こんにちは
マーケティングスペシャリストのトロネコです。
どんなゲームアプリでもサービスが続いている限り毎年必ずやってくる
そのゲームアプリにおける絶好の商戦期であり、盛り上げタイミング
それがアプリの配信日=周年タイミングになります。
でも多くのゲーム運営の現場では
計画的に、戦略的に周年キャンペーンが実施されることはありません。
ちょっと信じられない話だと思うかもしれませんが、多くの現場では
その場凌ぎで、間に合わせるだけの周年キャンペーンが実施されています。
もう来月は1周年キャンペーンの時期じゃん
なんとか、今から施策考えないと
みたいな感じ。
(これは、ちょっと極端な例ですが、これに近い事が多くの現場ではみられます)
このような状況ではゲーム事業はうまくいきません。
ならばどうすればいいのか?
今回の記事では実際にトロネコがやってきた「スマホゲームアプリ周年記念プロモーションの作り方」を全部解説します。
周年タイミング、周年キャンペーン、周年アニバーサリーとは何か?
そもそも「周年」とは何か?
1周年、2周年、3周年・・・・ゲームアプリのサービスが続く限り、毎年、配信日が周年記念日としてやってきます。
まずはここを適切に理解する必要があります。
いきなりですが質問です。
「周年」の役割と効果とは何なのでしょうか。
売上を作ることですね!
だって周年タイミングでは売上があがりますから。
あとはMAU、DAUを獲得することですね。
多分、多くの人がこのように答えるかもしれません。
でも、これは正しいようで、実は正しくはありません。
あくまでも売上やDAU、MAUは周年タイミングにおける目先の目的に過ぎません。
周年タイミングについて定義するなら次の通りになります。
実は周年キャンペーンなどは、その場の売り上げやKPIを獲得することが本当の目的ではありません。
これまで1年かけてやってきた事の結果が出るタイミングであり、これから1年後もサービスを運営していくための未来に向けた貯金を作る事なのです。
このように定義すると「周年」に対する見え方が違ってきますよね
でも周年タイミングには良いこともあれば、悪いこともあるのです。
多くの人が周年アニバーサリーを点で捉えがちなので、その瞬間のためだけにプロモーション設計をして、その瞬間をやり過ごす事だけに注力しがちです。でも、これは間違いなのです。
ざっくり周年アニバーサリーの役割イメージをまとめるとこんな感じです。
どう盛り上げて、周年でピークを作り、そこから減衰を最小限に抑えつつ
新たな課題を解決しながら翌年の周年アニバーサリーに繋いでいくか?
周年アニバーサリーは、リレーでバトンを渡して繋いで行くようなものです。
周年アニバーサリーのタイミングをどうやるか?どう生きるかで、
これからの未来はポジティブにもネガティブにも作用します。
例えばこんな感じです。
ポジ | ユーザーの期待値が高まり、アクティビティが上がる(新規復帰ユーザーが1年の中で最も獲得できる) | ||||||||||
ネガ | ユーザーの信頼を失い、以降のアクティビティが下がる(既存ユーザーにとって1年の中で最も離脱につながる) |
つまり、うまくいけば成果も得られるけど、その一方で、ユーザーの期待値が自然と高まるタイミングでもあるので、ちょっと間違えると深刻な事態を引き起こし、そのゲームの寿命を縮めてしまう恐れがあります。
そう考えられると「もう来月は1周年キャンペーンの時期じゃん
なんとか、今から施策考えないと」みたいな姿勢で臨むことはできませんよね
なぜ周年は盛り上がるのか
周年施策は平常時と比べても盛り上がります。
同じような施策として「半周年記念(ハーフアニバーサリー)」や「運営100日記念」「運営1000日記念」みたいな切り口で記念施策を実施するゲームも多いのですが、売上もKPIも明らかに見劣りするのは皆さんもご存知でしょう。
なぜ1周年、2周年といった周年施策が盛り上がるのでしょうか?
それは長い時間をかけてユーザーの潜在意識に刷り込まれた
1周年だから、きっといいこと、楽しいことがあるよね?あるよね?
