時代の少し先を読んで、ユーザーが理解できて、期待値を超えるゲームを作る方法
「マーケターとして、どうやってゲーム事業に貢献できるか?」
ここについて、トロネコは長年考えてきました。
しかし、多くの現場ではマーケティングとプロモーション、宣伝が混同しており
プロモーション、宣伝活動をマーケティングだと思い込んでいる人も多いのです。
「プロモーション、宣伝は、マーケティングの一部を担うけど、イコールではない」
これを何度も繰り返し伝えても
多くの現場では
![](http://gamemarketinglab.com/wp-content/themes/cocoon-master/images/man.png)
パッケージソフトならゲームソフトを売ること、認知度をあげること
スマホアプリなら、ユーザーを獲得してDAUをあげること。
これがマーケティング活動の全てである
と認識されています。
でも、これは正しくありません。
なぜなら
![](http://gamemarketinglab.com/wp-content/uploads/2019/02/toroneko-150x150.jpg)
どうしようもなく、つまらない、欠陥があるゲームは、どんなに宣伝プロモーションしても売れないから。
そして
面白く、完成度の高いゲームでも、時代が求めていないゲームも売れません。
ここ重要です。
いわゆる
時代に対して「10年早すぎるゲーム」だったり、「10年遅すぎるゲーム」というものも売れません。
時代の少し先を読んで、ユーザーが理解できて、ユーザーの期待値を超えるゲームで
かつ面白く、完成度の高いものを出す必要があります。
うまくいかないゲーム会社には共通の原因がある
長年、ゲームの仕事をしていると、うまくいかないゲーム会社に共通の原因があることに気づきます。
例えば次のようなケースは成功率が悪く、多くのケースで失敗します。
![](http://gamemarketinglab.com/wp-content/themes/cocoon-master/images/b-man.png)
「とりあえず企画を100本あげよう!そして、その中から10本開発しよう!」
「だから開発チームは、とにかく企画を考えよう」
こういうケースはどんな時代にも「あるあるの話」です。
このようなケースの場合
言葉を選ばずに表現するならば
「どうしようもない企画がただ作られて、どうしようもないゲームが作られ
その中で成功するのは宝くじに当たるような感覚に近いものがあります」
まさにゲーム事業を「ギャンブル」と感じてしまう原因がここにあります。
「とりあえず企画を100本あげよう!そして、その中から10本開発しよう!」
「だから開発チームは、とにかく企画を考えよう」
このミッションの根底には
「現場に全部お任せ」
「現場のプランナーのスキルに大きく依存する」
「それらプランナーをまとめるマネージャーのスキルに依存する」
ということになります。
現場のプランナーや、それをまとめるマネージャーが
時代の少し先を読んで、ユーザーが理解できて、ユーザーの期待値を超えるゲームとは何か?
明確にできるスキルを持っていれば問題ないのですが
多くのケースで
![](http://gamemarketinglab.com/wp-content/uploads/2019/02/toroneko-150x150.jpg)
ゲーム開発とユーザーの間にはギャップが存在します。
別に開発の現場をディスっているわけではなく、人間は誰も万能ではないので
それを現場に全部押し付けるのは、ちょっと違うよね
という話です。
ゲーム事業を成功させるためには時代と市場のトレンドを読み解く必要がある
わかりやすい例えをするならば
引っ張りアクションとしてモンスターストライクがヒットした
放置ゲームとして放置少女がヒットした
だから、今からこれらゲームを参考にして2年かけて
FGOのようなストーリーを読み解くRPG
モンストのような引っ張りアクション
放置少女のような放置ゲーム
を開発してもうまくいきません。
これは冷静になってみれば、わかることですよね。
でも現場では、FGOのような、モンストのような、放置少女のような要素を含んだ企画が上がってきます。(ここでのタイトルはあくまでも例えばの話です)
なぜなら、
![](http://gamemarketinglab.com/wp-content/uploads/2019/02/toroneko-150x150.jpg)
今、現在のトレンドや市況から未来を読み解いてしまうからです。
冒頭でゲーム事業の成功に必要なことについてお話ししましたが
「時代の少し先を読んで、ユーザーが理解できて、ユーザーの期待値を超えるゲームとは何か?」
これが重要なのですが
ここを冷静に「読み解く人材」がゲーム事業の中には必要なのです。
現場のプランナーや、それをまとめるマネージャーに、それを全部、背負わせるのは結構、酷な話ですよね。
ならばどうするか?
「時代の少し先を読んで、ユーザーが理解できて、ユーザーの期待値を超えるゲームとは何か?」
ゲーム会社には、これらを定量、定性分析による裏付けで提示できることが得意な人間がいます。
それこそマーケターであり
それができる人材がマーケティングスペシャリストなのです。
具体的なアクション
ならばどうすればいいのか?
