【必見】スマホゲームのインストール時アンケート機能は配信初動の継続率を大幅改善できます
こんにちは
マーケティングスペシャリストのトロネコです。
さて、今回は結構、先進的な話をします。
「おおお!!!これは!!!」
と思ったらすぐにゲーム開発、運営に活かしてください。
それだけの価値があります。
まず大前提として
スマホゲームにおいて最大の課題はアプリ配信直後の離脱ユーザーをどこまで軽減するかです。
その理由は当サイトでもお話していますが下記の2つになります。
①配信日翌日には約50%が辞めます →こちらの記事で書いています。 |
②配信日直後に流入するユーザーは課金意欲が高いです →こちらのサブスクの記事と、こちらの配信直後は課金マインドが高いという記事ですで書いています。 |
つまり配信直後をどうやって乗り切るのか、どこまで対策を用意できているかが重要です。
いくら事前登録数を集めても、ここで対策が用意できていないと本来、達成できた「頂(いただき)」には到達できず、「小さな山」を「頂」だと思って生きていくことになります。これは勿体ないです。
こんな感じです。
もっと高い山に登れたののに・・・・・T_T
(すいません、雑な絵ですね・・・・。)
つまり月商10億円いけたかもしれないのに、月商5億円しかいけず
でも、月商5億円をこのゲームの最高到達点として信じて、それを満足しながら生きていくことになります。
初動離脱を防ぐ方法としては下記の記事が参考になると思いますが事前登録期間も含めて、いろいろな手段があります。
しかし、今回紹介するのは、まだ誰も実運用できていないけど、必ず効果があるとトロネコが考えている、新しい施策設計アイディアです。
どんなアイディアか簡単にまとめると
・ゲーム配信直後に流入するユーザー特性を把握して ・1週間以内に打ち手を実施することで ・離脱率を大幅に軽減できる |
というモノです。
結果、従来のゲームアプリにおける継続率の壁を突破し、DAU、売上を大幅に改善できる可能性があります。手順は下記になります。ひとつずつお話していきますね
【手順】 ①ゲーム配信日からゲームインストール時アンケートを実装しよう ②なぜゲーム配信日にアンケート実装が必要なのか? ③アンケートに見えないアンケート設計が重要です ④ユーザー特性にあわせた打ち手を用意しよう ⑤アプリ配信7日以内にゲーム内でユーザーに打ち手を実施しよう |
①ゲーム配信日からゲームインストール時アンケートを実装しよう
まず、ゲームをインストール直後、追加アセットダウンロードをしているくらいのタイミングでゲーム内で簡単なアンケートを実装します。5問程度ですぐに答えられてユーザーのストレスにならない程度で十分です。
このアンケートの目的はただひとつ
「このゲームをインストールした時点での、そのユーザーのゲーム耐性を把握することです」
つまり、
・いままでどの程度ゲームをやってきたか ・どんなゲームジャンルが得意か ・何が原因でこの人はゲームを辞めるのか(辞めそうか) |
という「いま」「この時点での」「ユーザーの状態」を把握することにあります。
ちなみに、インストール時アンケートは様々なゲームアプリで既に実装されていますがその多くの目的は
「インストールユーザーの属性を分類して、後日、プロモーション施策やゲーム内運営で活用することです(だと思われます)」
でも、実はこれ意味ありません。
実際に利用価値があるデータではないですし、多くの場合で活用されていません。のちほど、その理由をお話します。
②なぜゲーム配信日にアンケート実装が必要なのか?
宣伝マーケティングをやっている人なら経験がありますが、担当しているゲームを遊んでいるユーザー向けにアンケートを実施しますよね?
