【宣伝マーケター必読】ゲーム業界におけるマーケティングの定義を誰も語れない理由

マーケティング
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これからはゲームマーケティングができない会社は生き残れない

こんにちは

マーケティングスペシャリストのトロネコです。

今回は「マーケティングの定義」についてお話します。

ゲームクリエイターになるために必要な「プログラミング」とか、「デザイン」「ゲーム企画」を教えてくれる専門学校はあるのに、ゲームに必要なマーケティングや宣伝に必要なことを教えてくれる学校はありません。

あるなら教えてください〜

そして、実際にゲーム会社に入ると

「仕事の進め方や、プロモーションのやり方」は教えてくれるけど、ゲームマーケティングの本質について教えてくれる人もいません。

トロネコも20年間ゲーム業界で働いてきましたが「ゲームマーケティングの定義」を話せる人と出会ったことがありません。

デジタルマーケティング、SNSマーケティング、Youtuberなど特定分野におけるスペシャリストは実在しましたが、ゲームというコンテンツについて「上流から下流まで」語れるマーケターはいませんでした。

なぜいないのか、その理由はシンプルです。

本当の意味でゲームマーケティングの本質を語れて、実行できるようになるには

マーケターだけでなく、ゲーム開発の経験も必要です。

それらを最初から最後まで全部網羅した上で、膨大な成功失敗体験のもとに「成功打率」をあげる知識とセンスの両方を身につける必要があるからです。

これらをこちらの記事では「ロジカルドリブン」「ハートドリブン」と表現していますが、ロジカルとハートをミックスしたセンスと知識が求められるのです。

こうやって実際に話をすると、凄くハードルが高そうな話に聞こえるかもしれませんが、実際にハードルが高いですし、得た知識とセンスとを言語化して人に伝えられる技術がないと、これらマーケティングの知識は後世には伝承されていきません。

「みなさんは、誰かにゲームマーケティングについて教えてもらったことはありますか」

実際のところ、プロモーションや宣伝のテクニックについて教えてもらったことはあるかもしれません。しかし、ゲームマーケティングの本質について教えてもらった人はどれだけいるでしょうか?

このように後世に、マーケティングの知識を伝えてこなかったツケがいまのゲーム事業のおける課題を作り出しているのです。

そして、この状況はゲーム業界では全く改善されず、今も続いています。

誰からも教えられずに、現在、マーケティングや宣伝という職についている人の多くは

・書籍、大学、専門学校で学んだ「一般的マーケティング」の概念
・他のゲーム会社の成功事例をもとにした知識
・会社の先輩や上司から教えてもらった知識
・実務を通してトライ&エラーを繰り返していく中で自ら学んだ成功失敗体験

これらをもとにした「マーケティングの定義」を自分の中で構築しているのではないでしょうか?

これは非常に悲しいですし、限りある人生を考えれば大変勿体ない話です。

「ゲームマーケティングの定義」について本質を知らない状態で、かき集めた周囲の情報だけで個人それぞれが作り出した「マーケティングの定義」は

「カッチリした形」が存在せず、人によってバラバラなのです。

 

ところで、そもそも「マーケティングの定義」って何なのでしょうか

といった質問を、もしトロネコがみなさんに投げかけたならば、100通りの答えが返ってくるかもしれません。

なぜなら「マーケティング」とは世の中的にそれほど解釈や定義が曖昧で、かつ正解がない言葉だったりするからです。

自己流のマーケティングの定義と

そもそも世の中の定義が甘い「マーケティング」という言葉

この状況を変える必要があります。

 

【マーケティングの定義】マーケティングと思い込んでいたことがマーケティングではなかったという衝撃

トロネコの20年間のゲームマーケター人生をもって、ひとつ確信に至ったことがあります。それは下記のようなことはマーケティングではないという事です。

 

・マーケティングとは、宣伝、プロモーションのことである

・マーケティングとは調査、分析することである

・マーケティングとは売るための戦略を考えて、それを実行することである

 

これらは一見正しいように思うかもしれませんが、実は正しくありません。

でもマーケティングの現場では、このような間違った言葉が普通に使われています。

 

