売上が落ちたゲームはまだ立て直せる?既存タイトルを改善・リブート・終了する判断基準

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売上が落ちたゲームはまだ立て直せる?既存タイトルを改善・リブート・終了する判断基準

こんにちはトロネコです。

運営中のゲームの売上が落ちてくると

「大型アップデートをしよう」
「広告を増やそう」
「新しいキャラクターを追加しよう」
「周年施策でユーザーを戻そう」

といった改善案が出てきがちです。

もちろん、これらが有効な場合もあります。

しかし、本来最初に考えるべきなのは、

何を改善するかではなく、このタイトルにこれからも追加投資する価値があるのか

という部分です。

売上が落ちたゲームには、大きく分けて次の5つの選択肢があります。

  • 改善する
  • 大型リブートする
  • 維持運営する
  • 縮小する
  • 終了する

しかし、すべてのタイトルを再び成長させる必要はありません。

逆に、売上が落ちたという理由だけで終了すべきでもありません。

重要なのは、

限られた資金と人材を、このゲームへ追加投入することが会社にとって最も合理的なのかを判断することです。

そこで、今回は売上が落ちた既存ゲームへの追加投資を判断するときの考え方を解説します。

 

売上が落ちたゲームには5つの選択肢がある

既存タイトルの売上が落ちたとき、「どうやって売上を戻すか」だけを考えてしまうケースがあります。

しかし、事業として考えるなら選択肢は必ずしも改善だけではありません。

選択肢 基本的な考え方
改善 現在のゲームをベースに部分的な改善を行う
リブート 大きな変更を加えて再成長を狙う
維持運営 大きな投資をせず利益を確保しながら運営する
縮小 売上規模に合わせて人員や開発コストを落とす
終了 将来的な回収可能性を考え、追加投資を止める

重要なのは、

売上が下がった=リブート

でも、

売上が下がった=終了

でもないということです。

そのタイトルが現在どの位置にあるのかを確認したうえで、最も合理的な選択肢を選ぶ必要があります。

 

「売上が落ちた」だけでは追加投資の判断はできない

既存ゲームへの追加投資を判断するとき、売上だけを見ても十分ではありません。

たとえば月商が以前の半分まで落ちていても、

市場が残っている
コアユーザーが残っている
ブランド認知がある
改善ポイントが明確

というタイトルであれば、まだ再成長の可能性があります。

一方で、現在も一定の売上があったとしても

市場自体が縮小している
新規ユーザーが入ってこない
既存ユーザーも離れている
大規模な開発投資が必要

という状態であれば、追加投資の回収は難しくなるかもしれません。

そこで、少なくとも次の6つを確認します。

1.残っている市場はどれくらいあるか

最初に確認したいのは、

ゲームを改善した場合に、取りにいける市場がまだ残っているのか

 

ゲーム内部だけを見ていると、

「ここを直せばもっと遊びやすくなる」
「このコンテンツを追加すれば戻ってくる」

と考えがちです。

しかし、ゲームを良くしても市場そのものが小さくなっていれば、大きな売上成長にはつながらない可能性があります。

競合タイトルが伸びているのか
同ジャンルのユーザーが存在するのか
新規ユーザーを獲得する余地があるのか

市場側から見ることも重要です。

 

2.ユーザー資産がどれだけ残っているか

既存ゲームには、新作にはない資産があります。

それが既存ユーザーです。

たとえば、

  • 現在も遊んでいるコアユーザー
  • 一度離脱した休眠ユーザー
  • 過去に課金したユーザー
  • SNSやコミュニティに残っているファン
  • タイトルを知っている潜在ユーザー

などです。

リブートを考える場合、この資産がどれだけ残っているかは重要です。

大型アップデートを行っても、

誰にも知られていない
過去ユーザーも戻らない

のであれば、ほぼ新作と同じようにユーザーを集め直す必要があります。

逆に、休眠ユーザーが多く、アップデート情報への反応も強いのであれば、既存タイトルだからこそ再成長できる可能性があります。

 

3.IP・ブランドとしての価値が残っているか

ゲームそのものの売上だけでなく

タイトルやキャラクターにまだ価値が残っているか

 

も確認します。

特にIPタイトルでは重要です。

ゲーム運営がうまくいっていなくても、

キャラクター人気がある
SNSでは反応がある
グッズが売れる
原作人気がある

のであれば、ゲーム側を大きく作り直す価値がある場合があります。

一方で、タイトルそのものへの関心まで薄れている場合は、ゲームを改善するだけでは復活しにくくなります。

 