大きく分けると次の3つに分類されます。
A:ゲーム配信後にゲーム内でアンケートURLを掲載して実施する B:ゲーム配信後にインストール時に簡易アンケートを実装する C:ゲーム外で市場調査を行う |
A、B、Cはいずれも収集したアンケートデータとしては価値はありますが、一方でデータとしては弱点があるのです。
A | ・ゲーム配信後にゲーム内でアンケートURLを掲載して実施します。
・すでに多くのユーザーが辞めている状態なので残存ユーザー(既存ユーザー)のデータしか収集できません。 ・離脱ユーザーの離脱原因はわからないですし、既存ユーザーを維持するためのデータしか収集できません。さらに既存ユーザーの中でもアンケートに答えてくれる人は一部です。 ・「アンケートに答えたらゲーム内コインプレゼント」という方法でアンケート回収数を高めることもできますがいずれにしても「既存ユーザーの中でも特殊なユーザーから収集したバイアスかかったアンケート」ですから既存ユーザーの現状を把握することは困難です。 |
B | ・ゲーム配信後にインストール時に簡易アンケートを実装する
・Aパターンのアンケートに限界を感じるとゲーム配信後にアンケート機能を実装するスマホゲームもあるでしょう。しかし、多くのユーザーは既に離脱していますし、すでに遊んでいるユーザーの状態把握はできません。 ・あくまでもアンケート機能を実装した以降にインストールしたユーザーの状態把握しかできません。 |
C | ・ゲーム外で市場調査を行う
・そのゲームを辞めてしまった原因を把握して、打ち手を実施するために市場調査をする場合があります。しかし、ゲーム外の市場調査で調査上必要な母数が集まるのは、かなりの大型タイトルに限られます。 ・100万インストール程度のゲームアプリでは市場調査で調査対象を探すのも苦労しますし |
いかがでしょうか。
A、B、Cともにアンケートの収集方法としては不完全な部分があり、信ぴょう性に疑問がありそうです。
アンケートの目的設定次第では、価値を出せるものもあるかもしれませんが、アンケート結果からゲームKPIに対してインパクトのある施策が実施できるか?というと怪しいかもです。
同じように家庭用ゲームソフトにおいても、購入後アンケートを実施し、それを鵜呑みにしがちですが、これはAに相当します。それだけを信用するのは結構危険で、間違った判断をしてしまう可能性があるのです。
そこでトロネコは考えました。
ゲーム配信日にアンケート機能を実装しておけば
役割は限定されますが、そこで得たデータは正確であり、
かつ、ゲームアプリで重要な配信初動の離脱防止に使えそうです。
ゲーム配信時のアンケートは
・すべてのユーザーが通る場所なので、全インストールユーザーからアンケート収集できる |
・かつ、アプリ配信時のユーザー状態を把握することができる |
この2つがポイントです。言い換えるならば、
すべてのユーザーの状態を把握できるチャンスは、ここのワンチャンだけです!!
そして、①で説明しましたが、設計次第では全インストールのゲーム耐性(離脱要因)を把握できます。
よって、収集したユーザーを3つから4つのグループにわけてゲーム耐性にあわせた「おもてなし」をその後、1週間にわたって実行すれば初動の離脱率を軽減できます。
そして、もうひとつ重要なのはゲーム配信時アンケートで得たデータは
「賞味期限があります」
2週間後、1か月後では利用価値がありません。
なぜだと思いますか?
インストール時に収集したアンケートデータは、その瞬間のユーザー耐性です。
でもゲームをプレイしていくと、
そのゲームに慣れていくので、2週間後、1か月後に同じアンケートを同じ人に対して実施したらゲーム耐性が変化してしまうからです。
そもそも1か月間プレイ継続して頂いている時点で、初期離脱せず突破できているわけですから本来、離脱させないように「救うべきユーザー」ではないとも言えます。
よって、ゲーム配信時アンケートで得たデータを元に離脱防止の施策を実施するのは賞味期限としても1週間以内です。
しかも、スマホゲームの多くは配信日の翌日に50%は辞めるので、アンケート直後にその人のゲーム耐性に向けた打ち手がオートマチックに実施できる設計が必要です。
③アンケートに見えないアンケート設計が重要です
インストール時アンケートを見ると、多くの場合が
「明らかにアンケートの顔をした、アンケートを実施しています」
実はこれはあまりおすすめできません。
なぜなら、基本的に「一般的なアンケートはユーザーインサイトを正確に把握するには限界がある」からです。
みなさん、アンケートに答えるときには真面目に答えてますか?
ゲームを早くプレイしたいですし、適当にタップして答えてませんか?
インストール時アンケートの目的は「そのユーザーのゲーム耐性を把握して、即時離脱防止の打ち手を実行すること」です。
いかにユーザーの内面的なインサイトを収集できるかがポイントです。
よって重要なのは「アンケートに見えないアンケート設計」です
例えば
A:アンケートフォーム
「あなたの年齢を選んでください」
B:キャラクター
「あなたの年齢おしえてよー、知りたいよー」
そのゲームをプレイしたくてインストールしたわけですからBの方がインサイトに踏み込みやすいです。Aの方は、なんかデータを取られている感じがしませんか?
