広告費がないゲーム会社はどう売る?認知・集客・売上をつくる3つのマーケティング戦略

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広告費がないゲーム会社はどう売る?認知・集客・売上をつくる3つのマーケティング戦略

ゲームを開発したものの、広告宣伝費がほとんど残っていない。限られた人員で開発と運営を続けており、マーケティングに十分な予算を割けない。

こうした課題を抱えるゲーム会社は少なくありません。

しかし、広告費がなければゲームを売れないわけではありません。資金力のある大手ゲーム会社と同じ方法で戦おうとするから、予算の不足が大きな問題になるのです。

広告費がないゲーム会社には、広告費がない会社なりの戦い方があります。

重要なのは、限られた経営資源をどこに集中させるかという判断です。

今回は、ゲーム会社の経営者や事業責任者に向けて、広告予算に頼らずゲームの認知を広げ、インストールや購入につなげるための3つの戦略を解説します。

 

ゲームが売れるために必要な「認知」と「プレイする理由」

新作ゲームのマーケティングを考える際、まず押さえておきたい基本があります。

認知 × プレイする理由(購入する理由)= インストール・購入

これはゲームを売るための考え方を整理したものです。

どれだけ面白いゲームを開発しても、その存在を知らなければユーザーは遊びません。

一方、ゲームの名前だけが知られていても、遊びたいと思う理由がなければインストールや購入にはつながりません。

有名IPのゲームや人気シリーズの続編、大きなブランド力を持つゲーム会社の新作であれば、発売前から一定の認知や期待を獲得している場合があります。

しかし、そうした強みを持たないゲーム会社は、認知とプレイする理由の両方を自ら作る必要があります。

ゲームの面白さが自然に広まるのを待つ方法もありますが、それではいつ、どの程度のユーザーに届くかをコントロールしにくくなります。

マーケティングの役割は、認知される機会と、プレイしたいと思う理由を意図的に作り、インストールや購入につなげることです。

広告費がない場合も、この基本は変わりません。変えるべきなのは、その実現方法です。

戦略1:お金がないなら「時間」で勝負する

資金力のあるゲーム会社は、広告宣伝費を使って短期間に大量の認知を獲得する戦略を取れます。

しかし、広告費のないゲーム会社が同じ戦略を採用しても、投資規模で対抗することは困難です。

そこで発想を逆転させます。

お金で短期間に認知を買うのではなく、時間を使って認知とファンを積み上げるのです。

例えば、新しい三国志ゲームを開発するとします。

通常は、開発が進んでリリース時期が近づいた段階で、どうやって宣伝するかを考え始めることがあります。

しかし、開発期間が1年あるなら、その1年間をマーケティングにも使うという考え方です。

ゲーム開発と並行して、三国志ファンに向けたWebサイトやYouTubeチャンネル、SNSを運営します。

発信する内容は、必ずしも開発中のゲームの宣伝である必要はありません。

三国志の歴史、武将の人物像、戦いの背景など、将来そのゲームを遊ぶ可能性がある人たちが興味を持つ情報を継続して届けます。

そうすることで、リリース前からターゲットユーザーとの接点を作っていきます。

そしてゲームが完成した段階で、育ててきたメディアを通じて新作を紹介します。

この方法なら、発売直前になって初めてユーザーとの接点を作るのではなく、すでに三国志に興味を持つ人たちへゲームの情報を届けられます。

もちろん、メディアを作っただけで多くのアクセスが集まるわけではありません。継続的な情報発信と改善が必要です。

それでも、開発期間を認知獲得の準備期間として活用する価値はあります。

