スマホアプリ・家庭用ゲームがヒットするめに必要な3つのこと【クリエイター/マーケター必見】

マーケティング
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最近、新作ゲームをヒットさせるハードルがあがっている理由

ゲーム業界で働いている人なら、最近感じていることがあるのではないでしょうか

それは、新作ゲームをヒットさせるためのハードルが、ここ1年くらいで急激にあがっているということ。

その理由としては

海外からスマホゲームの概念を超えたハイスペック、高クオリティなゲームが

豊富な資金力によるパワーマーケティングで日本市場に続々とやってきて

従来の日本式のゲーム開発、売り方では通用しにくくなっているという事実があります。

 

しかし、私はこれらは一時的なことだと思っています。

ゲームそのものの本質を見つめ直すチャンスでもあり

それができたゲーム会社、またはできるゲーム会社が次の数年を生き残っていけると思います。

 

その本質とは「ゲームが売れるための仕組み」を指します。

ところで、どれだけの人がゲームが売れるための「仕組み」について理解しているでしょうか

クリエイター、マーケターの立場によって「売れる仕組み」に対する考え方は多種多様ですが、

今回はゲーム開発、マーケテイングの両方で使える「売れる仕組み」について説明していきます。

ゲームが売れるか、否かはたった3つのことだけで語ることができます。

ゲームが売れるための仕組み

1:ファンの有無

シンプルに表現すると、500万人の熱狂的ファンが存在する人気漫画のゲーム

現時点でファン0人の完全オリジナル新作ゲーム

これらはまったく状況が異なりますよね。

人気漫画のゲームを作るなら、いま存在する500万人の熱狂的なファンに対して売り込めばいいですし、売れる余地があるわけですが、現時点でファン0人のオリジナルゲームは、現時点ではファン0人からスタートして、1万、5万、10万人と増やしていくことから始めなければなりません。

よって、もしあなたが人気漫画をつかったゲームをつくるならば、1つ目の売れる条件はクリアしていることになります。

しかし、完全オリジナルのゲームで勝負するなら、ファンを増やすということから始めなければならず、それには膨大な時間とお金と労力がかるというわけです。

漫画連載20年かけて集めた500万人の熱狂的なファンと同じ状態をたった1年でつくれるわけありません。時間はお金では買えません。

厳密には「買う」こともできるのですが

熱狂的なファンは彼ら自身の人生における出来事の中でファンになる「体験」を経ているわけですがら、短期間で体験の量はつくれても、彼らの人生における出来事とシンクした「体験」は時間がないとつくれないという意味です。

ちょっと話が脱線してしまいましたが

ファンの有無はゲームのヒットに大きな影響を与えます

なので、自分たちでファンを作れない会社は、人気漫画の権利を借りてきてゲームを作りますし、または、自分たちでファンを作ることの難しさをわかっている会社は、自社で人気ゲームを作り出した際には、その続編をつくることで、ファンがいる状態からスタートしようと考えます。

 

2:ゲームの面白さ

ゲームをヒットさせるためにゲームの面白さはもっとも重要なピースです。

ファンが0人の完全オリジナルゲームを立ち上げたとしても、ゲーム自体が抜群に面白ければヒットするチャンスがあります。

よって、完全オリジナルのゲームを立ち上げる会社はゲームの発売まで作りきれないファンをカバーすべく、圧倒的なゲームの面白さで勝負する必要があります。

配信まで1万人しかファンを作れなくても、その1万人を圧倒的に満足させ、魅了させるゲームがつくれればヒットする確率が高まるためです。これは後ほどお話する「拡散力」の一部にも含まれます。

 

一方で、500万人のファンが存在する人気漫画を使ったゲームならば、ゲーム自体は面白くなくても、アプリならインストールしてくれるかもしれませんが、継続して遊んでくれることはありません。

またPS4やニンテンドースイッチのようなパッケージゲームソフトなら、最初の1本目は数字上は売れても、ファンの失望を買ってしまうので2回目はありません

いわゆる「美味しいラーメン屋さん」という触れ込みで集客はできるけど

食べて見たら「まずいラーメン」だったのでリピーターにならないというわけです。

 

残念ですが実は多くのゲームでは、これらゲームの面白さを軽視する傾向にあります。

 

