【汎用性/再現性あり】低工数・低コストですぐにできるDAUやMAUを上げる具体的な方法

ゲーム開発

こんにちは

マーケティングスペシャリストのトロネコです。

 

ゲーム業界でマーケティングの仕事をしていると次のような要望を頂くことが結構あります。

そんなこといいので、手っ取り早く、DAUを上げる施策を教えてよ

誰もが工数をかけず、低コストで、即時的にDAUを改善する方法を求めています。

 

これ、実際に方法があります。

でもKPI上の数字だけ瞬間的に改善したように見えても

売り上げは上がらないし

すぐにDAUは戻ってしまうし

むしろDAUが悪化してしまうケースもあるので

トロネコとしては推奨していません。

 

それでも、なお、即時的なDAU改善が期待できる方法をゲーム業界は求めているのは事実です

そこで、今回はあまり推奨はしないのですが、低コストで確実にDAUが改善する方法をご紹介します。

ただし、繰り返しますが

本質的なDAU改善にはつながらず、これだけでは売上も上がりません。

よって、DAUを下げている本質的な問題の解決とセットで活用することを大前提としてください。

そうすれば今回紹介するDAUを改善する方法も価値があります。

DAUを構成する要素について理解しよう

その前にDAUとは?何から構成されているのか?理解しておきましょう。

DAUを構成するものは何ですか?

と聞かれたら、皆さんは答えられますか?

DAUは次の3つのユーザーから構成されています。

それぞれユーザー属性が異なりますので、DAUを維持したり、改善するには

そのゲームタイトルにおける3つのユーザー属性を理解した上での対応が求められます。

DAU 新規ユーザー
既存ユーザー
復帰ユーザー

下記でも詳しく解説していますので、すでにご存知の方も多いと思います。

 

しかし、もう一歩踏み込んで分析すると次のようになります。

ユーザーの種類 実質的なDAU 見せかけのDAU
DAU 新規ユーザー
既存ユーザー
復帰ユーザー ×

◎◯△×はそのユーザーの価値を表しています。

価値とはゲームアプリ事業を成功させるための方程式

継続モチベーション(継続率/RR)×課金モチベーション(課金率/ARPPU/ARPU/LTV)

に相当するものと考えてください。

注目して欲しいのは「実質的なDAU」と「見せかけのDAU」が存在するという点です。

どういうことかというと

維持、獲得する価値が低いDAUというものが存在するという点です

DAUを改善させたのに、すぐに元に戻ってしまった・・・

それってコストをかけて獲得するべきDAUだったのだろうか?

とか

DAUを改善させたのに本質的な課題を解決できておらず、元に戻ってしまった

それって課題の解決もセットでやるべきだったよね

みたいなことを指します。

 

実際にこんな事があります(特定のゲームのことではなく、あくまでも参考までのイメージの話です)

過剰なログインボーナスでゲーム内通過を大量配布していたので、DAU 10万を維持していたけど、ログインボーナスをやめたらDAU5万になったけど、むしろ売上が上がった

 

下記でも詳しく解説しています。

 

前置きが長くなってしまいましたが、今回のDAU改善方法で確実にDAUは改善します。

ただし、DAUが改善したからといって、実際にゲームを遊んでいるとは限りません。

むしろやり方次第では売上が悪化する場合もありますし、いくらか工数やコストはかかるので、無駄な労力になってしまい利益率が悪化する場合もあります。

とはいえ、単発的にすぐにDAUを改善したいと思う人も多いと思いますので即効性のある方法についてお話します。

ただし、繰り返しますが

DAUを本質的に下げている「課題」を必ずセットで解決して実行してください。

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【汎用性/再現性あり】低工数・低コストですぐにできるDAUやMAUを上げる具体的な方法

ゲーム内外で実行できるDAUを即時的に改善する施策の考え方=汎用的なフレームワークをご紹介します。

基本的にサービス運用中のタイトルを想定して書いています。一般的なログインボーナスなど既に定番化している機能については触れません。

 

皆さんのゲームアプリの事情に合わせて適正なものを選んでいただき、DAU改善施策のヒントとしてご活用ください。

※ちなみに実際にこれら機能を実装しているゲームアプリも世の中にはみられますが、ここではあえて個別タイトル名については触れませんのでご了承ください。

ゲーム内(工数低め)

