過度なゲームアプリのコラボは自社IPの価値を棄損します【メリット/デメリット比較】

ゲーム業界

こんにちは
マーケティングスペシャリストのトロネコです。

今回はもはやスマホゲームアプリでは切っても切れなくなった
コラボレーション施策についてのお話です。

【目次】
・本来のコラボレーションの意味は?
・コラボレーションによるメリット、デメリット
・コラボレーションに依存しないゲーム開発、運用がおすすめする理由
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本来のコラボレーションの意味は?

「コラボレーション」という言葉の意味をネットで検索すると

「協同作業、活動、合作」

といった意味であることがわかります。

このことからも
本来のゲームにおけるコラボレーションとは

「一緒にに協力することによって」
「単体ではできないサプライズと楽しさを提供する」

と定義することができそうですね。

 

実際のところスマホゲームにおけるコラボが現在ほどに一般化する前、

目の前の売上よりも

「作り手目線でのサプライズ、楽しさ」

が重視されてきました。

 

しかし、スマホアプリの登場後、コラボの意味が変わってきました。

 

なぜなら、コラボレーションをすることで、ゲーム内の売上やDAUといったKPIに影響があることがわかったのです。

 

よって、コラボレーションの実施目的は

「サプライズや楽しさ」から「KPI」に変わりました。

 

結果、ユーザー視点から見ると

コラボレーションに対する「ワクワク感」「価値」は
以前と比べると下がってしまった印象があります。

コラボレーションによるメリット、デメリット

なぜ、ゲーム会社がコラボレーションをやるのでしょうか?
スマホアプリを例に、そのメリット、デメリットを整理してみましょう

コラボのメリット

・DAUがあがる(新規ユーザー、既存ユーザー、離脱ユーザーを活性できる
・その結果、売上あがある

メリットはこの2つです。

 

コラボをする相手にもよりますが

コラボ相手がアニメ、漫画などキャラクター版権なら

内容次第では、アニメ漫画ファンの興味を惹けますし

瞬間的に売上、DAUを改善させることができます。

※コラボ相手がゲームアプリならユーザーの相互送客も期待できます。

 

デメリット

・ユーザーがコラボレーションの刺激に慣れてしまった結果、

コラボがない時のゲーム運営のKPIが下がります。

そして、コラボを重ねるたびにコラボによる効果も下がります。

 

・一度コラボの味を知ってしまうと辞められないし、

やらないと不安になるから、運営側は定期的に何かしら

コラボを続けなければなくなってしまいます。

 

・自社タイトルの存在価値が薄れてしまいます。

コラボばかりやっているゲームは、そのゲームが目的なのではなく

コラボをするための「箱」になって行きます。

 

・結果、自社タイトルの育成、ブランド化ができなくなります

 

メリット、デメリットを列挙してみましたが、これを見てみなさんどう感じましたか?

スマホアプリの多くが短期的な売上、KPIといったメリットを得るために、膨大なデメリットを背負っているわけです。

 

本来、健全なゲームビジネスは、マリオやドラクエが証明しているように

自社IP、ブランドを育てて、何十年にもわたって長期に愛され

利益を生み続けるところにあります。

 

しかし、スマホアプリの場合は、コラボによって自社IP、ブランドの育成を諦めて、目の前の売上を取りに行っているケースが殆どです。

自社ブランド育成を諦めていないスマホアプリもありますが、スマホプリからブランド形成できたタイトルは数える程しかない、または存在しないのかもしれません。

 

毎年、新しいタイトルを次々とヒットさせられれば、

この方法でもゲーム会社は生き延びていけますが、近年、家庭用ゲーム、スマホアプリゲーム、いずれでも新しいヒットタイトルを作り出せない市場環境になってくると、コラボで売上を稼ぐ方法は、その場しのぎのゲーム事業をやっているようなものです。

 

これって、10年後、20年後の自社のゲーム事業を考えると、費用に危うい状況なのですが、多くのゲーム運営、マーケタ―は、コラボレーションによるリスクをあまり真剣に考えていません。

