【第2回】 ロジカルドリブン思考のゲーム開発、ゲームマーケティングのメリットとデメリット

ゲーム業界

こんにちは
マーケティングスペシャリストのトロネコです。

連載企画の第2回は「ロジカルドリブン」ついての話です。

家庭用ゲーム会社は前回お話した通り「ハートドリブン思考」が強いのですが、スマホゲーム会社は今回お話する「ロジカルドリブン思考」が強い傾向があります。

この「ロジカルドリブン」について、メリット、デメリットについて今回お話します。

※前回の「ハートドリブン」についてはこちらをご覧ください。

【目次】
・ロジカルドリブンとは何か?
・ロジカルドリブンのメリット
・ロジカルドリブンのデメリット
・ロジカルドリブン思考を組織に浸透させる方法
・まとめ

 

ロジカルドリブンとは何か?

ロジカルドリブンとは

「物事を論理的思考で説明でき、過去実績から未来を予測し失敗確率を下げ、成功確率をあげられる考え方」

と定義できます。

ちなみに「ロジカルドリブン」ってというワードはあまり一般的ではないのですが、「ハートドリブン」の対義語として、「論理的思考に基づく仕事への姿勢」を表現する言葉としてトロネコが使っています。

ゲームの歴史を「家庭用ゲームの歴史」とするならば、家庭用ゲームは歴史的に「ハートドリブン」で人の心を動かすことで成長してきました。

しかし「ハートドリブン思考」は、「ロジカルドリブン」に比べると成功打率が低く、かつ成功パターンを言語化して、組織に周知することによる「再現性」のハードルが高いため、スマホゲームの台頭と共に非ゲーム業界が参入すると、いままでゲーム業界になかった「ロジカルドリブン」が使われるようになりました。

※「ハートドリブン」についてはこちらの前回の記事を参考にしてください。

その結果、「ロジカルドリブン」は特定の人材ではなく組織力として戦える状態を作り出すことに成功しました。

家庭用ゲームにはなかったKPIによるゲーム事業の分析&改善や、マーケティング戦略に基づいたゲーム開発も「ロジカルドリブン」から生まれました。

そもそも家庭用ゲーム業界ではKPIという考え方がなかったですし、マーケティング戦略思考も、スマホゲームと比べると低く、HOW思考で物事が進められてきたからです。

【参考記事】なぜ、HOW思考で作られたプロモーション施策は結果がでにくいのか?

「ロジカルドリブン」によって「ドリブン」された、従来のゲームの成功方程式とは異なる「スマホゲーム」が大成功を収めたのは疑う余地はありません。

ここで重要な話をすると「ロジカルドリブン」が通用した要因はスマホゲームを「従来の売り切り型のゲーム」ではなく「運用型のサービス」として考えたためです。効率や最適化を重視する「ロジカルドリブン思考」は、「ゲーム運営サービス」において非常に大きな成果をもたらしました。

よって、スマホゲームが台頭してきた2013年あたりには、従来の家庭用ゲーム会社よりも、Webサービスを得意とする企業がスマホゲームで成功を収めることができました。

しかし、スマホゲーム市場が成熟化して、「サービス」よりも「ゲーム」としての面白さが重視される時代になると、「ロジカルドリブン」だけでは戦えなくなってきました。

それを補うのがこちらでお話した「ハートドリブン」なのですが、「ハートドリブン」にもデメリットはあるため、トロネコ的には「ハートドリブン」と「ロジカルドリブン」を融合こそが、今後のゲーム事業で結果を出すには必要だと思っています。

この融合については次回の記事でお話しますね。

ロジカルドリブンのメリット

ロジカルドリブンのメリットはズバリ下記の通りです。

・数字によって状態を「可視化」できる
・成功パターンを「言語化」でき次に活かせる
・結果から「振り返り」ができ人も組織も成長できる
・これらのプロセスにより事業の失敗確率を下げ、成功確率をあげられる

「つまり大きな失敗を回避し、成功に続く道を作れる」

これが「ロジカルドリブン」最大のメリットです。

成功打率を上げられるので、「ロジカルドリブン」ができているゲーム会社(IT、Web会社もそうですが)、致命傷となるような大きな失敗がなく、大ヒットは作れなくも、中小規模のスマッシュヒットを安定して量産することができます。

致命傷になる前に撤退判断もできるのも「ロジカルドリブン」のメリットです。

 

