ゲームアプリ運営・プロモーション設計で重要なのはユーザーの可処分時間

マーケティング

こんにちはトロネコです。

みなさんはゲームアプリ運営におけるイベント設計や

ユーザーの集客やDAUアップを目指したプロモーション施策を実施する上でもっとも重視していることは何ですか?

いずれの場合でも、まず第一に「ユーザーの可処分時間」を考慮しましょう!

というのが今回のテーマになります。

まず5つの事実について解説していきましょう。

これを知っているかで施策設計の入り口が全く変わってきます。

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ユーザーのプレイモチベーションにおける5つの事実

①情報伝達=プレイできるタイミングとは限らない

多くの人が情報が伝わればユーザーを動かすことができると思っていますが、これは間違いです。

情報はあくまでも情報であり、情報を受け取った瞬間に行動を起こせる人は僅かです。

情報を受け取った瞬間は会議中かもしれないし、運転をしているかもしれない、仕事中かもしれない、満員電車で押しつぶされているかもしれない

または、他に優先度の高いタスクがあるかもしれません。

情報伝達した瞬間=ユーザーがプレイする

と考えるのは情報発信側の勝手な思い込みであり、希望にすぎません。

②情報伝達からユーザーのプレイモチベーションは下がる

人間は忘れやすく、飽きやすく、諦めやすい生き物です。

情報を受け取った瞬間から

・情報の鮮度は落ち

・情報の正確さは薄れ

・その瞬間に行動を起こせないと、その後行動を起こせなくなります。

結果的に忘れてしまい、諦めてしまうのです。

わかりやすい例をあげるなら、いまテレビショッピングで宣伝している掃除機をみて「欲しいな!」と思っていてもそこで、手元にスマホがなければ購入せずに終わってしまいます。

そして購入せずに終わってしまえば1週間後に再び購入意欲が高まるのは稀です。

情報伝達した瞬間とプレイしたいと思った瞬間が重なった時が最もプレイモチベーションが高い状態です。

そこを頂点にプレイモチベーションは下がっていくと基本的に考えてください。

③Webキャンペーン参加者は初日で7割稼ぐ

ユーザー参加型のWebコンテンツを使ったキャンペーンを実施したことがある人ならわかると思いますが

仮に1週間のキャンペーンとして、最終的に100人が集まるとした場合、そのうちの7割に相当する70人はキャンペーン開始初日で集まってしまうものです。

つまり残りの6日間は30人しか集めることができません。

もちろん、そうならないように、キャンペンの途中でテコ入れ施策をするような場合もあります。

努力して改善することも不可能ではありませんが、情報発信した初動が熱量を最大化できるタイミングであることには変わりありません。

なんと多くのケースで初動で7割ロジックに近い状態が生まれます。

もちろん広告誘導などによって変動しますが、オーガニックユーザーだけを対象にするならば、限りなく7割ロジックに近い状況が起こるのです。

つまり情報発信のタイミング、つまり施策の初動でどれだけ稼げるかが、最終的に集まる100人を200人、300人に増やせるのか?大きな影響力を持つわけです。

④月曜日から木曜日はIMPは稼げてもCVRが悪い

デジタルマーケティングをしている人ならすぐに理解できると思いますが

月曜日から日曜日まで1週間、とあるゲームアプリのWeb広告を同一クリエイティブでターゲッティング出稿したとしましょう。

IMP(インプレッション=情報リーチ)は稼げますが、CVR(=ゲーム初回起動)が月曜日から木曜日まで全く稼げないと思います。

一方で金土日はゲームインストールとゲーム初回起動が平日とはぜんぜん違うレベルで獲得できます。

これはユーザーに情報は伝えられているけど、ゲームをインストールしてゲームを起動するための可処分時間がとれない、わかりやすい事例です。

⑤どんなに優れた施策もユーザーの可処分時間と合致しないと失敗する

ここまでの事例から、どんな優れた魅力的なゲーム内外施策であっても、ユーザーの可処分時間、つまりユーザーがゲームをインストールして起動したり、Webキャンペーンに参加できる時間を確保できないタイミングでは

実質的な施策効果が出しにくいということになります。

みなさんも様々なゲーム内外施策を実施していると思いますが、施策が失敗した原因は必ずしもゲーム内外の施策がつまらなかっただけではないのです。

Webキャンペーンは盛り上がったんだけどいまいちゲーム内部への集客ができなかったなぁ・・・。ゲームへの導線設計が甘かったのかなぁ・・・

実際にゲーム内への導線設計で失敗しているケースもありますが、それ以上にユーザーの可処分時間との不一致が失敗の大きな原因になっている場合もあります。

ここに気付けないと、ずっとキャンペーン施策が失敗し続けます。

だって、キャンペーンの中身よりも、タイミングが失敗の原因なのに

そこが改善されず、同じことが繰り返されるからです。

ユーザーの可処分時間を考慮した施策設計方法

「ユーザーのプレイモチベーションにおける5つの事実」を事前理解しておくと、ユーザーの可処分時間を考慮した施策設計が重要なことが理解できます。

ただし可処分時間はあらゆるゲームにおいて一定の共通点はあるものの、完全に同じではありません。

可処分時間はターゲットユーザーによって異なる

可処分時間はそのゲームのターゲットユーザーによって異なります。すべてのゲームが同じではありません。

例えばパズルゲームと歴史シミュレーションゲームでは明らかに、そのゲームを好むユーザーの属性が異なることでしょう。

(パズルゲームなら女性がメインターゲットになるでしょうし、歴史シミュレーションゲームなら年齢層の高い男性がメインターゲットになるでしょう)

つまり、ターゲットユーザーを踏まえた上で可処分時間の設定のカスタマイズが、各ゲームごとに必要なのです。

担当しているゲームタイトルのターゲットはどんなユーザーですか?

