【保存版】スマホゲームマーケティング成功の方程式
こんにちは
マーケティングスペシャリストのトロネコです。
今回はスマホゲームアプリ事業を成功させるための「スマホゲームマーケティング成功の方程式」を全部お話します。
とはいえ、これまで当サイトで何度と話をしてきた内容なので、
読み込んでいる皆さんの中には、既に知っている事ばかりかもしれませんが、誰でもすぐに使える「成功の方程式」として「わかりやすいように書いてみましたので、新たな気づきはあるかも。
とにかく、わかりやすく
核心に踏み込んだ内容で
解説していきますが、どうしてもわからない場合はトロネコのTwitteで個別で質問してくださいね。
スマホゲームマーケティング成功の方程式
最初に答えをお話してしまいましょう。
スマホゲームマーケティング成功の方程式はズバリこちらです。
そして、この方程式をゲーム配信直後の第1週目でどこまで
「状態よく、数が取れるかがすべてです」
「第1週でコケたら挽回は極めて厳しいのが現在の市場です」
「だから、1週目で圧倒的なスタートが切れるために、マーケターは徹底的に事前準備をします」
はい、これがゲーム事業の成功の方程式の基本形です
もちろん、全てのスマホゲームマーケティングがこの形に該当するとは100%断言するのは困難です。
「配信初動で失敗したけど1年後に挽回して成功を収めた」と言われるケースも存在しますし、「配信初動で失敗したゲームはどうすればいいの?」というご意見も頂きます。
でも、これだけは認識しておいてください。
配信初動で失敗して、その後挽回しても本当の成功は手に入れられません。
これ核心の話です。
配信初動で失敗したゲームはどうすればいいの?
そんな課題を抱えている人は残念ですが、
「本当の成功は手に入れられないけど、どこまで失敗を挽回できるか、という世界で戦うマーケティング展開を強いられる」
これが核心です。
なぜなら、ゲームアプリの場合はアプリ配信直後にそのゲーム運営において「もっとも熱く、生涯にとってもっとも売上貢献をしてくれるファンが遊んでくれるからです」
これも核心です。
だから、配信初動で失敗すると、熱狂的なアイドルのファンクラブ会員を全部失うほどのインパクトを受ける事になります。
ちなみに、DAUとはDaily Active Usersの頭文字をとった言葉で、「新規ユーザー」「既存ユーザー」「離脱からの復帰ユーザー」の3つから構成されるのがDAUです。よくわからんという人はこちらの記事で解説しています。
LTVはLife Time Valueの頭文字をとった略称で、
インストールしたユーザーが一定期間でゲーム内で使ったお金であり、客単価でもあります。
ARPU(Average Revenue Per User):無課金を含むDAUに対する平均課金額
ARPPU(Average Revenue Per Paid User):課金ユーザーだけ抽出した平均課金額
とは違うので間違えなく。ARPU、ARPPUは月間の平均値であり、LTVは決められた一定期間におけるユーザーひとりの生涯顧客単価です。よってLTVの場合は3ヶ月間くらいを生涯課金期間として設定することで、3ヶ月LTV、180日LTVなどと表現されることがあります。
3ヶ月で超コアコアユーザー以外、全体的にユーザーが入れ替わる想定だから、その期間をLTV期間にしようぜ、という考え方です。これはアプリによって個別設定してください。
話をもどしましょう。
今回説明している「ゲームアプリマーケティング成功の方程式」におけるDAUについては「新規ユーザー数」×「継続率」という組み合わせで書いています。
アプリ配信1週間程度ですから、「離脱ユーザー」「既存ユーザー」という定義はそれほど重要ではありません。
なぜなら「新規ユーザー」を獲得して「離脱させなければ」「離脱ユーザーそのものを生み出すことはなく」「獲得したユーザーは全て既存ユーザー」になるからです。
どんなマーケティングを実施しても「離脱ユーザー」は生み出してしまいます。
なぜなら、スマホアプリはその商品特性から、続々とユーザーが辞めて離脱してしまうからです。
スマホアプリユーザーが離脱する要因についてはこちらの記事で網羅しているので、お時間があれば読んでください。
そうなんですよ、スマホゲームはどんどんユーザーが辞めます。
それを当然とするか、おかしい、異常な事と考えるかで「できるマーケター」か「できないマーケター」かの分かれ道となります。
ユーザーを辞めさせてしまった時点でマーケターとしては失格と考え、「辞めさせないマーケティング」「遊び続けてもらうマーケティング」を心がけるようにしましょう。
前置きが長くなってしまいましたね。
栗菓子ますが新作ゲームアプリを配信する上での、「スマホゲームマーケティング成功の方程式」はこれが核心です。
そして、配信1週間でその後の運命が決まります。
では次のパートからはその内訳を全部お話していきましょう。
スマホゲームマーケティング成功の方程式の分解
スマホアプリマーケティング成功の方程式は
アプリ配信直後1週間が運命の分かれ目である
という話をしました。
つまり、「事前登録フェーズ」と「配信直後の1週間」が全てというわけです。
「方程式」を「配信前」と「配信1週間後」で分解するとどうなるのか?
