ゲームアプリにはサブスクリプションが必須機能である理由【サブスクのメリット・デメリット】

スマホゲーム

こんにちは

マーケティングスペシャリストのトロネコです。

さて今回は最近話題のサブスクこと「サブスクリプション課金」についての話です。

サブスクリプション(以降サブスクと呼びます)とは何か?

wikipediaで調べると次のような感じで書かれています。

 サブスクリプション方式はビジネスモデルの1つ。利用者はモノを買い取るのではなく、モノの利用権を借りて利用した期間に応じて料金を支払う方式( wikipediaより

代表的なサブスクといえば、 アマゾンプライムがありますが

毎月定額料金を支払ってサービスを受けられるものを一般的にサブスクと呼んでいるわけです。

ちなみに、この記事を読んでいる人は

いま運用中のスマホゲーム、これから配信予定のスマホゲームに「サブスクリプション課金」を導入しようかなぁ。

と考えていたりしませんか?

 

結論からいうと

・配信中タイトルにおける途中からのサブスク実装と

・配信前タイトルにおける配信日からのサブスク実装では

目的、効果が全然異なります。

なぜなら下記の記事でも書いていますが

スマホゲームの新規ユーザーは、インストールした翌日から続々とゲームを辞めてしまう特性を持つからです

辞めさせないゲームマーケティングの作り方【スマホアプリは翌日に半分辞めます】

 

スマホゲームのような「無料でダウンロードできるアプリ」はインストールハードルが低いのですが、ハードルが低い代わりにユーザーは続々と辞めてしまいます。

そう考えると

アプリ配信1年後にサブスクを新規機能追加しても、ほとんどのユーザーが辞めた後の実装になりますから、辞めたユーザーにはサブスクを訴求できません。

もちろん、配信1年後にサブスク実装すれば、いま残っている既存ユーザーには訴求できますが、既存ユーザーとは多くのユーザーが辞めた後に残った精鋭ユーザーみたいなものなのです。

もちろん既存ユーザーをサブスク誘導する事によるメリットもありますが、サブスクが持つ本来のポテンシャルを発揮できません。

一方で、アプリ配信直後にサブスクを実装できれば、そのゲームをインストールしたすべてのユーザーにサブスク訴求ができます。

この違いは大きいです。

つまりスマホゲームにおいて、サブスク効果を最大化させるならば、アプリ配信日に実装していないとあまり意味がありません。

ならば、運用中タイトルには実装する価値ないの?

というと必ずしもそうではなく、これからサブスクを実装するなら「その目的」を明確にしよう、という話です。

というわけで、前置きが長くなってしまいましたが、サブスクの話をしていきましょう。

ゲーム業界におけるサブスク事例「モンストパス」

海外ではサブスクを実装したスマホゲームタイトルも増えてきていますが

日本国内では「モンストパス」が有名です。

モンストが配信されたのは2013

モンストパスが追加実装されたのが2017

サブスク実装まで4年間の期間があります。

 

サブスク実装時点でのモンストの累計ユーザー数は公称3500万人ですが

サブスク実装4年時点で3500万人がすべて残っているといことはなく、無料スマホアプリの特性上、結構な人数は辞めている状態でしょう。

 

仮に配信4年目に実装した「モンストパス」におけるサブスクの加入ターゲットを

「いまプレイしている人」

「これからもプレイしたいと思っている人」

と設定すると

 

3500万人のうち

「既に辞めてしまった人」

に対してサブスクを訴求し、加入してもらうのは厳しいと考えられます。

なぜなら、モンストのゲーム内で「新しくサブスク機能が実装されたよ」と訴求しても、辞めてしまった人はすでにゲームをしていないから情報が伝わらないからです。

もちろん、TVCMやデジタル広告を使って「サブスク始めたよ!」と訴求してもいいのですが、サブスクという商材の大前提は

いまプレイしている人が、これからもそのゲームをプレイする上での「役に立つもの」「プレイするなら入っていた方がいい圧倒的なお得感」

ここにつきます。

つまり、ゲームを辞めている人、まだゲームを始めていない人に「サブスク始めたよ!」と伝えても、彼らに対してその「お得感」「役に立つ感」を伝える事は困難です。

辞めてしまった離脱ユーザーなら、ゲームに復帰して、ある程度ゲームに定着してからサブスク訴求がようやく伝わるくらいですし、新規ユーザーも同様です。

ちなみにモンストパスのサブスク実装は運営4年目でしたから、この時点での新規ユーザーの定義はこちらの記事で書いているイノベーター理論における「レイトマジョリティ」に相当するため、積極的にサブスク誘導できるか、というとユーザー属性的な難しさがあります。