たとえばスマホゲームならば、

どこかで見たような「ありがちな」ゲームのシステムに、人気漫画のキャラクターを乗せたゲームをよく見かけますが、これはゲームの面白さを軽く見ている証拠です。

なぜ軽くみてしまうのか、それには原因があります。

たとえばスマホゲームの場合、それほどゲーム自体が面白くなくても、人気漫画を使うことで売り上げが作れてしまうという事実があるのです。

人気漫画を使うことが「とりあえず遊んでみる理由」になり

ゲーム本体はそれほど面白くないけど「遊び続ける理由」になるのです。

なので、そこに甘えてしまう人が非常に多いのですが

これは事あるごとに私は次のように周囲に伝えています

 

これって「ゲーム」ではなくスマホをつかった「サービス」であると・・・

 

多くのスマホゲームを作る人が自身が作っているのが「ゲーム」ではなく「サービス」であることに気がついていません。

なぜ、「サービス」を作ってしまうのか

それはスマホゲームにおいてもっとも重視されるものがKPIであり、売り上げであり

KPIや売り上げに直接影響がない「無駄なゲームの作り込み」を軽視する傾向があるためです。

 

でもゲームの面白さの正体は

実は「KPIや売り上げでは見えない無駄な作り込み」なのです。

無駄な作り込みがユーザーの心を動かし、ファンをつくり

時間を経て間接的に、結果的にはゲームのKPIや売り上げに貢献しているという事実を多くの作り手は知ろうとしないのです

 

3:ゲームの拡散力

スマホゲーム、家庭用ゲームの両方で共通して言えますが

ゲーム自体の仕組み、プレイサイクルに「拡散力」「伝播力」があるか否かがゲームがヒットする大きな要因になります。

わかりやすい例をあげると

モンスターハンターは4人でプレイすることで遊びの幅が広がるゲームなので、友達を誘ってゲームを買いにいく

という現象がPSP時代のモンハンではありました。

スマホゲームで例えると

プロモーションで1人インストールさせたら、そのインストールした人はそれで終わるのか

それとも、その人が他の誰かを誘って副次的なプロモーション効果が期待できるのか

1対1の獲得をお金が続く限りやっていく体力勝負なのか

それとも最初の呼び水をつくれば、続々とファンが増えていく「きっかけつくり」の勝負なのか

 

多くのゲーム開発者、または経営者は、これらをマーケティング(ここで言っているマーケティングとはプロモーションのことを指していることがほとんど)で何とかして欲しいというのですが、

残念ながら最初に知るための「きっかけ」はつくれますが、ファンをプロモーションというマーケティングでつくることはできません。

それはマーケターの怠慢でも諦めでもなくゲーム事業における事実です。

 

まずいラーメンでも来店させ、食べてもらう方法はいくらでもあります

でもまずいラーメンを食べ続けてもらう事は不可能です。

 

モンハンがそうだったように、ゲーム本体に「拡散力」が組み込まれているか否かが売れるための要素になります。

ただし拡散力はゲーム内アイテム(=インセンティブ)によっては作れません。

瞬間的な人の欲求を刺激する「モノ」ではなく

継続的に、かつ当人にとっては無意識に欲求を刺激し続ける「コト」が必要なのです。

 

多くのゲームが発売・配信する前から勝負がついている

恐ろしい話ですが、多くのゲームが発売する前で勝負がついており「負け確定」の状態で発売に踏み切っているという事実があります。

最近は、それについてゲーム会社も気づき始めており

ゲーム配信前、発表する前に社内でプロジェクトを中止したり

より厳選した企画しか通らなくなってきているという事実があります。

それでも、多くのゲームが発売、配信され

スマホゲームの場合は配信後、3ヶ月でサービス終了告知をするタイトルも見られるようになりました。

配信3ヶ月でサービス終了判断をするという事は、配信をせずに万全の状態で配信するという判断もできたはずですが、多くのケースで、

・もしかしたら売れるかもしれない

・作ってしまったから、予算も残っていないからとりあえずだそう

という甘えが存在していると言わざるをえません。

ほとんどのケースが冒頭で申し上げた

「ファンの有無」

「ゲームの面白さ」

「ゲームの拡散力」

を説明できない状態で配信、発売に至っているのではないでしょうか

または説明できる状態だったとしても

それは「不十分な説明」だったのです。

ところで、ちょっと話は脱線しますが配信3ヶ月でサービス終了するようなゲーム会社のアプリを今後、新作が配信されても遊びたいと思うでしょうか?

課金したユーザーなら、課金をためらうのではないでしょうか?

