ゲームの面白さは売上に直結しない「無駄」から生まれる5つの理由【本気のゲーム開発】

ゲーム業界
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【ゲーム開発】ゲームに対して真剣に面白さを追求できないゲーム会社は生き残れない

こんにちは
マーケティングスペシャリストのトロネコです。

今回は「ゲーム開発や面白さに本気になれないゲーム会社は生き残れない」
という話をしたいと思います。

「そんなの当たり前ですよ!」

といった指摘を受けそうですが、

当たり前だと思っていても、実際にできないものです。

 

なぜ、できないのか?

そして、どうすればできるようになるのか?

 

今回はこれらについて、踏み込んだ話をします。

 

【目次】

・なぜゲームの面白さを優先にした開発ができないのか?

・ビジネス視点ではそれでも成功できたけど、これからは難しい理由

・どうすればゲームの面白さに本気になったゲーム開発ができるのか?

 

なぜゲームの面白さを優先にした開発ができないのか?

ゲーム開発をしている人なら、誰しもゲームの面白さを優先にしたゲーム開発をしたいものです。しかし、ゲームの面白さを優先にしたゲーム開発ができない場面にたびたび遭遇します。

大きく分けて2つのケースがあげられます。

①売上から逆算したゲーム開発をしなければならないから

特にスマホゲームの場合は、目標月商1億円!!

といったように、達成しなければならない売上から逆算したゲーム開発に陥ってしまう場合があります。

これはこちらで「マーケティング戦略のフレームワーク」ついて説明した通り
「目的」ではなく「目標」先行で物事が進められている証拠です。

 

現場が「目標先行」で物事を進めてしまうケースもありますが、一方で、トップダウンで「目標設定」されてしまい、そう動かなければならない場面もあります。

数字目標が先行してしまうと売上から逆算した開発コストと、その売りを実現するためのマネタイズが先に決まって、ゲーム開発が進められていく傾向があります。

そうすると、本来、そのゲームの面白さから積み上げたゲーム作りとは違った流れでゲーム開発が進められていくのです。

「いやいや、そんな事はあるわけないやないですか」

という意見もあるかもしれませんが、そんな人は幸せだったりします。いまの職場環境は恵まれていると思います。(または、ただ気づいていないだけかもしれませんが・・・。)

売上から逆算したゲーム開発に陥っているわかりやすい例としては次のようなケースもあります。

追加開発費が必要となった場合、その追加開発費を承認するために、いくら売上が積み上げられるのかという議論がされる場合があります。

よって、追加開発費の承認には売上を積み上げられる理由が必要だったりします。

でも、ゲームの面白さって、

売上に直結しない部分に

ゲームの面白さってあったりします

マネタイズ(=売上)直結しないところ、無課金だけど、そのゲームを楽しんで、遊んでくれるところもゲームの面白さが含まれています。

また、そもそもゲーム開発として見込みが甘かったから追加開発費が必要という場合もあります。よって、追加開発費が純粋に売上や面白さの積み上げにならないという場面もあるのです。しかし、

追加開発費を獲得するにはが

売上が上がらないと承認できないよ

みたいな思考に組織が陥っているならば
それは「売上から逆算したゲーム開発」をしているわかりやすい証拠です。

ちなみに、開発が佳境に入ってくると開発スケジュールをあわせるために、何かしら機能を削らなければならない場面にもたびたび遭遇します。

ここで削除されやすい機能も「売上にインパクトがない機能が優先的に削られます」

これも「売上から逆算したゲーム開発」をしているわかりやすい証拠です。

もちろん、すべてのゲーム会社がこのような状況だとは断言しません。

しかし、どれかひとつでも、近い状況があるなら、それって

「ゲームに対して真剣に面白さを追求できていない」

または

「面白さを追求することを阻害する環境」

が何かしら存在していて、表題に掲げた

「ゲームに対して真剣に面白さを追求できなゲーム会社はこれからは生き残れない」

ここに繋がっていく可能性があります。

②ゲームの面白さよりも、仕組みを重視した開発をしているから

なぜゲームの面白さを優先にした開発ができないのか?

もうひとつわかりやすい事例をあげてみましょう。

他のゲーム会社で、あるゲームが大ヒットしたら、そのゲームシステムをそのまま模倣して、キャラクターだけを変えたゲームが続々と発売されることがあります。

家庭用ゲームの開発現場ではありえないのですが、スマホゲームでは結構あります。

これは「 ゲームの面白さよりも、仕組みを重視した開発をしているから」に他なりません。

(仕組みとは特定のゲームの構造、マネタイズに紐づいたゲーム全体のシステムをここでは指します)

その仕組みをそのまま使えば、ゼロから考えなくていいし、ゼロから開発するよりも失敗のリスクヘッジができて、一定の売り上げが期待できるという考え方です。

この状態はゲームの面白さではなく、まず売上、利益先行でゲーム開発していると言わざるをえません。

よって、ゲーム会社なのに、ゲームに対して真剣に面白さの追求に向き合っていない証拠です。

 

ビジネス視点ではそれでも成功できたけど、これからは難しい理由

ここまでお話してきた「売上先行」「仕組み先行」でのゲーム開発は経営者視点で考えると、大きなヒットは見込めないけど、大きな失敗も避けられるのでゲームビジネスの手段としては有効でした 。

特にソシャゲからスマホゲームへの移行期であった、2012年から2015年くらいまでは、戦えた時代がありました。

 

しかし2020年、既に成功しているゲームアプリが多数存在しスマホゲームのクオリティ、面白さ、開発費も家庭用ゲーム機並みに求められるような時代になると

「仕組み」や「売上から逆算したゲーム開発」では戦えないのは明白です。

面白さに真剣になれないと、多くの人がいま遊んでいるゲームを辞めさせて、新規タイトルを遊ばせることは不可能です。

どこかで見たようなゲームでは、もう遊んで貰えない時代なのです。

 

どうすればゲームの面白さに本気になったゲーム開発ができるのか?