これはあくまでも一例ですが、ポイントは
「アンケート機能をただ実装するのではなく、ゲーム本編の一部のごとく実装する」という点にあります。
となると付け焼き刃のアンケート機能では、その役割を果たせません。
つまり「つくるマーケティング」まで踏み込まないと実現できません。
しかし、ここまで踏み込めると、インストール時の正確なユーザー状態を把握できます。
④ユーザー特性にあわせた打ち手を用意しよう
さて、インストール時アンケート実装で「ユーザー特性、状態」は把握できましたね。
そこで例えば4つのグループに分類したとしましょう
A:ガチゲーマー(ゲームならなんでも耐性あり) |
B:スマゲーム好き(ある程度のゲーム耐性があるけど、ジャンルによって好みが分かれる) |
C:カジュアルゲームユーザー(パズルゲームならできる) |
D:なんとなくユーザー(好きなキャラクターゲームだからインストールしました) |
いずれもユーザーの「ゲーム耐性」が違いますね。
ゲーム耐性とは我慢強さという意味です。(ちなみに、この分け方はダミーですので気にしないでください。)
・Aは対策不要かもしれません。 |
・Bはジャンルで得意不得意があるならチュートリアルの見せ方で離脱回避できるかもしれません。 |
・Cはゲーム耐性が低そうなので、文字で説明するよりも動画で説明した方が効果的かもしれません。 |
・Dはほとんどゲーム耐性なさそうです。打ち手なしで諦めるか、または人間関係をもって辞めにくくする方法もありそうです。 |
例えばといった感じです。(この分け方は適当なサンプルなので、あくまでもイメージとしてお考えください)
つまりユーザーによって
「想定される離脱要因」
「それを解消するための適切な手法」
が異なります。
ここに気づけると大きいです!
これも配信前に仮説でもいいので用意しておき、それとセットで打ち手も用意します。
※トロネコはユーザーインタビューとか、プレイ会とかで離脱要因となりえるものを出し尽くします。そうなんです。プレイ会とかは初期離脱要因の施策設計における仮設算出に使えるのです。
⑤アプリ配信7日以内にゲーム内でユーザーに打ち手を実施しよう
ユーザーごとに効くであろう打ち手(=施策・対策)が用意できたら、あとは配信7日以内に実施するだけです。
なぜ7日以内かというと、配信初週から7日でほとんどのユーザーが離脱するからです。
とはいえ、ゲーム内で離脱防止施策を取るとしても、日々離脱していくわけですから、日数経過と共にゲーム内での離脱防止施策の効果は下がっていきます。(だって、もうやめているからゲーム内に居ないですものね)
よって、ゲーム内の打ち手だけでなく
ゲーム外の打ち手もさらにセットで用意する必要があります。
アプリ配信から7日間でどんな施策を投下していくのか時系列でスケジュール表がつくれるといいですね
こんなイメージです。(すごく適当なのでイメージとしてみてくださいね!)
ユーザー分類 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
A:ガチゲーマー | 不要 | 不要 | 不要 | 不要 | 不要 | 不要 | 不要 |
B:スマゲーム好き | チュートリアル | LINE | プッシュ通知 | ||||
C:カジュアルゲームユーザー | チュートリアル | Webコンテンツ | LINE | プッシュ通知 | |||
D:なんとなくユーザー | 動画チュートリアル | Webコンテンツ | LINE | プッシュ通知 |
ゲーム外で有効なのは「アプリのプッシュ通知」「版権キャラモノなら、ネット上でトレンドをつくれるWebコンテンツ」なども「C:カジュアルゲームユーザー」「D:なんとなくユーザー」には有効です。
そのためには事前登録や、アプリ配信後にできるだけ彼らをTwitterやLINEにプールしておく必要もあります。
プールというよりは、「連絡手段を確保しておく」といった意味合いが大きいです。
「連絡手段」があれば情報伝えられるけど、無いと連絡方法をつくるためにコストを払う必要があります。
(別れた彼女とよりを戻したくても、連絡手段がないと探偵事務所に依頼するとか・・・ですかね・・・お金かかるし・・・)
つまり、事前登録や配信直後のSNSマーケティングの積み重ねも、ここで効いてきます。
まとめ
実は今回お話した施策についてトロネコはまだ実装した経験がありません。
そして、まだ誰もできていない施策だと思っています。
でも、非常に理にかなっている施策なので、ちゃんと設計できれば効果が期待できるやるだけの価値がある施策設計ができそうです。
そのためにはゲーム開発段階からゲーム内へのアンケートに見えないような
ゲーム本編の世界観に内包されたアンケート機能の実装と、アンケート設計、それに対する打ち手もセットで用意した状態でアプリ配信日を迎える必要があります。
これは配信日から逆算すると半年だとギリギリ(いや難しいかも)、できれば1年は欲しい施策です。
よって、これもトロネコがずっとお話している「①つくるマーケティング」のひとつに相当します。
「つくるマーケティング」は初動の離脱率の軽減にも貢献できるのです。
ぜひ、いまゲーム開発をしている皆さん
トロネコっていうヤツがこんな事いっているけどどう思う?
という議論のネタでいいので使って頂けると嬉しいです。
もちろん、今回の施策は完全な正解ではないですし、議論によってもっといいアイディアが生まれるかもしれません。
でも、そこで生まれたアイディアこそ大切です。
そんな感じでゲーム業界がもっと強くなっていける事をトロネコは応援しています!