知りたいですよね。はい、下記が核心です。
成功の方程式は5つに分解されます。
この5つのフェーズについてこれから解説していきますが、読み進めていく上で同時に
5つの各フェーズを達成するための施策もイメージしながら読んでみてください。
なぜなら
各フェーズを達成する施策を
「マーケティング戦略」に基づいて
限られた予算と工数の中で、どれだけ実行できるかが
今回の成功の方程式の「成功確度」に影響するからです。
でもこんな経験ありませんか?
マーケティング戦略」って言われても、それ作成するの苦手でして、作っても周囲の人に「自己満足でマーケターのエゴだよ」とか言われるんですよね・・・
これは
周囲を納得させて動かせるだけの根拠を持ったマーケティング戦略が作って、説明できていないから
もしくは、
あなたの周囲のメンバーが圧倒的にマーケティング知識やマインドが不足している状態だから
ただこれだけです。
マーケティング戦略ってマーケター個人の経験や知識に依存する部分はあるので、それは仕方ないのですが、経験が浅い若手マーケターでも作成できるようにしたのがこちらの記事です。
マーケティング戦略って「フレームワーク」を使うことである程度、型にはめて標準化できるというわけです。
①事前登録を集める
「事前登録100万人突破!!」
みたなニュースが踊りますが、事前登録において「数」は重要です。
事前登録1万人と、事前登録100万人では配信前に100倍の差があるわけですから、この差は大きいですよね。
ただし、重要なのは「見た目の事前登録数」ではなく「実質的事前登録数」です。
たとえばこんな感じです
・LINE友達の見た目の事前登録100万人獲得しても、ほとんど友達ブロックされており、内情は1万人しか残っていないかもしれない
・Twitterフォロワーで事前登録50万人獲得しても、ほとんど価値がないサブアカウントだったり、捨てアカウントだったり、生きていない死にアカウントで、実態は1万アカウントしか生きていないかもしれない
ちょっと極端に聞こえるかもしれないけど、これは決して極端な話ではありません。
LINE友達、Twitterフォロワーをゲームとは全く関係ない「ポイント付与」「インセンティブ付与」で集めるとこのような状況はありえるので注意してください。
1000万円の宣伝費をかけて獲得した事前登録100万のLINE友達、50万のTwitterフォロワーが実質1万人の価値しかなければ、真面目にファンマーケティングで自然増で獲得した事前登録1万人のタイトルと同じ効果かもしれないわけです。
これも、極端な事例に聞こえるかもしれませんが、あながち極論ではないので注意しておきましょう。
事前登録数を獲得する方法として「大項目」をざっくり分けると下記になります。各項目ごとの特性を理解すれば、あとは具体的な施策に落とし込められそうですよね
大項目 | 事前登録数 | 事前登録者の質 | 必要コスト |
インセンティブで集める
(金券、商品、ポイント) |
◯ | × | 高 |
ファンマーケティングで集める
(SNS活用、一般的な事前登録キャンペーン) |
△
(IP力に依存) |
◯ | 低 |
広告で集める
(TVCM・デジタル広告) |
◯ | △ | 高 |
インフルエンサーで集める
(youtuber・KOL) |
△
(インフルエンサーに依存) |
△
(インフルエンサーに依存) |
高 |
PRで集める | × | ◯ | 低 |
アプリストアで集める | ◯ | × | 低 |
KOLとはKey Opinion Readerの頭文字の略称であり、日本のyoutuberに近いけど、厳密には日本のyoutuber施策とは異なる中国発信の施策です。
ゲームのことなら、ファッションのことなら、家電のことなら
この人の意見を聞いておけば間違いなし!
