7つのプロセスだけでスマホゲーム運営は確実に改善できる(バケツの水に例えて解説)
こんにちは
マーケティングスペシャリストのトロネコです。
アプリ配信初動では上手くいっていたのに、数ヶ月後、ゲーム運営に行き詰まってしまっった。これからどうすればいいのだろうか・・・
ゲーム運営、マーケターなら、そんな悩みの経験あると思います。
そこで今回は「スマホゲーム運営がうまくいかないと感じたときにやるべき手順書」というテーマで、何をやればいいのか7つのプロセスで簡潔にお話します。
このプロセスについて、トロネコはいつも「穴の空いたバケツ」を例にして説明しています。
穴の空いたバケツにどうやったら水を貯められるのか?
社内のチームメンバーに説明する際にも、この例えがとても伝わりやすいので、ぜひ、今回の記事を読んで頂き、チーム内で協議検討する際の説明方法としても活用していただければと思います。
最初にイメージをまとめると次のような感じになります。この例え話がゲーム運営の改善ミーティングではかなり使えます。
つまりゲームアプリ運営だけでなく、運営型サービス全般において、いかにバケツの穴を塞ぐかが最重要事項になるのです。
我々は穴の空いたバケツに、穴が空いている事も知らずに、ユーザーや顧客を誘導しているわけですね。
スマホゲーム運営がうまく行かないときにやるべき7つの手順リスト|バケツの穴を塞ぐ方法
新規ユーザーを入れても、復帰させてもユーザーが定着しない、既存ユーザーもどんどん辞めていく状態は「まさに穴の空いたバケツ」のようなものです。
バケツに穴が空いていることを見て見ぬふりをしてユーザーを入れ続けるのではなく、まずは、バケツのどこに穴が空いているのか見つけることがゲーム運営の改善において最優先となります。
①ユーザー離脱箇所を突き止める
バケツのどこに穴が空いているのか?注目しましょう。
その穴は大きいのか、目に見えないほど小さいのか?
1つあるのか?無数にあるのか?
運営がうまくいかないゲームアプリには必ずユーザーが離脱してしまう場所が存在します。
・ゲームシステム
・ゲーム機能
・ゲームフロー
・プレイサイクル
・ゲームのUI
どこでユーザーが離脱しているのか?KPIで把握することもできますし、チューニングテストを実施することでも発見できます。
開発チームで改めて遊んでみて、離脱ポイントを推測するのもいいでしょうし、SNSのクチコミや、ストアレビュー、ユーザーアンケートから推測することもできます。
おすすめなのは、上記のひとつからユーザーの離脱原因を見つけるのではなく、上記を複数組み合わせて離脱場所を探すことです。そうすることで精度の高い離脱場所を見つけられます。
②ユーザー離脱原因を明らかにする
離脱場所を見つけたら、なぜそこで離脱してしまっているのか、その場所における原因を明らかにしましょう。
例えばゲーム起動直後の「チュートリアル」で離脱者が多いことがわかったとします。
チュートリアルが離脱箇所になっているとしても、なぜ離脱箇所になっているのかその原因を明らかにする必要が次のステップとして重要です。
・チュートリアルが冗長なのか(長過ぎて辞めてしまう)
・チュートリアルが説明不足なのか(わからなくて辞めてしまう)
・そもそもチュートリアルで説明できないくらい難解なゲームシステムなのか(ゲームそのものに問題あり)
・チュートリアルが退屈でユーザーに情報が入ってこないのか(チュートリアルが楽しくない)
・チュートリアルスキップボタンをつけたことで、ほとんどの人がスキップしてしまいチュートリアルとしての役割を果たしていないのか?(よしと思って実装したスキップボタンが仇になっている)
・チュートリアル前後で追加ダウンロードやローディングに時間がかかっているのではないか?(チュートリアル以外に問題がある)
・チュートリアルの文字が小さくて読めないのか
・チュートリアルが文字だらけでとても読む気になれないのではないか?
