【保存版】KPI継続率に影響を与える10個の要素改善方法|リテンションマーケティングの正体

スマホゲーム
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  1. リテンションって何?「継続率」を制する者はゲームマーケティングを制するかも!?
      1. 「休眠ユーザー」について
      2. 「リテンション施策」について
    1. 継続率はゲームマーケティングにおける重要KPIのひとつ
    2. 継続率に影響を与える10個の変動要因
  2. KPI継続率に影響を与える10個の要素
    1. ゲームそのものの要素
      1. ①ゲームジャンル
      2. ②ゲームの面白さ
      3. ③タイトルのIP力(シリーズタイトル/有名版権タイトル)
      4. ④ゲーム開始後の追加ダウンロード容量
      5. ⑤ゲーム設計(チュートリアル/プレイサイクル/プレイモチベーションを刺激するもの)
    2. ゲーム運用における要素
      1. ⑥アプリ動作における重さ(ゲーム起動時/ゲームプレイ時)
      2. ⑦ゲーム配信直後のトラブル障害
    3. 集客における要素
      1. ⑧アプリに誘導する集客経路(TVCM/Web広告/事前登録/ランキング経由)
      2. ⑨アプリに誘導する集客方法(インストールするとポイントがもらえる/プレゼントに応募できる)
    4. 外的要因
      1. ⑩競合ゲームアプリの存在
  3. 継続率を上げる方法
    1. CBT/OBTによる継続率の改善
    2. 気持ちよくインストールさせ、気持ちよく遊んでもらえるプロモーション
      1. ゲームアプリの魅力を適切に伝えて、期待値があがった状態つくりを意識する
      2. ユーザーの気持ちを無視して機械的に数字を獲得する集客方法はしない
    3. ログインボーナスや特別報酬(無料ガチャなど)は効果なし!?
    4. まとめ

リテンションって何?「継続率」を制する者はゲームマーケティングを制するかも!?

どうもゲームマーケターのトロネコです。

「休眠ユーザー」をゲームに復帰させるべく「リテンション施策」を行うべし!

ゲームマーケティング業界では、「休眠ユーザー」とか「リテンション」とかたまに聞くフレーズだったりしますが、実際のところ、最近はあまり聞かなくなりました。もし、「休眠ユーザー」とか「リテンション」とかいったフレーズを耳にしたら次のように指摘するようにしています。

 

「休眠ユーザー」について

「休眠ユーザー」とは、その名前の通り眠らせてしまっているユーザーです。眠らせるくらいに時間を与えてしまうとゲームアプリに戻すことは極めて困難です。

だから休眠ユーザーをつくってしまった時点でマーケターとしては失格なのです。せめて「離脱ユーザー」とか「短期離脱ユーザー」くらいに留めておくようにする必要があります。

「休眠ユーザー」というワードは厳密には、もう手遅れかもしれない、という言葉なのです。

「リテンション施策」について

「リテンション施策」とは「維持」「保持する」みたいな意味がありますが、ゲームアプリにおける「リテンション」とはアプリの「継続率」に関わることですから、もっと本質に迫った表現をした方がいいかも。

「リテンション施策」という表現は間違いではないけど、やや抽象的で具体性に欠ける気がします。

「リテンション施策をやるべし!」「リテンションが重要」と言われても、ちょっと言葉として「ふわっと」聞こえてしまいます。なんか誤魔化されている感じがして、そこから議論が先に進まない感じです。

たとえば、「リテンション」という言葉ではなく、下記のように具体的に表現した方が現場ではダイレクトかつシンプルに伝わります。

 

「離脱ユーザー」をゲームに復帰させるべく「復帰・継続施策」を行う

 

つまり「休眠ユーザー」「リテンション施策」という言葉を聞くと、その意味はなんとなくわかりますが、

「で、何がしたいの?いいたいの?」

という突っ込んだ質問をしなければならず、議論がなかなか進まないのです。なぜなら、これらの言葉が抽象的で、具体性に欠け、ちょっと言葉でごまかされている感を感じるからです。

私でさえ、こんな風に感じるくらいですからゲームの開発部門やその他部門を巻き込んで仕事を進めなければならない中で、こういった「わかりにくさ」は排除しなければなりません。