 

とはいえ、リスクをわかっている人でも、売上、KPIといったプレッシャーに日々晒されているわけで、コラボを止められないのも事実です。

 

スマホアプリにおけるコラボレーションとは、一度始めたら、辞められないドーピングのようなものなのです。そして、常習性が高い劇薬でもあります。

 

そんな劇薬であるコラボですが、近年、実施ハードルもあがっています。

 

なぜならコラボ先のアニメ、漫画IPの許諾料は高騰化していますし
コラボ先としてインパクトを残せる相手がほとんど残っていないからです。

よって同じコラボ先と繰り返しコラボをしたり、

半年前には別のゲーム会社とコラボしていたキャラクターが、半年後には別の会社とコラボとしているという、よくわからない状況になってきました。

 

本来のゲームにおけるコラボレーションとは

「一緒にに協力することによって」
「単体ではできないサプライズと楽しさを提供する」

と定義することができそうですね。

冒頭でこんな話をしました。

いま実施しようとしているコラボにサプライズや楽しさはありますか?

そして、それによって失うものを理解していますか?

 

コラボレーションに依存しないゲーム開発、運用がおすすめの理由

いまの売上を稼ぐためにコラボは必要、でもゲーム会社として10年後も生き残っていくための自社コンテンツの育成も必要

両方もゲーム事業を行っていく上では重要です。そうすると

今の売上を稼ぐための「スマホアプリ」

10年、20年後の未来をつくる「家庭用ゲーム」

その両輪で回していくのがゲーム事業としては理想です

 

家庭用ゲームで将来への投資を行い

スマホゲームで投資を回収していく

 

といった役割分担ができれば、

家庭用ゲームからスピンアウトしたスマホゲームがコラボ漬けになっても

あくまでもIPのスピンアウトですから

本編である家庭用ゲームが続いていけばIPの棄損リスクを軽減できます。

IPって何?という人は下記の記事を合わせて読んでみてください。

【家庭用/スマホ】ゲーム業界におけるIPとは何か?みんな間違っているかも!?

こうやって考えると、スマホゲームと家庭用ゲームの戦略的な住み分けができそうな気がしてきませんか?

家庭用ゲーム出身のゲーム会社なら、この方法が取れるので
スマホゲーム出身のゲーム会社と比べると圧倒的なアドバンテージがあります。

 

しかし家庭用ゲームを作っていないスマホゲーム出身のゲーム会社は、このやり方は難しそうですね。

ならば、スマホゲーム出身のゲーム会社はどうすればいいのでしょうか?

 

取れる手段は非常にシンプルです。

・出来る限りコラボに頼らないゲーム開発、ゲーム運営をする

・そのゲームがヒットしたら、速やかに別軸でIPを確立する方法を模索する

たったこれだけです!

自社IPが特定のゲームにIPの拠り所を依存しない状態を早く作るべきです。

 

多くのスマホゲーム会社は、同じスマホゲームアプリの世界で同IPを使ったタイトルを出す事は、カニバルから、売上が減ってしまうと考えがちです。

トロネコRPGが売れたから、トロネコレースをつくると、

トロネコファンがカニバって分散するからトロネコRPGの売上は減るという考え方です。

※カニバル:自社の商品が売れることによって、自社の別の商品の売り上げが減るという共食い現象

 

しかし、コラボに依存せず、未来に目を向けたゲーム事業を目指すならば

カニバルことを恐れてはいけません。

(どうせ、他社のタイトルにユーザー取られるなら自社アプリから取られた方がいいですよね・・・)

 

そうやってIPを確立できれば、コラボ漬けになっても、それは数あるIP展開のひとつですから、IP棄損のリスクはさがるというわけです。

ちょっと話がそれますが

・スマホゲーム本編は終わりがないゲームですが

・スマホゲーム運営は終わりがあるゲームです

・そして、スマホアプリはコラボ漬けにすることで、必ず運営の寿命は縮まります。

そう考えると、何をするべきか

もう答えは出ているハズです。

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