こんにちは
マーケティングスペシャリストのトロネコです。
今回の記事は
・これからゲーム業界を目指す人
・いまゲーム業界で頑張っている人
に是非読んで欲しい内容です。
先日、こんなTweetをしました。
「過去の実績や栄光に依存して生きるとうまく行かない」という話です。
これはゲーム業界に限った話ではないのですが
特にゲーム業界においては「未来志向」でないと生きられません。
なぜなら
・日々新しい技術やトレンドが生まれ
・日々新しい競合が出現し
安定しない業界だからです。
しかし、ゲーム業界では
「過去にとらわれて生きている人が非常に多い」
というのも事実です。
これは年齢は関係ありません。
そして「過去」といってもベテランゲーム業界人による10年前の「過去」に限らず、若いゲーム業界人の数年前の「過去」も該当します。
実際にトロネコは20年以上、ゲーム業界にいますが
「ゲーム業界では過去の成功体験にとらわれるとうまくいかない」
というのは実体験に基づく事実です。
なぜ、過去に生きるとうまく行かないのか
ゲーム業界ならではの理由についてお話しましょう。
ゲーム業界では過去の成功体験にとらわれると失敗する理由
①ゲーム業界は流行り廃りが速すぎる
ゲーム業界はとにかく流行りと廃りが早いのが特徴です。
例えば10年前に社会的現象になったゲームでも
現在、そのゲームが継続して展開していなければ、人々の記憶に残りません。特定の世代に限り「昔、そんなゲームがあったなぁ」程度でしょう。
つまり
終わった過去のタイトルには価値はなく
現在まで続いているタイトルしか価値はないのです。
特にスマホゲームの場合は「運用型ゲーム」ですから、サービスの終了と同時のそのゲームは「過去」になります。
過去と現在が背中合わせのゲームともいえるでしょう。
しかしゲーム業界で現在進行形で続いているタイトルは数えるほどしかありません。
「流行り廃りが早い業界」であるため、ゲーム業界は「常に未来を見て生きていかなければ生きられない世界」なのです。
過去を懐かしがっている余裕はありませんし
過去の成功体験に囚われていると、自分自身もどんどん古く取り残されて「過去の産物」になってしまいます。
②ゲーム業界はテクノロジーの進化が速すぎる
ファミコン
PS4、PS5、ニンテンドースイッチ
スマホアプリ、PCオンラインゲーム
ゲーム業界はゲームデバイスや、それに関わるテクノロジーの変化が早い業界です。
特にスマホゲームの登場により、それまでの家庭用ゲームの「売り方」「作り方」が全く通用しなくなりました。
面白い家庭用ゲームが作れる人が
スマホゲームでもヒットを作れるわけではなく
その逆もまたしかりです。
なぜなら家庭用ゲームとスマホゲームでは求められるスキルセットが全く違うからです。
ゲーム業界で生き抜くために、家庭用ゲームだけ作っていればいいわけではなく、家庭用ゲーム、スマホゲームの両方を作れなければ生き残れません。
でも両者で求められるスキルセットは同じではないので、テクノロジーの進化に対して我々は常にアップデートし続けなければならないのです。
ゲームクリエイター、マーケターは、この変化についていかなければゲーム業界で生き続ける事はできません。
PS5やニンテンドースイッチのゲームも作りたいし、売りたい
しかしスマホゲームも作って売らないと生きていけない
これがゲームクリエイターとして、かつゲーム会社としての内部事情です。
つまり過去に囚われて生きている状態では「いまを生きるための武器」を手に入れることができないわけです。
③現在のゲーム業界は競合が多すぎる
これまでのゲーム業界は限られたゲーム会社だけが参入できる業界でした。
しかし、現在のゲーム業界では競合が多すぎます。
家庭用ゲーム、スマホゲーム問わず
インディーズのゲームクリエイターが参入しやすい状態ですし、海外勢、特に中国のゲーム会社の進出は凄まじいものがあります。
今後は中国だけでなく、インドなど別のゲーム会社の参入も増えてくると推測されますから、競合は増えることはあっても減ることはありません。
競合過多の状況では過去に囚われているような余裕はありません。常に最先端を走り続けなければ戦えない世界が待っています。
このような状況であれば、過去に囚われている余裕はないはずですが、それでも多くの人は過去に囚われています。
過去実績は転職活動に使えても、多くの人が転職先で結果を出せない
過去の華やかしい実績は「転職活動」に使えます。
なぜなら採用する企業側も、その人の過去の実績を重視するからです。
ただし、ゲーム業界においては例えば10年前の過去実績に価値があるのか?というと微妙です。10年前の過去実績が価値を生むには
10年前から現在まで連続した実績の積み重ねが必要です。
さらに連続した過去実績を持っていたとしても、それは現在も使える状況である必要があります。
履歴書や職務経歴書に記載されたものは
「あくまでも過去の実績にすぎず、それが現在でも通用するかは文字からは判断不可能」です。
多くの職務経歴書は過去実績の列挙であり、いま何ができるかが記載されることはレアケースです。
華やかな過去実績でスマホゲーム会社に入社してきた人が、全く結果を出せず去っていくのはよくあります。
なぜ、うまく行かないのか?理由は3つあります。
・過去実績で生きている人は、過去の成功体験にこだわりすぎており、新しい常識を受け入れにくい
・ゲーム業界の常識がここ数年で大きく変わった(過去の常識は通用しない)
・過去実績は本当にその人の成果なのか不明。いま何ができるかが重要。
つまり、過去実績なんて「能力の判断材料」には使えるけど
実際に結果を残せるかの「保証」にはならない
重要なのは「今何ができるか」であり
厳密には「過去実績」なんてどうでもいい事だったりします。
下記で書いていますが過去実績はCAN、現在がMUSTだとするならば、それ以上にゲーム業界では未来に相当するWillが重要というわけです。
スマホゲーム業界は、IT企業からの転職も多く、従来のゲーム会社とは働いている「人の属性」が異なります。
スマホゲーム会社で働いている人はゲーム業界における華やかしい過去はありませんから、いまを生きるしかありません。
過去に囚われている人が、そのようなスマホゲーム会社に転職して、過去の実績を振りかざしてもうまく行きません。
「今を生きている人」にとって、あなたの過去実績なんてそれほど重要ではないのです。重要なのは「いま何ができるのか?」ただそれだけです。
過去の実績は置いておくとして
ところで、いまみなさんは何ができますか?