ロジカルドリブンのデメリット

一方で、「ロジカルドリブン」には大きなデメリットがあります。

それは「世界を変えるような大ヒットをつくりにくい」という点です。

「論理的思考では世界を変えるようなヒットは作れない」とは断言はしませんが、「作れる可能性は下がる」とトロネコは考えています。

なぜならロジカルであればあるほど、過去データや市場調査を重視するからです。過去データや市場調査からでは「過去や、現時点で推測できる未来しかわからない」という限界があります。

いまゲーム業界で影響力を持つ有名ゲームは「ファンの期待値を超えるハートドリブンによって生まれたコンテンツによって生まれたゲーム」によって構成されています。

マリオ、ドラクエ、FF、ポケモンなど、今を時めく有名IPは、ただ自分たちが面白い、楽しいというものを徹底的に追求した「ハートドリブン」で作られたゲームばかりです。

「ロジカルドリブンはヒットしたゲームのガワ替えなら勝負できますが、自らヒットするゲームシステムを作り出すことが苦手」といえます。

なぜならロジカルなデータに裏付けされた世界でしか勝負ができないので、イノベイティブな新しい体験にチャレンジに対するための根拠が過去データから提示できないからです。

また「ロジカルドリブン」は売上や利益などの事業最適化を追求する考えになりがちなので、「ゲームにおける無駄を徹底的に排除」する傾向があります。

しかしゲームの面白さは「売上や利益だけでは語れない一見無駄にみえるモノ」から構成されているとするならば、「ロジカルドリブン」ではファンの期待を超えるエンタメは生まれないのです。

(これは前回の記事でも書いていますので参考にしてみてください)

とはいえ、これまでのスマホゲームでは「ロジカルドリブン」でも戦える時代でした。いや、むしろ「ロジカルドリブン」の方がうまく行く時代だったのかもしれません。

しかしスマホゲームが「サービス」から「ゲーム」にシフトするにあたって、ますます「家庭用ゲーム」との境界線がなくなると、「ロジカルドリブン」だけでは戦えない時代になってきました。

最後に分かりやすい例をあげると

「ロジカルドリブン」ではDAUの変動に意識が行きがちです。DAUの変動原因を追究し、改善しようとします」

でも重要なのはDAUという数値変動ではなく、実際にプレイしているユーザーの感情や状態です。DAUからは数字による状態は把握できても、その1ユーザーが「笑っているのか、泣いているのか」はわかりません。

ここに踏み込めないと本質的な問題解決に踏み込めません。なぜならDAUの数字増減だけでは判断を誤ってしまう可能性があるからです。

また「ロジカルドリブン」は人生をかけてゲームを作りたい「ゲームクリエイター」との相性は良くありません。

理屈っぽいのは、感情に訴えかけるエンタメにおいてはとにかくつまらないですし、つまらない仕事は、メンバーのモチベーションを高めて本気で動かす事はできません。

「ロジカルドリブン思考」に染まったゲーム事業責任者は数字しか事業を語れません。ゲームでどんな未来を作りたいのか、ファンに伝えたいのか「夢」を語れない責任者が多いのです。なぜなら、本気で人生をかけてゲームを作ろうと思っていないからです。ただ、ゲームを仕事としてしか考えていません。

これはビジネスとしては健全という見方もできますが、「ゲームはハートドリブンで人生をかけて命を削って作るもの」と考えるゲームクリエイターにとっては、これほどガッカリする事はありません。

 

ロジカルドリブン思考を組織に浸透させる方法

デメリットもありますが、ロジカルドリブンが浸透できれば失敗を回避し、成功の打率を上げる事ができます。

しかし、本当の意味での「ロジカルドリブン」を浸透させることは結構大変です。なぜなら数字に強く、ロジカルに議論できればそれが「ロジカルドリブン」ではないからです。

トロネコはマーケターなので、マーケティングマインドに振り切って「ロジカルドリブン」を浸透させる方法としては、こちらに書いている通り

「マーケティングのフレームワークの作成方法」をマスターして、それを実務において活用できるレベルまであ高めることで一定のロジカルドリブン思考を組織に浸透させることができます。

またこちらで書いている通り「振り返りの徹底」によっても、「ロジカルドリブン」の浸透効果は期待できます。

まとめ

前回の記事ではこれからのスマホゲーム事業では「ハートドリブン」は重要という話をしました。しかしハートドリブンのデメリットをフローする役割として、「ロジカルドリブン」は効果を発揮できます。

よって、「ハートドリブン」「ロジカルドリブン」を融合して使いこなせるゲーム会社が圧倒的に強い時代になります。

次回は「ハートドリブン」と「ロジカルドリブン」の融合についてお話しましょう。

というわけで今回はここまで!

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