実は短期間でサービス終了をすることは、そのゲーム会社の信用を毀損します。

いわゆる可視化できないブランド力を低下させているのです。

信用力の低下は立ち上げたばかりの新しい会社なら致命的でしょう

長い間に渡ってゲームを作り続けてきた会社には致命的ではないものの、じわじわとボディブローのように効いてくるという事実から目を背けてはいけないのです。

でも、「3ヶ月間でサービス終了する」という判断を下した決裁者の多くが、そういう意識をまったく持っておらず、問題だとも認識していない状態だったりします。

 

どうすれば、売れる確率をあげられるか

時代の流れとして、ゲームが売れなくなると、人気漫画を使ったゲームばかり発売され

新作オリジナルのゲームの開発をリスクと考えるゲーム会社が増えるのは

歴史を振り返っても証明されていますが

この状態では短期的にはよくても、長期的には安定したゲーム会社経営はできませんし

なによりもゲーム事業にかかわっている人のモチベーションにかかわってきます。

特に本物のゲームクリエイターや、本物のマーケターが自分たちがゼロから作り上げたオリジナル作品をつくることに人生をかけ、お金よりも大切な譲れないものという意識が高いので、

作りたものが作れない状態は、彼らのモチベーションを大きく下げますし、会社を離れる原因にもつながります。

 

そこで、どうすれば良いのかという話になるわけですが

いろいろな打ち手はあるのですが

一番、重要で大きな影響を与える打ち手としてあげるならば

 

ペラ1枚のゲームの企画書をつくった時に

・このゲームが他にはない唯一無二の面白さは何か?(独自性)

・その面白さはシンプルに伝えられるものか(届け方)

・そして誰に遊んで欲しいゲームなのか(ターゲット)

この3つが明確になっていれば万全の船旅に出発できます。

多くの場合が

他のゲームでも代用できるような面白さであり

他のゲームでつかったパーツの組み合わせで構成されており

遊んでみないとその面白さはわかりにくく

「20代男性、漫画好き」くらいのターゲット設定しかできていない場合がほとんどなのです。

まったく話にならないような状態で企画書があがり

プロトタイプ版がつくられ

本開発が進められ

マーケティング担当(=プロモーション担当)が売らなければならない

という状態では、奇跡が起きない限りまず売れるはずがありません。

とはいえ、100回に1度くらい奇跡という「まぐれ」が起こるのもゲーム業界の面白いところなのですが、99回は壊滅的な敗北であることを多くの人は忘れていて、自分は99回の中に含まれるはずはないと思い込んでいるのです。

これを全部ひとりでできるようなスーパークリエイター、スーパープロデューサーは数えるほどしか知りませんので、最初のペラ1枚の企画段階でマーケターとクリエイターがコンビとなってこの部分を固めるのが良いと思います。

まとめ

「ファンの有無」

「ゲームの面白さ」

「ゲームの拡散力」

について語り始めるとキリがないのですが、これはまた別の機会にでも時間を割いてお話ししたいと思います。

ただしトロネコ的マーケター視点でいうと、これら3つがしっかり固まっているゲームは、いくらでも料理してユーザーに届ける戦略をつくることができます。

なぜなら、プロダクト開発時点でマーケティング戦略が完成しているようなものだからです。

よって本来、マーケターはこの時点からゲーム開発に参加し、プロダクトマーケティングとしての役割を果たす必要があります。

ゲーム会社の経営者、決裁者の多くの人が、

マーケティング=完成したゲームを売ること、ユーザーを獲得すること

と捉えているのですが、それはマーケティング活動の一部であり、その成功確度を高められるかは「プロダクトマーケティング」がちゃんとできているかに大きく依存するのです。

でもね、ゲームアプリの配信半年ならまだしも、配信3ヶ月前にマーケィング担当にアサインされて、なんとか売ってきてと言われても、それは奇跡を待つしかないんですよね。

家庭用ゲームでも同じような事が過去に多発していましたが、それでも家庭用ゲームは歴史がある業界なので反省をもとに1、2年前からマーケティング担当にアサインするように変わってきています。

それでもゲームの中身、売れる仕組みまで発言できるマーケターがほとんどおらず

できたものを、ただ売るだけの作業になってるケースがほとんどなのです。

その時点でほぼ勝負がついており、奇跡が起こることを願うしかない状態であることを、我々はもっと真剣に考えるべきだと思います。

 

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