こんにちは
マーケティングスペシャリストのトロネコです。
今回はスマホアプリマーケティングの基礎中の基礎ともいえるASO(App Store Optimization:アプリストア最適化)について、ライバルに差が付く一歩踏み込んだ話です。
基礎的なASOについては下記で話をしていますので時間がありましたら合わせて読んでみてください。
一般的に正しいと実施されているASOでは損しているかも!?
ASOとはストア上の画像、動画、テキストの最適化によりインストールへのCVRをあげようという考え方です。(こちらでも書いていますので参考まで)
しかし、アプリストアにやってくるユーザーの集客経路、検索流入意図はバラバラであり、ASO対応した ストア上の画像、動画、テキストの最適化は、ストアに来訪するすべてのユーザーに対して最適化できるかというと困難です。
つまり、一般的なASOとは、アプリストアに来訪する全ユーザーに対して、まんべんなく平均的なインストールCVRをあげよう、という考え方となります。
アイコン、スクリーンショット、テキストのABテストを実施して
・AパターンがCVRが1%アップした ・Bパターンはかわらなかった ・だからAパターンを採用しよう ・しばらくAパターンを掲載して様子をみよう |
というのが一般的なASOとされています。
しかし、一歩踏み込んで考えると、これは大きな間違いです。
なぜなら
・アプリストアに入ってくるユーザーは多種多様であり ・ABテストでCVRの良いクリエイティブを選んだとしても ・そのクリエイティブとは関係なくインストールするユーザーがいるからです |
もう少しシンプルに、かつ踏み込んだ話をすると
「ASO対策をしなくてもインストールできるユーザーが存在する」 「ASO対策で大きくインストールを伸ばせるユーザーが存在する」 「全方位的に対応したASOでは、本来インストールを伸ばせるユーザーを伸ばせていない」 |
というわけです。
ASOは全方位対応ではなくターゲットユーザーの設定が必要
ゲームをインストールするにあたってiOS、android問わず、あらゆるユーザーは必ずアプリストアを経由します。
そして、ストアに来訪するユーザーは様々な経路から流入します。
よって、ASOを考える上で重要なのは
「ASOの効果を活かせるユーザーは誰か?」 「効果を活かせるユーザーの中でも規模が大きいのは誰か?」 「そのユーザーの流入経路はどこか?」 |
という点です。
ここを整理して、ターゲットユーザーを明確にすることで、そのASO対策は
【ターゲット】誰に向けて対策するのか
【期間】いつまでそのASO内容を続けるのか
【目標】どんな数値目標を設定するのか
といったASO対策の内容にかかわる事項を明確にすることができます。
ASOってここまで考えるの?と思われるかもかもしれませんが
・ASO専任担当者でもここまで考えているのは激レアです
・実際にここまで踏み込んでいる人に出会った事はありません
・よってトロネコが考えるASOの在り方を今回書いています
という感じです。
よって、ここまで踏み込めると圧倒的にASOの価値を出せるのです。
そこで流入経路別に整理してみました。
流入経路 | ASO対策効果 | ボリューム | 備考 |
TVCM | 〇 | 〇 | クリエイティブ数が少なく流入意図を管理しやすい |
デジタル広告 | × | △ | クリエイティブ数が膨大で流入意図ば多種多様 |
プレスリリース | 〇 | × | プレスリリース単体での流入効果はほぼなし |
事前登録 | 〇 | 〇 | 流入ユーザーの質が高くアプリ配信初動においては事前登録ユーザーを想定したASO対策がおすすめ |
オーガニック:クチコミ | × | 〇 | プレスリリース単体での流入効果はほぼなし |
オーガニック:SNS経由 | × | △ | クチコミよりマシですがこちらもコントロールしにくい |
オーガニック:ネット検索 | 〇 | × | 検索意図を考えればASO対策に反映しやすい |
オーガニック:ストア内検索 | 〇 | × | 同上 |
オーガニック:ストア内ランキング | 〇 | △ | アプリ配信直後の期間限定である |
表にすると全体把握がしやすくなりますね。
ASOでターゲット選定すべき相手を選ぶ上での条件は次の通りです。
「ASO効果が高く、ボリュームが期待できる流入経路であり
ワンクリエイティブのASO対策で攻略できるターゲットに向けたASO対策をする」
となると
TVCMを実施する場合はASO対策をするべきという考え方になります。
ただし、全方位的なASO対策ではなく、TVCMでの訴求軸、TVCMを観た人がどのようなアクションを起こし、ストアに来訪するのか流入要因まで踏み込んでASO対策をするべきです。
でも、TVCMを観た人が直接ストアに来るのではなく、こちらにも書いたように「TVCMを全体プロモーションにおけるフリークエンシーのひとつ」として考えるならば、全体施策を観た結果、ストアにどのような感情で来訪するのかまで踏み込むとさらにASOの価値をあげられます。
となると・・・・・
TVCM、デジタル広告、PR、OOHなどあらゆる施策は単体でバラバラと実施するのではなく、共通の訴求軸を決めてプロモーションするべきであり、その結果、どのような状態でストアに来訪させたいのか、全体的なマーケティング戦略が重要だという事に気づくと思います。
プロモーションをしない場合はオーガニック流入向けASOに振り切る
ところで、すべてのゲームアプリが常時プロモーションを実施しているわけではありません。あえて大規模なプロモーションはせず、オーガニック流入だけで運営しているタイトルもあります。
ちなみにここでのオーガニック流入という言葉の定義は次の通りです。
・SNS運用流入 ・ストア内検索流入 ・ストア外検索流入 ・IPタイトルの場合はIPファンからの流入 |
つまり、自然と毎日インストールしてくるユーザーを、ここではオーガニック流入として定義しています。
オーガニック流入のみで新規ユーザーを獲得しているゲームタイトルについてはオーガニック流入で入ってくるユーザーの検索流入意図を分析した上でのASO対策をすると効果を出せます。
当たり前のような話ですが、 今回、オーガニックユーザーをターゲット設定したように、そのターゲットを深く分析した上でのASO対策ができていないケースが多いので、ここに踏み込むだけでも価値あるASO対策ができます。
まとめ
今回はスマホアプリマーケティングの基礎中の基礎ともいえるASO(App Store Optimization:アプリストア最適化)について、ライバルに差が付く一歩踏み込んだ話をしました。
従来のASO対策では不十分であり、もっと核心に踏み込んだ対応が必要であることが、なんとなくイメージできたら幸いです。
というわけで今回はここまで!