重要なのは「過去にとわられす常に自分自身をアップデートし続けているか」「未来志向」の生き方を持っているか、ただそれだけです。
逆を言えば過去に囚われずに転職活動ができる人は圧倒的に強いです。
成功する転職活動は「過去」ではなく「いま」と「これから」をどれだけ語れるかにかかっています。
【参考記事】ゲーム業界おすすめ転職サイトや転職エージェント10選
なぜ、ゲーム業界では過去に生きている人が多いのか
ところで、ゲーム業界では過去に生きている人が多い印象です。
年齢やキャリアに関係なく多い印象です。
・過去の実績でその場にいられる
・過去のタイトルにおける「思い出の世界」で生きている
・特定の会社の出身だとか、特定のゲームを作った人だとか過去のキャリアにこだわる
といった感じです。
とはいえ過去に存在していた素晴らしいゲームは、事実存在していたわけですし、必ずしもそれにこだわる事は悪い事ではありません。
ただし、過去にとらわれるというのは別の話です。
過去に囚われ続けてしまうと、いまと、未来がみえなくなります。
その結果、いまと、未来に追いついていけない自分自身の未熟さに対するアップデートを怠ってしまいます。
アップデートする努力をせず、過去に囚われた生き方は楽なのは事実です。
なぜならゲーム業界のようなエンタメ業界で
ゼロからイチを生み出し、それを継続するためには
命を削る覚悟と努力が必要であり
過去に生きている人はそれを痛いほど知っているからです。
だからこそ過去の栄光や思い出にすがりたくなるのは、ゲームだけでなくエンタメ業界共通の傾向といえるかもしれません。
これがゲーム業界では過去に生きている人が多く
かつ、年齢に限らず、一度成功体験をしてしまうと、
そこにすがってしまう傾向があります。
しかし、ここに陥ってしまうと、成長できませんし、やがて使い物にならなくなってしまいます。
過去の実績が活きる人は、アップデートしながら、いまを生きている人だけ
とはいえ、ゲーム業界にも「いまを生きている人」がたくさんいます。
過去に数々の結果を残しても、それに甘えることなく
新しいことにチャレンジし、常に自分自身をアップデートすることを止めない人たちです。
先日このようなTweetをしました。
毎日、少しづつでもいいので
昨日の自分をリライトして
新しい自分にアップデートしていく
これができると、「いま」も活きますし、同時に過去の実績も活きるのです。
特にゲームクリエイターにおいては、アップデートをやめた瞬間にクリエイターとして終わります。
10年前に関わったゲームを実績として引き合いに出したところで、今を生きて最新のゲームに関わっている人と比べると、圧倒的に説得力が違うからです。
ゲームクリエイターは「いま」を生きれなければ価値はありません。
もう少し具体的に言うならば
・10年前にヒットを出したゲームの実績なんてどうでもいいのです
・いまヒットを出し続けていないクリエイターには価値はありません
過去ではなく、いま何ができるのか?何をやっているのか?
別に失敗していても、クリエイターとしてモノづくりを続けてチャレンジし続けている状態が重要なのです。
これはマーケターも同じです。
過去にどんな素晴らしい名作を作ったクリエイターでも、過去である以上、そこに説得力はありません。1年前の過去ならまだしも、特に変化が早いスマホゲームについて3年前の過去にはあまり価値はないのです。
これをわかっているからこそ
管理職を昇進したクリエイターが現場に復帰したいゆえに独立したり、管理職を降りたりするのは、わかりやすい事例です。
なぜなら現場を離れた瞬間に「過去に囚われて生きる覚悟」が必要であり、「いまを生きることが難しくなる」からです。
本物のゲームクリエイターであればあるほど
これほど残酷にクリエイターとしての死を感じる瞬間はないそうです。
でも、こういう思いがこみ上げてくる時点で、クリエイター魂はまだ死んでいない証拠にもなります。
だから本物のゲームクリエイターは
命を削りながら過去にとらわれず「今」を生きようと努力をやめないのです。
最後に
毎日、少しづつでもいいので
昨日の自分をリライトして
新しい自分にアップデートしていく
この3行に今回お話した内容における重要なことが集約されています。
ちなみにトロネコは自分自身の過去を語ることが嫌いです。
過去実績を語ったところで未来は変わらないし、むしろ過去に寄り何処を持つことは、自分自身のアップデートを阻害するだけでなく、自分自身をどんどん過去のモノにしている行為だからです。
生きていると、意思に反して過去を語らなければならない場面もあるかもしれませんが「いま」と「これから」についてだけ語りたいと日々思っています。
「いま何ができるのか?」
それだけのために、これからも当メディア「トロネコのゲームマーケティング大学」を続けていきます。