【全公開】ゲームアプリマーケティングにおけるプロモーション施策設計の教科書

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【全公開】ゲームアプリマーケティングにおけるプロモーション施策設計の教科書

今回はゲームアプリマーケティングにおける、プロモーション施策の設計方法について解説します。

今回、お話する内容はトロネコが実際にプロモーション設計をする際に

設計書に盛り込んでいる内容そのものです。

ただし、設計書はゲームタイトルの状態、規模感に加えてカスタマイズしたり

常にアップデートし続けているので今回最後に実際のサンプルフォーマットも掲載していますが、この通り使っていない場合もあります。

(もっと実務で使いやすいようにgoogleスプレッドシート等でカスタマイズして使っていたりします)

しかし、繰り返すと、今回紹介している内容を全部盛り込んだ設計書を作れば、大きく失敗することがありません。

ここ凄く重要なポイントなのです。

なぜなら、多くのケースでマーケティング担当によってプロモーションの設計書そのものが作られてなかったり、設計書が作られていたとしても肝心な部分が抜けているから結果が出なかったり、事故が起こったりするからです。

このあたりを今回、全部、書いてみました。

スマホアプリゲームだけでなく、家庭用ゲーム、PCオンラインゲーム、その他のエンタメ系商材にも使えますので、ぜひ参考にしてみてください。

ゲームアプリマーケティングにおけるプロモーション施策設計の教科書(9つのプロセス)

今回、プロモーション設計を行う上で9つのプロセス=9つの決めることをご紹介します。順番は入れ替えて頂いて結構です。

ポイントはひとつのプロモーション施策を設計するにあたって、これら9つを決める必要があるという点です。

ここがきちんと決めておけば、大きな事故は回避できます。

①各施策のマーケティング戦略を策定する

②目的を達成するための目標をブレイクダウンする

③目標を時系列(デイリーベース)に落とし込む

④施策の設計書を書く

⑤プロモーション作成のタスクをまとめる

⑥プロモーション実施のタイムラインを決める

⑦想定される課題と課題に対する対策を用意する

⑧プロモーション施策実行中でも随時チューニングと改善を行う

⑨プロモーション施策終了に必ず「振り返り」を行い次に活かす

ひとつずつ解説していきましょう。

①各施策のマーケティング戦略策定する

ちゃんとしたマーケターならゲームタイトルの全体のマーケティング施策は必ず作成しているはずです。

当サイトではマーケティング経験に関係なくマーケティング戦略が作れるフレームワークを公開しています。これに沿って作れば、「マーケティング戦略の形」は作れます。

【参考記事】【保存版】ゲーム事業におけるマーケティング戦略のつくり方(フレームワークを使った立案方法)

しかし、ここで終わってしまうことが多いのです。

つまり全体のマーケティング戦略はつくるけど、それをブレイクダウンそた個別施策単位でのマーケティング戦略はつくらない、という意味です。

よって、全体のマーケティング戦略は形骸化してしまうケースが現場では多くみられます。

しかし全体戦略に対して、個別施策ごと、個別フェーズごと

極端に言えばデイリーベースで戦略はブレイクダウンすることができます。そしてブレイクダウンしなければなりません。

なぜなら、1ヶ月は30日、30日の集合体が1ヶ月のKPIをつくるからです。

上記の表は今回とは関係ない別目的のシートサンプルなのですが

全体戦略に対して、個別プロモーション施策においてもマーケティング戦略を必ず設計しましょう。

例えば事前登録プロモーションを設計するならば

全体のマーケティング戦略を踏まえた上で、以下のような個別施策である事前登録Webキャンペーンのマーケティング戦略が必要になります。

フレームワークの記事でも書いていますが、「目的」→「目標」→「課題」→「戦略」といった流れでマーケティング戦略を作りましょう。

なぜ全体のマーケティング戦略がすでにあるのに、事前登録Webキャンペーンの個別マーケティング戦略が必要かというと、全体のマーケティング戦略を実行するための「一部の役割」を事前登録Webキャンペーンが担うからです。

事前登録Webキャンペーンがうまく実行できなければ、全体のマーケティング戦略に狂いが生じてしまうからです。

これを面倒と思うのか?重要と思うのか?によってマーケターの価値は大きく変わってきます。

もし面倒と思っているなら、マーケターとしては失格です。

②目的を達成するための目標をブレイクダウンする

個別プロモーションのマーケティング戦略が作成できたら、個別プロモーションのマーケティング戦略における「目的」を達成するための「目的」を細かく分解していく作業を行います。