大きな予算を持つ会社では、時間のかかる施策より、短期間で成果を見込みやすい広告投資が優先される場合があります。

だからこそ、小規模な会社が時間を使って積み上げる活動には、競争の余地があります。

経営者が考えるべきなのは、リリースまでに残された時間を、開発以外のどこに投資するかです。

すべての施策を実行する必要はありません。将来のユーザーが集まる場所を一つ決め、開発と並行して育てることから始めましょう。

戦略2:ターゲットユーザーを徹底的に絞る

ゲーム事業では、メインターゲットやサブターゲットを設定し、市場規模やユーザー属性を分析することが一般的です。

例えば、メインターゲット100万人、サブターゲット50万人という市場を想定したとします。

しかし、広告予算が限られている会社が、その150万人に広く認知を獲得するのは容易ではありません。

そこで、最初から大勢のユーザーを獲得しようとする考え方を変えます。

100万人に広く訴求するのではなく、まずはゲームを本当に愛してくれる100人、できれば1,000人に集中するのです。

そのゲームのどこに強い魅力を感じるのか。どのようなゲーム体験を求めているのか。どんな情報を発信すれば興味を持ってもらえるのか。

対象を絞ることで、訴求内容や施策の優先順位も具体的になります。

例えば、ゲームの特徴を広く浅く伝える広告より、特定のゲーム体験を強く求めているユーザーに向けた動画や情報発信を優先します。

少額の広告費を使える場合も、不特定多数への認知拡大ではなく、そのユーザー層との接点づくりに集中させます。

そして実際にゲームをプレイしてもらい、熱狂的なファンになってもらうことを目指します。

重要なのは、単に100人のインストールを獲得することではありません。

その100人がゲームを楽しみ、継続して遊び、友人や知人にも紹介したくなるような体験と関係性を作ることです。

口コミがどの程度広がるかはコントロールできません。それでも、最初のユーザーが強い満足感を持っていることは、その後の広がりを目指すうえで重要です。

ただし、100人や1,000人という数字は、あくまで考え方を示すものです。事業を成立させるために必要なユーザー数とは別に考えなければなりません。

経営判断として重要なのは、最終的な市場規模ではなく、最初の限られたマーケティング予算を誰に集中させるかという点です。

100万人を狙う戦略を否定するのではありません。100万人へ広げる前に、最初の熱狂的なファンを獲得する段階を設けるのです。

戦略3:当たり前の施策を、謙虚に、丁寧にやる

3つ目は、特別なマーケティング手法ではありません。

本来やるべき基本的な施策を、徹底的に実行することです。

これは簡単なようで、実際には多くのゲーム会社で課題になっています。

広告出稿や大規模なプロモーションは目立ちますが、ストアページの改善や公式サイトの情報整理、SNSでの地道なコミュニケーションは、それほど派手な仕事ではありません。

効果もすぐに数字として現れるとは限らないため、後回しにされたり、担当者に任せたままになったりする場合があります。

しかし、こうした基本施策こそ、広告費が少ない会社が優先して取り組むべき領域です。

具体的には、次のような項目を確認します。

  • ASO・ストアページ: ゲームを見つけてもらうための情報、タイトル、アイコン、スクリーンショット、説明文は適切か。
  • 公式サイト: どんなゲームで、どんな体験ができて、何が面白いのかが伝わっているか。
  • 動画: 初めて見るユーザーが、短時間でゲーム内容と魅力を理解できるか。
  • インストール・購入導線: 興味を持ったユーザーが迷わずストアや購入ページに到達するか。
  • SNS: 一方的な宣伝だけになっていないか。ファンとのコミュニケーションを継続しているか。