4.何を直せば改善するのか説明できるか

大型リブートで最も危険なのは、

何を直せば復活するのか分からないまま、大型アップデートを始めること

です。

「最近売上が悪い」
「何か大きなことをしないといけない」
「とりあえずリニューアルしよう」

という流れでプロジェクトを始めると、追加開発そのものが目的になってしまいます。

リブートするなら、

何が問題なのか
なぜユーザーが離れたのか
何を変えるのか
何が変われば再成長できるのか

という仮説が必要です。

原因が特定できていない状態では、追加投資額が大きくなるほどリスクも高くなります。

 

5.リブートにいくら必要なのか

大型アップデートでは、

新機能
新コンテンツ
UI改修
グラフィック改修
ゲームサイクル変更
サーバー対応
プロモーション

など、多くの追加費用が発生します。

重要なのは、アップデート費用だけを見るのではなく、再成長までに必要な総投資額を見ること

 

たとえば大型リブートに5,000万円かかるとしても、それだけでは終わらない可能性があります。

リリース後にユーザーを戻す広告費や運営費まで含めれば、必要資金はさらに増えます。

この金額を投入して、本当に回収できるのか。

ここを事前に考える必要があります。

 

6.追加投資を何か月で回収できるのか

追加投資を判断するときは、

売上が上がるか

ではなく、

投資した金額を回収できるか

まで考えます。

たとえば5,000万円を追加投資し、月間利益が500万円増えるなら、単純計算では回収まで10か月かかります。

一方、同じ5,000万円を投資しても月間利益が100万円しか増えないのであれば、回収には長い時間が必要です。

実際には売上低下や運営コストもあるため、さらに慎重な検討が必要になります。

「アップデート後に売上が20%上がる」

だけではなく、

追加利益はいくらになるのか

まで落とし込んで考えることが重要です。

 

改善を選択すべきタイトル

大規模なリブートではなく、既存ゲームの改善を選びやすいのは、

ゲームの基本構造は機能しているものの、一部に明確な問題があるケースです。

たとえば、

特定の導線で離脱している
特定コンテンツの利用率が低い
課金商品の設計に問題がある
復帰導線が弱い

など、改善対象が限定されている場合です。

この場合、大規模なリニューアルをするより、

問題部分だけを改善した方が投資効率が高い

可能性があります。

改善するために、ゲーム全体を作り直す必要はありません。

 

大型リブートを選ぶ価値があるタイトル

大型リブートは投資額も大きくなるため、どのタイトルでも実施すべきものではありません。

一方で

  • IPやブランドの認知が残っている
  • コアユーザーが存在する
  • 休眠ユーザー資産がある
  • 市場そのものは残っている
  • ユーザーが離れた原因を説明できる
  • 既存開発資産を再利用できる
  • 改善後の成長シナリオが描ける

といった条件が揃っているのであれば、リブートを検討する価値があります。

新作をゼロから立ち上げるよりも、

すでに持っている認知・ユーザー・開発資産を活用した方が効率的

なケースもあるからです。

 

大型リブートしてはいけないタイトル

反対に、次のような状態では慎重になる必要があります。

  • 市場そのものが縮小している
  • コアユーザーまで離れている
  • タイトルへの関心が低下している
  • 新規ユーザーが定着しない
  • 競合との差別化要素がない
  • 開発負債が大きい
  • 何を直せば改善するのか分からない
  • リブート費用が新作開発に近い

特に注意したいのが、

「思い入れがあるタイトルだから復活させたい」

という判断です。

タイトルへの思い入れと、事業として再成長できる可能性は別です。

過去に売れたゲームほど、

「以前はこれだけ売れていた」

という数字が判断に影響することがあります。

しかし判断すべきなのは過去ではなく、

これから追加投資した場合にどれだけ回収できるか

です。

 

あえて現状維持を選ぶという判断もある

売上が落ちているからといって、必ず再成長を目指す必要はありません。

たとえば、

固定ユーザーが残っている
運営コストが低い
一定の利益が出ている
市場規模以上の成長が見込めない

というタイトルなら、

大型投資を止めて、安定した収益を生むタイトルとして維持する

という選択肢があります。

再成長させないことは失敗ではありません。

追加投資による成長余地が小さいなら、利益を確保しながら運営する方が事業として合理的な場合があります。

 

売上規模に合わせて縮小する判断

タイトル自体は黒字でも、

過去の売上規模を前提にした運営体制が残っている

というケースがあります。

たとえば売上がピーク時の半分になっているのに、

開発チームの人数
コンテンツ更新頻度
外注費
マーケティング費

がほとんど変わっていなければ、利益率は大きく低下します。

この場合、

売上を無理に元へ戻す

だけではなく、

現在の売上規模に合わせて運営構造を作り直す

という選択肢があります。

売上改善だけがゲーム事業改善ではありません。

 