なぜなら、サブスクに入るようなユーザーはそのゲームに対して相当な熱量とモチベーションを持っているユーザーですから、イノベーター理論でいうところの「イノベーター」「アーリーアダプター」がサブスク訴求しやすいユーザーとなります。

このように考えていくと「モンストパス」のような運営中タイトルにサブスクを追加機能として実装する目的は下記があげられます。

・既存課金ユーザーの囲い込み(離脱防止)

・既存課金ユーザーの課金単価あげ(売上あげ)

・既存無課金ユーザーの課金体験による囲い込み(離脱防止)

新規ユーザー、離脱ユーザーというよりは、既存ユーザーの維持、離脱防止、継続プレイを目的とするのが、運営後のサブスク実装の目的になります。

ちなみに、Amazonプライム会員の30日間無料体験みたいな

モンパスお試しキャンペーンなるものを実施していますが

既存ユーザー、かつ課金ユーザー、微課金ユーザーがメインターゲットだと推測されます。

もちろん無課金ユーザーをターゲットにしてもいいのですが、それはちょっと難しいかもしれません。なぜなら一般的に無課金ユーザーをいきなりサブスク課金させるのはハードルが高いからです。

なぜなら

サブスク課金は30日とかある程度の長期定額課金であり、そんなサブスクに課金しようと思う潜在意思には「このゲームを一定期間プレイしてもいいかな」というユーザー自身でも明確に事故認識していないかもしれない「小さなプレイ決意」が必要だからです。

ちょっと話を戻しますが

この「小さなプレイ決意」は配信後より、配信直後の方が高まる傾向にあります。なぜなら配信直後がそのゲームの障害運営において

もっともプレイモチベーションが高く、課金意欲が高く、かつそれらの含有量が高い「イノベーター」「アーリーアダプター」で構成されているからです。

獲得したサブスク会員の維持方法

ところで、サブスク課金ユーザーを獲得したら、それで終わりではありません。通常のゲーム運営施策に加えて次のような事を実施する必要があります。

①サブスク会員の新規加入キャンペーン(既存未加入ユーザー向け)

②サブスク会員の継続更新施策(既存サブスクユーザー向け)

なぜならサブスクは一定期間の効力が得られる定額課金ですが、獲得したユーザーを維持しなければ実装初月をピークにサブスクユーザー数は減少していきます。

もちろん100人いたら100人を維持継続する事は現実的に不可能で、必ずサブスクを辞めるユーザーが存在しますので

新たなサブスクユーザーを獲得し続けなければゲーム運営として維持も成長もできないからです。

①も重要ですが、②はもっと重要で、ここを通常のゲーム運営のサイクルに盛り込んでしまう必要があります。

 

なぜなら、追って話をしますが

サブスク課金をやめる、継続しないという行為をユーザーにさせること自体が「ゲームのプレイ頻度を下げる」「ゲームを離脱する」「課金意欲が下がる」という、ユーザーからのわかりやすいサインだからです。

でもこれって言い換えれば、

サブスクを実装して加入することができて、継続加入してもらえればユーザーを辞めないマーケティングができるという事でもあります。

サブスク実装によるメリット

前のパートで、一部、触れてしまった点もありますが、ここで一旦、サブスク実装のメリット、デメリットについてまとめおきましょう。

ざっくりまとめるとこんな感じです。

運営タイトル 新規タイトル
ターゲット 既存ユーザー 全インストールユーザー
継続率 
課金率
売上 

運営タイトルにおけるサブスク追加実装は既存ユーザーの中でも「課金ユーザー」の囲い込みが目的になります。

既存ユーザーはすでに「いま残存してプレイして、何かしら課金をしている状態」ですから新規タイトルに比べると「継続率」「課金率」「売上」における効果は下がります。

運営タイトルにおけるサブスクは現状維持を目的とした施策というわけです。このアプリの状況が一変するほどのインパクトは出せませんが、長期運営に向けて、「いまを維持すること」は運営タイトルにとってはメリットがあります。

