こんにちは
マーケティングスペシャリストのトロネコです。
今回はこれからゲームアプリ配信を控えているゲーム運用担当者、ゲームマーケター必見のゲームアプリ配信日から1週間以内(7日間)にやることリストをまとめてみました。
直近でアプリ配信を控えている人にとっては
いまさら、そんなこと言われても対応できないから意味ないよー
という声が聞こえてくるかもしれませんがそこは本当に申し訳ないです。
もっと早く、この記事を書くべきでした・・・。
明日、ゲーム配信なんです!
という方にとっては
あまりお役に立てない部分もあるかもsりえませんが、できる範囲で活用してみてください。
一方で、
まだ配信日まで時間があります
という方は、検討するだけの価値がありますので、ぜひ参考にしてみてください。
これからゲーム開発をする段階です!
という方は、今回のやることリストから逆算して施策を設計して、仕込んでおくと配信7日間の継続率を大きく改善することができます。
そしてゲームアプリは配信から7日間が、そのゲームの運命を決めるといっても過言でないくらいに重要なフェーズだからです。
なぜ、配信から7日間がそれほど重要なのか
それは下記の記事でも書いていますが
アプリ配信翌日に半分のユーザーが辞めるからです。そして7日後には70%くらいのユーザーが辞めてしまいます。
ここで辞めたユーザーは、もう一度戻す事も可能ですが、その多くは2度と戻ってこないユーザーになります。
そして下記の記事でも書いていますが、ここで辞めてしまったユーザーの価値は、通常時に獲得できるユーザーより何倍も価値があるのです。
よって、ゲームアプリ配信初動に獲得したユーザーを
「辞めさせない」「維持する」ことができるか否かが、その新作ゲームアプリの運命を決めると考えてください。これは事実なので、ここができるゲームだけが生き残れます。
アプリ配信7日間におけるユーザーの離脱を軽減することができれば1か月後、1年後、5年後の売上やKPIを大きく変えることができるのです。
今回ご紹介する内容はトロネコがゲームマーケティングをやるときは、必ず検討して、対応を考えている項目です。
とはいえ、あくまでもざっくりとまとめていますので、その点はご了承ください。
また、今回の配信日は木曜日開始としてます。
その理由は下記でも書きましたが、イノベーター理論に基づくと
ストア掲載を踏まえて木曜日が、タイミングとしては良いと考えるからです。
ちなみに家庭用ゲームソフトの多くも木曜日発売だったりしますね
(それには理由がありますが、今回はここでは詳しく触れません)
木曜日配信をしないスマホゲームや、ゲームジャンルや内容によってはカッチリはまらないゲームもあると思いますので、その場合は、今回のリストの項目を入れ替えてみたり、考え方について参考にしてください。
ちなみに、「イノベーター理論」の話がでたので、アプリ配信日から7日目までの、イノベーター理論による波及イメージをまとめると次のようになります。
トロネコが30秒で作ったすごく雑な絵で申し訳ないのですがw
配信日から配信7日後までに波紋を広げていくイメージです。
配信初週の土日3日~4日のタイミングで、もっとも遊ばれている状態をつくりそこから、さらにインストールを加速させ、配信7日後に大きなトレンドをつくるイメージが伝われば幸いです。
そのためにゲーム内外で必要なことを時系列に「考えることリスト」として、今回まとめてみました。(考え方のヒントなので、施策ベースまで踏み込んでいないのでご了承ください)
【ゲーム開発者+マーケター必見】スマホゲームアプリ配信日から1週間以内にやることリスト【継続率をあげる方法】
1日目:配信日(木曜日)
【目的】初動インストールを加速させよう
事前登録者への配信開始通知
あなたの担当ゲームにおける事前登録者に対する最適な配信時間は?配信したよと通知するべき時間は?
さらに、事前登録媒体によってもタイミングが違います。タイミングを考慮せずに、ただ配信告知をするのは勿体無い話です。
「ユーザーの可処分時間を考慮した通知を行いましょう」
初動でインストールすると良いことがある施策
事前登録キャンペーンの報酬設計次第で、初動でインストールする理由をつくれます。初日でゲームをインストールしたくなる「きっかけ」「モチベーション」を盛り込みましょう。
最近は事前登録や新作ゲームアプリの配信は「ありふれたこと」になっていますので、その中で、あなたのゲームを遊ぶ理由付けは重要です。
初動インストールユーザーの状態を把握する施策
アプリインストール直後にユーザーの状態を把握する仕組みを実装しましょう。ユーザーの状態を把握すれば、離脱しやすい6、7日後の打ち手に使えます。
継続プレイを決意させるコンテンツ
下記の記事でも書いていますがサブスクリプション課金は効果が期待できます。
初動離脱要因を解決するコンテンツ
チュートリアルだけでなく、初動における離脱要因を解決するコンテンツを用意しましょう。チュートリアルを用意しただけではユーザーが離脱してしまう原因を解決することはできません。
あなたのゲームタイトルにおけるユーザーの属性は?