デキるマーケターになるためには「シンプル」かつ「誰にでもわかりやすい言葉の使い方」をします。

そして物事の本質に迫った議論に注力します。

こちらの記事(スマホアプリ・ゲームの基本KPIを徹底解説)で使っている表を引用しながら説明すると「休眠ユーザー」とは下記における「復帰ユーザー」に相当するものであり、「リテンション施策」とは、下記における「継続率」を維持改善するための施策になります。

これらは、DAUを構成し、売上を作る役割を果たします。ただしポイントは、あくまでも複数ある要素の一つに過ぎないという点です。

上記の図は丸暗記しましょう。この関係性や構造を理解するところから、ゲーム運営、ゲームマーケティングはスタート地点に立てます。

ちなみに、「休眠ユーザー」については、こちらの記事の「復帰ユーザー」のパートでも触れていますので気になる方は合わせて読んでみてください。

というわけで、今回は「リテンション」を構成する中身は、アプリの「継続率」について解説していきたいと思います。

継続率はゲームマーケティングにおける重要KPIのひとつ

DAUを構成する要素は「新規ユーザー」「既存ユーザー」「復帰ユーザー」の3つである

という話は「スマホアプリ・ゲームの基本KPIを徹底解」でも書いていますが、もう少し細かく3つのユーザーの正体について説明すると次のようになります。

「新規ユーザー」はその直後から「既存ユーザー」となり
「既存ユーザー」がゲームを辞めると「離脱ユーザー」となり
「離脱ユーザー」をゲームに戻すと「復帰ユーザー」になります

これすごく本質に踏み込んだ話なのです。

ああああ!!と思ったらマーケティングセンスありますよ

 

つまり、DAUを構成する3種類のユーザー「新規ユーザー」「既存ユーザー」「離脱ユーザー」はもともと同じ1人のユーザーなのです。

それが時間の経過と共に「状態変化」して3種類のユーザーに変化していきます。全部繋がっているし、最初はみんな「新規ユーザー」だったものが変化しただけに過ぎません。

 

上記を理解できると、次のようなことに気がつくと思います。

「既存ユーザー」をゲームから辞めにくくすればDAUは維持できます。
「既存ユーザー」が辞めなくなれば、その結果「離脱ユーザー」がそもそも作られなくなります
「離脱ユーザー」が作られなくなれば、そもそも「復帰ユーザー」を獲得する必要もなくなります

これは極論に聞こえるかもしれませんが、実際のところ書いてある通りなのです。

ここに気づくと重要なことが何か見えてくるはずです。それは

「新規ユーザー」を獲得することが重要なのではなく、その先の「ユーザー変化」をどうやって管理するかが重要なのです。

 

「既存ユーザー」が今後もゲームを続けてくれるのか、

もしかすると離脱して辞めてしまうのか、それを判別するKPI指標として「継続率」が最重要KPIというわけです。

スマホゲームにおいて継続率とは「ユーザーの状態変化」を表す数値なのです

こちらのグラフをご覧ください。トロネコが作成したイメージのグラフ(データはダミー)です。

ゲーム開始後、日数経過にともないどのくらいのユーザーが継続プレイするのか、継続率をイメージしたものになります。

ゲームをプレイ始めた当日を1日目を継続率100%として

7日、30日、60日と経過するたびに継続率は減少していきます。

 

アプリマーケティングに詳しくない人がみると、「アプリの継続率ってこんなに激減するのか!」と驚かれるかもしれませんが、スマホゲームって、ダウンロード無料、基本プレイ無料のゲームアプリですから、誰でもダウンロードして遊ぶことができるため「遊ぶための障壁が極めて低い」商品なのです。

よって、この減衰率はごく一般的とされています。

1日目は100%でも、2日目には継続率は50%になるのも普通で、1日で半分のユーザーが離脱していきます。

(継続率の数値はゲームコンセプト、ゲームシステム、キャラクター版権などによって変動しますので、50%という数値はあくまでも目安として考えておいてください)