スマートフォンゲーム、SteamのPCゲーム、家庭用ゲームでは、それぞれ必要な施策も異なります。

ただし、どのプラットフォームでも共通していることがあります。

それは、どんなゲームなのか、何が面白いのか、なぜ今遊ぶべきなのかを明確に伝えることです。

新作ゲームの情報を見ても、実際に何をするゲームなのか分からない。映像は格好いいのに、プレイ体験が伝わってこない。

こうしたケースでは、広告費を増やす前に、まず情報の伝え方を改善する必要があります。

広告によってストアへのアクセスを集めても、ゲームの魅力が伝わらなければインストールや購入には結びつきません。

反対に、すでに一定のアクセスがあるストアページであれば、訴求内容や画像を改善することが、既存の流入を売上につなげる施策になります。

経営者や事業責任者は、新しい広告施策を追加する前に、現在のユーザー接点を一度確認してみてください。

すでに認知されているユーザーを、取りこぼしていないか。

この視点が重要です。

小さな施策を捨てず、一度作った素材を徹底的に活用する

ここまでの3つの戦略に加え、広告費がないゲーム会社に意識してほしいことがあります。

それは、効果が小さそうに見える施策を、安易に捨てないことです。

マーケティング施策を検討すると、「これをやっても大きな成果は出ないだろう」「手間に見合わない」という理由で、候補から外される施策があります。

もちろん、工数や費用が大きい施策は、期待できる成果を慎重に評価する必要があります。

しかし、お金も工数もほとんどかからないのであれば、小さく試す価値があります。

なぜなら、一つひとつの効果が小さくても、接点を増やすことによってゲームを知ってもらう機会が積み上がるからです。

例えば、YouTube Shorts向けに30秒のプロモーション動画を制作したとします。

YouTubeに投稿した結果、再生数が100回だった。

そこで「この動画は失敗だった」と判断して終了するのは、もったいないことです。

同じ動画をInstagramやTikTok、Xなどにも投稿してみましょう。

プラットフォームによって動画の評価や拡散の仕組み、視聴しているユーザーが異なります。

YouTubeで再生されなかった動画が、Instagramでは大きく再生される場合もあります。その逆もあります。

すでに動画が完成していれば、別の媒体へ展開するための追加作業は比較的小さく済みます。

一つの素材を一つの媒体で使って終わりにせず、複数の接点に展開する。

これは、制作したコンテンツの価値をできるだけ引き出す考え方です。

もちろん、すべての媒体で同じ成果が出るわけではありません。投稿先ごとの反応を確認し、効果のある媒体に運用時間を集中させる判断も必要です。

大切なのは、最初から可能性を捨てず、低コストで検証することです。

経営者が判断すべきなのは、限られた経営資源の使い方

広告費がないゲーム会社では、施策の選択だけでなく、限られた人員と時間をどう配分するかが重要になります。

Webサイト、SNS、動画制作、コミュニティ運営、ストアページの改善。

すべてを同時に高い水準で運用することは、小規模な組織ほど難しくなります。

だからこそ、経営者や事業責任者は、次の順番で考える必要があります。

まず、自社のゲームを最初に遊んでほしいユーザーを明確にする。

次に、そのユーザーと接点を作るために、どの施策へ時間を投じるか決める。

そして、ゲームの魅力が伝わる状態を整え、実際のインストールや購入につながっているかを確認する。

認知が不足しているなら認知獲得を優先し、ストアへのアクセスはあるのに購入されないなら、訴求や購入導線の改善を優先します。

重要なのは、広告費の不足を理由に施策を止めるのではなく、自社が使える経営資源で、どこに最も大きな改善余地があるかを判断することです。

 

まとめ:広告費がない会社には、広告費がない会社なりの戦い方がある

広告宣伝費が限られているゲーム会社が取り組むべき戦略は、次の3つです。

戦略1:お金がないなら時間で勝負する。

開発期間を活用し、リリース前からターゲットユーザーとの接点を積み上げる。

戦略2:ターゲットユーザーを徹底的に絞る。

不特定多数への認知拡大より、まずはゲームを本当に愛してくれる熱狂的なファンの獲得に集中する。

戦略3:当たり前の施策を謙虚に、丁寧にやる。

公式サイト、ストアページ、動画、SNS、購入導線など、基本的な施策を徹底する。

さらに、小さな施策を安易に捨てず、一度作ったコンテンツを複数の媒体で活用することも重要です。

資金力のあるゲーム会社と同じ土俵で競争する必要はありません。

時間、継続、熱量、ユーザーとの関係性。

こうしたお金だけでは買いにくいものを武器にすることで、限られた予算でも戦う余地があります。

広告費がないという制約は、必ずしも弱点だけではありません。

むしろ、予算があるからこそ見失いやすい、ゲームマーケティングの基本を見直す機会にもなります。

広告費がない会社には、広告費がない会社なりの戦い方があります。

ゲーム事業・マーケティングの戦略立案や、限られた予算でのプロモーション施策についてお悩みの経営者・事業責任者の方は、お気軽にトロネコへご相談ください。

 

今回の内容は下記の動画でも詳しく解説しています。