こんにちはトロネコです。
あらゆる事業、マーケティング活動において重要なのは「ターゲットユーザーを決めること」です。
ターゲットユーザーの設定を間違えると戦略も間違えてしまいますから、事業として間違った方向に進んでしまい結果もでません。
実はゲーム事業の多くの現場において適切に「ターゲットユーザー」が決められていないケースが多いのです。
多くの現場では
・年齢
・性別
・職業
程度でターゲットユーザーを決めた気分になりがちです。
30代、男性、アニメ好き、会社員がメインターゲット
といった企画書を何度も目にしてきましたが、この状態はターゲット設定ができているとはいえないのです。
今回はターゲットユーザーを設定する上で重要な5つのことについて解説していきます。
なぜターゲットユーザーを決める必要があるのか
ところで、なぜターゲットユーザーを決める必要があるのでしょうか?
ちょっと考えてみてください。
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なぜターゲットユーザーを決める必要があるのでしょうか?その理由は次のワンフレーズで説明できます。
かけられる「時間」と「お金」と「労力」と、与えられた「チャンス」に限界があるからです。
もし、お金が無限にあったとしても、それを実行できる人材(労力)には限界があります。
お金で人材を採用しまくって労力を解決しても、使える時間は限られていますし、その時間を使ってチャレンジできるチャンスは、レッドオーシャンのゲーム市場において何回もありません。
そこで、誰をターゲットユーザーに設定して獲得するのか?
獲得することで限られた条件の中で勝機を見出すのか?
そのためにターゲットユーザーを決める必要があります。
マーケティングのターゲットユーザーを決める上で重要な5つのこと
マーケティングのターゲットユーザーを決める上で「年齢」「性別」「職業」だけで設定しているようでしたら、結果は追いついてきません。
きっと、この記事を読んでいる皆さんは「年齢」「性別」「職業」だけでターゲットユーザーを設定している事はないと思いますが、これからお話する5つのポイントを抑える事でターゲット設定の考え方が大きく進化できます。
①ターゲットユーザーとはお金と時間をかけて獲得するユーザー
なぜ、ターゲットユーザーを設定する必要があるのでしょうか?
先ほどもお伝えしましたが
かけられる「時間」と「お金」と「労力」と、与えられた「チャンス」に限界があるからです。
だから、ターゲットユーザーを設定することで
我々は限られた条件の中で勝機そうとするわけです。
そこまでして設定するターゲットユーザーとは何か?
非常に重要なユーザーである事には間違いないのですが
シンプルに表現すると
ターゲットユーザーとはお金と時間をかけて獲得するユーザーといえます
つまり、自社のリソース(時間、お金、労力)をかけて獲得する価値がある、獲得しなければならない重要なユーザーがターゲットユーザーとなります。
ここからが重要です。
ということは、自社のリソース(時間、お金、労力)をかけなくても自然と獲得できてしまうユーザーはターゲットユーザーにならないのです。
つまり、新作タイトル発表をしただけで、スマホゲームなら事前登録、家庭用ゲームなら予約が取れてしまうユーザーは重要なユーザーである事には間違いないのですが、
マーケティング上における自社のリソース(時間、お金、労力)をかけて獲得するターゲットユーザーになりません。
でも、多くのターゲッティングにおいて、何もしなくても獲得できるユーザーをメインターゲットに設定して、時間音金と労力をかけているケースが見られます。これはハッキリ言って無駄です。
そして、他にもっと重視するべき、このゲーム事業を左右するターゲットユーザーを見落としている場合が多いのです。
下記にてイノベーター理論の解説をしていますが、一番最初のイノベーター層は一番最初にそのゲームのために動いてくれる重要なユーザーですが、マーケティング上のターゲットユーザーに設定するべきかは良く考える必要があります。
②ターゲットユーザーは時間経過と変化する
スマホゲームなら配信日にダウンロードしたユーザーAと
配信から1年後にダウンロードしたユーザーBは
同じ1ダウンロードですが、ユーザーの中身は全く異なります。課金率、継続率、ゲームに対する関心度等、様々な点で配信から1年後にダウンロードしたユーザーBはユーザーAに劣ります。
つまりターゲットユーザーは時間経過と共に変化します