「ならば、どうすればゲームの面白さに対して真剣に向き合ったゲーム開発ができるのか?」

ということになりますが、これは家庭用ゲームを作ってきた開発者なら、それほど難しい話ではありません。

わかりやすい方法を3つあげてみましょう。

①ゲームの遊びや体感に踏み込んだ基礎研究を行う

どこかで売れたゲームシステムをそのまま真似をして、ガワ替えで発売するのではなく、まずゲームとしての遊びの本質に踏み込んだ基礎研究を徹底的に行う必要があります。

たとえば

・アクションゲームとしての面白さ
・RPGとしての面白さ

といったような、そのゲームならではの独自の面白さは何か徹底的に踏み込む必要があります。

家庭用ゲームの場合は、そのゲームのコアな遊びに踏み込むためにプロトタイプ版を作る前に

・どんなアクションゲームが楽しいか
・どんなRPGが楽しいか

といった遊びの検証から入ります。

 

しかし、多くのスマホゲーム会社では、

売れたゲームAの仕組み × 人気キャラクターB =新作ゲームC

といった掛け算で企画が立ち上がるケースが多く家庭用ゲーム的なお作法である「遊びの検証」に時間を割くことは稀かもしれません。

なぜなら、「遊びの検証」に時間をかけても、それが売上に繋がるか不明ですし、時間をかければかけるほど、配信スケジュールは遅れ、開発費は膨らみ、売上と利益が落ちるからです。

まさに、これこそスマホゲーム的な発想なのですが、この発想ではもう戦うことはできないのです。

②ゲーム開発者ではなく、ゲームクリエイターによる面白さの創出が重要

世の中にゲームが溢れている状態ですから、どこかで見たことがあるゲームではなく、ゲームクリエイターによる新しい遊びの創出が求められる時代です。

よって、既存の仕組みの組み合わせが得意な「ゲーム開発者」ではなく新しい遊びをつくれる「ゲームクリエイター」の重要性はさらに高まると考えています。

もちろんこちらで書いた通り 「ゲームクリエイター」における弊害もあるのでそこはマーケターの出番というわけです。

 

③一見、売上に直結しなさそうに無駄こそゲームの面白さは生まれる

・無駄に豪華なCGムービー
・無駄に豪華なフルボイス
・無駄に豪華な必殺技演出
・無駄にやりごたえがあるサブクエストの充実

これらはあくまでも一例ですが、一見、従来の売上げから逆算したゲーム開発では「無駄」と判断されてコストカットの最優先事項にあがっていた「無駄」にこそ、ゲームの面白さが隠れています。

分かりやすい具体例をあげると、家庭用ゲームはとにかくキャラが動いて、表情も多彩に変化するでも、スマホゲームはキャラは1枚絵で、表情も変わらない、といったケースはよくあります。

実際にキャラが動かず、無表情でも売上との関連性を説明するのは難しいです。

※厳密にはスマホゲームにおけるユーザーの満足度=プレイ継続率なので、 キャラが動かず、無表情だと競合他社のスマホゲームに負けるので継続率は下がります。継続率が下がるともちろん売上にも影響します。

2020年に 1枚絵で、表情も変わらないゲームなんて冷静に考えればありえないですよね

ユーザーは課金をするためにゲームをするのではなくゲームをした結果、

・その面白さにはまり
・共感し
・夢中になった結果

課金するのです。

この課金(=売上)までのプロセスが理解できていれば、これら要素を構成するのは

・無駄に豪華なCGムービー
・無駄に豪華なフルボイス
・無駄に豪華な必殺技演出
・無駄にやりごたえがあるサブクエストの充実

(これらはあくまでも一例ですよ)

といった「これまでのスマホゲーム思考では一見、売上には直結しないと判断されてきた多くの無駄」であることの気づきます。

よって「無駄なところ」にゲームの面白さがあるという理解が
ゲームを作る側、特に現場ではなく事業判断をする側にあるかが重要です。

でも、スマホゲームの多くはこういった「面白さの源である無駄」を切り捨てているケースが多いのです。

 

まとめ

というわけで、今回の話をまとめましょう。

トロネコとしては無条件に「ゲーム内における無駄」を推奨しているわけではありません。

でも売上から逆算して無条件に「無駄」を切り捨てると戦えない時代になりつつあると感じています。

マーケティング視点でお話すると

「一見、売上には直結しないと判断されてきた多くの無駄」は下記でお話した通り、「おいしそうに見えるラーメン作り」に繋がっています。

ゲームビジネスはラーメン作りと同じ【見た目も美味しい、食べたら病みつきになるラーメン作りが必要】

これはトロネコが繰り返しお伝えしている「つくるマーケティング」には必要であり、結果、「とどけるマーケティング」に大きく影響するからです。

 

実際には無駄に豪華でCGが多用されたゲーム画面ってアプリストア上でも注意を惹きますから、「ASO上のインストール転換率」も高いです。

でも、すごく地味だけど、実際に遊んでみたら楽しいゲームはストア上でインストールさせることは難しいですし、その時点で戦える状態ではなのです。

このあたり、「従来のスマホゲームにおける無駄」と判断されていたことについて、どこまで真剣に向き合い、面白さを徹底的に追及したゲーム開発ができる会社しか生き残れない時代になります。

というわけで、今日はここまで!

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