厳密には

「宣伝もプロモーションも、分析も調査も、マーケティングの定義の一部を担うけど、マーケティングそのものではない」

というわけです。

 

ここであげた要素はマーケティングにおける目的を達成するためのパーツに過ぎません。のちほど詳しくお話します。

ところでマーケティングという言葉をWikiで検索してみると次のように書かれています。

 マーケティング(英: marketing)とは、企業などの組織が行うあらゆる活動のうち、「顧客が真に求める商品やサービスを作り、その情報を届け、顧客がその価値を効果的に得られるようにする」ための概念である。  ※出典Wikipedia

商品をつくって、とどけて、顧客がその価値を得られるようにする

なんとなく、わかるような気もしますが、よくわかならない気もしませんか?

 

この説明に不足しているのは「マーケティングの定義」の理解の先に、次に何をすればいいのか行動がセットでイメージできない点にあります。

ここに書いてあることを、とりあえずゲーム業界に置き換えてみましょう。

①お客様が求めているゲームソフトをつくり

②その魅力をお客様に届け

③面白さがベストなコンディションを維持し続けること

といった感じでしょうか?

ちょっとイメージが鮮明になってきました。

 

 

もう少しわかりやすく掘り下げみると次のような感じになります。

「①お客様が求めているゲームソフトをつくり」

ふむふむ・・・マーケティングって完成したものを、ただ売るだけじゃないんだ。ものづくりから存在するんだね。

「②その魅力をお客様に届け」

出来たものをお客様に届ける事をマーケティングだと思ってました。ということは商品にそもそも魅力がないとお客様に届かないし、振り向かせられないですよね

「③面白さがベストなコンディションを維持し続けること」

届けるだけでなく、ベストなコンディションを維持する必要もあるわけか。という事はお客様の嗜好性や市場の変化に合わせながら「届け続けること」もマーケティングのひとつなんですね

つまりマーケティングとは次の3つのプロセスから構成されるのです。

この3つのプロセスから「マーケティング」は構成されます。

そして、この3つのプロセスを総括する形で

ゲーム業界における「マーケティングの定義」をワンフレーズで表現するならば

「マーケティングとはモノが売れる仕組みづくり」

Marketing is creating the system of selling gaming product

マーケティングとはゲームが売れる仕組みづくりである

となります。

これが定義です。

(「ゲーム」という部分を別の商品に置き換えても構いません)

 

「ゲームマーケティングとはゲームは売れる仕組み作り」であり、その「仕組み」は「3つのマーケティングプロセス」である「①つくるマーケティング」「②とどけるマーケティング」「③とどけつづけるマーケティング」から構成されるというわけです。

そんなこと、どこの誰が言っているんですか?と思われるかもしれませんが

これは20年間、家庭用、スマホゲーム業界で開発プロデューサー、マーケティグスペシャリストをやってきたトロネコが行き着いた結論です。

この点については下記で深く解説しているので時間がありましたら読んでみてください。

 

プロモーション=マーケティングと勘違いしているからゲーム事業がうまくいかない

とはいえゲーム業界に関わる多くの人にとって

「マーケティング」とは「プロモーション」であり

「マーケティング」とは施策やキャンペーンなどであり

今回紹介した3つのマーケティングプロセスにおける

「②とどけるマーケティング」だけが「マーケティングである」と認識して疑いません。

 

例えばこんな事例があります。

ゲーム業界で仕事をしている人なら、すごくわかりやすい話かもしれません。

ゲーム完成したから、あとはマーケティングで売ってきてよ!売るのがマーケターの仕事だからね

マーケターの人は適切にお金を使って新規ユーザーを獲得してください。それがマーケターの役務です。

こんな発言がゲーム業界では普通に存在します。

そして、「ゲームマーケティング会社」を名乗る会社も、「ユーザーを獲得すること」「ゲームの知名度を上げること」をマーケティング業務だと考え、ゲーム会社に営業をかけます。

でも、これはぜんぶ間違いです。

 

これらの発言はマーケティングを理解しているとされている「プロデューサー」「事業責任者」など決裁権を持った人による発言でも耳にします。ゲーム会社内も、ゲーム会社外もマーケティングを理解していない同士でゲーム事業を回していこうとするわけですから、うまくいくはずがありません。

これらは、ただシンプルに「マーケティングの定義」を理解していないだけなのです。

でも、ちょっと考えてみてください。

「①つくるマーケティング」がちゃんとできていないと「②とどけるマーケティング」「③とどけ続けるマーケティング」が実現できませんよね?

