【スマホゲーム開発の教科書】作り方・企画・継続・課金までの設計チェックリスト|個人開発から大手まで

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【スマホゲーム開発の教科書】作り方・企画・継続・課金までの設計チェックリスト|個人開発から大手まで

こんにちはトロネコです。

長年、ゲームの仕事をやってきて感じていたこと、それは

ゲーム開発があまりにも属人的で、作る人の経験値やスキルに影響を受けやすいということ

一方でゲーム開発のコアな部分は可視化、体系化できるのに、それが人の頭の中に閉じていて、整理され共有されていないということ

これによって

・ゲーム会社によってゲーム開発の品質にばらつきがある

・同じゲーム会社でも部門によってばらつきがある

・ゲーム開発で抜け漏れが発生してしまい品質が安定しない

といった部分がみられます。

 

大手ゲーム会社でさえ、このような状況なので、小規模なゲーム会社、個人開発者はさらに状況は厳しく、手探り状態でゲーム開発をしなければなりません。

これって本当に非効率だし、モッタイナイと思うのです。

そこで、スマホゲーム、PCオンラインゲームのような運用型ゲームを開発する時に使えるゲーム開発の教科書みたいなものがあったらいいな、ということで作ることにしました。

運用型ゲームはゲームをインストールしてから、ゲームをプレイし、リリース後も、イベント、ガチャ、キャラクター追加、育成追加、キャンペーン、アップデート、ユーザー対応を続けながら、長く遊ばれる状態を作る必要があります。

これを分解したものがトロネコが定義する3つのモチベーションです。

・インストールする理由(=インストールモチベーション)
・継続プレイする理由(=継続モチベーション)
・課金する理由(=課金モチベーション)

この3つをベースにゲームジャンルを問わず、開発者、プロデューサーが使えるゲームの作り方、設計項目を解説します。

今回の教科書でベースのゲーム設計は作れますので、その上で皆さんが開発するRPG、パズル、放置ゲーム、カードゲーム、シミュレーション、音ゲー、位置情報ゲームといったジャンルに必要なものをプラスしてください。

 

トロネコ式3つのモチベーション

運用型スマホゲームでは、次の3つのモチベーションが重要です。

【運用型スマホゲームの成功条件】
インストールモチベーション × 継続モチベーション × 課金モチベーション

この3つが全て成立しないとゲーム事業はうまくいきません。どれか一つがうまくいっても、他2つがダメなら失敗します。

 

モチベーション 役割 関係する主な領域
インストールモチベーション このゲームを始めたいと思う理由 コンセプト、IP、世界観、キャラクター、広告、ストア、話題性
継続モチベーション 翌日以降も遊びたいと思う理由 コアゲーム体験、育成、報酬、イベント、コミュニティ、短期・中期・長期目標
課金モチベーション お金を払いたいと思う理由 ガチャ、パス、パック、キャラクター、時短、限定性、所有欲

 

整理すると

・インストールモチベーションが弱いとユーザーを獲得できない

・継続モチベーションが弱いと初日や数日で離脱する

・課金モチベーションが弱いと売上があがらない

 

つまり、運用型ゲーム開発では、「始める理由」、「続ける理由」、「課金する理由」をセットで設計する必要があります。

ここが、この教科書における重要なポイントです。

 