といった期待感という感情によるものが影響を与えています。
周年タイミングとはそのゲームアプリの配信日=誕生日なのです。「友達の誕生日はお祝いするもの」という意識も影響していると思われます。
一方で、「半周年記念(ハーフアニバーサリー)」や「運営100日記念」「運営1000日記念」は、ゲーム会社によって意図的に作られた記念日です。
ユーザー感情を言い換えるなら
「ゲーム会社都合で作られた記念日をお祝いしろ、と言われても、そんな気分になれない」
といったところでしょうか。
ここはそう感じさせないテクニックもあるのですが
意図的に作られた記念日であることを感じさせてしまうと、気持ちが萎えてしまいます。その結果、むしろネガに働くこともあるので注意が必要です。
一方で
「周年タイミングはユーザーの心の底から自然と湧き上がってくる期待値に溢れている」
といってもいいでしょう。
仮に周年キャンペーンというものがゲーム会社都合で作られたキャンペーンだとしても、その愛するゲームの誕生日であることには間違いないからです。
スマホゲームアプリ周年記念プロモーションの作り方
ここから実際のスマホゲームアプリの周年記念プロモーションの作り方、設計方法について解説していきます。
そのためには、まず周年記念のプロモーション設計を行う上でのスケジュールを知る必要があります。
周年プロモーションのスケジュール設計
周年プロモーションのスケジュールについては「理想」と「現実」の2種類が存在します。
多くのゲーム会社は、周年キャンペーンが終了すると、そこで一息をついてしまいます。
そして、そのまま放置して、気がついたら1年経過して、2周年記念の対応に慌てるわけです。
しかし、例えば1周年キャンペーンの結果、多くの成果と反省と今後の課題が見えてきますよね?
うまくいかなかったこと、うまくいったこと、今後のゲーム内外の課題・・・・
いろんなやるべきことが見えてくるはずです。
そして、それら課題を解決するためにはゲームアプリ内の改修が必要なことが多いのです。
獲得したユーザーが維持できず離脱したり、課金が回らなかったりする原因のほとんどはゲームアプリの中にあります。
よって周年キャンペーンが終了したら「振り返り」を行い、1年後の2周年に向けた対応を取っていきます。
何を伝えたいのか?というと
「周年タイミングが終わった瞬間から、1年後の周年に向けた仕込みが始まる」
ということです。
なぜなら周年とは
これをぐるぐる繰り返していくことで、ゲームの寿命を延命することができるからです。
もう来月は1周年キャンペーンの時期じゃん
なんとか、今から施策考えないと
みたいな感じでは、全くダメなことがわかると思います。
今、できていないなら、できるところから変えていきましょう。
余談ですが
周年キャンペーンって開発とマーケ、宣伝、プロモーションが一緒になって、ゲーム内外セットで設計する施策です。
開発だけ、とか、マーケ宣伝だけで、やるキャンペーンではありません。
そして、結局のところ
ゲームってゲーム本編が全てなので、いくら外側のプロモーションで色々やっても、ゲーム本編が解決できなければうまくいきません。
つまり、ゲーム内外がセットで毎年やりきる必要があります。
これって、当たり前のことですよね?
でも、実際の現場ではこんな声を開発とマーケ宣伝の両方から多く耳にします。
・時間がなくて開発が対応できない
・ゲーム運営主導で毎年やってる周年施策のガワガエを今年も実施するしかない
・他の仕事が忙しくて毎年着手するのが遅くて何もできない
これって、全部、自分たち(開発とマーケ宣伝)が無計画であり、何も考えていないことにすぎません。
だって周年施策なんて準備期間に1年もあるのですから。
同じゲーム会社なのに、ワンチームで動けていない・・・
組織の壁を意識して、遠慮して、自分じゃできないし、自分がやることじゃないと思っていたりしませんか?
まずは、ここから変えていきましょう!
マーケティング戦略をアップデートしよう
スケジュールの把握ができたら、周年タイミングに向けてマーケティング戦略をアップデートしていきます。
まだ、オリジナル版のマーケティング戦略が適切に作れていないなら下記で解説していますので作りましょう。
ここで重要なのは周年施策に向けて獲得、維持したい3つのユーザーの状況を把握する必要があります。
ユーザーとは「新規ユーザー」「既存ユーザー」「離脱ユーザー」の3つです。
新規ユーザー
|
市場残数 | 獲得可能な自社タイトルのターゲットユーザー | |||||||||||
属性 | 周年タイミングで獲得可能な新規ユーザーペルソナ(新規ユーザーの再定義) | ||||||||||||
獲得課題 | 獲得のハードルになるもの。この1年間で獲得できなかった原因 | ||||||||||||
既存ユーザー | 周年タイミングで自社タイトルに対する満足度を上げ、次の1年も遊んでもらう決意につながるもの | ||||||||||||
離脱ユーザー | 辞めた原因、もう一度振り向かせるきっかけ、復帰後の定着に必要なこと |
これら3つのユーザーの状態を把握し、どのユーザーに注力すべきか、どのように対応すべきか、考えてください。
考えた結果が、次の周年タイミングにおける「マーケティング戦略の柱」になります。
「新規ユーザー」では、市場における獲得余地のある残存ユーザー属性を整理します。まだ獲得できる余地があるのか?長期運営タイトルの場合は、獲得余地が難しい場合もあるため、「新規ユーザー獲得に注力しない」という「マーケティング戦略」もあり得るのです。
「既存ユーザー」についてはコンディションを把握して、どうやったらこれからも遊び続けてもらえるのか?離脱ユーザーになってしまいそうな課題はないのか?整理して、対策を洗い出します。
最後に「離脱ユーザー」は辞めたユーザーの離脱原因と復帰に必要なことを洗い出します。
こうやって分析をすると「ゲーム内」「ゲーム外」で考えられる対策法と
そこにかかるお金、時間、労力と、そこまでかけることで見込める効果も整理できます。
整理できたら下記の「マーケティング戦略フォーマット」をアップデートしましょう。
これによって、次の周年タイミングまでに何をすべきか?どのユーザーを攻略するか?その結果、プロジェクトの最終目的を達成できるか?
