ユーザーの顕在・潜在ニーズを読み説き次にヒットするゲームのヒントを見つける方法

マーケティング

こんにちは
マーケティングスペシャリストのトロネコです。

今回は新しいゲームの企画を立ち上げる際にマーケターとしてできることについてお話します。

そうなんです!新しいゲームの企画を立ち上げるのは必ずしもゲームクリエイターや、プロデューサー、プランナーだけの仕事ではありません。マーケターは彼らの企画立案のヒントになるインプットをすることができます。

これもトロネコが常々お話している「つくるマーケティング」の一部になります。

そのためには「ユーザーがいま求めている顕在・潜在ニーズ」を読み説く必要があります。これを読み説けると、次にヒットしそうなゲームコンセプトのヒントらしきものを見えてくるようになります。

スマホゲームは「離脱」、家庭用ゲームは「ロス」という考え方

次にヒットしそうなゲームコンセプトのヒントを探すにあたって、スマホゲームと家庭用ゲームにおけるユーザー感情と行動の違いを理解しておく必要があります。

商品の特性としては次のように分類できます。

スマホゲーム:エンディングがない運用型商品
家庭用ゲーム:必ずエンディングがある売り切りパッケージ型商品

スマホゲームは「エンディングがないサービス運用型商品」であり、いかに「ゲームを辞めさせず遊び続けてもらうか」が重要です。
そんなスマホゲームをユーザーが辞める時の感情を深く掘り下げていくと次のヒットのヒントが見えてきます。

例えば国内でもトップ5に入る大人気のスマホゲームを辞める瞬間を想像してみてください。次のようなユーザー感情が見えてきます。

・飽きた:マンネリ化、鮮度低下、コンテンツ不足・・・
・ゲーム運営に不満がある:ユーザーニーズとの不一致・・
・他に面白いゲームが見つかった:ゲームコンテンツの競争力低下・・

他にもいろいろありますが、きりがないのでざっくり書き出してみました。
いずれもユーザーの離脱原因として考えられるものばかりです。

ここでのポイントは「スマホゲームにおけるユーザーとの別れの多くはハッピーエンディングではない」という点です。

これはスマホゲームの特徴である「エンディングがない運用サービス型商品」という点が影響しています。ゲーム自体にエンディングがない(=終わりがない)わけですから、ゲームのエンディングは「ユーザー離脱」と言い換えることもできます。

(ゲーム運営のサービス終了がゲームのエンディングである、という考え方もできますが、ゲーム運用が継続ができずサービス終了に至る原因は、そもそもユーザー離脱にあるわけですから ゲームのエンディングは「ユーザー離脱」 といえますね)

一方で、家庭用ゲームは必ずエンディングがある「売り切りパッケージ商品」です。そして、そのエンディングは「ハッピーエンディングになる可能性が高いとも言えます。(途中で遊ばない、クリアしないゲームはハッピーではないかもしれませんが、最後までクリアした家庭用ゲームは高確率でハッピーだと想像できます)

例えば、国民的RPGを購入して全部クリアしたら達成感と爽快感、満足感で心の中は一杯になるでしょう。

(レースゲーム、パズルゲーム、対戦ゲームなど遊び方によっては無限に遊べるゲームもありますが、コンテンツとしての何かしらのエンディングらしきものは存在します)

エンタメとしての時間軸は異なりますが、映画、ドラマ、小説も家庭用ゲームに近いものがあります。

それゆえにクリアした後、遊び切った後に待っているものは「ロス」です。好きなドラマが終わった後の喪失感を「XXXXロス」と表現することがありますが、それに近い感情が生まれます。

トロネコも大好きなRPGがあともう少しでクリアしてしまう状況になった際に、本当はクリアしたいのだけど、クリアすることでの「ロス」になるのが辛いので、ひたすらサブクエストをプレイしてその世界が終わるのを避けていた事がありました。

(個人的にはオープンワールドゲーム等は、その傾向が強かったですね・・)