という媒体力だけでなく、信頼性があるオピニオンリーダー的な人を指します。
ちなみにアプリストアにおける事前登録は「数」は獲得できますが、事前登録者との「個別リレーション」が取れない、いわゆる「事前登録を取りっぱなし状態」ですから、「質」が良くありません。
できる限り、「個別リレーション」が取れるTwitterなどで獲得できるなら、そちらに寄せたいというのが本音です。
事前登録の媒体による違いはこちらの記事が参考になりますよ
②事前登録の状態を維持する
良質な10万人の事前登録を獲得したとしましょう。
そして、アプリ配信までまだ1ヶ月残されているとします。
ここでマーケターがやるべき事は
「さらなる事前登録数の積み上げ」だけではありません。
それも重要ですが、もっともっと重要なのは
「獲得した10万人の状態を維持すること」です。
獲得した事前登録ユーザーをどこまで状態維持して、アプリ配信日を迎えられるかがアプリ配信直後のインストール数に影響を与えます。
つまり、獲得した10万人の状態維持は事前登録からのインストール転換率に強烈なインパクトを与えます。
獲得した事前登録ユーザーを配信日まで維持する方法として「大項目」をざっくり分けると下記になります。各項目ごとの特性を理解すれば、あとは具体的な施策に落とし込められそうですよね
大項目 | 状態維持効果 | 必要コスト |
ファンマーケティングで維持する
(SNS活用、ネット番組) |
◯
(IP力に依存) |
低 |
インフルエンサーで維持する
(youtuber・KOL) |
△
(インフルエンサーに依存) |
高 |
PRで維持する
(新しい情報開示による期待感維持) |
× | 低 |
獲得した事前登録ユーザーの維持は「お金じゃ難しい」と考えておいてください。
お金や、お得感など目的ではなく、それ以外の方法で「そのゲームの熱狂的なファンにする」ことが事前登録者の状態維持にもっとも効きます。
核心について話をするとTwitter運用によるファンマーケティングが事前登録者の状態維持に有効な手段ですし、ここに特化するのが良いと思います。
でも、ただTwitter運用をすればいい、というわけではありませんよ。
・事前登録者をファンにさせるための
・ファンマーケティングに特化した
・Twitter運用設計が必要
というわけです。
③事前登録からのインストール転換率をあげる
いよいよ待ちに待ったアプリ配信日!!
事前登録ユーザーに配信開始の案内をすることで、続々とユーザーがインストールしてきます。
ここで重要なのは事前登録10万人のアプリインストール転換率をあげる施策です。すでに②で事前登録ユーザーの状態維持を達成しているなら、さらにインストール転換率を上げる施策を組み合わせることで、事前登録の効果を最大限活用できます。
獲得した事前登録ユーザーを配信日まで維持する方法として「大項目」をざっくり分けると下記になります。ちょっとしたきっかけをゲーム内中心で用意してあげると効果的です。
大項目 | 状態維持効果 | 必要コスト |
配信からX日以内にゲームを始めると
ゲーム内でX連ガチャが追加でまわせる |
◯ | 低 |
配信からX日以内にゲームを始めると
抽選でX名様にゲーム外商品が当たる |
△ | 高 |
ポイントは配信からX日以内という「時限式」にすることです。
例えば
配信から24時間から48時間以内の「時限式」にするとインストール転換率の効果があがります。
1週間以内といったように長く時間設定すると、その施策によるインストール転換率への効果は下がります。
ところで、なぜそこまでしてインストール転換率をあげて、初動のインストールを上げる必要があると思いますか?
「ゲームアプリマーケティング成功の方程式」に当てはまると、DAUを構成する新規ユーザーが配信1週間以内に獲得することが重要だから
正解です!