「②とどけるマーケティング」「③とどけ続けるマーケティング」を物理的に「実行」はできます。でも「①つくるマーケティング」ができていない状況で「実行」しても、このゲームのプロジェクトは成功しません。

ゲーム業界におけるマーケティングの定義は「②とどけるマーケティング」だけを指しているケースが極めて多く、「①つくるマーケティング」が抜けているケースが実に多いのです。

実際にゲーム業界で20年も働いていると

「こんなゲームは絶対に売れない」「ゲームそのものがつまらないし」「売れる市場が存在しない」といったようなものを、売ってくるように強いられる場面に遭遇します。

つまり、「①つくるマーケティング」ができていないゲームを作ってしまった結果、チカラ技で売ってくるように依頼されるわけです。

しかし、このような話をトロネコがすると

「①つくるマーケティング」が重要なのはわかっているよ。

でもそれができる人なんていないし、すぐに育成でいないから我々は「②とどけるマーケティング」でなんとか現状突破しようとしているんだよ

といった事業責任者がいました。

でもこれらは「①つくるマーケティング」に対する「逃げ」であり「諦め」です。

そして現状の課題に対して何も対策を行わない「思考停止状態」です。「本気でゲーム事業を成功しようと思っていない」わけです。

すいません、ちょっと毒づいた感じに聞こえてしまったかもしれませんが、実はゲーム事業で失敗するほとんどのケースがコレなのです。

ゲーム開発段階からの「①つくるマーケティング」
その魅力を市場に届けるプロモーション段階での「②とどけるマーケテイィング」「③とどけつづけるマーケテイィング」

この3つのプロセスが分断されているのです。

 

トロネコは、この分断という「壁」と戦ってきましたが、まだまだゲーム業界における「マーケティングに対する意識の低さ」は深刻です。なんとか解消するために、このサイトを立ち上げて運営しています。

当サイトではマーケターがゲーム事業において貢献できる、関与できることをまとめた「マーケティング100リスト」を公開しています。

ここに具体的な「①つくるマーケティング」「②とどけるマーケティング」「③とどけつづけるマーケティング」についてまとめていますのでご覧ください。

100リストというくらいですから、ゲーム開発段階からマーケターができることは膨大にあるのです。

ゲーム業界における「マーケティング」はユーザーの嗜好性依存が高い

ちなみに世の中には様々な会社が存在します。

そして多くの人が「マーケティング」という言葉を一般用語として使っています。業界や会社によっては、マーケティングという言葉の定義はバラバラです。

たとえば、一見、性能的な違いがない「ミネラルウォーター」を売らなければならないなら、どんなに「①つくるマーケティング」をやっても、他社との差別化は難しいかもしれません。その代わり「②とどけるマーケティング」が重視されるでしょう。

(それでも、「①つくるマーケティング」は諦めちゃダメですよ)

一方で、ゲームはエンタメという極めて嗜好性が高い商品です。ここが他の商品と大きく違う点です。

ミネラルウォーターは「喉の乾きを癒す」という役割において代用品が効きます。

A社のミネラルウォーターでも、B社のミネラルウォーターでも喉の乾きを癒してくれます。

 

でも考えてみてください!