それらユーザーがゲームを初動でやめる原因は?
それらを洗い出し、事前に解決するコンテンツ(打ち手)を用意できるかが重要です。下記にて想定される離脱理由を書いていますので参考にしてみてください。
人間関係に基づいた辞められないコンテンツ
リアルな友達を誘ってインストールしたくなる仕組みを考えましょう
リアルな人間関係の「つながり」に踏み込んだコンテンツや仕組みを用意するとユーザーが辞めにくい状況をつくれます。
このゲームつまんない!
でも上司が遊んでいるから辞められない!
つまんないと思っていたけど、遊んでいるうちに面白くなってきた
事実、こんな話もあるからです。
最強の離脱防止効果は「人間力」であり「人間関係」なのです。
2日目(金曜日)
【目的】初動インストールを加速させる、継続率をあげる
アプリストアの注目枠掲載掲載
アプリストアの注目枠掲載に向けた事前交渉、ストアレビュースコアをあげる方法を事前に考えておき、2日目に実施しましょう。
アプリストアの注目枠に掲載されることで新規ユーザー獲得が見込めます。しかし、アプリストアの注目枠に掲載されるためには
・一定のゲームレビュースコア
・ゲームアプリの機能実装や最新OSへの最適化
・プラットフォームへのアプローチや交渉
などが必要になります。ゲームアプリの機能実装や最新OSへの最適化や、プラットフォームへのアプローチや交渉ができていても、ゲームアプリ配信直後のストアスコアが一定スコアに達しなければ、それまでの努力は全て無駄になってしまいます。
ゲーム障害やゲームがとことん面白くなければアプリスコアは伸びませんが、ゲーム障害がなくて、ゲームが面白くてもアプリスコアが伸びない場合もあります。その多くの原因はレビュー数の少なさによって、低スコアの全体スコアに対する影響力が大きくなってしまうことにあります。
どんなゲームでも低スコアをつけるユーザーは一定量存在しますので、アプリスコアをあげるためには、一定量のスコアレビュー数を稼ぎ、低スコアをつけるユーザーの影響力を下げる必要があります。
打ち手としてはゲーム内レビューの場所設次第でレビューの内容やスコアは大きく変わります。
無料ダウンロードランキング上位ランクインを目指す
無料ダウンロード上位にランクインに必要なダウンロード数は?
無料ダウンロードランキングから期待できる副次流入数は?
これらを算出することで必要な施策量、施策タイミングも算出できます。以前と比べると無料ダウンロードランキングからのユーザー流入数は非常に少なくなりましたが、それでも見過ごせないものがあります。
セールスランキング上位ランクイン
セールスランキング上位にランクインに必要な売上は?
セールスランキングから期待できる副次流入数は?
これらを算出することで必要な施策量、施策タイミングも算出できます。
売上上位のゲーム=人気があるゲーム
というイメージがありますので、遊んでみる「きっかけのひとつ」として使えます。
3日目(土曜日)
【目的】初動インストールを加速させる、継続率をあげよう
土日までにインストールすると良いことがある施策
事前登録からのインストール転換率アップする施策を考えましょう。
事前登録ユーザーは必ず配信週の土日までにはインストールさせるようにしてください。なぜならイノベーター理論においてキャズムを超えて、大きくユーザーを伸ばすためには日曜日にDAUを最大化させる必要があるからです。
土日にゲームにログイン、プレイする理由付け施策
土日にそのゲームをプレイしたくなるコンテンツや仕掛けがあると、キャズムを超えるための後押しとしても使えます。
また、土日は多くのユーザーにとってゲームプレイの時間が取りやすいタイミングです。ここで遊んでもらう事はユーザーの継続率、離脱率にも影響します。
4日目(日曜日)
【目的】いちばん遊ばれている状態をつくり、情報拡散させよう
DAUの最大化。日曜日夕方から夜にかけてみんなが遊ぶイベントをつくろう
土日にゲームを遊んでいる状態を最大化しましょう。
最初の日曜日にDAUを最大化することが、イノベーター理論の記事でも書きましたがヒットを仕掛けるポイントになるからです。
ユーザーはどんどん辞めていきます。アプリ配信初動は何もしなくてもいい、実装されているコンテンツだけ遊んでいればいい、という考え方ではなく
配信初週の日曜日にどれだけ遊んでもらえるかで全てが決まります。
ゲームを遊んでいる熱量をゲーム外に対して拡散するコンテンツを実装しよう
理論上、最初の日曜日はそのゲームでもっとも遊ばれているタイミングになります。(もちろん、そうじゃないケースもあります。)
ゲームの中で遊んでいるユーザーの熱量をゲームの中で留めず、外部に伝える方法、仕組み、コンテンツを実装しておきましょう。
ユーザーが楽しんでいる情報を外部に伝えることで、新たなユーザーを連れてくることができるからです。
この熱量の外部伝播は「クチコミ」という言葉でも言い換えられます。
ゲームを遊んでいる人の熱量を自然な形で外の世界に伝える方法は?