ゲーム開発は3つのモチベーションを設計する

ゲーム開発には、バトル、育成、報酬、UI、イベント、ガチャ、ストーリー、キャラクターなど、さまざまな要素があります。

しかし、それぞれを単体で考え、開発するだけではうまくいきません。

それぞれの要素が3つのモチベーションのどこに所属しているのかを考える必要があります。まとめてみました。

開発要素 主に関係するモチベーション 確認内容
世界観 インストール、継続 初見で興味を持てるか、長く関わりたい世界になっているか
キャラクター インストール、継続、課金 見た目、性能、物語、所有欲のいずれかで魅力を作れているか
バトル 継続 繰り返しプレイする中心の面白さがあるか
育成 継続、課金 強くなる実感と、育て続ける理由があるか
報酬 継続、課金 プレイした結果が気持ちよく返ってくるか
ガチャ 課金、継続 欲しい対象があり、獲得後の使い道があるか
イベント 継続、課金、復帰 期間中にプレイする理由と戻るきっかけを作れているか
ストア画像・動画 インストール 始める理由を数秒で伝えられているか
チュートリアル 継続 ゲームの理解と魅力を体験できるか
UI/UX 継続、課金 操作、育成、購入、報酬受け取りでストレスが少ないか
コミュニティ 継続、課金 他ユーザーと続ける理由を作れているか
ランキング 継続、課金 競争したい、上を目指したい理由があるか
パス・月額商品 継続、課金 継続プレイと課金が自然につながっているか

・各機能が、ユーザーのどんな行動を生むのか
・どのモチベーションにつながるのか。

開発段階では、そこを確認する必要があります。

ここにフォーカスすることで、ゲーム企画、設計、開発の精度が別物レベルになります。

では、3つのモチベーションで何を設計するのか?設計項目について解説していきましょう。

ここを抜け漏れなくゲーム企画、設計、開発に盛り込むことで、失敗しないゲーム開発のベースが作れます。

 

インストールモチベーションの設計項目

インストールモチベーションとは、ユーザーがそのゲームを始めたいと思う理由です。

インストールモチベーションはゲームのコンセプト、見た目が大きく影響します。「プレイしたい」と思わせることができるか、そこに関わる項目をまとめました。

設計項目 確認内容
ゲームコンセプト 一言で魅力が伝わるか。初見で「何のゲームか」が分かるか
ジャンル ユーザーが期待する遊びと実際の内容が合っているか
ターゲットユーザー 誰向けのゲームか。年齢、性別、嗜好、プレイ時間を想定できているか
IP・題材 既存ファンに届くのか、新規ユーザーも獲得できるのか
世界観 初見で興味を持てる設定、ビジュアル、空気感があるか
キャラクター 見た瞬間に気になる要素があるか。推しを作れる設計になっているか
アート 広告やストアで目を止める魅力があるか
ゲーム画面 実際に何をするゲームか伝わるか
ストア画像 インストール前の不安を減らし、始める理由を作れているか
ストア動画 操作、テンポ、報酬、キャラクターの魅力が短時間で伝わるか
広告訴求 初見ユーザーが反応する切り口があるか
事前登録訴求 登録する理由、特典を受け取る理由があるか
レビュー・評価 始める前の不安を減らせる状態になっているか
容量・端末条件 インストール前に不安になりそうな点を減らせているか
タイトル名・アイコン 一覧の中で認識され、興味を持たれる要素があるか

ゲームの魅力が可視化され、伝わる状態が大前提としてあり、その上でゲーム外での施策で、その魅力が伝わる、伝えやすい状況が必要です。

遊ばないと魅力や面白さが伝わらないゲームはインストールモチベーションを刺激できないので、インストールさせにくくなります。

つまり、ゲームを始める前に伝わる魅力を、開発段階から設計する必要があります。

 

継続モチベーションの設計項目

継続モチベーションとは、ユーザーがインストール後、翌日も、明後日も、それ以降も遊びたいと思う理由です。

運用型ゲームでは、ここが弱いとユーザーが定着しません。

継続モチベーションに影響する設計項目をまとめました。

設計項目 確認内容
コアゲーム体験 何を繰り返しプレイするゲームなのか。遊びの中心が明確か
初回プレイ 最初の数分で目的と面白さに到達できるか
チュートリアル 説明が多すぎず、実際に遊びながら理解できるか
序盤進行 初日に成長、報酬、達成感を体験できるか
バトル・アクション・パズルなど プレイの中心になる気持ちよさがあるか
自キャラ育成 育成することで強くなったことを実感できるか
報酬 報酬の価値を実感できるか
デイリー要素 毎日プレイする理由があるか
ウィークリー要素 週単位で戻る理由があるか
イベント 期間中にプレイする理由があるか
ログインボーナス ログイン、プレイのきっかけになっているか
ミッション 次にやることが分かるか、プレイする理由があるか
ストーリー 続きが気になってプレイし続ける理由があるか
キャラクター育成 好きなキャラクターを育てる理由があるか
ギルド・協力要素 他ユーザーと続ける理由があるか
ランキング・対戦 競争する理由、上を目指す理由があるか
コレクション 集める理由、コンプしたくなる対象や理由があるか
長期目標 数週間、数ヶ月単位で目指すものがあるか