トロネコの事例はちょっと特殊かもしれませんが、いずれにしても、家庭用ゲームにはそのゲームにハマればハマるほど、クリアした後に「なにかしらのロス」が待っています。

まとめるとユーザーとゲームにおける別れには
スマホゲームは「離脱(ネガティブ)」、家庭用ゲームは「ロス(ポジティブ)」といった感情が見え隠れします。

というわけで、長い前振りになってしまいましたが、実はこの「離脱」「ロス」という感情にこそ次のヒットを見つけるヒントが隠されています。
そのゲームがビックタイトルで多くの人が遊んでいる(いた)ほど、「離脱」「ロス」から生まれる反動は大きく、その反動の大きさは潜在ニーズの大きさと比例します。

スマホゲームの「離脱」から次のヒットのヒントを探す

スマホゲームを辞める理由には様々なものがあり、前のパートで次のようなユーザー感情をご紹介しました。

・飽きた:マンネリ化、鮮度低下、コンテンツ不足・・・
・ゲーム運営に不満がある:ユーザーニーズとの不一致・・
・他に面白いゲームが見つかった:ゲームコンテンツの競争力低下・・

(あくまでもざっくりとした一例で、他にもいろいろありますが、今回はそこは深掘りしません)

このような「ユーザー離脱」を引き起こした原因を探ることが次のヒットを作るヒントを見つける参考になります。「離脱要因」とはユーザーの不満でもあり、叶えられなかったユーザーのニーズの裏返しです。

シンプルにいえば

「これら離脱要因を解消するゲーム、またはゲームのコンセプトに次のヒットをつくるヒントが隠されています」

特に国内トップクラスのゲームを遊んで辞めたユーザーは深堀りする価値があります。なぜなら、そこにいま一見ヒットしているように見えながら、実は満たされない「ユーザーニーズ」が隠れているからです。

そして国内トップクラスの大型ゲームであればあるほど、遊んでいるユーザー、辞めたユーザー数も多いため「ニーズが見つけられた場合の反動」が大きいのです。

例えばこんな感じで考えてみてください。

・辞めたユーザーはゲームに対して耐えられなかった「ゲーム耐性が低い」
・辞めず遊んでいるユーザーは「ゲーム耐性が高い」
・しかしスマホゲームはエンディングがないゲームであり遊んでいる全ユーザーは「離脱」というバッドエンディングと隣り合わせである

と考えていくと、「辞めたユーザー」「いま辞めずに遊んでいるユーザー」いずれも、その感情を深く掘り下げることで、いま、みなさんが企画している新規タイトルで獲得できる可能性があります。

いま大人気ゲームを遊んでいるユーザーが抱く顕在ニーズの少し先を「先取りする」だけでも次のヒットのヒントを探すことができるのです。

家庭用ゲームの「ロス」から 次のヒットのヒントを探す

エンディングが存在する家庭用ゲームの場合はクリアした後に「喪失感(ロス)」が待っているという話をしました。

そのゲームを楽しんだ人ほど「早く続編が遊びたい!」という感情になりがちですが、家庭用ゲームの場合はすぐに続編は発売されないのでユーザーは次のような行動を起こします。

・発売済みの過去シリーズタイトルを遊ぶ
・ゲーム以外でそのゲームの世界観を楽しめるコンテンツを探す(小説、アニメなど)
・そのゲームの遊びに近い「別のゲーム」を探す

分かりやすい例をあげると

ドラクエやファイナルファンタジーの新作をクリアし、過去シリーズも遊びつくしたら、ドラクエ風、ファイナルファンタジー風なゲームを探すようになります。

いまニンテンドースイッチで人気の「あつまれどうぶつの森」を全部クリアしたら、「どうぶつの森風なスローライフ系、ファーミング系ゲーム」を探そうとします。

スイッチの「どうぶつの森」も、オンラインコンテンツで製品寿命は長くなると思われますがパッケージソフトですから永遠に遊べるわけではありませんので、時間をかけて緩やかに、「どうぶつの森」のような楽しさを提供してくれる別のゲームをユーザーは探そうとします。