辞めさせないゲームマーケティングの作り方【スマホアプリは翌日に半分辞めます】

上記の記事でも解説していましたが

「スマホゲームの場合、新規ユーザーを獲得した瞬間から離脱ユーザーが生まれるのです」

ここに気づけるとさらにマーケティングの深層部に潜り込むことができます。

普通に考えるとインストールした翌日に半分辞めるなんて異常だからです。

なぜ、これほどまで継続率が落ちるのかその理由は新婦つです。

「継続率に影響を与える要因を事前に把握して、事前に対策をとっていないからです」

よって、継続率をいかに維持し、継続率に悪い影響を与えるものを解消するかがDAUを維持し、健全なゲームアプリ運営のために必要となります。

 

継続率に影響を与える10個の変動要因

スマホゲームの平均的な継続率が知りたい!

スマホゲームの良い継続率、悪い継続率の基準が知りたい!

理想の継続率ってどのくらいですか?

といった質問をトロネコはよく受けますが、数多くのゲームアプリを運用しているゲーム会社が自社タイトルの継続率を合算して平均値を求めたところで、

「実際のところあまり価値はありません」

なぜなら、継続率に影響を与える要素にはいろいろな要素が絡んでくるため、条件や特徴、構造が異なる各スマホゲームの継続率実績から平均値を出して、それに優劣をつける事は困難だからです。

ここに気づけないと論理的思考に固まったマーケターや分析担当は過去の実績数値から新作タイトルの継続率の予測値を出そうとしてしまいます。

どういうことかというと

過去の自社タイトルの継続率の平均値から目安を出そうとします。そしてその目安を新規タイトルの目標値に使おうとします。

その作業自体は悪くないんですけど、本質に踏み込んでいないし、建設的でもないんですよね・・・・。

パズルゲームとRPGと戦略シミュレーションゲームと30代、40代が好きなキャラクターゲームでは継続率が違うからです。

さらにはゲーム内容と関係ない広告クリエイティブで獲得したユーザーや、アプリ配信初日に獲得したユーザーと、1年後に獲得したユーザーでも継続率は異なります。

・ゲームの嗜好性による獲得ユーザーの質

・ゲームのプロダクトフェーズにおける獲得ユーザーの質

・ゲームのシステム設計におけるユーザーの継続度

この3つが大きく継続率に影響するので、過去の自社タイトルの継続率の平均値から目安を出しても意味がないのです。

(自社で開発しているタイトルが全く同じゲームエンジンの使い回しタイトルばかりなら比較する価値はありますが・・・)

継続率に影響を与える要素の深堀りは業界的にも、まだまだ発展途上なのですが、今回、最低限、押さえておくべき項目を洗い出しましたので参考にしてください。

「継続率に影響を与える要因は、なんと10個もあります!」

 

今回わかりやすいように次の2つにわけて継続率を解説します。

・ゲーム内容に起因するもの

・ゲーム外の要素に起因するも

さらに、インストールしたユーザーの集客方法によっても、継続率は大きく影響を受けます。

なんか最近流入してきたユーザーの継続率が低いんですよね。やっぱりチュートリアル改修必要っすかね・・・

なんていう議論が現場で出ることもありますが、TVCMやWeb広告による集客方法が継続率を下げている「質の低い」「ゲーム耐性の低い」ユーザーを獲得しているからかもしれません。

そうするとチュートリアル改修だけで、継続率改善ができるかというと怪しいですよね・・・・。

というわけで今回、誰も語らなかった(気づいていなかった)、トロネコが開発もマーケティングも両方やってきたからこそ、わかった継続率に影響する10個の要因をご説明いたします。

KPI継続率に影響を与える10個の要素

ゲームそのものの要素

①ゲームジャンル

ゲームジャンルによっても継続率は大きな違いがあります。

パズルゲームのようにルールもシンプルで、男女年齢問わず広い世代が気軽に遊べるジャンルは初動の継続率は高くなる傾向にあります。

ただし、ゲームジャンルとしてのやり込み要素は落ちますので長期継続率は低くなります。

参考までにゲームジャンルによって次にような継続率の違いがあります。ゲームジャンルとは嗜好性の塊のようなものであり、そのゲームジャンルを好むユーザーがターゲットになりますので、ターゲット属性が自然と決まります。