継続モチベーションは「コアゲーム体験」と「プレイサイクル」で作られます。

一方で報酬配布だけで継続モチベーションを作ろうとするゲームは短期的に見た目のKPIは作れても、長期的に苦しくなります。

つまり本質的ではありません。ゲームの遊びそのもの、育成、キャラクター、イベント、コミュニティ、長期目標が組み合わさって、続ける理由は作られます。

 

課金モチベーションの設計項目

課金モチベーションは、ユーザーがお金を払いたいと思う理由です。

運用型ゲームでは、ゲーム設計の中に「欲しい理由」「足りない理由」「今買う理由」を作る必要があります。

魅力的な売り物、魅力的に見せる「演出」だけでは、本質的な課金モチベーションは作れません。

課金モチベーションに影響する設計項目をまとめました。

設計項目 確認内容
課金商品の役割 何にお金を払うゲームなのか明確か
ガチャ 欲しいキャラクター、装備、アイテムがあるか
キャラクター価値 性能、見た目、物語、所有欲のいずれかで価値を作れているか
装備価値 強化したい理由、入手したい理由があるか
スキン・衣装 見た目にお金を払う理由があるか
パス商品 継続プレイと課金がつながっているか
月額商品 毎月買う理由があるか
初心者パック 序盤で買いたい内容になっているか
期間限定商品 今買う理由があるか
セール・キャンペーン 価格以上の納得感があるか
天井・交換 課金の不安を減らせているか
無課金報酬 無課金でも遊べる範囲があるか
課金圧 不満や離脱につながる売り方になっていないか
価格帯 少額、中額、高額の商品にそれぞれ役割があるか
課金導線 欲しいと思った場面で購入できるか

課金設計で大事なのは

・ユーザーが「欲しい」と思う理由
・「今なら買ってもいい」と思う理由
・「買った結果、ゲームがもっと楽しくなる」と感じる理由

この3つが必要です。

 

運用型ゲームで汎用的に必要な設計項目一覧

ここまで3つのプレイモチベーションに基づいた設計項目を説明してきましたが、ここからはゲーム開発に必要な基本的な設計項目について解説します。

RPG、パズル、放置ゲーム、カードゲーム、シミュレーション、音ゲー、位置情報ゲームでは、必要な機能も、遊ばれ方も、課金理由も変わります。

ただし、ジャンルは違ってもゲーム開発におけるベースの部分は、多くの運用型ゲームに共通しています。

ここから列挙した項目はゲーム開発設計において、抜け漏れを無くすための確認項目リストとして使ってください。

 

ゲームコンセプト設計

設計項目 確認内容
ゲームの一言説明 初見で何のゲームか伝わるか
主要な魅力 このゲームを選ぶ理由があるか
ターゲットユーザー 誰に遊んでもらうか明確か
プレイシーン いつ、どこで、どのくらい遊ぶゲームか想定できているか
競合との差 既存タイトルと比べて違いを説明できるか
継続理由 なぜ遊び続けるのか説明できるか
課金理由 なぜお金を払うのか説明できるか
開発規模 チーム規模と開発期間に対して作り切れるか
運用規模 リリース後にアップデート更新を続けられるか

 