連続ログインボーナス|期待効果:★★★★★

一般的なログインボーナスはログインした回数に応じてスタンプを押して、アイテムをもらっていくことになります。

つまり、1日も逃さず毎日、ログインしなくても、アイテムはいずれもらえるログインボーナスが多いのですが、連続ログインボーナスとは

連続して毎日ログインをしないとアイテムがもらえず

途中でログインが途切れてしまうと1日目に戻ってしまいやり直しになるものを指します。

 

これによって毎日ログインしたくなる「動機」を作り出すことができます。

さらに連続ログインボーナスをすることでもらえる報酬がアップしていくことで

毎日ログインしたくなる「動機」をさらに高めることも可能です。

ログインボーナス起因によるコレクション要素|期待効果:★★★★★

ログインボーナスをただのログインボーナスではなく、ビンゴカード形式にして、特定のビンゴの数字が開いていく方式にすることで

毎日ログインしたくなる「動機」をさらに高めることも可能です。

ビンゴを揃える楽しさ

ビンゴが揃うことで、豪華報酬がもらえる

といったコレクション要素を加えるイメージです。

次回ログインするもらえるアイテムの予告|期待効果:★★

ログインボーナスを付与する際に次回のログインでもらえるアイテムを事前告知することで、次回もログインしようと思うモチベーションを上げることは可能です。

この機能は結構多くのゲームアプリでもみられるようになってきています。

連続ログインと連携した無料ガチャ|期待効果:★★★

最近は1日1回で無料ガチャがあたりまえに回せるゲームアプリも増えましたが

連続ログインをすることで、無料ガチャがさらに回せる、もっと豪華になる!

といった

ログインボーナスとの連携ガチャはDAU維持に効果があります。

おみくじ機能|期待効果:★★★★★

ゲームとは全く関係ない機能として

毎日ゲーム機同時に「大吉」「中吉」「末吉」といった一般的なおみくじをひける機能を実装します。

おみくじの結果、何かしらゲーム内アイテムなどの報酬がもらえる必要はありません。

ゲームはしないけど「おみくじを引く」という習慣を植え付けることで、ゲームを起動させる「きっかけ」を作り出します。

これによってDAUは明らかに維持できますが、一方で、おみくじを引いたらゲームを終了してしまう場合もあるので「見せかけのDAU」になりがちなので対策が必要です。

版権キャラクターの力が強いゲームほど効果は見込めます。

ルーレット、スロット機能|期待効果:★★★

ログインボーナスをルーレットやスロットゲーム形式にして、

何が当たるかわからない「ギャンブル性」を付加することでDAUを維持する方法です。

これによってDAUは明らかに維持できますが、一方で、スロットをましたらゲーム終了、またはスロットをまわして良い結果が出なかったらゲーム終了になる場合もあるので「見せかけのDAU」になりがちなので対策が必要です。

デイリークエスト|期待効果:★★★★

デイリークエストを実装しているゲームアプリは多いのですが、ここでのデイリークエストはゲーム起動タイミングに、その日、その瞬間しか遊べない「遊び」を追加する方法です。

「今日のお題」「今日の限定ステージ」みたいな

希少性、特別感を演出することで

ゲーム本編は遊ばないけど、今日のお題だけはやっとこうかな

といったモチベーションを習慣化させることでDAUを維持します。

一方で、本編を遊ばず、今日のお題をプレイしたらゲームを終了してしまうリスクも高いため「見せかけのDAU」になりがちなので対策が必要です。

当日限定デイリーミッション方式によるアイテム付与|期待効果:★★★

これも最近増えている機能の一つです。

ゲーム運営側が毎日ユーザーにやって欲しいことをリスト化して提示し

それだけは最低限やってもらえれば、それに応じたアイテムがもらえるというデイリーミッション形式によるアイテム付与になります。

ポイントは

その日でしかもらえない限定感があるという点です。

曜日によってもらえる内容が異なっていたり(例えばもらえる素材の属性が異なるなど)することで、毎日は無理でも特定の曜日だけはログインを促すことが可能です。

ゲーム以外でゲームを起動する理由付け|期待効果:★★★

ゲームを遊ばなくても、とりあえずゲームを起動してもらおう!