ゲームジャンルを好むユーザーの属性が継続率に影響するのです。

ゲームジャンル 1day 3day 7day 14day 30day
一般平均 50% 40% 30% 15% 10%
パズル 70% 60% 50% 40% 30%
シミュレーション 40% 30% 20% 15% 10%
RPG 50% 40% 30% 15% 10%

 

下記の記事で詳しく書いていますのでお時間があるときに読んでみてください。

【関連記事】スマホゲームアプリの継続率(リテンション率)の計算方法と獲得ユーザーのDAU積み上げ試算方法

 

②ゲームの面白さ

こちらは説明不要かと思いますが、ゲームそのものが面白く、ハマれる内容であれば自然と継続率は高く、減衰幅も小さくなります。

単純な話ですが、今日も、明日も、明後日も遊びたいと思えるゲームなら継続率は高くなります。よって、ゲームとしての面白さ、楽しさも継続率に影響します。

③タイトルのIP力(シリーズタイトル/有名版権タイトル)

あの家庭用ゲームのスマホアプリ版、あの人気漫画のゲームアプリといった、タイトルそのものが持つ魅力も、ゲームをプレイするモチベーションになります。

よって完全オリジナルタイトルと比べても、シリーズタイトル、有名版権タイトルの継続率の方が高い事が多いので、各社がオリジナルタイトルよりも優先して発売する理由のひとつともいえます。

ゲームシステムに大きな問題があってもIP力を持ったタイトルはゲームをプレイするモチベーション維持ができることが調査ではわかっています。

また事例をあげると、全く同じゲームエンジンがあるとした場合、完全オリジナルのキャラクターを使ったゲームと、国民的有名なキャラクターを使ったゲームでは後者の方が継続率が高くなります。

大好きなIPが使われていることが、そのゲームを遊ぶ理由になるのです

IPって何?という人は下記の記事も参考にしてください

【家庭用/スマホ】ゲーム業界におけるIPとは何か?みんな間違っているかも!?

 

④ゲーム開始後の追加ダウンロード容量

ストアからゲームアプリ本体をダウンロードしたあと、ゲームを起動してから、さらに追加でデータダウンロードが入るケースが多々ありますが、この容量が大きかったり、起動のたびに頻繁にダウンロードが入る場合は継続率が低下する原因になります。

5Gになったら、ここは継続率に影響しなくなるかもしれませんね。でも5Gになったら、そもそもゲームアプリという形態が残るのかも怪しいですが・・・。

【追記】スマホゲームはどんどんリッチになっていますし、この流れは止められないのでダウンロード容量の肥大化は仕方ないことです。ただし1GBをインストールさせなければならないとしても、インストールの負荷の「心理的負担」を軽減する方法があるはずです。

⑤ゲーム設計(チュートリアル/プレイサイクル/プレイモチベーションを刺激するもの)

チュートリアルが長い、退屈だったり、ゲームのプレイサイクルがわかりにくかったり、つまらなかったりすると継続率は低下しますが、

その逆でチュートリアルが短く、わかりやすく、プレイサイクルもテンポ感あり、モチベーションを維持する仕掛けがあったりすると継続率はあがります。

そもそもチュートリアルを実装する目的は「そのゲームの継続率を高めるため」といえるのですが、チュートリアルの存在自体が「継続率を下げている」というケースも散見されます。これは矛盾以外の何者でもありません。

上記のように書きましたが、そもそもチュートリアルっているんですかね・・・チュートリアルがないゲームもありますし、チュートリアルをなくして遊ばせた方が良いゲームアプリのプロダクトフェーズもあるので、ここは深い話になりそうです。

もちろん適切なチュートリアル設計はチュートリアル突破後の継続率を高めます。

ゲーム運用における要素

⑥アプリ動作における重さ(ゲーム起動時/ゲームプレイ時)

追加データのダウンロードが頻繁に発生すると継続率に影響を与えるという話をしましたが、アプリそのものの動作が重くてイライラする状態も、継続率を下げる要因のひとつになります。