コアゲーム体験設計

設計項目 確認内容
中心の遊び ユーザーが繰り返す行動は何か
操作性 スマホで無理なく遊べるか
判断 ユーザーが考える余地がコアゲームにあるか
成功体験 うまくいった時の気持ちよさがあるか
失敗体験 失敗しても再挑戦したくなるか
テンポ 短時間でも遊べる内容か、ストレスなく遊べるか
演出 プレイの結果が気持ちよく盛り上げてくれるか
リプレイ性 同じ遊びを繰り返せる理由があるか
成長実感 プレイ前後で変化を感じられるか

 

初回体験設計

設計項目 確認内容
初回起動 起動直後の待ち時間や読み込みで離脱しないか
初回導入 世界観、目的、やることが伝わるか
チュートリアル 説明が長すぎず、ゲームの魅力や仕組みを理解できるか
初回バトル・初回プレイ 最初のプレイで面白さを体験できるか
初回報酬 報酬のメリットや価値を感じられるか
初回育成 成長を実感できるか
初回ガチャ キャラクター、アイテムへの期待感を作れているか
初日目標 その日に何をすればよいか分かるか
初回離脱ポイント どこで離脱するか確認できており対策が用意されているか

 

プレイサイクル設計

設計項目 確認内容
ログイン ゲームを起動する理由があるか
プレイ プレイの流れがわかりやすく、繰り返しプレイしたいと思うか
報酬獲得 プレイ結果として報酬が得られるか、報酬内容は適切か
育成 報酬を使う先は明確か?育成の達成感と実感はあるか
再挑戦 再び遊ぶ理由があるか
目標更新 次の目標が随時用意されているか
再ログイン 翌日以降も再び起動する理由があるか
長期進行 数日、数週間単位でプレイする理由があるか

 

育成設計

設計項目 確認内容
育成対象 キャラクター、装備、施設、スキルなど何を育てるか明確か
育成素材 何を集める必要があるか明確か
育成段階 レベル、進化、覚醒、限界突破などの段階設計があるか
育成効果 強くなったことを実感できるか
育成コスト 必要素材や通貨量が適切か
育成優先度 何から育てるか判断できるか
長期育成 数週間、数ヶ月単位の育成目標があるか
育成不足 進行が止まる原因をわかっているか
新規ユーザー補助 後から始めたユーザーでも追いつく手段があるか

 

報酬設計

設計項目 確認内容
初回報酬 プレイ直後に獲得した報酬に価値を感じるか
通常報酬 プレイごとの報酬があるか
デイリー報酬 毎日受け取る報酬と報酬に価値があるか
ウィークリー報酬 週単位で貰える報酬と報酬に価値があるか
イベント報酬 参加したいと思わせるだけの報酬と報酬に価値があるか
ランキング報酬 競争したいと思わせるだけの報酬と報酬に価値があるか
ガチャ報酬 欲しいものが含まれているか
素材報酬 育成とつながっているか
無課金報酬 報酬目的で無課金でも続けられる理由があるか
課金者向け報酬 課金した時の納得感があるか
余剰報酬 余った素材やアイテムの使い道があるか

 

経済設計

設計項目 確認内容
無償通貨 入手量と使い道が設計されているか
有償通貨 購入理由と消費先があるか
育成素材 入手量と必要量が合っているか
消費先 通貨や素材を使う場所があるか
供給量 配布しすぎて価値が下がらないか、経済バランスはどうか
不足感 不満やストレスにならず、目標につながる不足感になっているか
交換所 余った素材の使い道があるか
インフレ管理 長期運用でゲーム内経済が壊れないか
課金通貨設計 有償と無償の違いとメリットが分かるか
後発ユーザー対応 後から始めたユーザーの負担を減らせているか

 

キャラクター・アイテム設計

設計項目 確認内容
キャラクター役割 性能、物語、見た目の魅力と役割があるか
レアリティ 希少性と納得感があるか
性能差 強さに分かりやすい違いがあるか
属性・相性 編成や攻略に関係しているか、バランスはどうか
コレクション性 集めたい理由があるか
推し要素 好きになる理由があるか
追加運用 新キャラクターや新装備を追加し続けられるか
既存資産保護 過去キャラクターの価値が急に失われないか
復刻価値 過去のキャラクターやアイテムを再登場させる理由があるか