例えばスマホゲームの場合は、毎日、新規ユーザーを獲得していくわけですから、100万人の市場があるなら、そこからユーザーを刈り取っている状態です。
100万人のうちの1人目と100万人目のユーザーも属性は異なりますから、毎日、この瞬間にもターゲットユーザーは細かく時間経過と共に変化し続けているわけです。
ここに気づく事ができると、次のことにも気づきます。
・ユーザーの変化を踏まえたターゲットユーザーの設定の変化を事前の考慮する必要がある
例えばゲームアプリ配信日から1ヶ月程度まではユーザーの変動が激しい時期です。ここでのユーザーの変化を事前に予測して打ち手を用意しておけるかはマーケティング戦略上、非常に重要です。
・一度、ターゲットユーザーを決めたら終わりではなく、状況に応じたアップデートが必要である
イノベーター理論をベースにするなら、獲得したユーザー数と、いま我々の居場所を明確にして、次に獲得すべきターゲットユーザーを明確にすることで勝機を高めることができます。
③多くのゲームマーケティングにおいてターゲットユーザー設定は不十分
多くの現場におけるターゲットユーザー設定は
・年齢
・性別
・職業
程度でターゲットユーザーを決めた気分になりがちです。
30代、男性、アニメ好き、会社員がメインターゲット
といった企画書を何度も目にしてきましたが、このレベルではターゲット設定ができているとは言えません。
「年齢」「性別」「職業」だけでなく、もっとユーザーのターゲットイメージを明確に掘り下げていきましょう。
例えば最低限、次の項目は掘り下げてターゲットユーザー設定に盛り込むようにしましょう。
・好きなゲームやゲームジャンル
・今遊んでいる他社ゲーム(引き剥がす必要がある競合タイトル)
・趣味嗜好性(どんなモチーフが好きか)
・可処分時間(ゲームに使える時間)
・可処分所得(ゲームに使えるお金)
ターゲットユーザーを明確にすることで、そのユーザーを獲得する上で効果的な施策を設計できるようになります。
④ゲームを遊ばないユーザーがターゲットユーザーになる場合もある
ターゲットユーザーとは、そのゲームを購入して遊んでくれるユーザーである。
これは間違いないのですが、場合によっては
ゲームを遊ばない、インストールしたり購入しないユーザーをお金と時間と労力をかけて動かすターゲットユーザーに設定する場合もあるのです。
イノベーター理論をベースに説明すると
イノベーターやアーリーアダプターを獲得したいと思った時に、彼らをターゲットユーザーに設定して、直接働きかけるのは王道ですが、時と場合によっては、イノベーターを動かす別のユーザー(ユーザー Aをしましょう)が存在して、ユーザー Aに対して、お金と時間と労力をかけなければならない場合もあります。
レアなケースかと思うかもしれませんが、ここで重要なのはレアか、レアじゃないか、という話ではなく
「ゲームを遊ばないユーザーがターゲットユーザーになる場合もある」という選択肢を最初から排除しない、ということです。
「ゲームを遊ばないユーザーがターゲットユーザーにならない」
という固定観念に縛られて最初から排除してしまうと、本当に重要なことを見失ったままコトが進んでしまう場合があるからです。
⑤ゲームの場合、ジャンル選定でターゲットユーザーの大部分は決まる
ゲームとは趣味嗜好の塊のようなものなので
ゲームジャンル選定によって、そのゲームタイトルのターゲットユーザーはほぼ決まるという事実があります。
つまりゲームの企画段階で、その企画のゲームジャンルが決まった時点でターゲットユーザーもほぼ決まっていることになります。
ということは完成したゲームを見て、このゲームのターゲットユーザーを考えるのはナンセンスであり
このゲーム企画が達がたった時点でターゲットユーザーの設定がゲーム開発とマーケターで共同でされている必要があります。むしろ、されていないなら危険です。
ゲームジャンルを選択すると、どのようにターゲットユーザーが決まるのか?
ここを事前理解できていると間違ったターゲットユーザー設定を回避できます。
下記の記事でも書いていますので参考にしてみてください。
まとめ
今回はターゲットユーザーを決める上で5つの重要なことについて解説しました。改めて列挙すると次の通りになります。
これら5つを意識した上でターゲットユーザーを設定すれば、必ずゲーム事業の勝機はアップします。
まずは、いま担当しているタイトルのターゲットユーザー設定について見直しをしてみてはいかがでしょうか?
というわけで今回はここまで!