という考え方を突き進めると

ゲーム以外でゲームを起動する動機付けを行う方法もあります。

代表的なのは毎日1話、無料でゲームアプリ内で漫画が読める

といったものが挙げられます。

これは漫画である必要はありません。方法は問わないのでゲーム以外にもゲームアプリを起動したくなる「理由づけ」をユーザーに与えられるかがポイントです。

アプリプッシュ告知|期待効果:★★★

あまり活用されていませんが、ゲームアプリのプッシュ機能もDAU維持に効果的です。

やりすぎると嫌われる

そもそもアプリのプッシュ機能をオンにしてくれるユーザーが少ない

といった課題がありますので

ここを解決する設計を盛り込む必要はあります。

ゲーム内(工数やや高め)

サブスク機能への加入|期待効果:★★★★★

ここからは、ちょっと工数がかかりますが明らかにDAU維持・改善効果がある施策もご紹介しましょう。

サブスク機能の導入によって、既存ユーザーをサブスクに誘導できればDAU維持は期待できます。一方でサブスク加入ユーザーがサブスクを解除する判断をするような事態になるとDAUは下がってしまいますので「サブスクをやめさせない施策」もセットで行う必要があります。

これについては下記でも詳しく解説しています。

時限ミッション・ピークタイムの誘導|期待効果:★★★★★

例えば毎日20時に時限ミッションが実施される

といった特定時間にアクセスを集中させるようなピークタイムを作り出すゲーム内機能もDAU維持には効果的です。

デイリーベースである必要はありません

例えば、そのゲームのターゲットユーザーの可処分時間に相当するタイミングが毎週土曜日の20時なら、毎週土曜日20時限定で実施してもいいのです。

どこまでユーザーのゲーム起動モチベーションを高められるかがポイントになりますので、ゲーム内容と密に連携したゲーム開発が必要になります。

ゲーム外(工数低め)

ゲーム外の施策にも明らかにDAU改善に効果がある施策がありますのでご紹介しましょう。

LINEプッシュ告知|期待効果:★★★★★

事前登録タイミングからLINEにユーザーを誘導して

アプリ配信後もLINEに既存ユーザーをプールできているタイトルならば

LINEプッシュはDAUを即時的にアップできる施策です。

ポイントは

LINEプッシュのバナークリエイティブを「ボタン形式」にして、いますぐタップしたくなるようなクリエイティブを作ることです。

クリエイティブはもちろん、いますぐ起動したくなるゲーム内情報がセットで必要です。またLINEプッシュの場合は送った直後にDAUが上がりますので、ターゲットユーザーがすぐに遊べる可処分時間も考慮する必要があります。

スマホHOME画面上のアプリアイコン変更|期待効果:★★★★★

スマホ端末上のアイコンが変わると、ユーザーはタップしてゲームを起動したくなる習性があります。

HOME画面上のアイコンも、言い換えれば「広告バナー」のようなものです。ユーザーのプレイモチベーションを上げることを意識したデザインを行うことで即時的なDAU改善が可能です。

ただし、回数を重ねることで効果が明確に下がりますので

頻発はせず、最後の奥の手として考えた方が賢明です。

まとめ

今回、汎用性のあるDAUを改善する方法についてご紹介しました。

もう少し踏み込むと

「ゲームのターゲットユーザーの属性によって、DAU改善に効果がある方法は大きくバラツキがあります」

例えば、パズルゲームと戦略シミュレーションゲームではターゲットユーザーが全く異なるように、ユーザー属性が異なればDAU改善に効果がある方法も異なるというわけです。

つまり

今回紹介した改善施策のどれをベースにして、どのようにカスタマイズして、DAU改善効果を期待するかは

どれだけ自社のゲームタイトルのユーザー属性を理解しているか?に大きく影響を受けます。

もし、本気でDAUを改善したい!と思うなら

まずは自社のゲームユーザーの属性を徹底的に分析して解明しましょう。

わからない場合はトロネコがお手伝いしますのでお気軽にご相談ください。

というわけで今回はここまで!