これはシンプルです。
「ゲームクリエイターが企画を考える上でマーケティングスペシャリストが制約を提案する」
たったこれだけです。
例えば次のように制約をゲーム開発に対して提案します。
・ジャンルはRPG
なぜなら2年後の市場環境、競合状況、トレンドを見るとXXXXXだから
・ベースコンセプトはXXXX
なぜならターゲットユーザーの趣味嗜好はXXXXXだから
・ゲームシステムの根っこに欲しいものはXXXX
なぜならターゲットユーザーの可処分所得、可処分時間のXXXXXXに可能性があるから
※ここで記載している制約内容はあくまでもサンプルです。また、これ以外にも制約を提示できる切り口はあります。
ここでのポイントは、別にゲームの中身を指定する必要はない、というところです。
無限の世界の中でまっさらな状態げゲーム開発チームに企画を作ってもらうのではなく
勝てる可能性があるセグメントを明確に提示して、その中でゲームクリエイターとしての面白さがクリエイティブを発揮してもらう
これによって、大きく時代錯誤したゲームが作られたり
ユーザーが理解不能、10年早いゲーム、10年遅いゲームが作られる確率をグーンと下げることができます。
この制約の中なら、なにをやってもOKなのです。
いわば
港を出港する海賊船が、どこに向かうのか
目的地を明確にしてあげるようなものです。
冒頭でお話しした
「とりあえず企画を100本あげよう!そして、その中から10本開発しよう!」
「だから開発チームは、とにかく企画を考えよう」
これは目的地を明確にせず、ただ、港を出港して大海原に行こう!と言っているようなものです。
だから、大海原で乗組員はいろいろなことを試し、そして迷います。
迷って船のキャプテンに行き先を聞くけど、キャプテンも行き先を知らないので
知らないもの同士で議論して、よくわからないゲームが作られます。
あまり迷う必要はないかもしれません。
なぜなら、その版権キャラクターを使った時点で、進むべき道が大体決まるからです。
しかし、新規オリジナルタイトルを作っていこう!とか
新しい遊びを生み出そう!とか
そういうフェーズの会社の場合は、ゲーム企画に対してマーケティングスペシャリストが制約を提示した方がうまくいきます。
「とりあえず企画を100本あげよう!そして、その中から10本開発しよう!」
「だから開発チームは、とにかく企画を考えよう」
こういったケースは本当に現場でよく見かけます。
そして、時代を超えて、いろいろな会社のどこかのフェーズで、必ずこのような思想に染まってしまう瞬間がやってきます。
そして、ほとんどのケースで失敗に終わり(大失敗と言わなくても成功率が低く)反省して、方針転換します。
ゲーム事業の多くは、このような歴史の繰り返しが、何度となく行われています。
これって無駄だと思いませんか?
「とりあえず企画を100本あげよう!そして、その中から10本開発しよう!」
その意気込みは否定しません。
ならば、同時に100本の企画をただゼロベースから作るのではなく
「時代の少し先を読んで、ユーザーが理解できて、ユーザーの期待値を超えるゲームとは何か?」
そして、具体的にはどのようなものが勝てる可能性があるのか
例えば次のように制約をゲーム開発に対して提案しましょう。
なぜなら2年後の市場環境、競合状況、トレンドを見るとXXXXXだから
・ベースコンセプトはXXXX
なぜならターゲットユーザーの趣味嗜好はXXXXXだから
・ゲームシステムの根っこに欲しいものはXXXX
なぜならターゲットユーザーの可処分所得、可処分時間のXXXXXXに可能性があるから
むしろ制約を作ることで、クリエイターのポテンシャルを引き出すことも可能です。
もし、それができないなら
ゲーム開発現場、若いプランナーたちの時間を無駄に奪っているだけに過ぎません。
まとめ
「とりあえず企画を100本あげよう!そして、その中から10本開発しよう!」
「企画を作る上での制約は次のように設定しよう!ここに我々は勝ち目があると考えているので、この中で企画を考えてください」
このようなアクションができれば、ゲーム事業としての成功率がアップするだけでなく
次のような悲惨な状況も回避できます。
あなた「企画考えてきました」
決裁者「いやー、これなんか違うんだよね」
(なんか違うって、何が違うの?)
あなた「いただいたインプットで企画を修正してきました」
決裁者「あれ!?そんなインプットしたっけ?いやー、なんか違うんだよね」
(インプットの通り修正したんだけど、言っていることコロコロ変わり過ぎじゃん)
ちょっと極端な表現に聞こえるかもしれませんが、このようなことはよくある話です。
原因は、「あなた」も「決裁者」も、進むべき目的地がわからないまま、彷徨っているからです。
どんなに、やりとりを繰り返しても、ここには答えはありません。
ここでのポイントは「あなた」「決裁者」の両方に問題はあるという点です。進むべき目的地を明確にしようというアクションをしないからです。
ただし、それ以上に問題があるのは、それを周囲でみて、解決しようとしない会社そのものの体質にあります。
ここで、誰が悪いとか責任の押し付けをしても何も解決しません
そして、結果的に「あなた」も「決裁者」も貴重な時間を浪費しているという事実は変わらず、被害者でもあるのです。
「こんなやりとり、本当に無駄ですよね」
そのためにはマーケティングスペシャリストのような
「時代の少し先を読んで、ユーザーが理解できて、ユーザーの期待値を超えるゲームとは何か?」
これを提示できる人が、みんなが進むべき目的地を明確にするだけで状況は一変します。
![](http://gamemarketinglab.com/wp-content/themes/cocoon-master/images/man.png)
そんな、マーケティングスペシャリストなんて我が社には存在しません
そういう時こそ、トロネコにご相談ください。
マーケティング視点でゲーム企画の作り方、社内企画プロセスの明確化、評価軸の作り方など
さまざまな角度からお手伝いいたします。
というわけで、今回はここまで!