終了を選択するケース

サービス終了を判断する基準は一つではありません。

ただし、

追加投資しても十分な回収が見込めない
市場縮小が続いている
ユーザー資産も減少している
大型改修に多額の費用が必要
人材を他タイトルへ移した方が期待値が高い

という状態であれば、終了も事業上の選択肢になります。

重要なのは、

まだ売上があるから続ける

だけで判断しないことです。

ゲームを続けることで得られる利益だけではなく、

その人材や資金を別のタイトルへ使った場合の可能性も考える必要があります。

 

大型アップデートを提案されたら「何がどれだけ変わるのか」を確認する

大型アップデートの企画は

「新しいゲーム体験になります」
「ユーザーが戻ってきます」
「売上回復を狙います」

といった説明だけではそれをやるべきか判断できません。

経営や事業側では

何を改善するのか
どの数字を改善するのか
ユーザーがどれくらい戻る想定なのか
売上はいくら増える想定なのか
利益はいくら増えるのか
何か月で投資を回収するのか

まで確認する必要があります。

たとえば、

「大型リブートに5,000万円必要です」

という提案なら、

その5,000万円によって、何がどれだけ改善するのか

を説明できる状態にする必要があります。

金額が大きいほど、単なる期待ではなく投資判断として見ることが重要です。

 

追加投資するときは成功条件と撤退条件を同時に決める

既存ゲームへ追加投資するときは、

「成功させる方法」

だけを決めるのではなく、

どこまで改善しなかったら追加投資を止めるのか

も事前に決めておくことをおすすめします。

たとえば、

3か月後までに一定の指標まで戻らなければ追加開発を停止する。
半年後までに投資回収の見通しが立たなければ縮小へ切り替える。

といった考え方です。

結果を見てから判断しようとすると、

「ここまで投資したのだから、もう少し続けよう」

という判断になりやすくなります。

追加投資を決める段階で、

成功条件と撤退条件をセットで決めておく

ことが重要です。

 

「既存ゲームに投資するか」ではなく「他に投資する場合」と比較する

既存タイトルへの追加投資判断で見落とされやすいのが、この視点です。

たとえば、

既存ゲームの大型リブートに5,000万円使う

という案があるとします。

その場合、

「5,000万円を使えば、このゲームを復活できるか」

だけを考えるのでは不十分です。

同じ5,000万円を、

新作ゲーム
別の既存タイトル
新規IP
海外展開
マーケティング
別事業

へ使った場合とも比較する必要があります。

既存タイトルを復活させられるとしても、

別のプロジェクトへ投資した方が期待値が高いのであれば、そちらを選ぶこともできます。

これは、

既存ゲームを救うかどうかという話ではなく、会社の資金と人材をどこに配分するかという話

です。

 

既存タイトル再生はゲーム改善ではなく資本配分の判断

既存タイトルの売上が落ちると、現場ではどうしても、

新イベントを作る
新キャラクターを追加する
UIを改修する
広告を増やす

といった施策の話になりやすくなります。

しかし事業責任者が最初に判断するべきなのは、

このタイトルへ追加投資する価値があるのか

です。

改善すると決めた後に、具体的な改善施策を考えればいいのです。

順番を逆にすると、

「大型アップデートすることは決まったので、何を追加するか考える」

という状態になりかねません。

既存タイトル再生で最も重要なのは、施策より前に投資判断を行うことです。

 

社内だけでは判断しにくい理由

既存タイトルへの追加投資は、社内だけでは判断が難しいケースがあります。

なぜなら、関係する部署ごとに立場が違うからです。

運営チームはタイトルを続けたい
開発チームはゲームを改善したい
マーケティングチームはユーザーを増やしたい
経営側は利益や投資額を見ているどの意見も間違っているとは限りません。

しかし、それぞれの視点だけでは、

タイトル全体として追加投資すべきか

を判断しにくくなります。

そのため、

ゲーム
市場
ユーザー
開発費
マーケティング
収益性

を横断して見る必要があります。

 

まとめ:既存タイトルの改善・リブート・追加投資判断を支援します

トロネコでは、運営中ゲームについて

  • 既存タイトルの現状整理
  • 改善余地の確認
  • リブート案の検討
  • 大型アップデートの投資判断
  • 追加投資額と回収シナリオの整理
  • 維持運営・縮小の判断
  • サービス終了を含めた選択肢の整理
  • ゲーム改善とマーケティング投資の優先順位整理

など、ゲーム事業の意思決定を支援しています。

「売上が下がってきたので大型アップデートを検討している」
「開発チームから追加投資の提案が出ているが、進めるべきか判断できない」
「改善するべきか、縮小するべきか、終了するべきか社内で意見が分かれている」

といった場合は、

どう改善するかを考える前に、そもそも追加投資する価値があるのか

という段階からご相談いただけます。

まずはお気軽にご相談ください。