当にハードルが高いのですが、その中でも人の繋がりによる復帰は定着率が高いのです。

会社の上司に「最近、トロネコパズルをやっていないだろ!どうなっているんだ」と言われたら、つまらなくて辞めたトロネコパズルも上司に付き合う流れで復帰せざるをえないかもしれません。

工数:★
コスト: ★
効果: ★★★(施策設計次第)
獲得数:★★★ (施策設計次第)

リアルイベント

リアルイベントは基本的に「既存ユーザー」向けであり、既存ユーザーのコアファン化を目的とした施策として設計されます。ただし、人の繋がりを活用して「既存ユーザー」が「新規ユーザー予備軍」を誘いたくなるリアルイベント設計が不可能ではありません。

一方で、「離脱ユーザー」は何かしらの原因で辞めてしまったユーザーですから、既存ユーザーが誘ってもリアルイベントに来て頂く事は難しいと思われます。

それでも「離脱ユーザー」をリアルイベントに呼び込みたいなら「ゲーム以外の部分で強力に興味を惹く企画」をリアルイベントに盛り込み、まずは来場してもらい、そこにセットで「復帰したくなる情報」を伝える必要があります。

友達に誘われてトロネコパズルのリアルイベントに参加した。あまりにもつまらないので辞めたけど、最近、大規模アップデートして全く別モノになっていたので、もう一度プレイしようかな、と思った

と思わせたら復帰待った無し!ですね。

工数: ★★★★★
コスト: ★★★★★
効果: ★
獲得数: ★

PR

ここでのPRとは「プレスリリース」「ゲーム媒体記事」などあらゆるPR活動を指しています。PRの目的は掲出先のメディア特性によって多種多様ですが、基本的には新規ユーザー向けです。

ただし、フリークエンシーを稼ぐメディアとして割り切れば、離脱ユーザーにも情報を伝えるメディアとして活用できますが、PR単体で「離脱ユーザー」を復帰させることは困難です。

基本的にPR施策は、それ単体ではKPI数字上、新規、離脱、既存ユーザー問わず無風と考えてください。他の施策と複合設計することで価値を出せます。

工数: ★★★(施策で大きく変動)
コスト: ★★★ (施策で大きく変動)
効果: ★(単体では効果はだせず)
獲得数:★ (単体では効果はだせず)

ゲーム内施策

「いまプレイすると100連ガチャ無料」「レアキャラクターもらえる!」
「豪華ログインボーナス実施中」など、離脱ユーザーが復帰したくなる強力なインセンティブをプレゼントする施策です。

この情報が適切に離脱ユーザーに伝わる施策をセットで設計できれば、実際のところ、瞬間的に離脱ユーザーを復帰させることは可能です。

ただし、瞬間的な復帰であり、復帰した瞬間に離脱要因の解決が提示できなければ翌日には離脱してしまいます。また強力なゲーム内インセンティブで復帰、維持させているユーザーが数字上のDAUは改善したように見せても、売上貢献できているのかというと疑問です。

また強力なゲーム内インセンティブはゲーム内の経済環境に影響を与える恐れがあるため、過剰なログインボーナスを辞めた方が売上があがったという事例もあります。

あくまでも、瞬間的に振り向いてもらうための打ち上げ花火として使用していただき、本気で離脱ユーザーを復帰させて定着させ、売上に繋げたいなら、離脱した原因の徹底究明と解決が必須となります。

工数: ★
コスト: ★
効果: ★(瞬間的にDAUは作れるけど単体施策では即時離脱する)
獲得数: ★★★★★

ゲーム本編改修

「離脱ユーザー」に一番効く施策であり、かつ唯一の解決策が、ゲーム本編における離脱要因の解決です。一般的には「ゲームリニューアル」「大規模アップデート」といった言葉で表現されます。

本気で離脱ユーザーを復帰させたいなら、離脱要因の解明と徹底解決が結果を出す最短コースです。

しかし、多くの 「ゲームリニューアル」「大規模アップデート」は

・見た目を変えただけ
・ちょっとしたアップデートをリニューアルといっているだけ
・離脱要因の解決に踏み込めていない

といった本質に踏み込んでいないケースが多いのです。

たしかに見た目は重要なので「見た目が変わるともう一度復帰してもいいかな?」という「きっかけ」をプロモーション上でも作りやすいのですが、実際に復帰してゲームをプレイしてみても離脱要因が解消されていないと、すぐに離脱しますし、それを補うための強力なゲーム内インセンティブでは到底解決できません。

「離脱原因の徹底的解決+今回紹介したその他プロモーションによる複合的な訴求」これが離脱ユーザーを獲得する上でもっとも効果を出せます。

1周年キャンペーンのタイミングで離脱ユーザーを復帰させよう。そのためにはゲームも大幅リニューアルして、見た目も豪華にしよう!

これを「ゲーム本編改修」と考えている人が本当に多いのですが、見た目を変えても本質が変わらなければ離脱ユーザーを復帰させてもすぐに再離脱します。なぜ、彼らは離脱してしまったのか?その原因を突き止めて解決する必要があります。見た目が豪華になった!という驚きだけではユーザーは復帰させても定着させられないのです。

長期プレイした上での離脱ユーザーの離脱原因を突き止める上では不十分ですが、短期離脱理由については下記の記事は参考になるかもしれません。

工数: ★★★★★
コスト: ★★★★★
効果: ★★★★★(離脱ユーザーへの伝え方次第)
獲得数:★★★★★ (離脱ユーザーへの伝え方次第)

まとめ

今回、ゲームアプリの「離脱ユーザー」復帰に効果が期待できる施策について特集してみました。他にも施策方法はありますが、比較的、活用しやすいテクニック、施策事例に絞っています。「これは!」と思う手段があれば、ぜひ活用してみてください。

次回は最終回としてDAUを構成するユーザーとして最も重要な「既存ユーザー」を維持する方法について解説します。

よくわからない!具体的に相談したい!という方はLINEチャットで気軽に無料相談できる「トロネコのカベウチ」、もしくはメールにてご連絡ください。

toro_neko2020@yahoo.co.jp

みなさまからのご相談お待ちしております。

今回の連載企画記事はこちら

【第1回】新規ユーザーの獲得方法

【第2回】離脱ユーザーの復帰方法

【第3回】既存ユーザーの維持方法