「ローディング時間がかかる」

「アプリを起動するたびにダウンロードが必要である」

「ゲーム画面はリッチだけど動作がもっさりしている」

といったユーザーにストレスを与える要素は、毎日遊ぶゲームにおいて継続プレイの障害になります。

⑦ゲーム配信直後のトラブル障害

ゲーム配信直後、楽しみにしていたのにゲームが遊べないようなプログラム障害、サーバー障害が続くと、継続率を下げる原因になります。

遊ぼうと思った瞬間がユーザーにとってはテンションが高まっており一番遊びたい瞬間です。

そのテンションが高まった瞬間に遊べないということは、気持ちが萎えてしまうものです。気持ちが萎えてしまう状態を経験させてしまうことが継続率に影響を与えます。

 

集客における要素

⑧アプリに誘導する集客経路(TVCM/Web広告/事前登録/ランキング経由)

すべてのユーザーは何かしらの情報を得て、そのゲームアプリをストアでダウンロードするわけですが、ダウンロードするきっかけ、背中をおしてくれた集客経路によっても継続率が変動します。

つまり、集客したメディアによって獲得できるユーザーの「質」が継続率に影響を与えます。

たとえば内容も訴求軸も全く異なる次のようなTVCMを2本製作したとしましょう。それぞれを見て入ってきたユーザーの「状態」は異なります。

「あの、なつかしい王道RPG復活」

「いまなら100連ガチャ無料」

同じゲームであっても視聴者が感じる印象は全くことなります。

「あの、なつかしい王道RPG復活」

→これを見た視聴者はかつて遊んだユーザーの心を刺激して、もう一度遊んであの頃の思い出に浸る体験を期待してゲームをインストールするでしょう。

「いまなら100連ガチャ無料」

→いまゲームを始めるとお得。とりあえず100連無料ガチャをまわしてみよう!と思ってゲームをインストールするでしょう。

集客するクリエイティブでユーザーの獲得状態は変化します。

さらに次のような要素でも獲得ユーザーの状態は変化します。

・TVCM(放映する時間帯、クリエイティブでも影響)

・Web広告(掲載する媒体、クリエイティブでも影響)

・事前登録(事前登録の内容にも影響)

・ランキング経由(セールスランキング、無料ランキングでも違いあり)

・クチコミ、SNS経由

流入経路によってユーザーが持っている事前情報やユーザーの感情が異なり明日ので、それによってゲームに対する初期印象や期待値も異なります。このユーザーの状態の違いが初動の継続率に影響を与えます。

下記の記事が非常に参考になると思います。スマホゲームは必ずアプリストア経由でインストールされますので、アプリストアに到達する経由によっても、そのユーザーの「継続率」に影響は与えます。

【最新版】ゲームアプリストアを最適化する方法(ASO)【集客経路と検索意図がポイントです】

 

⑨アプリに誘導する集客方法(インストールするとポイントがもらえる/プレゼントに応募できる)

すべてのユーザーはアプリストア経由でダウンロードするわけですが、ダウンロードをしなければならない理由付けによっても継続率が大きく変動します。

たとえば

「インストールするとポイントがもらえる」

「インストールするとプレゼントに応募できる」

といったゲームの面白さとは全く違う理由でインストールを促進した場合、仕方なくインストールはするけど、そのゲーム自体に魅力を感じてインストールするわけではないので、基本的に継続率は下がります。

見た目上の新規ユーザーの数は稼げますが、ゲームを続けてもらう事は厳しく、プロモーションとしてはあまりおすすめできません。

外的要因

⑩競合ゲームアプリの存在

あなたのゲームアプリと直接競合するアプリが存在するならば、競合アプリの存在自体が継続率に影響を与えます。

わかりやすい例をあげると「同じIPを使ったスマホゲームが複数タイトル配信されているような状態」は明らかな競合になりますし、「ゲームの遊び・楽しさ」や「遊び方のスタイル」などが近いゲームも競合する可能性が高いです。