・予算

・獲得件数(事前登録プロモーションの場合)

・Twitterにおける事前登録ならCPF(Cost per Follow)、ゲームアプリインストールならCPI(Cost per Install)となり、それぞれにかかった獲得単価になります。

・売上貢献(獲得したユーザーから将来見込める売上)

・ROI(Return on Investment)投資に対するリターン

といった項目を決めていきます。

予算100万円

Twitterによる獲得目標事前登録件数は1万人

とするならばCPFは100円

事前登録で獲得したユーザー1人あたりのアプリインストール転換後の売上貢献の単価は100円

とするならば100円かけて獲得したユーザーから将来100円の売上が見込めることになるのでROIは1.0になります。

これら数字はダミーですが

全体の戦略に対して、Twitterの事前登録施策が1万人でいいのか?ROIは1.0でいいのか?(一般的には最低でも1,2以上でないと投資価値はないとされている)などがあります。

とはいえ総予算100万円が変えられないなら、どこで獲得効率をあげれば目標分解として適切なのか?などを考えていくわけです。

これも全部マーケターの仕事です。

③目標を時系列(デイリーベース)に落とし込む

事前登録プロモーションの期間は何日間で

その期間の中でどのような減衰率で事前登録ユーザーを獲得すれば目標の1万人が達成できるのか?目標を時系列でブレイクダウンして、その進捗と達成状況を把握します。

達成状況が悪ければ事前に準備していたテコ入れを実施しますし、大きく上ブレて達成できそうなら、もっと上の目標設定を途中で用意するか(上方修正)、予算を途中で使わず別のことに割り当てるといった判断もできるわけです。

事前登録1万人という数字は、必ず時系列をもって達成されるわけですから、目標を時系列で分解する必要があります。

④施策の設計書を書く

WebキャンペーンならばWebデザイナーといっしょにワイヤーフレームを書いたりもしますが、ここで重要なのは

デザインではなく、目標を達成できるプロモーション施策の設計になっているのか?

という点です。

面白いWebコンテンツを設計して、多くのユーザーに遊んでもらうことは必要ですが、100万人のユーザーに遊んでもらったのにTwitterフォロワー導線がないために事前登録で1人も獲得できなかった

ということがないようにマーケターもデザイナーと一緒に設計する必要があります。

「100万人のユーザーに遊んでもらったのにTwitterフォロワー導線がないために事前登録で1人も獲得できなかった」

そんなことがあるはずはない!

と思うかもしれませんが、実際にTwitterフォローの導線が完全に漏れているプロモーション設計がされてしまうこともあるのです。

だからこそ、あらゆるプロモーション設計にマーケターも参加して一緒に設計する必要があります。

⑤プロモーション作成のタスクをまとめる

プロモーション設計が完成したら

どのタスクを、だれが、いつまでに実行するのか

現状ステータスはどうなっているのか?

可視化して管理する必要があります。

特に大型プロモーション設計の場合は多くの人が関わりますし、作業も細かくなりがちですから、それをひとつひとつ可視化して、かつマーケターは進捗を追いつつ、実際に設計書通りに作られているのか管理する必要があります。

そんなことマーケターの仕事ではなくて、プロジェクトマネージャー的な仕事のように思えるかもしれません。

しかし、ここで重要なのは「事前登録プロモーション」を実行すればいいという話ではなく「事前登録プロモーション」の結果、このゲーム全体のマーケティング戦略を実行し、目標、目的を達成し、このゲーム事業が成功することにあります。

我々マーケターは「事前登録プロモーション」を実行することにコミットしているわけではなく、「事前登録プロモーション」を実行した上で、最終的にこのゲーム事業を成功させることにコミットしているわけですから、タスク管理も重要な役割なのです。

⑥プロモーション実施のタイムラインを決める

プロモーション施策に関わるメンバーが多く、大規模になるほどに実際のプロモーション実行においては指揮管理系が重要になります。

たとえばWebページを12時にオープンして、12時30分にTwitter投稿して、13時にプレスリリースを出し、13時30分より広告出稿を行う

といったタイムラインがあるとするならば、それは1分たりとも遅延することなく指揮管理のもと実行する必要があるからです。

これら時系列はダミーですが、もし、このように実行することが、この事前登録プロモーションの1万人達成の重要ポイントとなる「プロモーション設計」がされているようなケースが実際にあるからです。