彼らの可処分時間はどのようなものでしょうか?

ここが明確になっていない状態で施策をやってもうまくいきません

今回はわかりやすいようにターゲットを30代、会社員向けのゲームと仮設定して可処分時間の設定を行っていきましょう。

30代会社員の場合は次のような可処分時間の設定が可能です(あくまでもダミーですよ)

・平日は通勤時間とお昼休み、帰宅後の寝る前しか時間がとれない

・ゲームをじっくりプレイするには時間が足りない

・ゲーム以外にもやりたいこと、やらなければならないことがあり時間の奪い合いが生じる

といった感じです。

平日は時間がなく、週末から土日にかけて可処分時間が増えると推測できます。このように可処分時間の推測をすることで、いつゲーム内外の施策を実施すればいいのか決めることができます。

たとえば次のような感じです。

ゲーム内イベントは金曜日夕方から開始する

既存ユーザーは「30代会社員」ばかりのゲームがあるならば

ゲーム内イベントは金曜日夕方から開始して土日で終わるくらいが参加率もあがるでしょう。

そしてゲーム内イベントと並行してゲーム内でマネタイズを実施するなら、同じタイミングで実施した方が売上もあがるはずです。

集客プロモーションは金曜日夕方から開始する

「30代会社員」の新規ユーザーを獲得するために集客プロモーションを実施するなら、金曜日夕方から開始して土日にかけて広告を集中投下するべきでしょう。

土日を超えて月曜日以降に実施しても、あまり集客効果は見込めないはずです。

いずれの場合もターゲットユーザーの可処分時間と施策効果は連動しています。

これらのターゲットユーザーの設定は、あくまでも仮設定ですから、ゲームのメインターゲットユーザーによって変動します。ターゲットユーザーを深く研究することが重要というわけです。

一方でターゲットユーザーを30代、会社員向けのゲームと仮設定した場合、明らかにやってはいけない事が見えてきます。

30代、会社員向けのゲームでやってはいけないこと

・月曜日から新しいゲーム内イベントを開始する

・月曜日からTVCMを投下して集客プロモーションを開始する

これらは明らかに施策として失敗するでしょう。

情報認知はできてもターゲットユーザーの可処分時間がないためアクションが起こせず初動でつまづきます。

ターゲットユーザーにとって、これらのタイミングでは可処分時間がないため情報認知はできたとしても、実際にゲームで遊ぶという行動を起こすことが難しくなります。行動を起こすユーザーもいるかもしれませんが、本来、それらゲーム内外施策で見込めた施策効果に対して大きくビハインドした結果になるでしょう。

この考え方を発展させると次のようなやってはいけない事も推測できます。

・月曜日にプレスリリースで新作タイトルを発表する

・月曜日に事前登録キャンペーンを開催する

・月曜日にyoutuber施策の動画を公開する

・月曜日に新作タイトルの発表会をネットで生放送する

・周年施策を月曜日から開始する

厳密には、このターゲットユーザーは月曜日だけでなく、木曜日まであまり可処分時間は増えないかもしれません。つまり平日は基本的に何か新しい仕掛けをするには情報認知は高められても、期待できるほどの効果をだせないというわけです。

理想は土曜日、できれば金曜日夕方くらいに実施するのが施策効果を最大化できそうですね。

もし1周年のタイミングが運悪く月曜日にあたってしまうならば、そこは施策設計で対策を考えるべきです。

そもそもゲーム配信日を決める時点で翌年以降の周年記念の当日の曜日までわかっているわけですから、そこまで先回りしてゲームの配信日を決める必要があります。

そんなこと考えたこともなかったです

それって、何も考えずに配信日を決めている証拠です。改善しましょう。

まとめ

まとめると次のようになります。

・各タイトルごとのターゲットユーザーを明確にする

・ターゲットユーザーに情報をリーチできるタイミングだけでなく、実際にアクションを起こせる可処分時間が確保できるタイミングを見極める

・そのタイミングに対してゲーム内外施策を仕掛けていく

これら要件を事前に明確にすれば、ゲーム内外の施策効果を最大化できるというわけです。

でも多くの場合で、そこまで深く考えておらず、スケジュールありきで物事が進めらえているため、非常に勿体ないのです。

ぜひ、ターゲットユーザーの可処分時間という概念をゲーム内外の施策設計に取り入れてみてください。

というわけで今回はここまで!