競合するゲームを研究して

・競合タイトルをプレイする理由

・プレイしながらも不満に思っていること

・ユーザーが辞めた理由

・インストールしたときの期待値と実際にプレイしたときのギャップ

などを分析するることで競合アプリによる継続率の影響を軽減できる策を講じることができます。

余談ですが周年タイミングとかが被っていると時間が取られてしまうので離脱せざるを得なかったりしますよね。

【スマホゲームアプリ】ゲーム周年・配信日カレンダー|イベント・コラボ目白押しスケジュール表

競合アプリによる継続率への影響は

「ゲーム内容」だけでなく、「ゲームを遊ぶタイミング」によっても影響することを理解しておけば事前に打ち手を講じることができます。

継続率を上げる方法

DAUに影響を与え、健全なアプリ運営の基礎を気づく重要KPI「継続率」をなんとしても改善したい!あげたい!と思うのはマーケーターなら誰でも願うところ。

そこで、このパートでは「継続率をあげる方法」について一部をご紹介しましょう。ぜひ、参考にしてみてください。

CBT/OBTによる継続率の改善

CBTとはClosed beta test、OBTはOpen beta testの頭文字をそれぞれとった言葉。CBTは限られた人数でテストプレイをすること、OBTは人数制限を設けず広くテストプレイをすること。いずれもゲーム配信前に行うテストプレイです。それぞれメリットデメリットがありますので、タイトルの状況にあわせて各ゲーム会社は選択しています。

OBTメリット

不特定多数の多くの人に遊んでもらえるため、広い世代、趣味趣向を持った人にプレイしていたき意見をもらえたり、サーバーの負荷テストをしたい場合は有効です。

OBTデメリット

不特定多数にプレイされるため、開発中の未完成のゲームのプレイ映像や口コミがネット上で拡散されやすく、その内容次第では配信前に、ネガティブな印象を残してしまう恐れもあります。

 

CBTメリット

限られた(選ばれた)人にプレイしてもらう事が可能ですので、プレイした結果を漏洩しないなど、参加規約を厳守してもらう事で、開発中の未完成のゲーム映像や口コミがネット上で拡散しないようにコントロールすることも可能です。よってCBTというテストに注力することができます。

CBTデメリット

一定の人数を集めても、参加人数に上限があるため、CBT初日はプレイしてもらえても、CBT期間において継続して一定の参加人数を維持することが難しいという点があげられます。結果として参加人数不足から価値あるCBTにならない場合もあります。

CBT/OBTの実施によって、ゲーム内のプレイサイクルやチュートリアル設計、バグ潰し、参加者が離脱しないダウンロード容量など「①ゲームそのものの要素」「②ゲーム運用における要素」の2点を阻害する原因を突き詰める事ができます。

下記の記事で詳しく解説していますが、CBTやOBTよりも最近はチューニングテストの方が継続率の改善には有効だと思います。

【ゲームアプリ開発】CBT・OBT・チューニングテストの設計方法とメリットとデメリット

気持ちよくインストールさせ、気持ちよく遊んでもらえるプロモーション

ユーザーの状態を維持することは継続率維持につながります。

気持ちよくインストールして、気持ちよく遊んでもらうことを意識するだけでも継続率の低下は軽減できます。

ゲームアプリの魅力を適切に伝えて、期待値があがった状態つくりを意識する

ユーザーを集客するにあたって、期待値をあげて、気持ちよい状態でゲームをインストール&プレイしてもらうための打ち出し方があります。

 

たとえば、Web広告を例にあげると、「ガチャ100回無料」というクリエイティブバナーをきっかけに入ってくるユーザーは、実際にゲームはしますが、

ゲーム本編よりも「ガチャが100回無料でまわせる」という報酬にメリットを第一に感じた上でのインストール&プレイになりますので、ガチャ100回をまわしたら離脱する確率は他の流入経路、手段に比べても高いですし、ガチャ100回まわしても、たいしたキャラが出なかったら、さらに離脱する確率は高くなります。

また、事前登録で10万人獲得したアプリがあるとして、事前登録経由から入ってきたユーザーも、

「10万人がどうやって、どんな気持ちで登録したのか」

「10万人は登録してから、アプリ配信までどのようなコンディション管理されてきたのか」

など様々な要素がプレイもチベーションや期待値に影響しますので、たとえば2つの新作アプリで両方とも事前登録数が10万人だったとしても、そこからの流入数、継続率は違うのです。