「ドラクエを遊びたくてショップにいったのに、ドラクエの新作が売り切れだったので、よくわからないRPGを買おう」

とはなりません。

 

ドラクエが欲しいなら、朝から並んでも、予約しても買いたい!と思うはずです。

つまり嗜好性が強いゲームのような商材は基本的に代替がきかないのです。

と考えていくと、いくら「②とどけるマーケティング」で魅力を伝えても、肝心のゲームが面白くなければ売れませんし、振り向いてももらいません。そして「③とどけ続けるマーケティング」も不可能です。。

 

つまり、ゲーム業界におけるマーケティングは下記の3つのプロセスをひとつも飛ばさず、全部やりきるしか成功への近道はありません。

 

残念ながらほとんどのゲーム会社は「②とどけるマーケティング」をマーケティングのすべてとして捉えており、「①つくるマーケティング」には踏み込めず、ここはすべて開発にお任せしている状態です。

「①つくるマーケティング」が自発的にできている開発チームを持っているゲーム会社ならば、ここにマーケターが入っていかなくても、ゲームの面白さはある程度保証できます。

または、有名漫画アニメキャラクターや有名ゲームIPを使ったシリーズゲームなら、それを使った時点で「①つくるマーケティング」の一部が強化されますので、大きな失敗は回避できます。

でも、世の中にそんな有名漫画アニメキャラクターや有名ゲームIPは限られていますし、多くのゲーム会社が自社でそのような価値あるIPを育てたいと考えています。

そうなると、「①つくるマーケティング」ができるかで、そのゲームが成功するか8割は決まってしまいます。

残りの2割は「②とどけるマーケティング」で決まって、そこを突破したゲームだけが「③とどけつづけるマーケティング」に踏み込めるというイメージです。

 

つくるマーケティングに踏み込む方法はシンプルです。下記でも書いていますがゲーム開発から配信発売まで、あらゆるマーケティングタスクを漏れず実行するだけです。

マーケティングに強いゲーム会社といえば?

マーケティングを構成する要素として「①つくるマーケティング」「②とどけるマーケティング」「③とどけつづけるマーケティング」といった3つのフェーズがある事をお話しました。

では、それらが強い会社といえばどんな会社が思い浮かびますか?

「①つくるマーケティング」に強い会社は

版権などを使っていないオリジナルのゲームソフトでヒットを飛ばし、さらに2本目、3本目と大ヒットとはいわなくても、コンスタントにヒットを出せる仕組みが会社組織に定着して浸透しているはずです。

でもそんな会社はあるでしょうか?

中にはありますが、多くの会社は1本目ヒットは出たけど、2本目のヒットを作ることにとても苦戦しています。

「②とどけるマーケティング」に強い会社は

ある一定の決まった「勝ちパターン」を持っていて、そのパターンを効率よくまわす事に長けているといえます。「勝ちパターン」が言語化され仕組み化され組織に定着させることで、ある程度の「②とどけるマーケティング」の実行は可能です。

これができると、大きな失敗は少なく、ある程度の成功確率で世の中にモノを送り出すことができます。

日本のゲーム業界で得意としている会社も存在しますし、実際にそういう会社が一般的な評価では「マーケティングが得意な会社」として評価されている傾向にあります。(でもそういった会社でも「①つくるマーケティング」はできていないのです)

 

最後に「①つくるマーケティング」「②とどけるマーケティング」の両方に強い会社はイメージが湧きますか?

残念ながら「①つくるマーケティング」マーケティングができている会社は、ほぼ存在しません。

よって「①つくるマーケティング」「②とどけるマーケティング」の両方ができている会社もほぼ存在しません。

優秀なクリエイターが集まったゲーム会社なら、意識せずに「①つくるマーケティング」ができているケースはありますが、そういう会社のマーケターが「①つくるマーケティング」に踏み込めていて、「②とどけるマーケティング」ができているかというと怪しいのです

最近は新しいゲームが売れない、だから安定して数字が見込めるシリーズ作品や、一定の成功が見込める強力なキャラクターを使ったゲームや、一度売れたアプリの延命運営に注力する、というケースが多いため、家庭用ゲーム、スマホアプリゲーム問わず、新しいゲームを生み出す事ができていません。

視点を変えてみると、これはチャンスです。

なぜなら、誰もできていないということは、今から我々が「①つくるマーケティング」「②とどけるマーケティング」を開発とマーケターが一緒になって実現すれば大きなアドバンテージになるからです。

 