一方で配信初日から実装する新規タイトルの場合は状況が異なります。

スマホアプリ運営やマーケタ―やっている人はわかると思いますが長いスマホアプリ運営全体を俯瞰してみると下記はまぎれもない事実です。

・配信直後がもっとも新規ユーザー獲得が多く

・課金意欲がもっとも高く(実際に課金率、課金金額も高い)

・そのスマホアプリの生涯運用において一番遊ばれている状態(DAU/WAU/MAU)

 

DAU、WAU、MAUって何?という方は下記の記事も参考にしてください。

【保存版】ゲームマーケティングにおけるDAU、WAU、MAUの役割や違い

 

アプリ配信日からインストールしたユーザーにサブスクの価値を伝えられて、サブスク加入してもらえたら、ユーザーとしてはサブスクでお金を支払った以上、サブスク更新までの1か月はプレイ意欲があがります。

480円のモンストパス加入したから、1ヶ月は続けよう!

という感じです。

 

また、サブスクは「課金体験」です。

「課金体験」をするということは、このゲームに対して

もう少しだけお金を使ってもいいかな・・・サブスク買ったし(=サブスク課金したし)

という領域に踏み込むことになります。

無課金から課金への踏み込みって凄くハードルが高いのですが、サブスクに課金することで、ここを超えられるというわけですね。

 

つまりまとめると

あらゆるゲームアプリ共通でアプリ配信日直後がユーザーの

・一番プレイ意欲、課金意欲が高く

・一番遊ばれているタイミングであり

・ここでサブスク機能を実装し、加入してもらえると

・その後の売上、プレイ継続率に大きな影響を与えることができます。

こちらの記事で新規ユーザーは翌日には半分辞めるという内容を書きましたがサブスクを入れても、やめる人は辞めます。ただし、短期的に辞める人数は変わらなくても、1ヶ月単位でのプレイ継続率、課金ユーザー率の数は大きな違いが出ます。

国内ゲームアプリでは、アプリ配信直後からのサブスク実装実績が少ないのですが、わかりやすい例をあげると、サブスクの代表例であるAmazonプライム会員は

一般会員よりもプライム会員の方が顧客単価は高いようです

この考え方は一理あります。

サブスク実装によるデメリット

前のパートで少し話をしてしまいましたが、サブスク実装によるデメリットもあります。

特にインパクトが大きいデメリットについて2つほど挙げてみましょう

①サブスク課金を翌月継続しないとユーザーが判断した時点で、そのユーザーのLTV、課金率、アクティビティは低下する

ちょっとここから重要な話をします。

サブスク課金をするという事はこれからしばらくの間(30日間くらい)、このゲームをプレイしよう、課金してもいいかな、

というような「可処分時間」と「可処分所得」の捻出を決意するようなものです。もし30日間、毎日サブスクによるアイテムが貰えたり、バトルで経験値がアップしたりするなら、それは「ある程度、強制力を持って意思を持ってゲームにログインを促す」効果がサブスクにはある、とも言い換えられます。

よって30日間のサブスク体験の後、31日目にサブスク継続しないという状態にユーザーがなってしまうと、それは

このゲームに対する「可処分時間」と「可処分所得」の捻出を控えよう、というネガティブな意識が生まれているとも言えます。

サブスクはゲームをプレイする決意のきっかけにもなりえるけど、ゲームを辞めるきっかけにもなり得るという事を真剣に考えておいてください。

だからこそ、前のパートで述べた「サブスクの継続課金施策」が非常に重要であり、これはゲーム運営の基本サイクルに盛り込む必要があります。

②ゲーム内施策でサブスクのメリットを超えるゲームアイテム(または通貨)の無償付与ができないためゲーム運営が制限される

サブスクを超えるメリットがゲームに普通にログインして無料でもらえたら、サブスクに入り続ける必要ないですよね?