ここから逆算すると、

「10万人をどんな気持ちをもって登録させて、アプリ配信までその気持ちを維持させた状態でインストール&プレイしてもらうのか?」

「無料ガチャ100連をまわして、いいキャラが出て、気持ちよくゲームをスタートできるか?」

という発想から、継続率をあげる対策がつくれます。

 

ユーザーの気持ちを無視して機械的に数字を獲得する集客方法はしない

インストールするとポイントがもらえる、プレゼントに応募できる、といったゲーム本編とは関係ないプロモーションはその場限りの数字は作れますので、ゲーム会社内の(見た目の)目標達成のために走ってしまいがちですが、絶対にやるべきではない施策です。

「知ってもらわないと始まらない」「無駄にはならない」だからユーザーの気持ちは一旦置いておくとして機械的に数字を獲得する集客方法にも価値がある

という考え方もわからなくはないですが、獲得しても継続率は低いですし、そこにかけるお金や時間があるならば、本質的な「ゲームアプリ内の改修」や「ゲームアプリの魅力を適切に伝える」ことに使った方がうまくいきます。

 

ログインボーナスや特別報酬(無料ガチャなど)は効果なし!?

継続率をあげる手っ取り早い方法としては、ログインボーナスや、無料ガチャなどもっと豪華な報酬とかあるよね

こんな意見もあるかもしれません。

これは「やや正解」でもありますが、本質的には間違いです。

ログインボーナスや、無料ガチャなどの特別報酬では継続率を改善してDAUを維持することはできません。もしできていると思っている方がいるならば、それは

ログインボーナスの実施期間や、無料ガチャなどの特別報酬を実施している瞬間だけDAUや継続が改善しているに過ぎません。ログボや無料ガチャの期間が終わると元に再びDAU、継続率は低下します。

ログボ実施すると、実際のところDAU、継続率は改善したようなKPI数値が出るし、改善した気になってしまいますが、ログボ、無料ガチャという施策単体だけでは本質的な改善はできないのです。

なぜ本質的な改善がでいないのか、わかりやすい例で説明していきましょう。

例えばログインボーナスは、超不味いケーキの上に建てられたロウソクのようなものとします。

ロウソクについた火を毎日、1本ずつ消していく遊びが何故か楽しくて、あなたは毎日、ケーキの前にやってきては1本ずつロウソクの火を消していきますが、ケーキを食べたくなるかは別問題です。

美味しいケーキなら食べるかもしれないけど、ここのケーキは超不味いケーキ本体(=ゲーム本編)で、かつてあなたは一口食べたこともあり、その時はひどい腹痛に見舞われました。だから、ちょっと食べる気にはなれないのです。

さて、この状態では、せっかくロウソク(=ログインボーナス)というきっかけを作っても、ロウソクの火が全部消えたら、そこで離脱してしまいます。

つまり、ゲームを起動する「モチベーション」につながるログボ(=ロウソクの火を消す遊び)も重要だけど、同時にゲーム本編における課題(=ケーキが超不味い)も解消してあげる事をセットで用意できなければ結果はついてきません。

あくまでも主役はゲーム本編であり、ログボはそこに誘導するゲーム本編とは違う脇役に過ぎないのです。

ログボというもの自体が「効果があるもの」として、あまりにも定番施策化してしまっているため、そこに対する疑問を持つ人が少なく、この分野は理解しているマーケターは殆どいません。

デキるマーケターになるためには、ログボのように「当たり前に存在する機能や施策」についても疑問を持つことが大切です。

 

そういえば、最近、下記の記事でログボについて深く掘り下げてかいていますので、こちらも参考にしてみてください。

【関連記事】ゲームのログインボーナスって本当に必要ですか?【常識を疑うと成長できます】

まとめ

今回の記事では「KPI継続率に影響を与える10個の要素」というテーマで書いてみました。

書き切れていない点も多く、疑問に感じることも多いと思います。ユーザー離脱要因について興味がございましたらメール、またはLINEチャットで気軽に無料相談できる「トロネコのカベウチ」をご利用ください。

少しでも皆さまのお役に立てれば幸いです。

というわけで今回はここまで!