別にマーケターがゲーム開発をしろ!といっているわけではありません。ゲームクリエイターが持っている才能を100%引き出すために

・間違った方向に進まないために視点を広げてあげる
・起こりうる未来を予想して先手をゲーム内で打つ
・せっかく作ったゲームが売れやすい仕組みを提案する

といったことも「①つくるマーケティング」のひとつです。

「①つくるマーケティング」を分解してみると以下のような項目があげられます。これは全部マーケターが貢献できることです。

マーケターがやるべきこと 内容
1 ゲームコンセプト調査 開発が作った企画に対してユーザーテスト
2 市場規模調査、ユーザーインタビュー 「コンセプト」をもとに市場規模を算出調査
3 ゲームジャンル選定 ユーザーニーズにあったゲームジャンル調査
4 ターゲットユーザー設定 想定されるユーザー像の仮設定
5 ペルソナ分析 想定されるユーザー像の掘り下げ
6 カスタマージャーニー設計 想定されるユーザーの感情ストーリー設計
7 マーケティング戦略 上記を元にした仮のマーケ戦略設計
8 売上試算、KPI設計 マーケ戦略を元にした試算周り全般
9 売るためのゲーム内機能の実装設計 売上、KPIを達成するための機能インプット

これらの重要性に気づき、行動を起こせたゲーム会社だけが、これから生き残ることができるといっても過言ではありません

実際に気づいているゲーム会社は多いですが、その「気づき」を「アクション」に変えられない会社も多いのが事実です。

ちなみに余談ですが、ゲーム会社の採用募集欄を見ると、その会社のマーケティングスキルがある程度わかってしまいます。

たとえば

「プロモーション全般(CM、イベント、キャンペーン)」

というように「How施策ベース」だけで書かれていたらマーケティングに対する意識が低いと思って間違いありません。

下記の記事でも書きましたが、「②とどけるマーケティング」をマーケティングだと思っている証拠だからです。

 

採用募集欄に「やることベース」で書かれていてもいいのですが、その上段として

・モノが売れるための仕組みつくり
・ゲームファンに届けて、ファンになってもらうための役割
・ゲーム開発段階から関わっていただきます

といった事が書いてあるとその会社におけるマーケティング意識、変えていきたい意識は高いと感じます。

特に「モノが売れるための仕組みつくり」と書いてあるとトロネコの心は動きます。そんな会社の人材募集がされていたら話を聞いてみたくなりますね。

 

ゲーム業界におけるマーケティング、宣伝の人材育成が不十分な理由

もう少し核心に迫ってみましょう。

ゲーム業界におけるマーケティング宣伝の人材育成は圧倒的に不十分です。

これは、「マーケティングの定義」を言語化して、人に教えられる人がいないのが原因です。

ゲーム会社もそこを理解していて、ゲーム以外の外部業界からマーケターのスペシャリストをヘッドハンティングしてくるようなケースがありますが、

ゲーム業界以外のマーケターは、ゲーム業界ではあまり活躍できていません。

なぜならゲーム業界のマーケティングって非常に特殊であり、一般的なマーケティング理論だけでは対応でいないからです。

それには次のような理由があります。

・ゲーム自体が極めて嗜好性が高い商材であり
・家庭用ゲーム、スマホゲームなど同じゲームでも多種多様であり
・知識や経験があったとしても言語化して語れる人がいない

ということに集約されます。

 

これができるには

・圧倒的な成功失敗経験
・トライ&エラーによる経験と知識の蓄積
・言語化して人に教える能力
・知識の切り売りではなく新しい考え方を生み出す能力
・そしてそれを実務に実行反映する能力

これが全部できないとダメなんです。

こういう人ってスーパーマン的な感じかもしれませんが、実際のところそれができないと現状を変えることはできません。つまり、マーケティング知識の詰め込みや、単なる経験値だけでは役に立たないのです。

トロネコはこの分野に切り込んできましたが、周りに同じような志を持つ人は少なく、教えてくれる人もいなかったので、常に自分で見つけるしかありませんでした。

実際にゲームマーケティングについて書かれた本や、学校もないですし、むしろこのブログで書いていることが、みなさんにとって新鮮に感じられるようでしたら、たぶん、ゲーム業界におけるマーケティングは、かなり遅れていると思います。

