【間違いだらけ】ゲーム業界におけるマーケティングとプロモーションの違いとその正体とは?
こんにちは!
マーケティング宣伝スペシャリストの「トロネコ」です。
今回のテーマは「マーケティング」と「プロモーション」の話です。
そんなの知っているよ!
という方も多いかもしれませんが、多くの人が「マーケティング」と「プロモーション」の違いについて明確、かつシンプルに答えることができません。
いや、答えられる人もいるんですが、その多くの答えが間違っているのです。
「マーケティング」と「プロモーション」は同じもの、と勘違いしている人が非常に多いのです。
でも、それは仕方ないことかもしれません。
なぜなら、両者に違いについて、明確、かつシンプルに説明されてこなかったからです。
そこで、今回はマーケティングとプロモーションの違いと、その正体について深掘って見たいと思います。
【目次】
・マーケティングとは「モノが売れる仕組みつくり」 ・「モノが売れる仕組みつくり」とは何なのか? ・プロモーションは売れる仕組みを実現するための手段 |
マーケティングとは「モノが売れる仕組みつくり」
マーケティングとは何ですか?と聞かれたら何と答えますか?
「モノが売れる仕組みつくり」と即答しましょう!
そうなんです。マーケティングとは「ゲームが売れる仕組みを作ること」です。
仕組み作りですから
・お金をかけてゲームをインストールさせたり
・リアルイベントをやったり
・屋外広告をやったり
・TVCMをしたり
することはマーケティングではありません。
それは「モノが売れる仕組み」を加速させるための手段であり、その手段を一般的には「プロモーション」と呼びます。
プロモーションについては後ほど詳しく説明しますね。
【まとめ】
・マーケティングとは「モノが売れる仕組みつくり」です ・プロモーションは「モノが売れる仕組み」を加速させるための手段です |
「モノが売れる仕組みつくり」とは何なのか?
マーケティングとは「モノ売れる仕組みつくり」ということをお伝えしましたが、そうしたら「モノが売れる仕組み」とは何者なのでしょうか?
ゲームアプリを例にとると「モノが売れる仕組み」は次の3つに分解することができます。つまり、これが「マーケティングという定義」を構成する正体です。
①つくるマーケティング
新作タイトルを初めて発表した瞬間に、第一印象だけで狙っているターゲットユーザーの心を掴み
↓
ゲームアプリをインストールして遊びたくてたまらい感情が高まり
↓
オンライン、オフラインを通して誰かに情報を伝えたくなる
そういう感情と衝動を作り出す「仕組み」を持ったプロダクトを作ることを「①つくるマーケティング」と定義します。
開発プロデューサー、クリエイターといっしょにそんな状況を生み出す「見た目」「インプレッション」「シンプルに伝わる面白さ」または、それらを複合的に伝えることで期待せずにられない状態を生み出すゲーム企画、プロダクトを作ることを指します。
「つくるマーケティング」は企画書ペラ1枚から始まります。最初の企画書段階から、マーケターはかかわる必要があるのです。
②とどけるマーケティング
「つくるマーケティング」が無事につくれたら、次にやるべきことは「とどけるマーケティング」です。
この記事の通り、トロネコは最近、ラーメンで例え話ばかりをしていますが改めてゲームアプリをラーメンに例えて見ましょう。
「つくるマーケティング」で「美味しそうなラーメン」ができたら、その美味しさを食べて欲しい人(ターゲットユーザー)に対して
「適切に」「効率的に」
美味しそうに感じさせ、期待させ、一度だけでもいいので食べてもらうように、お皿に並べて演出するのが「とどけるマーケティング」の正体です。
多くのケースでは「つくるマーケティング」が不十分なのに「とどけるマーケティング」だけで問題解決しようとしているのですが、おいしくない(美味しそうにみえない)ラーメンを、どんなに演出しても「美味しそうに」はみせるのはハードルが高い話です。
もし、美味しそうに見せることに成功して、一度だけでいいので食べてもらえたとしても、「おいしくないラーメン」なので、リピーター客になってくれません。成功が継続しないのです
これがゲームアプリ運営では実際に起こっている話として次のようなものがあります。
配信初月はDAU(Daily Active users)を獲得し、MAU(Monthly Active Users)も獲得できたが、翌月以降は急激に低下し、その後、サービスが行き詰まってしまった・・・・・ |
これらは実際に運営したことがある人なら典型的な「スマホゲームあるある」ではないでしょうか。
この状況を作り出すのは「とどけるマーケティング」よりも「つくるマーケティング」ができていないところの比重が大きいのです。
ということは「つくるマーケティング」がわかって実践できれば、このような状況を回避できる確率もアップするというわけです。
③とどけ続けるマーケティング
美味しいラーメンがつくれて、美味しいラーメンの魅力を伝えられて、そのラーメンのファンがつくれたならその状態を維持、拡大していくマーケティングのことを、トロネコは「とどけ続けるマーケティング」と呼んでいます。
「とどけ続けるマーケティング」とはファンの期待を常に超え続け、飽きさせず、熱狂状態を維持し続けるということなのでゲーム内外で連携したマーケティング設計が必要になります。
シンプルに説明するならゲーム運営、ゲームプロモーションの両方が完全連携した状態で
「点」ではなく「線」で考えるゲームマーケティング戦略・プロモーション設計ができている状態が「とどけ続けるマーケティング」の正体だったりします。
「点」だとか「線」だとかトロネコは日常的にすっぱく言っていますが、それを理解するのと、実際に実行に移せるかは2段階のハードルがあります。
ほとんどの人が頭で理解はできても、実行に移せないので、これを読んでいる皆さんは是非、実行に移す努力をしましょう。
トロネコの過去記事で「線」のマーケティングは深く解説しています。
プロモーションは売れる仕組みを実現するための手段
冒頭で、マーケティングとは「モノが売れる仕組みつくり」という話をしましたがプロモーションは「売れる仕組み」を実際に実現するための手段(=施策)をさします。いわゆる宣伝とよばれるものです。
よって、マーケティング戦略がなければ、適切なプロモーションはできませんし、プロモーションを作ってから、マーケティング戦略を逆算で作るのはナンセンスです。
でも、プロモーションをつくってから、後付けでマーケティング戦略を逆算して作るようなケースは度々見かけますが、本当にこれは意味がありません。必ず下記のプロセスを厳守してくださいね。
・マーケティング戦略
↓
・プロモーション
という主従関係が必ず発生します。というわけで、改めてまとめると
・マーケティングとは「モノが売れる仕組みつくり」
・プロモーションは「モノが売れる仕組み」を加速させるための手段 |
ということが両者の違いになります。これは、基本中の基本ですから、ぜひ暗記してください。
まとめ
というわけで今回の記事をまとめましょう。
多くの場合で、いやほとんどのケースなのですが、マーケター、プロモーション担当といわれる方は、マーケティングとプロモーションの区別がついておらず、「マーケティングとは施策(プロモーション)である」と勘違いしています。
その結果、かならず施策案から話が始まり、ただやりたい施策(やるべき施策)を羅列しただけで終わっているケースがほとんどであることに驚かされます。
私はこれを「HOW思考」と呼んでおり、この「HOW思考」に毒されてしまうと、論理的思考がやられてしまい、施策ベースでの議論しかできなくなります。これは絶対にNGなのです。
なぜなら、マーケティング戦略次第で、やるべき施策(プロモーション)は大きく変わるからです。
というわけで今回はここまで!