友達招待?Twitter連携によるトレンド入り?
別途、バイラルコンテンツとの連動施策?
いろいろ方法はあります。
友達を誘いたくなる、クチコミを後押しする施策
もっとも理想てきな方法は、このゲームを遊んだユーザーが、自然的な感情のもとで知り合いをゲームに誘いたくなる行動を起こすことです。
赤の他人ではなく、知り合いからのお誘いほど強力なユーザー獲得施策はありません。
「友達にこのゲームを勧めたくなるきっかけは?」
LINEやTwitterを使って機械的に情報拡散するよりも、できれば友達に直接、このゲームをおすすめして、インストールさせるような施策が強力です。
プロモーション最大化(TVCM、デジタル広告)
クチコミをさらに拡大させるために、このゲームの認知をあげるため
各メディアを使ってフリークエンシーを獲得しましょう
ここでTVCM、デジタル広告の出番となります。TVCM、デジタル広告はそれ単体でもユーザーを獲得できる施策ですが、フリークエンシー(情報接触回数)を稼ぐための施策として捉える事で、単体のTVCMよりも、何倍もの価値がある効果を出せる設計ができるようになります。
5日目(月曜日)
【目的】インストール数を落とさず、遊ばれている状態を維持しよう
土日イベントの結果、その熱量がゲーム外に対して拡散するコンテンツの継続
土日のゲーム熱を冷まさず、月曜日まで引き延ばす必要あります。月曜日は一挙に熱が冷めてしまいやすいタイミングですから、ここで熱を冷まさせないような仕掛けも必要です。
友達を誘いたくなる、クチコミを後押しする施策
クチコミ結果、遊んでいる人がオフライン上で知り合いをこのゲームに誘いたくなる仕組みは?
※休み明けなので、仲間と職場や学校で顔を合わせます。そこでリアルな人間関係に基づいたクチコミによるインストールをどうさせるかがポイントです
プロモーションの継続(TVCM、デジタル広告)
クチコミをさらに拡大させるために、このゲームの認知をあげるため
各メディアを使ってフリークエンシーをさらに獲得しましょう
6日目(火曜日)、7日目(水曜日)
【目的】辞めそうな人、辞めてしまった人を戻しましょう
ユーザーの離脱要因を解決する施策
この辺りから、続々とユーザーは辞めていきます。
そこで、辞めそうな人をゲーム内でピックアップし、その人に対して離脱しそうな原因を解決する施策を用意しましょう。ユーザーの状態を把握し、その課題を解決することで離脱しそうなユーザーを踏みとどまらせることができます。
これからも遊び続ける理由となるものを提示する
遊んでいる人がこれからも遊び続けるためのモチベーションにつながる情報を提示しましょう。
来週も遊びたいと思わせるモチベーションアップに繋がるモノを提示できれば、来週も遊んで貰える可能性があがります。
まとめ
今回、ゲームアプリ配信日から1週間以内(7日間)にやることリストをまとめてみました。
あくまでも考え方なので、実際の施策内容はゲームジャンル、ゲーム内容によって異なります。
具体的なHOW施策を教えて!!!
という相談もよく頂きますが
各タイトルのマーケ戦略によってプロモ施策は変動しますので、具体的な施策まで踏み込むのは限界があります。
よってあくまでも今回の内容は「考え方を学ぶためのリスト」として使っていただけると幸いです。
つまり今回の記事を元に、チームメンバーで議論になる「きっかけ」になれば幸いです。
また、読んで頂いて気づいたと思いますが今回の内容には
・ゲーム内で解決するべきこと
・ゲーム外で解決するべきこと
・ゲーム内外が密に連携して解決するべきこと
これら3つが混在しています。
そして、これら3つともにゲーム開発、マーケティング単体ではなしえない
まさに下記で何度もお話している「つくるマーケティング」「とどけるマーケティング」そのものです。
この3つが「マーケティングの定義」を分解したものになります。
よってゲーム開発、マーケティングで密に連携する必要があります。
でも、そもそも「つくるマーケティング」「とどけるマーケティング」に踏み込めないから、困っているゲーム開発、マーケターの方も多いと思います。
でも、ここは言い訳を捨てて踏み込むしか解決策はありません。
このサイトで「トロネコ」ってやつがこんなことを言っているけど、どう思う?
という議論のネタ(きっかけ)に使ってみてください!
どうしても踏み込めないという方は、ぜひトロネコまでご相談ください!いっしょに解決方法を探しましょう!
というわけで今回はここまで!