原因らしきものをあげればきりがありません。
他にもありそうですよね・・・・・。
しかし、その原因を突き止めなければ解決策を用意することはできませんし、もし、間違ったことを「原因」としてしまった場合、間違った解決策を用意してしまいます。
チュートリアルはあくまでも例です。その他、様々な離脱場所が特定できたなら、それぞれに「原因」と思われることが複数見つけられるでしょう。
原因をリストアップしたら、その中で深刻度でソートして、どれが現状のゲーム運営に悪影響を与えているか選抜しましょう。
離脱については下記の記事が参考になると思います。
③ユーザー離脱の打ち手を講じる
離脱場所と離脱原因がわかって、その優先順位づけができたら、最後は優先順位に従って、原因を解決する打ち手を考えましょう。
あとは順番に打ち手を実行して、ひとつひとつ離脱原因を潰していく作業するだけです。
これで「バケツの穴」はふさがって、水が漏れなくなりました。水が漏れないということは、いまゲームを遊んでいる既存ユーザーは離脱せずに遊び続けてもらえている状況となります。
まずはバケツの穴を塞ぐ!これが重要です。
ターゲットユーザーがいる場所(=水源)を探す
きっとゲーム事業を始める際に、マーケティング戦略にてターゲットユーザーを明確に決めていたはずです。
もし、ターゲットユーザーって何?という状態なら別にも問題がありそうですね・・・
ターゲットユーザーはどこにいるのか?穴を埋めたバケツに水を注ぐ上での「水源」をもう一度整理しましょう。
④獲得する価値があるターゲットユーザーの居場所を突き止める
バケツの穴がふさがったら、あとは水を注ぐだけです。
水は水源から引っ張ってくる必要があります。この水源こそがマーケティング戦略で設定した「このゲームのターゲットユーザー」そのものです。
どんな水でもいいわけではありません。
もし場所が曖昧だったり、場所がわからない、悩んでいるならばそもそもマーケティング戦略が適切に作られておらず、誰に向けてたゲームアプリなのかわからない状態でゲーム運営していたということになります。
もしそのような状態であるならば、もう一度、マーケティング戦略を見直して、または修正アップデートして、ターゲットユーザーは誰なのか?明確にしましょう。
ターゲットユーザー(=水)を連れてくる(注ぐ)
水源を見つけたら、その水源から水を引いてバケツに注ぐ方法を整理しましょう。硬い蛇口もどうやったら回して、水を注げるのか?ターゲットユーザーを動かす適切な方法が必要です。
⑤ターゲットユーザーを動かす適切な手段を講じる
改めてターゲットユーザーは誰なのか、その居場所も明確になったらターゲットユーザーを動かすために適切な手段を講じるだけす。
この手段は「プロモーション」であり、当サイトでは何度もお話している
「とどけるマーケティング」「とどけつづけるマーケティング」を指します。
こちらの記事でも書いていますが、再掲すると下記の表の「配信フェーズ」「運用フェーズ」に相当する部分になります。
ただしここで重要なのは
そのターゲットユーザーを動かす上での、ターゲットユーザーにあった「とどけ方(プロモーション内容)」がありますので、適切に選ぶ必要があります。
バケツには穴は開いていませんので、適切な届け方ができればバケツに水が溜まっていきます。しかし適切な届け方ができなければ、バケツに水が入らず溢れてしまうのです。
よって、適切な届け方ができない場合はバケツの周囲に水浸しになってしまい、バケツになかなか水が溜まらないのです。
水の温度管理をする(=ユーザーのモチベーション熱量コントロール)
穴を塞いだバケツに水を注げることができたら、温度管理が重要になります。沸騰させてもダメですし、冷めてしまってもダメ。
バケツという器に対しての適温を維持することが、バケツという器の寿命を長く維持することができます。ゲームに例えるならば獲得したユーザーの熱量コントロールがこれにあたります。
⑥獲得したユーザーのインストール直後の熱量を維持する
温度が低いと水は氷になってしまいますし、高すぎると蒸発してなくなってしまいます。
ユーザーは獲得したらそれでおしまい、ではなく、温度管理が重要です。つまり熱量コントロールが重要というわけです。
いまゲーム運営がうまく行っていないなら、ユーザーを冷めさせてしまったり、もしくは怒らせてしままっているようなゲーム運営をしている可能性はあります。
獲得したユーザーに対して適切なゲーム運営ができているのか?確認しましょう。
⑦獲得したユーザーの熱量を維持し続ける
下記の記事でも書いていますが、インストールから30日を超えてくると継続率は安定してきます。つまり極度な離脱はなくなってくるというわけです。
そうすると既存ユーザーに対する意識は薄れがちなのですが、獲得したユーザーの熱量も維持し続ける必要があります。
バケツという器(=ゲーム)に対しての適温を維持(ユーザー熱量維持)することが、バケツという器(=ゲーム)の寿命を長く維持することができます。
まとめ
今回ご紹介した「スマホゲーム運営がうまく行かないときにやるべき手順リスト」は課題発見と解決における基礎的な考え方になります。
さらに突き詰めていくと、マーケティング戦略の見直しも必要ですし、マーケティング100リストで列挙しているような細かい項目も実施する必要があります。
ただし、チームの中で課題感を共有し議論を深める上で「穴の空いたバケツ」の考え方は非常に役立つため、ぜひゲーム運営の現場で活用してください。
もしゲーム運営についてお悩みがございましたらメール、またはLINEチャットで気軽に無料相談できる「トロネコのカベウチ」をご利用ください。
少しでも皆さまのお役に立てれば幸いです。