でも正解なのですが、もう1個理由があるんですよ
以前、イノベーター理論という話をこちらの記事でしましたが、スマホゲーム事業で成功するためには、配信1週間は超重要だけど、その先には
「キャズムを超えて大ヒットを狙えるかという分かれ目」が存在します。
キャズム?イノベーター理論?よくわからない、という人はこちらの記事を読んでみてください。
ざっくり核心だけ伝えると
スマホゲーム配信1週間以内の最初の土日あたりに「大ヒットを狙えるかという分かれ目」となる「キャズム」が存在していて、そこで、すげー遊ばれている状態(DAU)を作れると、トレンドを作れるというわけです。
トレンドが作れると、広告宣伝費をかけなくても「クチコミ」でどんどんアプリがインストールされ、拡散されていくようになります。
マーケティングで「キャズムの理論値」を超えることは可能です
ただし、「キャズムを超えた後、クチコミでどこまで広がるかはゲームの面白さと、拡散性」にかかっています。
かなり深い核心の話をしていますが、これが分かっているからこそ
こちらの記事でも書いていますが、
ゲーム開発段階における「つくるマーケティング」でゲーム事業の成功確率の8割は決まる
というわけです。
だからこそ、マーケターはゲームの開発段階から入らなければなりません。でもそれがでいていないゲーム会社が多いのは事実で「限界突破」が必要というわけです。
④配信初動流入ユーザーを獲得する
ゲームアプリ配信初動でユーザーを獲得できたら、
マーケターがやるべきことは、これからお話する④と⑤にかかっています。
実はこれが前のパートでもお話したイノベーター理論におけるキャズムの突破法にかかってくるからです。
キャズムを超えるにはアプリ配信1週間、最初の土日にキャズムを超えるDAUを獲得できるかがポイントですから、それまでに
「ユーザーを獲得し続ける」
「ユーザーを維持し続ける」
この2つが重要になります。
配信直後から「ユーザーを獲得し続ける方法」として「大項目」をざっくり分けると下記になります。
大項目 | 獲得効果 | 必要コスト |
【ファンマーケティング】
SNS運用広告では届かないユーザーにリーチする |
△ | 低 |
【広告】
TVCM、デジタル広告で獲得する |
◯ | 高 |
【仕組み化】
ゲーム内の仕組みとして友達を誘いたくなる要素を盛り込む |
◎ | 中 |
他にも方法はありますが、獲得効果があるのは【ファンマーケティング】【広告】【仕組み化】の3つに大きく分類されます。
おすすめは、ゲーム内の【仕組み化】による獲得です。
膨大なキャッシュがあれb【広告】で獲得し続ける事はできますが、無限にお金を使えるわけではありません。
広告や施策で獲得してファン化させたユーザーが、新たな友達を連れてくる「ゲーム内の仕組み」を用意すること
これが最強です。
ただし、誤解して欲しくないのはゲーム内に「友達招待機能」を入れようという話ではありません。
そうではなくて、ゲーム内に友達を誘って一緒に遊ぶことでゲームがもっと楽しくなる「基本的なゲームシステムやコンセプト設計」が必要というわけです。
なぜならキャズムを超えた後に獲得するユーザーのほとんどは「クチコミによるオーガニックユーザー(自然流入ユーザー)」なので、そのユーザーを連れてくるのは「広告」ではなく、「ゲームとしての遊びの本質」だからです。
だからこそ、マーケターはゲームの開発段階から入らなければなりません。でもそれがでいていないゲーム会社が多いのは事実で「限界突破」が必要というわけです。
スマホゲームマーケティングは全部繋がっているんですよね。
⑤ユーザーを維持盛り上げる
「ユーザーを獲得し続ける」
そして
「ユーザーを維持し続ける」
もうこれだけです。
ユーザーを維持し続ける方法を話すとキリがなくなってしまうのですが、下記の記事で長文解説していますので、こちらを参考にしてください。
【関連記事】スマホアプリ継続率リテンションに影響する22大離脱要因まとめ(なぜユーザーはゲームを辞めるのか?)
まとめ
今回の話はいままでトロネコが話をしてきた内容が相互に連動している「複雑な話」になってしまったので、ちょっとわかりにくかったかもしれません。
でも、かなりスマホゲームマーケティングの核心に迫る話ができました。
各種リンクも貼っておきましたので、1回で理解できない場合は各記事を読みながら理解していくようにすると、マーケティングスキルがぐっとアップするはず!
とりあえず、
冒頭で話をした「スマホゲームマーケティング成功の方程式」だけは、この機会に丸暗記してしまってくださいね!
というわけで今回はここまで!