その場合、今回のプロモーション設計の段階から時系列の実施タイムラインまで決めておく必要があります。

あとで決めてもいいのですが、できる限り一旦は同時に決めていきましょう。ただシートを作るだけでなく、抜け漏れがないか、関係各所への周知はできているのか、やることはたくさんあります。

⑦想定される課題と課題に対する対策を用意する

プロモーション設計の段階で、既にプロモーション施策の実施途中において想定される課題やリスクがあるなら、事前に対策をとっておきましょう。

また実際にそこまでのリスクは想定されなくても、ありえる可能性について洗い出しておき、万が一発生した場合の対策も用意しておく必要があります。

例えば事前登録の集客状況が予測より大幅にビハインドしてしまった場合、事前に打ち手を用意しておかなければ、施策実行後に右往左往しながら、ビハインドしている状態を眺めているだけになってしまいます。

⑧プロモーション施策実行中でも随時チューニングと改善を行う

いざプロモーション施策が実行された後も、状況が良好な状態だとしても常にに改善できることはないか?随時、チューニングと改善を行う姿勢を持っておきましょう。

目標に対して達成進捗状況が良いので何もしない

というのはマーケターとしてはあまり賛同できません。最後の最後までできることはないのか?諦めない姿勢が必要です。

⑨プロモーション施策終了に必ず「振り返り」を行い次に活かす

プロモーション施策が終わった後は必ず「振り返り」を行いましょう。

下記はトロネコのお仕事ページに記載している資料の抜粋になりますが、プロモーションを実施した後には「検証」「改善」というフェーズを必ず実施します。

なぜ、うまくいったのか

なぜ、うまくいかなかったのか

プロモーション施策がうまくいっても、行かなくても、そこには学びと気づきがあるからです。

うまくいったら、そのやり方を次の施策にも活かせますし

うまくいかなかったら、その反省を次の施策にも活かせるからです。

そうすれば組織としても成長できるだけでなく、このような繰り返しの行き着く先は失敗ではなく、極めて成功に近い道に続いていくからです。

 

プロモーション施策設計書のサンプルフォーマット公開

参考までにプロモーション施策設計書のサンプルフォーマットを公開します。

こちらはトロネコオリジナルの設計書になります。

ただし随時内容はアップデートし続けていますし、もっと使いやすいフォーマットにカスタマイズして使っているため、実際にこのままのフォーマットで使わない場合も多いです。

(なので、この記事を書いた後には、もう内容がアップデートされているかもしれません)

ただし、今回紹介した9つの項目は全て網羅されていますので、要件を整理する上では使えると思います。

よろしければ参考にして頂き、皆さん独自のプロモーション施策設計書を作成してみてください。

ちなみにトロネコの場合はgoogleスプレッドシートで作成して、ゲーム開発メンバー全員がいつでも進捗を確認できるようにしています。

・いつでもメンバーがみれる状態にしておく

・常にメンバーに共有してタスク確認を行う

事故なく全体進行を管理する上でもgoogleスプレッドシートで作成すると便利です。

マーケティングの標準化に向けて

今回お話した内容はトロネコが実際にプロモーション施策設計を行う際に押さえておくべき項目そのものです。

一旦ここまで作り上げてから、さらに調整を加えてプロモーション施策の精度を高めていきます。そして施策実行中でも目標に対してビハインドしている状態なら打ち手を投じていきます。

これら設計書はトロネコが掲げる「マーケティングの標準化」に基づいています。

「マーケティングの標準化」はマーケティングプロセスを誰でも使えるレベルまで分解することで、特定個人のマーケターの知識や経験に依存しがちなマーケティング業務を、誰でも取り扱えるようにする考え方です。

実際にお仕事をさせていただく際には、目の前のお仕事の対応はもちろん、ゲーム会社における組織のレベルアップにも貢献するというのがトロネコが掲げる

「マーケティングでゲーム業界を変えたい」

という思いにつながっています。

もしご興味がございましたらメール、またはLINEチャットで気軽にご相談できる「トロネコのカベウチ」でご連絡ください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。