そしてゲーム業界におけるマーケティングがさらにハードルが高いのはもう一つ理由があります。

論理的思考でガチガチに固められたマーケティングでは成功しません。なぜならゲームは「論理的思考」だけでは解明できない「人の感情を動かすハートドリブンなエンタメ商材」だからです。

こちらの記事でも買いていますが「論理的思考」と「感情的思考」この両方をバランスよくミックスさせるマーケティングがゲーム事業には必要なのです。

わかりやすい例をあげると

「プロモ施策でDAUがあがったから嬉しい、施策は成功した!」

とは限りません。

「プロモ施策でDAUがあがったという結果はあくまでも数字上の変化にすぎまません。でも上がったDAUは泣いているのか、笑っているのか不明ですよね?」

施策が失敗して、ファンの期待を裏切ってもDAUからはわかりません。DAUが改善したので「正しい施策だった」と判断した結果、半年後にユーザーが離れてゲームアプリ運営を締めなければならなくなった

という事は多々あります。

このような話は、ゲーム会社の現場や、学校や本ではわからない部分です。でも、こういう部分にこそマーケティングの本質が隠れています。

ゲーム会社は本物のマーケテイングを求めている

ところでゲーム会社側からすると「本物のマーケティング」の人材は常に欲しいのはまぎれもない事実です。

とはいえ実際に人材募集しても、いい人材はなかなか集まりません。

理由としては、そもそも優秀なマーケターの絶対的母数が少ないのが挙げられます。

スーパーマーケターでなくても、ちょっとでもデキる人であれば、優秀なマーケテイング人材そのものが世の中に圧倒的に少ないわけですから、いま働いている会社でも重宝がられて、いい給料とポジションももらえるので、まずやめません。

やめないという事は、人材が市場に出てこないという事になります。

優秀な人材が市場に出てこないということは、その人材の知識や経験が外部に漏れない、共有されず、特定の会社に閉じた状態になってしまいます。

これもゲーム業界におけるマーケティングのスキルがあがらない理由のひとつかもしれません。

 

転職エージェントと話をするとよく聞く話ですが、

ゲーム開発者は転職市場でも見つかるれど、ゲーム業界で経験豊かなデキるマーケティング宣伝は、人材募集や転職エージェント経由でもほぼ見つからないそうです。

だからこそ非ゲーム業界から人材を連れてくるしかないけれど、ゲームって嗜好性の高い特殊な事業なので、即時の事業貢献につながりにくいのです。

まして、プレイヤーだけでなく、マーケティング理論を教えられて組織を強くしてくれるような「先生」になれる人材は皆無です。

ゆえに、マーケティング宣伝分野でゲーム業界で経験を積み上げてきた方で、絶対的な自信があり、今回の記事に賛同してくれるような人は、もしいまの職場で評価されない、日陰のポジションであっても、全く非感する必要ありません!

ぜひ、コツコツとスキルアップを積んで、備えておきましょう。

なぜなら、家庭用、スマホアプリゲームを問わず、作ったものを売るだけでは、戦えない状況が目の前にあるからです。かつスマホの高性能化やPS4、PS5の登場で、開発費、宣伝費、時間をかけないと、戦えない市場になってしまいました・・・・。

よってゲームビジネスは、さらにハイリスク、ハイリターンが加速し、今後ますます淘汰が進んでいくと推測されます

よって、これから数年で下記ができてマーケティングの定義である「モノが売れる仕組み作り」ができる人材がゲーム会社におけるキーパーソンになります。

いまはできなくてもいいのです。変えていけばいいのですから。

でも、できないと諦めている、または重要性にまだ気づいていないゲーム会社は、もう生き残る事はできません。

仮にいま、この瞬間は生き残れても現状維持すらままならず、ただ緩やかに死に向っていくだけです。

どうやってマーケティングを学んできたのか(トロネコの場合)

思い返せば長い間、ずっとゲーム業界にいるわけですが、マーケティングの分野においては、「この人は!?」と思える上司、メンターはいませんでした。

出会えなかったというよりは、当時のゲーム業界には本当の意味でのマーケターが存在していなかったのです。

なぜなら、ゲーム業界における「マーケティング」における考え方自体がプレイステーションが発売された2000年以降にようやく出てきて、それから10年、2010年以降からスマホアプリの登場によって、ようやく重要性が認識されるようになったくらいに歴史が浅いのです。