これは当たり前の話だと思いますが、という事はサブスクを超えるようなメリットをゲーム運営における無償付与ができない事になります。

例えば1周年記念で1ヶ月毎日無料石100個プレゼント!合計で3000個プレゼント!

という施策を打つとします。

でもサブスク課金で毎日もらえる石が100個だったら、サブスクの存在価値はなくなってしまうかもしれません。

無料でもらえるし、それで間に合っているのでサブスク早めてもいいや・・・

と思わせてサブスク課金ユーザーが減ってしまうのは大問題です。

なぜなら、繰り返しになりますがサブスク課金はただの課金メニューではなく、「可処分時間」と「可処分所得」の捻出を決意する課金であり、辞める時には「可処分時間」と「可処分所得」の捻出を控えようと思う潜在意識がユーザーの中で働くからです。

やってはいけないサブスク実装方法

ここからは、ちょっと踏み込んだ話をします。

アプリ配信日からのサブスク実装は無事完了!したとします。その結果、こんな議論が出てくるかもしれません。

 

配信日から1週間、または1か月限定でサブスクを無料でお試しプレイさせようよ!ユーザーの継続率もあがるし!

 

結論をお伝えすると

これは絶対にやってはいけません。全力で阻止しましょう。

Amazonプライム会員やDAZNは最初の1ヶ月無料だからやるべき!という意見が出ても阻止してください。

 

なぜなら理由は非常にシンプルです。

あなたはタダで貰えたものに、その後、お金を払いますか?

アプリ運用後の既存ユーザー向けにサブスク訴求したような、モンストパスのお試しキャンペーンならアリですがアプリ配信日からサブスクを実装する場合の無料お試し施策はNGです。

 

配信日から1週間、または1か月限定でサブスクを無料でお試しプレイさせようよ!ユーザーの継続率もあがるし!

 

この施策の目的が「インストールユーザーのプレイ継続率アップ」効果があるなら、事前登録キャンペーンや、配信記念の特別ログインボーナスで無料でもらえる報酬も、 「インストールユーザーのプレイ継続率アップ」に強烈なインパクトを与えているはずです。

 

でも、実際のところそこにどれだけの効果があるのか考えてください。

下記でも書きましたが、まずは【常識を疑おう】という話です。

ゲームのログインボーナスって本当に必要ですか?【常識を疑うと成長できます】

 

そして、こちらの記事でも書いた通り、ゲームユーザーはインストールと同時にどんどん辞めていく性質を持っていますので、サブスクお試し期間終了後に、どれだけのユーザーが残っているのかというと怪しいのです。 

 

繰り返しになりますが、あらゆるゲームアプリ共通で配信日直後がユーザーは、そのゲーム市場において

・一番プレイ意欲、課金意欲が高く

・一番遊ばれているタイミング

となります。

一番熱量が高く、課金意欲が高い状況でサブスクを無料でお試しさせるのは、自ら機会損失を狙っているようなものです。

Amazonプライム会員やDAZNは最初の1ヶ月無料だからやるべき!

という意見はあるかもしれませんが、

AmazonもDAZNも単体コンテンツではなく、複数のコンテンツの集合体です。でも、皆さんがこれから配信しようとしているのは

単体ゲームタイトルであり、それに組み込まれたサブスク課金なのです。

そのゲームのために、そのサブスクに入るわけですから、AmazonプライムやDAZNと同一に語れるものではありません。

まとめ

というわけで、今回はゲームアプリにおけるサブスク機能についてお話しました。繰り返しになりますが

・配信中タイトルにおける途中からのサブスク実装

・配信前タイトルにおける配信日からのサブスク実装

これらにおいては目的も効果も全然違います。

ここについて、しっかり押さえた上で、ぜひサブスク実装の設計をしてみてください。

そして実装するだけでなく、その後がもっと重要です。

獲得したサブスクユーザーの維持、新規加入のための運用施策もセットでお忘れなく!

というわけで今日はここまで!

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