 

ガチャ・販売設計

設計項目 確認内容
ガチャ対象 何を引くガチャなのか明確か
排出内容 欲しいものが含まれているか
確率 ユーザーが納得できる設計か
天井 使った金額に対する安心感、納得感があるか
交換 欲しい対象に近づける、手に入る仕組みがあるか
限定 いま引く理由があるか
復刻 過去資産を再活用できるか
初回割引 初課金のきっかけになるか
パック商品 目的別に購入できるか
パス商品 継続プレイと課金がつながるか
月額商品 毎月購入する理由があるか
高額商品 高額課金者向けの商品に納得感があるか
販売頻度 販売物が多すぎて不満につながっていないか

 

イベント設計

設計項目 確認内容
イベント目的 継続、復帰、課金、話題化のどれを狙うイベントか
開催期間 長すぎず、短すぎないか
参加条件 新規ユーザーも参加できるか
報酬 参加する理由があるか
難度 幅広いユーザーが遊べるか
周回要素 繰り返しプレイする理由があるか
ランキング 競争する理由があるか
ストーリー イベントならではのストーリーの魅力があるか
ガチャ連動 欲しい理由と遊ぶ理由がつながっているか
復刻運用 再利用できる構造になっているか
イベント告知 参加する理由を事前に伝えられるか、伝えられているか

 

UI/UX設計

設計項目 確認内容
ホーム画面 重要な情報にすぐアクセスできるか
メニュー 目的の機能に到達できるか
育成画面 強化内容と必要素材が分かりやすいか
編成画面 キャラクターや装備を選択しやすいか
バトル画面 状況と操作がわかりやすいか
報酬画面 何を獲得したかわかりやすいか
ショップ画面 何を買うべきか伝わりやすいか、商品の魅力が伝わるか
ガチャ画面 排出内容、確率、天井が確認できるか
イベント画面 参加条件、報酬、残り期間が分かるか
通知 必要なタイミングで情報を伝えられるか
受け取り導線 報酬、ミッション、プレゼントを受け取り忘れない、受け取りやすい設計か
課金導線 欲しいと思ったら購入まで進みやすいか

 

運用設計

設計項目 確認内容
更新頻度 どの頻度で新要素を追加するか
イベント周期 月間、週間の運用サイクルがあるか
ガチャ周期 新規、復刻、限定の運用サイクルがあるか
コンテンツ追加 新しい遊びを追加できるか
告知 ユーザーに情報を適切に届けられるか
不具合対応 迅速に対応できる体制があるか
CS対応 問い合わせに対応ができるか
アップデート計画 短期、中期、長期の更新を計画できているか
運用負荷 チームが継続できる作業量か
素材制作 キャラクター、イベント、バナー、告知を作り続けられるか
復刻計画 過去イベントや過去商品を再利用できるか
新規ユーザー施策 後から始めたユーザーの定着を支援できるか
復帰ユーザー施策 一度離脱したユーザーが戻る理由を作れているか

 

KPI・ログ設計

設計項目 確認内容
インストール ユーザー獲得数を確認できるか
初回起動 インストール後に起動されている数値を確認できるか
チュートリアル突破 どこで離脱しているか確認できるか
D1継続率 ゲーム開始、翌日にユーザーが戻っているか確認できるか
D3・D7継続率 ゲーム序盤で残っているか確認できるか
D30継続率 中期で遊ばれているか確認できるか
課金率 課金状況を確認できるか
ARPU DAUに対する売上を確認できるか
ARPPU 課金者における課金単価を確認できるか
LTV 一定期間における生涯課金額を確認できるか
イベント参加率 イベントが遊ばれているか確認できるか
ガチャ利用率 ガチャが利用されているか確認できるか
ショップ購入率 商品が買われているか確認できるか
離脱地点 どこでユーザーが離脱しているか確認できるか
レビュー 不満や評価を確認できるか
課金導線 どの画面から購入されているか確認できるか
報酬受け取り 報酬が受け取られているか確認できるか