といったことが整理できます。
マーケティング戦略のアップデートができたら、周年施策の半分はできたようなものです。
あとは実際のプロモーション設計をしていきます。下記にてフォーマットがあるので、こちらを活用してください。
やらなければならないこと、優先順位をコストと労力で整理する
マーケティング戦略のアップデートをすると、やらなければならない課題が明確になりますので、やらなければならない対応事項も見えてきます。
しかし、実際のところ物理的に対応が難しい場合もあります。
周年タイミングが終わった瞬間に「振り返り」を行い、次の周年タイミングに向けたゲーム内改修に着手すれば多くのことは対応可能かもしれませんが、実際には多くのゲームアプリのおいて
「ゲーム内の改修が行われないまま周年タイミングを迎えているケースが多いのです」
そもそもユーザーが離脱する原因のほとんどはゲーム内にあります。それを解決せずに周年タイミングを迎えることは、自らゲームの寿命を縮めてしまうようなものです。
なぜなら当記事の冒頭でも触れましたが周年タイミングとは次のようなポジ、ネガが存在するからです。
ポジ | ユーザーの期待値が高まり、アクティビティが上がる(新規復帰ユーザーが1年の中で最も獲得できる) | ||||||||||
ネガ | ユーザーの信頼を失い、以降のアクティビティが下がる(既存ユーザーにとって1年の中で最も離脱につながる) |
ゲーム内の改修を行わないまま、ユーザーの不満や離脱原因を解決しないまま周年を迎えることで、ユーザーの信頼を失い、ゲームの寿命は縮まります。
でも、そんなことを言っても
現実的にできることと、できないことがあるよ
もう、周年タイミングは再来月なんだよ
というケースも多いと思います。
よってここで重要なのは
大なり小なり・・・いろんな課題を全部解決しようとせず、現状を大きく変えるために、何をすべきか?優先順位を決めましょう。
多くの現場では、「1周年記念リニューアル!!!」と言いながら、小さい修正対応、小さいキャンペーンの寄せ集めにすぎず、ユーザーの心を動かせないケースをよく見かけます。
配信日=周年タイミングであることを理解して配信日を決めよう
マーケティングシートやプロモーションシートのフォーマットも公開していますので、ここまでの話で周年施策の設計方法やプロセスについて、大体理解できたと思います。
最後に一つだけ、これから配信を迎える新作タイトルを担当している皆さんにアドバイスがあります。
何気なく決めている新作ゲームアプリの配信日ですが
その配信日は1年後には1周年タイミングとなってやってきます。
これはどういうことなのか?
・年末年始など、世の中の商戦期を配信日にすればTVCMや広告のコストは割高になります
・社内の他のタイトルと周年タイミングを重複させることで社内競合が発生します(具体的には予算獲得はもちろん、限りある社内リソースの奪い合いが生じます)
・ユーザー属性が近い他社競合タイトルと周年タイミングが同じなら、毎年ユーザーを激しく奪い合う戦いが続きます
そう考えると、そもそもの話としてゲームの配信日は、ちゃんと考えるようにしましょう。
ただ開発が終わったから逆算して配信日を決めたり、会社の売上の都合だけで配信日を決めたり、もしくは何も考えず適当に決めることで、1年後、あなたは後悔します。
そしてそのゲームが長く続く限り、2年後、3年後・・・・・あなたが担当を外れても未来の担当者が苦労します。
まとめ
今回はゲームアプリの周年プロモーションの設計方法について解説しました。
とはいえ、まだマーケティング戦略も作れない状況で、適切な周年プロモーションを作ろう!というのはハードルが高い!
という人もいるかもしれません。
そんな時は周年プロモーションにおけるマーケティング戦略策定、施策設計までトロネコがお手伝いします。
どうぞお気軽にトロネコまでご相談ください。
というわけで今回はここまで