でも、2000年頃のマーケティングなんて、現代のマーケティングとは全く比べ物にならないほど、旧世代的なものでした。

2000年以降でも家庭用ゲームの世界では、「作ったゲームを、そのまま売る」という作業から抜け出せませんでした。でも、現在も家庭用、スマホゲームアプリ共に、ほとんどのゲーム会社は、ここから抜け出せていない状態です。

ゲーム業界に入った最初の頃は、部の名前は「マーケテイング部」だけど、マーケティングをわかっている人、教えられる人がおらず、ただ、自分に与えられた仕事をこなしながら、その中でマーケティングや宣伝に関する知識や経験を積んでいくしかありませんでした。

先生はいないので、仕方なく「マーケティング本」みたいなものも読んだりしました。しかし、どの本を読んでも同じような「ありきたりなアカデミックなこと」しか書いていないし、全然実戦に使えないのです。

当時、社内でマーケティングができると評価されている上司がいましたが、彼がやっていたのはマーケティングではなく、マーケティングで用いられるワードや定義が書かれたエクセルシートの穴埋めを各担当者に促すことでした。

結果、マーケティングの教科書に書いてあるような、雛形の穴埋めをしたようなものが出来上がるわけですが、それって本質的な意味でのマーケティングではなく、単なる「マーケティングごっこ」なのです。

そんな経験を経て学んだのは、もう自分でゲーム業界における「マーケティングの定義」を作るしかない、という事でした。

でも、今振り返ると、これらは非常に時間の無駄だったと思っています。これからの若い人、いまマーケティングの仕事をしていてなんとか現状を変えたい人にはおすすめしません。

ならばどうすればいいのか、最後にお話しましょう。

①マーケティングの師匠を見つける

マーケティングの師匠を見つけるのがてっとり早いです。社内にいれば幸せ、いなければ社外でゲーム業界に限らず異業種のマーケターとも会うのも策です。

②常識を疑い、自分で考察し、アウトプットし続ける

とはいえ社内、社外でそう簡単にマーケティングの師匠を見つけられないと思いますので、そんな方は「常識を疑い、自分で考察し、アウトプットし続ける」という作業がもっともおすすめです。

あのゲームはどうして売れたのだろう?あの施策はなぜ失敗したのだろうか?

ネットやテレビ、雑誌で得られる情報は本当なのだろうか?自分ならどうする?

といった世の中のあらゆる事象について、「なぜ?」「なぜ?」「なぜ?」を繰り返し、考察を巡らし、自分だけの見解を出してみたり

スマホアプリにおける「ログインボーナス」「事前登録キャンペーン」の目的と役割と効果って何?実はあんまり意味がない(本質的に価値がない)のでは?プレイステーション4の新作ゲームのポスター、ポスターってもう必要なの?

とか、すでにそこに何年も当たり前のように存在し、みんなが疑わず信じ続けている「売るための方程式」みたいなものに疑問を持ってみるのも有効な手段です。

そういう事が習慣化されると自然とマーケティングスキルは鍛えられます。

そして、トロネコがこの記事を書いているように、それらをアウトプットし続ける事で、マーケティングスキルが知識として自分の脳に定着し、さらに新たな考察ができるようになります。

まとめ

今回は「マーケティングの定義」について書いてきました。

トロネコにとって「ゲームマーケティング」とは、もはや仕事を超えたライフワークになってしまっています。

このブログのようにインプットしたことをアウトプットするような作業はマーケティングスキルの定着に最適です!

みなさんもブログを書きましょう!超おすすめです

ゲーム会社においてマーケターの育成に悩んでいる方は、トロネコにてマーケター育成のサポートもしておりますのでご興味がございましたらメールにてご連絡ください。

マーケティングについては最近、誰でもマーケティング戦略が作れるようにトロネコオリジナルのフォーマットを公開しました。

こちらの記事をご覧いただければさらに理解が深まると思います。

というわけで、今回はここまで!