ポイントはドラクエ、ファイナルファンタジーはPS4、ニンテンドースイッチでも複数の新作タイトルが発売されますが、どうぶつの森は任天堂ハードで基本的に1タイトルしか新作が発売されません。

つまり、ニンテンドースイッチ「あつまれどうぶつの森」を全部クリアしたら、もしくはユーザーが満足したら、「どうぶつの森風」なゲームが売れるチャンスがあるというわけです。

潜在ニーズの断片を探す

もう少し深く掘り下げてみると、様々なニーズの断片が見えてきます。

①Googleでユーザーの検索要因を見つける

ネットで検索されているキーワードを探すと、どうしても検索量の多いキーワードばかりに目が行きますが、検索量の多いキーワードは「顕在ニーズの塊」といえます。一方で、検索量の少ないワードには人間の感情が漏れ出してしまった「潜在ニーズ」を見つけることができます。

先ほどお話した「ドラクエ風ゲーム」「ファイナルファンタジー風ゲーム」いったワードも検索キーワードで見つけることができます。つまり、ユーザー感情として「ドラクエやファイナルファンタジーのような体験ができるゲームを探している」というわけです。

②「ロス」を深掘りする

ニンテンドースイッチ「あつまれどうぶつの森」はユーザーによってプレイの深さが異なりますので、今後、時間をかけて緩やかに「ロス」が発生してくると思われますが、その「ロス」に新たなゲームのニーズが生まれます。そしてそのニーズは「細分化」することができます。

「どうぶつの森」そのものを別ゲームで再現しても到底勝ち目はありませんし、「どうぶつの森もどき」ではユーザーニーズを満たせません。

しかし、ユーザーの中ではどうぶつの森で遊んだ「釣り要素」「収穫要素」「収集要素」をもっと深く遊びたい!というニーズが生まれます。。

実際にニンテンドー3DSでは「どうぶつの森ハッピーデザイナー」というホームデザイナーに特化したゲームが発売されましたが、これは「どうぶつの森の一部ニーズを切り取ったゲーム」です。

かつて「とんがりボウシと魔法の町」というゲームがありましたが、これは魔法要素による「どうぶつの森」のようなコミュニケーションの楽しさを追求したゲームであり、まさにユーザーニーズを深く掘り下げたことでヒットしました。

③過去のヒットで蓄積されたニーズを探す

過去にヒットしたゲームの続編が発売されないことによる蓄積されたニーズを探すことも次のヒットを見つける方法として有効です。

例えばかつてWiiで「Wiiスポーツ」「WiiFit」といった体感、健康ゲームがヒットしました。しかしその続編はニンテンドースイッチで発売されていません。

しかしユーザーニーズはすぐになくなるものではありません。いまニンテンドースイッチでは「フィットボクシング」「Go Vacation(ゴーバケーション)」といった 「Wiiスポーツ」「WiiFit」に近いユーザーニーズを満たしてくれるゲームがかなり売れています。
過去に売れたゲームで、いまでも市場は存在するのに新作が登場しないゲームには、次のヒットのヒントが隠されている場合があります。

まとめ

「パズル×RPG=パズドラ」のように「ゲームジャンルの掛け合わせ」による潜在ニーズを見つける方法もまだ有効です。

ただしゲーム市場が完全なレッドオーシャンになり、新規タイトルが売れにくい環境では、ゲームジャンルの掛け合わせに加え、今回、解説してきた「既存ゲーム」におけるユーザーの「顕在・潜在ニーズ」を深堀りして組み合わせることで、さらに「ヒットにつながる欠片」を見つけることができます。

もちろんゲームクリエイターによる「圧倒的な面白さをつくる」という姿勢は重要です。そこに今回紹介したような「ヒットの欠片」をマーケターがインプットできると、「ヒットが生まれやすい環境構築」が作れます。

というわけで、今回はここまで!

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