 

フェーズ別に確認する設計項目

運用型スマホゲーム開発では、企画、プロトタイプ、本開発、α・β版、CBT/OBT、リリース後で、確認すべき内容が変わります。

各フェーズで設計内容、開発状況を確認することでゲームの完成度があがります。

 

企画段階で確認すること

確認項目 確認内容
インストール理由 なぜ始めたくなるのか説明できるか
継続理由 なぜ遊び続けるのか説明できるか
課金理由 なぜお金を払うのか説明できるか
コアゲーム体験 何を繰り返すゲームなのか明確か
ターゲット 誰が遊ぶゲームなのか明確か
競合 どのタイトルと比較され、競争力はあるか
開発規模 作り切れる内容か
運用規模 継続して更新できる内容か
初回体験 ゲーム開始直後に魅力が理解できる設計か

 

プロトタイプで確認すること

確認項目 確認内容
コアゲーム体験 実際に遊んで面白さを確認できるか
操作感 スマホで問題なく遊べるか
テンポ ストレスなく遊べるテンポ感か
達成感 遊んだ結果、満足感があり、気持ちいいか
育成感 強くなっている実感があるか
継続性 もう一度遊ぶ理由があるか
開発再現性 ゲーム企画の内容を実装で再現できているか
UI・操作性 わかりやすく、遊びやすいか

 

プロトタイプでは、完成版と同じ「見た目」を作る必要はありません。

確認すべきなのは、ゲームの中心になる遊び(=コア体験)が成立しているかです。

グラフィックや演出よりも、実際に操作した時に面白さが伝わるか、繰り返し遊ぶ理由があるかを確認します。

 

本開発・α・βで確認すること

想定されたコンテンツが実装できているか

確認項目 確認内容
初回体験 インストール後に面白さを実感できるか
育成設計 育成する理由があるか
報酬設計 プレイと報酬がつながっているか
課金設計 欲しい理由と購入導線があるか
イベント設計 リリース後のイベント設計はされているか
UI/UX わかりやすく、使いやすいか
ログ設計 ログ設計がされているか
運用準備 リリース後の運用素材やアセットを準備できているか
成長バランス ストレスなく育成やプレイができるか
経済バランス 通貨と素材の価値が壊れていないか
運用負荷 チームが継続できる作業量か
開発進捗 予定したコンテンツは実装されているか

本開発・α・βはゲーム会社によって定義が異なります。よって、ここでは細かく分けずに、この期間で確認することをまとめています。

プロトタイプ版の延長線上にあり、CBT、OBTの手前にあるのが本開発・α・βであるため、プロトタイプ版とCBT、OBTの確認事項を、本開発・α・βで繰り返し確認するのも有効です。

 

CBT/OBTで確認すること

確認項目 確認内容
サーバー負荷 同時接続や課金処理に問題がないか
初回体験 初見ユーザーが魅力に到達できるか
継続率 D1、D3、D7に大きな問題がないか
課金導線 購入まで問題なく進めるか
不具合 進行不能や報酬不具合がないか
ストア訴求 ストアで伝えている内容と実ゲームが合っているか
広告獲得 広告から来たユーザーが初回体験で離脱しすぎていないか
初月運用 リリース直後のイベントや販売物を準備できているか
問い合わせ対応 ユーザーからの問い合わせに対応できる体制があるか

CBT、OBTもテストの定義と目的をどこに設定するかによって確認事項は変わります。

特に継続率、課金についてはCBT、OBTでは本サービスと同一ではないので検証できないという考え方もあります。よって、まずCBT、OBTの目的を明確にした上で、何を確認するか決めてください。

 

リリース後に確認すること

確認項目 確認内容
獲得 新規ユーザーを獲得できているか
継続 ユーザーは定着しているか
離脱 ユーザーが離脱するポイントと原因を把握しているか
復帰 離脱したユーザーが戻る導線やきっかけはあるか
課金 課金が発生しているか
回収 広告費を回収できる見込みがあるか
健全性 不満、炎上要因はなく、レビューは健全か
イベント ユーザーは参加しているか
ガチャ ユーザーが求めるものを提供できているか
改善 課題に対して改善できる体制や環境があるか
更新 次のイベント、ガチャ、追加要素を準備できているか

 

設計項目を確認する時の注意点

ここまで各フェーズにおける設計項目をまとめてきました。このように一覧にすると、すべての機能を網羅すればよいと感じるかもしれません。

しかし、重要なのは機能を全部盛り込むことではありません。

各機能が、インストールモチベーション、継続モチベーション、課金モチベーションのどれに貢献するのかです。

なぜなら運用型ゲームはインストールモチベーション、継続モチベーション、課金モチベーション、3つの掛け算によって成立するからです。

つまり、その機能を作る理由が説明できない機能は、必ずしも必要ではない、作っても3つのモチベーションに貢献するとは限りません。

作りすぎることで開発工数を増やし、UIを複雑にし、ユーザーの理解を妨げる場合もあります。

 

ジャンルごとに正解は変わる

今回の内容は、運用型スマホゲーム開発で確認したい設計項目なので、ゲームの骨格を作る上では役立ちます。

ただし、ゲームジャンルごとに調整が必要です。

RPG、パズル、放置ゲーム、カードゲーム、シミュレーション、音ゲー、位置情報ゲームでは、必要な機能も、遊ばれ方も、課金理由も変わります。

つまり、

・ゲームのコンセプト
・ジャンル
・ターゲット
・開発規模
・運用体制

に合わせて調整する必要があります。

 

運用型スマホゲームは、リリース後の更新まで考えて設計する

最後に運用型スマホゲームは、配信しただけで終わる商品ではありません。

リリース後に、イベント、ガチャ、キャラクター、報酬、キャンペーン、アップデートを続けていく必要があります。

そのため、開発段階で運用フェーズを想定した確認も必要です。

開発をしたけど、運用しにくい、収益化しにくいゲームを作ってしまうことがあるので、ここは注意が必要です。

 

確認項目 確認内容
更新 新しい要素を追加できるか
追加キャラクター 新キャラクターを出し続けられるか
追加イベント イベントを作り続けられるか
報酬設計 報酬を追加しても経済が壊れないか
復刻 過去イベントや過去商品を再利用できるか
運用負荷 チームが継続できる作業量か
新規ユーザー対応 後から始めたユーザーの負担を減らせるか
復帰ユーザー対応 一度離脱したユーザーが戻る理由を作れるか

リリース後の運用を考えずに作ったゲームは、初月は結果を出せても、その後の運用で苦しくなります。

例えばこんなケースがよくみられます

・キャラクターが売れたのにキャラクター開発に時間がかかる
・コンテンツは面白いけど、コンテンツ追加がしにくい仕様
・設計上、運営イベントの自由度が低く、バリエーションが出しにくい

開発段階から、インストール、継続、課金、運用までをつなげて設計する必要があります。

 

まとめ

運用型スマホゲーム開発では、シンプルにゲームの面白さだけでは、うまくいきません。

・ユーザーが始める理由
・翌日以降も遊ぶ理由
・お金を払いたいと思う理由

この3つを設計する必要があります。

インストールモチベーション × 継続モチベーション × 課金モチベーション

この3つがそろって、運用型スマホゲームは事業として成立します。
どれか一つが欠けてもうまくいきません。

開発者やプロデューサーは、バトル、育成、報酬、UI、イベント、ガチャ、運用、KPIを単体で考えるのではなく、それぞれがどのモチベーションにつながっているかを確認しながら設計してください。

とはいえ、機能を無闇に増やすことが目的ではありません。

ユーザーがゲームをプレイしたいと思い、継続、課金し、リリース後も遊び続ける理由を作ること。

それが、運用型スマホゲーム開発の基本であり、この教科書で最も伝えたいことです。

もしゲーム設計で迷ったら、お気軽にご相談ください。